×××はバ主になるようです ~ダイスで生き抜く未来のウマ娘世界~ 作:今峰鏡
【トレーニング 11月】
シュート【1D7:6】
1.スピード(オビカネシューズで効果3倍)
2.スタミナ
3.パワー
4.根性
5.賢さ
6.賢さ
7.白 石 最 強
リヒト スタミナ固定中 絆MAXで効果2倍!
キミノ【1D6:5】
向日葵【1D6:3】
[賢さのトレーニング進行度が1アップ!]
[賢さトレーニングにキミノワルツが同行! トレーニング効果+1!]
[オウショウケイマの獲得指導ポイントが1アップ!]
毎度お馴染みとなったレース前の作戦会議が、この日も
会議後、白石が所用で退室した後も机の上に広げられているのはチャンピオンズカップの資料だ。
中京レース場のダート1800mコースで行われるこのレースは、スタートから向こう正面までひたすら坂を登り続けると、今度は第4コーナー出口まで坂を下ることになる。そして410mの直線に入れば、今度はゴールまで再び上り坂が続く。アップダウンが激しく体力を消耗する上にマイルとしては長いため、それなり以上のスタミナが必要となってくる。
そうした説明をされた後だからか、シュートも手元の冊子を覗き込んで難しい顔をしながら唸っていた。
「う~ん……どうしよう」
「どうしましたか、シュートさん」
「あのね、キミノさんは『きしめん』と『味噌煮込みうどん』どっちが美味しいと思う?」
そう言って持っている冊子の表紙を掲げてキミノへと見せた。
旅行雑誌だった。
「なごやめし特集!」というアオリ文がデカデカと書かれた『うまっぷる名古屋版』だった。
この女、レースのついでに名古屋観光をする気マンマンである。
シュートは菊花賞を観戦しに京都レース場へと行った際もきっちり京都観光をしてきているが、京都料理を食べたいと白石に言った際、京都駅近くにあるラーメン屋に連れて行かれたため、今度こそご当地名物を食べたいと思っていたのだった。
色々とレースに対する決意を新たにしたシュートであったが、それはそれとして緊張感が無いのは相変わらずである。
「う~ん、味噌煮込みうどんは美味しかったんですけど、食べるのが大変でしたね。麺が固くて物理的に重いので箸で掴むのも大変ですし、味噌がハネないように食べるのも大変でした」
そんなシュートの様子に苦笑しながらキミノが答えると、シュートはふむふむと頷いて再び雑誌へと目を落とした。
喫茶店特集のページで『ダブルいちごキャロットアイススパゲッティ』に目を輝かせながら口を開く。
「京都は修学旅行で行った事あったけど、名古屋は初めてだから楽しみだわ! あ、名古屋から岐阜って意外と近いのね……岐阜駅に黄金のオグリキャップ像があるんでしょ? 見てみたい!」
「オグリキャップさんの像があるのは笠松レース場では……あれ? 黄金?」
ウマ娘ファンの方には聖地巡礼やイベントで笠松競馬場に足を運んだ事がある方も居ると思うのでご存知だろうが、笠松には確かにオグリキャップ像があるものの、当然黄金では無い。
黄金なのは信長像である。
そして
閑話休題。
その後も雑誌をめくりめくり、あれこれと楽しそうに話すシュートにキミノが疑問を投げかける。
「先生も仰っていましたが、今回は
自分の現役時代を思い返せば、重賞どころか未勝利戦ですらガチガチに緊張していたように思う。その重賞レースですら、自分より格上のウマ娘が出走していないレースを狙って獲りに行ったものだ。
彼女が秘書になってから白石が担当してきたウマ娘にも、ここまで落ち着いていた者は――結構居たかも知れませんね……エンプレスガビーさんとか。
生涯無敗の砂の女帝を思い浮かべ、しかしそこまで傍若無人なワケではないシュートがここまで緊張していない理由が知りたいと、キミノワルツは改めて思った。
「相手がシニア級のベテランで、これまでにないくらい厳しい戦いになるかもってのは分かってるわ。でも、これまで戦ってきた相手だって強かったもん。ブルーやファイア、シャイたんにミツりんにツキノカガヤキさん……皆すごいウマ娘で――
キミノはハッと息を呑んだ。
必死に目の前の一勝を勝ち取る事に必死だったキミノには無い考えだった。
ある意味、傲慢な強者の意見とも言える。
それでも、ウマ娘レースとは
「『仲間でライバル』ですか……私にもそんな相手がいれば、あそこで引退なんかしなかったのかも知れませんね」
小さくポツリと呟いた言葉はキミの自身にしか聞こえなかった。
そんな彼女の心境を知る由もないシュートは「だからね」と続ける。
