×××はバ主になるようです ~ダイスで生き抜く未来のウマ娘世界~   作:今峰鏡

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今更ですが、白石先生の関西弁は作者の知り合いの関西人を参考にしたエセ関西弁なので、本場の方は違和感があるかもしれません。ご了承いただけると幸いです。

※追記:トレーニングのリヒトのダイスとリザルトを入れ忘れていたので追加しました。


ジュニア級 7月

【トレーニング 7月】

 

シュート【1D7:6】

 

1.スピード(オビカネシューズで効果2倍)

2.スタミナ

3.パワー

4.根性

5.根性

6.賢さ

7.白 石 最 強

 

リヒト【1D6:1】

キミノ【1D6:4】

 

UUU

 

「夏よ!」

「夏です!」

 

 梅雨が開け、照りつける日差しも激しくなってきた頃、夏バテ気味でぐったりとしている白石のもとに、元気なふたり組が飛び込んできた。

 ハッピーシュートとカズサヒカリである。

 2人は数少ない同じチームの仲間として、また年の差が離れている事から、人見知りのシュートも気負わず接する事ができたというのもあって、先月のトレーニング以来急速に仲良くなっていた。

 

「……だからなんや」

 

 不機嫌そうに白石が問うと、2人は顔を見合わせてから満面の笑みで答える。

 

「決まってるじゃない、ね? ヒカリ」

「はい! トレセン学園の夏といえば『夏合宿』なのです!」

 

 夏合宿と言えば、古くからトレセン学園で行われてきた行事で、GⅠレースの少ない夏の期間に浜辺の合宿施設に一ヶ月ほど泊まり込んで集中的なトレーニングを行うイベントだった。

 そう、『だった』のだ。

 

「あー……残念ながらトレセン学園主催の『夏合宿』はもう無いんすよ」

 

 苦笑いで2人に告げるリヒトの言葉を継いだのは白石だ。

 

「海水浴に適した海辺の合宿所なんぞ、経営難の時にトレセン学園が真っ先に手放しとるわ」

 

 そう、今でこそバ主制度のお陰で持ち直した日本のレース界であるが、一時期は存続を危ぶまれるほどに衰退した事があった。

 その際に経営難に陥ったトレセン学園は各地にある合宿所や保養所等を民間に売り払っていた。

 

「で、でもテレビとかで夏合宿に行くウマ娘にインタビューとかよくやってるじゃない!」

「あれは自主トレや。バ主なんてのは大体が金持ちやからな、プライベートビーチやらプールやらを持っとるから、自分の支援ウマ娘に貸し出しとるだけや」

 

 これもレース業界に詳しくない人がよくする勘違いで、メディアもわざわざトレセン学園の黒歴史を公開しないものだから(当時、レース業界の衰退を煽った負い目も有る)夏の風物詩はいまだに続いていると思われがちだった。

 

 そんな訳で夏合宿への望みを絶たれたシュートであったが、友達も居ないクセに浜辺での青春を夢見ているのか、苦し紛れの抵抗を試みるものの、

 

「じゃ、じゃあ私達もバ主さんに……」

「お前のバ主は俺じゃ」

 

 バッサリと切り捨てられ絶望顔で項垂れた。

 小さな友人の肩に手を置くと、震え声で告げる

 

「終わりよ……ヒカリ、私の分まで楽しんできてね」

「そんな、何とかならないんですか先生ぇ!」

 

 尋常じゃない落ち込み具合にヒカリが白石へと縋り付く。

 潤んだ目で見つめる童女を無下にするほど白石も鬼ではなかった。

 

「安心せえ、海やないが、夏らしいトレーニングは考えとる」

「ほんとに!?」

「やったぁ!」

 

 夏合宿に行くという目的のすり替えに気付かず無邪気に喜ぶ2人へ、白石はニヤリと笑むと告げた。

 

「ちゅーわけで、終わらせよか、夏休みの宿題」

 

UUU

 

 

「私の夏……海……かわいい水着でアピール……」

「はわわ……抜け駆け禁止です……」

 

 うわ言を呟きながら死んだ目で宿題を片付けるシュートとヒカリは何故か水着姿だった。

 しれっと乙女協定を破ろうとしたシュートをヒカリが牽制した形である。

 もっとも、アピールどころか校内を水着で彷徨くその姿は変質者のソレであるが、中には水着タイプの勝負服で走るウマ娘も居るため、そこまで目立っては居ない。大丈夫かこの学校?

