無職転生 ~領主になったら本気だす~   作:華氏使うな

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プロローグなので説明気味です。


プロローグ
プロローグ「ターニングポイント」


「ルーデウス」

 

 

ある日のこと。俺はサウロスの爺さんに呼び出されていた。普段のやかましさは何処へ行ったのやら。

神妙な表情をしながら話しかけてくる。

 

「すみません、どういったご用でしょうか?」

 

「実はな……」

 

サウロスの話は、良く分からなかった。

あまり要領を得ていないというか…本人も良く分かってないみたいだ。

なんでも、数年前から紅い何かが空中に浮かんでるらしい。今まではどうにも出来ないので放置していたが、俺のファイアーボールの話をエリスから聞いて、なんとか出来るかも、と考えたようだ。

 

「ワシは、どうにもあれが恐ろしい物に思えてならんのだ。そこでだ、ルーデウス。魔法か何かであれを打ち落とすことは出来んのか?」

 

 

ふむ。

出来るか出来ないかで言えば、多分当てることは出来る。

 

問題があるとすれば、当たったところで壊すことが出来るのか。更に悪く考えるなら、それがトリガーとなって何かしら悪いことが起こるかもしれないことだろう。

例えば、あれがなんかの封印だったとか。

 

「当てることは出来ると思いますが…大丈夫なのでしょうか?」

 

「分からぬ。だが、壊さないで何かが起こる可能性よりも、壊して何かが起こる可能性の方が低いだろう。元々、無かったのだからな。古い物とは考えにくい」

 

 

まあ、一理ある。

でもなぁ…なんだか、軽率な気がする。

 

「分かりました。ですが、先に少し調べたりしても宜しいでしょうか。何か手がかりがあるかも知れないので」

 

「そんなことはもうワシもやっとるわ。……まあ、結論はなるべく早めに頼むぞ」

 

 

---

 

 

 

結局、あれについて何かが分かることは無かった。

似たような事例ですら、だ。逆にそれが不気味さを際立たせる。

 

ハッキリ言って、俺は壊すべきではないと思う。

似たような事例がないと言うことは、あれが特別な物だという証拠だろうからだ。

 

例えば、あれが何らかの封印だったとすれば、まんま同じでは無いにしても似たような形にはなるだろう。形には意味がある。

自動車にはミニバンがあったり、リムジンがあったり、はたまた消防車なんて物もあって、見た目は千差万別でも、見れば自動車と分かるし、車輪もエンジンも付いてない物は自動車とは言わない。

それと一緒だ。

 

あれは、オンリーワンの存在なのだ。

うーん、我ながら説明が下手くそ。

 

 

とかなんとか考えてみたが、実はあまり意味はない。

一番偉いのはサウロスの爺さんだからな。

やれと言われたら、やるしかないわけで。

 

まあ、一応言っては見るけど…

 

 

---

 

うん、無駄でした!

 

「ここら辺の上か…?」

 

数日後、俺は凄く長い棒を持ちながらウロウロしていた。目測で、ある程度の位置を測るためだ。

端から見たら凄く間抜けに見えるだろう。

 

因みに、エリスはお留守番だ。危ないかも知れないからな。

 

 

おおよその位置に見当を付ける。

 

(よし、ここら辺だな)

 

手に魔力を集めてファイアーボールを打つ。爆発したら叶わないので、サッと事前に用意してた堀に隠れた。

 

炎が打ち上がって行く。お、直撃した。

 

その直後、紅い何かにピシッっと筋が入って、割れてしまった。空中で破片が飛び散るが、途中で消えてしまう。

 

 

偉く拍子抜けだ。

なんもなきゃ良いんだがね。

 

 

そんなことを考えていたが、1日、一週間、一年と時間が経って…

俺の十歳式が終わってから二ヶ月もする頃には、すっかり忘れてしまっていた。

 

 

---

 

 

俺が11歳になる直前。エリスからアプローチを仕掛けられた。

 

「ごめんなさい、ルーデウスの気持ちも考えられなくて…」

 

と、ちょっとバツの悪そうな顔で、かつ恥ずかしそうに言われた。昨日は全然普通そうだったのに、突然すぎてちょっと状況が飲み込めない。

俺も日頃から落ちねえかなぁ、とか冗談で考えてたからこそ、全くそういうムードは無かったと思う。

 

「ど、どうしたんですか、急に」

 

普段ならガっついてただろうし、今でもガっつきたいけど、俺は却って冷静になっていた。

 

俺にはシルフィだっている。決められないからこそ、鈍感系を志していた筈だ……!

 

すると、エリスは恥ずかしそうに髪の毛を握って…

 

「い…嫌か、にゃん?」

 

 

 

 

---

 

 

素晴らしい夜だった。

HAHAHA。童貞諸君、おはよう。

いやぁ、君たちにも教えてあげようじゃないか、あの快感を。

わざわざ風呂に入ってきたのか、普段と違って女の子らしい香りがしてて…

 

 

「ルーデウス、、その、おはよう」

 

 

まだ小さいながらに、でも柔らかさが感じられるソレを堪能するんだ。

すると、可愛らしい顔を真っ赤にさせて…デュフ……

 

 

「あら、あらあらあら…今日から貴方も本当に息子なのね!」

 

 

いや、ここから先は言えないなぁ(笑)

事前知識無しで君たちにも初めてを味わって欲しいだけなんだ、ホントだよ?

 

「ルーデウス!!!なんだ、その締まりのない顔は!シャキッとせんか!!!」

 

 

ん?何、どうした?