「緊張よりも早く走りたいって気持ちのほうが強いわ! それで勝って、トロフィーをママにプレゼントするの! ついでにセンセの目標も達成してあげる」
シュートが得意げな笑みを見せると、キミノも釣られて笑った。
笑んだまま机の上の資料からいくつかを取り上げて言う。
「それでは勝つために、もう一度出走ウマ娘のおさらいと行きましょうか」
「うっ……はぁい」
【イベント 11月】
【1D10:10】
1.向日葵 ◆◇◇
2.シュート ◆◆◇
3.リヒト ◇◇◇
4.キミノ ◆◆◇
5.帯金 ◆◆◇
6.奥さん ◆◇◇
7:ライバル ◇◇◇
8.仲間たち ◇◇◇
9.ママ ◇◇◇
10.白 石 最 強
[イベントダイスで10が出るなんて……う~ん、折角なので温めていたイベントをここで消化しましょう]
会議室でのレース対策のおさらいを終え、ひとつ息を吐いたシュートがふと気になっていた事を零した。
「そう言えば、センセの用事って何だったのかしら」
「さあ、私の知る限り今日の予定は無かったはずですが」
「秘書のキミノさんが知らないって事は急用だったのかな?」
シュートに言われ思い返してみれば、会議の途中で一度スマートフォンを見てからの白石は、表情や口調こそ変わらなかったものの、どこか落ち着きがないようにも見えた。
順当に考えれば、何か彼を動揺させるような知らせがあったと言うことだが……と、キミノが考えていたその時、マナーモードにしていたスマートフォンが震えるのが分かった。隣のシュートのスマートフォンからもLANEの通知音が聞こえたという事は、チームのグループLANEだろうかと画面を覗き込んだ。
| 安定期に入るまでは何があるか分からへんさかい黙っとったが |
| 子供が出来た |
| 今六ヶ月や |
産婦人科で安定期に入ったと診断された事を伝えたら、爆速で帰宅してきた夫が正座をさせられているのを見て、白石仁美は苦笑した。
「アンタなぁ、何の為にアタシが来とる思うとるんや! アンタが仕事行っとる間に仁美ちゃんの面倒見るためやろ!」
「せやけど
「旦那は外で稼いで来るんが仕事やろ! 女の仕事に手ぇ出すんちゃうわ!」
「いや、そりゃ……はい」
しょぼくれる白石の背を文字通り蹴り飛ばしてトレセン学園へと送り返すと、鬼の形相だった義母は一転、満面の笑みで仁美の下へと戻ってきた。
御年60歳の芦毛の老ウマ娘は「よっこいしょ」とリビングの椅子に腰掛けると、対面に座る仁美の手を握る。
「何度でも言うけど、ホンマようやってくれたなぁ。ありがとね」
「そんな、ウチこそありがとうございます。度々こうして世話しに来てくれるんは、ありがたいですわぁ」
「姑が何度も顔出して嫌ちゃうん?」
「そないな事あらしませんよぉ、【ホワイトストーン】さんのご飯、ごっつ美味しいですし」
白石の母――ホワイトストーンは白石の養母で、義理の母である。彼の実の両親は事故で早逝しており、血縁上は叔母に当たる彼女が女手一つで育ててきた経緯があった。
彼女自身もフランスから日本に帰化した名家【フォルティノ】の一族の直系であり、若かりし頃には競走ウマ娘として重賞レースにも勝利している。かの『白い稲妻』【タマモクロス】の妹でもあった。
そう、白石はあのタマモクロスの甥なのである。
‖ちなみに実子(白石の兄弟は?)‖
1.いる【1D4:1】-1(0の場合は1)[1]人
2.いない
【1D2:1】
1.妹
2.弟
3.姉
4.兄
【1D4:1】
‖妹さんはウマ娘だと思いますが……‖
1.一般ウマ娘
2.地方ウマ娘
3.中央ウマ娘
4.障害ウマ娘
5.一般ウマ娘
6.白 石 最 強
【1D6:3】
‖妹さんの年齢と成績‖
年齢:【1D10:7】+20[27歳]
成績:【1D100:46】
[現役時はOPクラスまでは行きましたが重賞勝利はしていないようです]
「ホンマよう出来た嫁や、【アライホワイト】にも見習って欲しいわ」
「ライちゃんもええ子ですよぉ」
アライホワイトは白石の妹で元競走ウマ娘だ。母と違い目立った成績は残せなかったが、今は自衛隊に所属して日本各地を転々としている。フィジカルの強いウマ娘は自衛隊ではエリートなのである。
「ライの事はどうでもええねん。そんで、男の子やっけ、女の子やっけ?」
「もぉ、何度も言うてますやん」
「そんなんなんぼでも聞きたいやん」
「【1D3:1】(1.男の子 2.女の子 3.ウマ娘(!?))[男の子]です」
愛おし気にお腹を撫でる仁美をニコニコと眺めるホワイトストーンだったが、不意に残念そうに眉を下げた。