 

 2人の監督としてリヒトが宿題の面倒を見ることになったので、図らずともアピールの場となってはいるが、やはり蛍光灯の下で課題に取り組みながらでは効果も半減だろう。現にリヒトは苦笑いで2人を迎えて以来、気にした風も無く分からない所を教えて回っていた。

 

 そんなこんなで数日に渡る勉強合宿で無事夏休みの宿題を終え、トボトボと寮へと帰っていった2人を見送ったリヒトは、白石の元へと報告に来ていた。  

 

「先生、二人とも宿題が終わったっすよ」

 

|ここで判定。カズサヒカリのバ主さんは?|

 

バ主経験【1D100:92】大きいほど長い

財力【1D100:75】大きいほど金持ち

支援バ実績【1D100:44】大きいほど凄い

現在の支援バ【1D10:8】人

 

[バ主制度が始まった最初期からウマ娘を支援している結構なお金持ちのようです。]

[支援バの実績は重賞勝ちウマ娘が少々と言ったところですが、現在もヒカリ含め8人のウマ娘を支援しているみたいです。]

 

 

「ん、了解やリヒト。ほなキミノ、【織田さん】に「今年はウチのウマ娘も頼んます」って連絡したってや」

「はい先生」

 

 シュート達に合わせていつぞやの白ビキニ姿の秘書は、ニコリと微笑むとタブレットのスケジュールアプリを開きながら、スマートフォンで連絡を取り始めた。

 その姿をしっかりと目で追いながら、リヒトは白石を揶揄する。

 

「先生も素直じゃないっすねぇ」

「アホウ、目先の人参に釣られて勉強するようやと身にならんからこうしとるんや。根性トレーニングの一環やな」

「そういう事にしておくっすよ」

「ニヤニヤしとらんと、ヒカリのトレーニングスケジュールでも考えてこんかい!」

 

 トレーニング室に、蝉の声にも負けない白石の怒声が響く。

 夏はまだ、始まったばかりだ。

 

[賢さのトレーニング進行度が1アップ!]

 

 

 【 R E S U L T 】

 

 スピード ■■■□□[C]

 スタミナ □□□□□[C+]

 パワー  ■□□□□[C]

 根性   ■■□□□[E]

 賢さ   ■□□□□[E]

 

 

 

 

【イベント 7月】

【1D6:3】

1.向日葵  ◇◇◇

2.シュート ◇◇◇

3.リヒト  ◆◇◇

4.キミノ  ◆◇◇

5.帯金   ◆◇◇

6.奥さん  ◇◇◇

 

 

UUU

 

「おうリヒト、織田さんの方はなんや仰っとったか?」

 

 キミノワルツが電話でアポイントメントを取った後、支援ウマ娘の担当トレーナーとして直接挨拶に出向いてきたリヒトに、白石が水を向けた。

 

「是非シュートさんを連れてお越しくださいって、歓迎してくれてたっすよ。先生は今、指導依頼を断ってるから、こういう機会でもないと会い辛いみたいっす」

「せやか……行ったらなんや面倒なこと頼まれそうやなぁ」

 

 ボリボリと頭を掻きながら顰め面で呟く白石だが、これでも彼は数年前まで担当するウマ娘を勝たせまくっていた現役最強のトレーナーである。バ主からしてみればどんな大金を積んででも支援バを預けたい相手だ、そこに繋がるパイプならどれだけ細いものであっても維持したいと考えるのが普通だろう。

 

 ヒカリのバ主である織田もこれまで【1D6:5】人のウマ娘を白石に預けてきた。

 その縁もあって、リヒトの卒業試験という名目こそあれ、バ主となった後もヒカリを預かっているのである。

 

|ちなみに、5人の担当ウマ娘の実績は?|

 