自慢するなって?ちょっと良く聞こえないなぁ、ハッハッハ。

ごめんなさいね、ちょっと俺、昨日の感触を思い出すのに忙しくて、外野になんか言われててもちょっと分からないんだ。

 

 

「あ、明日からノトス家の当主だから。宜しく」

 

 

はいはい、聞こえない聞こえない(笑)

なに、ノトスがなんだって?

明日から当主?はいはい、なるほどねなるほどね…

 

 

え?

 

 

…当主?

 

 

 

……………え?

 

 

---

 

 

私たち……入れ替わってる?!

朝起きたらピレモンとかいう赤毛の怪物を彷彿とさせる奴と(立場が)入れ替わってました。

ちょっと良く分からないですね。私も分かりません。

 

俺、昨日何したっけ?

朝起きて、授業して、剣教えられて、中央から来たとかいう貴族数人に挨拶して、エリス抱いて…

やったことと言えばこの位だ。全くもって可笑しな点がない。

 

思い出せ……思い出せ………

記憶を深く掘り下げるんだ。

 

夜遊びしてるロキシー、依存するシルフィ、だらしのない顔のパウロ、ボコボコにしてくるエリス、優しいエリスって…いや、遡りすぎだよ!

 

(あっ、いや、遡りすぎじゃねえ!十歳式でなんか言われてた!)

 

なんだっけか、フィリップが言ってたんだ。エリスを抱けばどうのこうのって…

え、あれってエリスに婿入りしたらボレアス家継げるもねって位のフワッとした話じゃないの?ノトスどっから出てきたの?

 

 

 

「え……え………?」

 

「おや、どうしたんだい?」

 

(どうしたもこうしたもあるかよ!)

 

「あの…え…どういう、、、」

 

 

「ああ、どうしてそんなに早く動けたのかってことかい?それなら簡単だよ。ピレモンは第二王女派だからね。アスラ王国の主要な派閥は第一王子派だ。首をすげ替えるって言ったら、快諾されたよ。

でも、私はジェイムスに追われた立場。ボレアスが第一王子派だと言っても私までは信用出来ないらしい。自棄になって第二王女派に付くために、第一王子派を騙して当主の交代を画策した話に乗らせて、その後に証拠つきで告発されると立場がないからって、どれだけ本気なのか確かめさせて欲しいって言われたんだ。つまり、私じゃなくボレアス家自体との繋がりをハッキリさせろってことだね。だから、数人の確認するための信用が置けると思われてる貴族を連れてきて、夜に確認させたんだ。ついさっき、王都から知らせが届いたよ。失脚させたって。ピレモンも後ろ暗いことは沢山あったし、領民からも嫌われてこそ居ないけど好かれてもおらず、家臣からの求心力があったタイプでもなかったからね。

今までは失脚させても後釜に据える奴が第二王女派じゃ意味がないからって放置されてたけど、ルーデウスが明確にボレアス派だって分かれば話は別さ。

薮蛇になりかねないと分かってても、全力でつつきに行くのが貴族って物なのさ。それに、父上がエリスのことを大事にしてるのは有名な話だ。そのせいで手が付けられないって話とセットでね。だから、父上に話を通さなくても勝手に相手がフィットア領主の意思だと勘違いしてくれるって寸法さ。私はノトスの後ろ楯が得られてハッピー。エリスは甲斐性ある夫が手に入ってハッピー。君は可愛い嫁さんと、上級貴族の地位が手に入れられてハッピー。素晴らしいだろう?

って訳で、前々から準備してたから出来たんだね。エリスに関しては簡単さ。ちょっとばかし、女に捨てられる男の気持ちを教えてあげれば、ね?

そういうことだ。安心してほしい。ノウハウは教えるよ。勿論」

 

 

なんかメッチャ長文で言われた。

つまりどういうこと?貴族のおじさんたちにセッ◯ス覗かれてたの?

てかあんなに唐突だったのはフィリップがけしかけたからなの?

え、てか貴族って…俺が?

 

 

「いや、無理無理無理無理!!無理です!」

 

 

「もう遅いよ。それに、前々から言ってただろう?」

 

 

(言われてねえよ!)

 

 

「ま、そういうことだから。とは言えどもまだ君も子供。重祚も可能だから、一旦パウロに家督を譲っても良いかも知れないね。」

 

 

バタン!とドアが閉じられてフィリップは出ていってしまった。

嘘だろ………?

 

 

---パウロ視点---

 

 

手紙含めて12歳まで接触を禁じてた息子から手紙が届いた。アイツは上手くやっているって話だったが、どうしたと言うのだろうか。

 

「ゼニス、リーリャ!ルーデウスから手紙だ!」

 

「本当!」

 

ゼニスとリーリャがニコニコしながら歩いてくる。ノルンとアイシャが居るとしても、やっぱり、息子との接触が出来なくて色々と溜まってるらしい。全員で覗き込むのも面倒なので、声に出して読む。

 

「えー、なになに…?」

 

『背景、パウロ様。

貴族の女に手を出すな、という父様の忠告が今、身に染みております。

お嬢様を抱いたら何故かノトス家の当主になってしまいました。

でも貴族とか無理です。なので父様に全て任せます。後は頼みました。詳しい説明はロアでします。

 

~親愛なる息子、ルーデウスより、ノトス家当主パウロ=ノトス=グレイラットへ愛を込めて~

 

ps.ついでに、婚約者が出来たこともここに書き加えます。』

 

 

「舐めんな」

 

 

もしかすると、息子はバカなのかも知れない。

あの時は笑っていたが、我が身に降りかかるとは……

昔言ったセリフを思い出しながら、固まってる嫁二人を尻目に俺はそう思ったのだった。




フィリップの意図は捏造ですが、一応、原作の九章八十四話を元にしています。
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