「仁美ちゃんも安定期に入ったし、アタシもそろそろ大阪に帰らななぁ……ホンマはもっと一緒に
「お仕事もありますよって、仕方ありませんわぁ」
大阪でお好み焼き屋を営むホワイトストーンの店は、黄金期のレジェンドウマ娘やその関係者が集まる店として有名だ。
大晦日のお笑い特番にたこ焼き屋としてタマモクロスが出演する前に、彼女が久しぶりに作るたこ焼きの練習をしたのもホワイトストーンの店だった。
仁美の両親が後進のトレーナーの指導のためフランスへと渡っているため、お好み焼き屋を臨時休業しては、妊娠初期の不安定な時期の彼女を度々支えに来ていたのである。
「母がもうすぐ帰ってきますさかい、心配ありませんよぉ」
「ほな後は
「はい、ありがとうございます」
事あるごとに気を使ってくれる夫に優しく頼りになる姑、実母や親戚も気にかけて支えてくれる。マタニティブルーに罹る暇も無いのはありがたい事だ。
お腹の中にいるこの子はきっと、沢山の人に祝福されて生まれてくるだろう。
それが嬉しくて、仁美は長い間優しげな笑みでお腹を撫でていた。
その後、トレセン学園で陣営の面々に祝福されるに留まらず、同僚や仲の良い先輩トレーナー達に散々飲まされ、へべれけになって帰宅した白石をものすごい剣幕で叱りつけたホワイトストーンの帰郷を見送り、二人揃って床につく。
隣で横になる白石の手をぎゅっと握り、仁美がぽつりと零す。
「ごめんなぁ、シュートちゃんが大変な時期なんに」
「何言うとるんや、むしろ気合が入るっちゅうもんや。お前は何も心配せんでええ」
「うん、ありがとぉ」
酔いが回り早々に寝息を立て始めた夫の寝顔を見つめながら、仁美がほうと息を漏らした。
「シュートちゃんにも感謝せんとあかんなぁ、この人がこない楽しそうなん久しぶりやもん……」
最強と呼ばれるようになってからの白石は、どこか使命感に追われて瞳に暗い物を宿すことが多々あった。
それでも、シュートがいくつかのレースに勝ち、その成長を見守る中で、そういった負の感情が徐々に解消されていったように思う。
今も彼の理想や使命感が無くなった訳では無い。だが、一時期から感じていた狂気のような物は鳴りを潜めていた。
「全部シュートちゃんのおかげや……名前の通り、幸せを運んでくれるウマ娘やったんやね」
暗闇の中、そっと呟いて目を閉じる。
来月のチャンピオンズカップでも、夫を変える手助けをして上げてほしい。
そう願って、眠りについた。
下腹に感じる胎動は、彼女の言葉に同意するようでもあった。
[仁美が妊娠し、安定期に入ったことで白石にも気合が入りました]
[いつも以上の熱心なトレーニングで全能力のトレーニング進行度が1アップ!]
【 R E S U L T 】
スピード □□□□□[C+ → B]
スタミナ ■□□□□[A]
パワー ■■■□□[C+]
根性 □□□□□[D → D+]
賢さ □□□□□[D → D+]
・オウショウケイマ
指導ポイント[1pt]
1.向日葵 ◆◇◇
2.シュート ◆◆◇
3.リヒト ◇◇◇
4.キミノ ◆◆◇
5.帯金 ◆◆◇
6.奥さん ◆◇◇
7:ライバル ◇◇◇
8.仲間たち ◆◇◇
9.ママ ◇◇◇
白石センセが京都料理と言われてラーメン屋に連れて行ったのは、割と本気で京都名物がラーメンだと思っているからです。実は京都はラーメン激戦区なんですよね。
筆者は第◯旭のラーメンが好きです。
さて、そんなセンセもついにパパになりました。
その結果お母さんも登場です。
色々と匂わせていたので気付いていた方もいるかも知れませんが、史実ではタマモクロスと同じシービークロスを父に持つホワイトストーンさんがセンセのママです。
史実で母が同じじゃないと姉妹にならない設定だったと思いますが、この世界ではそういう事もあるという事でひとつ……
次回はチャンピオンズカップです。お楽しみに!
拙作のタイトル変更について
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変更しない方が良い
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タイトルを『最強トレーナーは~』にする
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変更するにしても↑のタイトルは無いわ
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その他(感想に意見下さい)