※ダイス目が大きいほどすごい。

【5D100:58,16,73,79,24

 

[重賞勝利ウマ娘が2人、オープンウマ娘が1人、1~2勝クラスが2人 という感じですね]

 

 織田の支援ウマ娘の内半分以上をオープンクラスにまで勝ち上がらせ、その内2人に重賞を勝たせた白石への信頼と期待は大きい。

 それ故に白石が頼めば、かの資産家(ヒカリのバ主)は二つ返事であらゆる要求を受けるだろう。

 だからと言って頼りすぎる訳にはいかない。

 こちらが頼るということは、向こうからも頼られるという事だからだ。

 

 そうしたバ主相手のやり取りについても、この弟子には教えなければなるまい。

 考えつつリヒトを見やれば、彼はヒカリのトレーニングスケジュールについて考えているようで、タブレットを片手にああでもないこうでもないと頭を捻っていた。

 

 リヒトは優秀な弟子だ。

 トレーナー試験に受かりさえすればすぐにでも担当ウマ娘を持てる程度には。

 だが、担当を勝たせられるかというと、簡単にはいかないだろう。

 白石が一目置く相マ眼を持つ桐生院ですら、殆ど実績を上げることが出来なかったのだから、未だ未熟なこの弟子では尚更だろう。

 それはウマ娘にとってもバ主にとっても不幸である。

 

「心配ですか? リヒトさんの事」

 

 と、淹れたてのコーヒーをテーブルに置きながら、キミノワルツが耳元で囁いてきた。

 白石は平然とした顔でマグカップを手に取ると、小声で答える。

 

「お前が付いてやってくれるなら、安心して卒業させられるんやがな」

「あらあら、それなら卒業はまだ先ですね」

 

 うふふと笑うキミノを、傾けたマグカップの陰から睨みつける。

 白石は最強のトレーナーだ。ウマ娘の感情の機微を察するのには長けている。だからこそキミノが数年前の憧れを拗らせ続けている事も察していた。

 彼女も未だ23歳とは言え、30歳を超えた既婚者にいつまでも執着していては不健全だろう。

 そう考えるからこそ、すぐ近くにある優良物件を勧めたのだが。

 

「お節介やったか」

「はい先生♪」

 

 にこやかに答えるキミノから目を逸らし、白石はリヒトへと声をかけた。

 

「リヒト、合宿での練習メニューはお前に任すさかい、シュートの分も考えとけよ」

「はぁ!? マジっすか?」

「何事も経験やからな。キミノも手伝ったれや」

「はい先生」

 

 さっきお節介だって言いましたよね? とでも言いたげな微笑みを無視すると、白石はマグカップの中身を飲み干して立ち上がる。

 

「さて、俺はそろそろ帰るわ。帰るんが遅なるとカミさんにドヤされる」

 

 さっとカバンを持ち、2人に見送られつつトレーナー室を後にして白石は考える。

 

(キミノに手伝え言うたときのリヒトの嬉しそうな顔、アイツは気付いとるんやろか……まぁ気付いとるんやろな。ホンマ女は怖いわ)

 

(ま、それよか今はカミさんのが怖いか……)

 

 先日外食する旨を連絡し忘れて夜遅くに帰宅した事でしこたま叱られたばかりなのだ。

 無駄な努力かもしれないが、今週くらいはなるべく早めに帰宅して好感度を稼ぎたい白石なのである。お節介ついでに弟子に仕事を押し付けて帰るくらい許されるだろう。

 

 ウマ娘御用達のケーキ屋は未だ開いているだろうかなどと考えつつ、白石は帰途につくのだった。

 

[リヒトとの絆が深まった!]

[来月のトレーニングには必ずリヒトが同行します]

 

 

 

【 R E S U L T 】

 

1.向日葵  ◇◇◇

2.シュート ◇◇◇

3.リヒト  ◆◆◇

4.キミノ  ◆◇◇

5.帯金   ◆◇◇

6.奥さん  ◇◇◇

 

 

 




白石先生は、ウマ心は分かっても女心は分からないタイプのトレーナーです。
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