ヒーローに憧れていた話 作:緋色
ことの始まりは中国・軽慶市から発信された「発光する赤児」が生まれたというニュース。以後各地で「超常」が発見され、原因も判然としないまま時は流れる―。
世界総人口の八割が何らかの特異体質である超人社会となった現在。生まれ持った超常的な力“個性”を悪用する犯罪者・
これはそんな世界の片隅であったかもしれない物語である。
僕はヒーローになりたかった。
理由はもちろんカッコいいから!
個性を使って悪いやつを倒してみんなにカッコいいと言われる!
皆の憧れだし、それに
『強盗殺人で指名手配されていた
「ヒィ?何見てるの?」
「あ!
「恥ずかしいからあんまり見ないで欲しいなあ…」
「やだ!」
「やだって…」
僕のお母さんはヒーローだからだ。
ヒーロー「レディ・ナガン」
右腕を銃に変えて
「僕も早く大人になってお母さんよりカッコいいヒーローとして活躍するんだ!」
「はいはい。ならいっぱい食べて早く大きくなりな。ほら左手戻して。ご飯食べちゃいな」
「はーい」
左腕を銃に変え的を撃つ。
動かない的や急に止まったり戻ったりする的を狙って撃って撃って撃つ。
動かない的なら当たるけど動く的に当てるのは本当に難しい。
お母さんの許可がないと使えない施設だけど前よりも撃つのがうまくなったと思う。
お母さんに比べたらまだまだだけど。それでも個性を使って色々するのは楽しい。
「ねえヒィ」
「なに?」
「ヒーローなら他にもいっぱいいるし他のヒーローに憧れたりしないの?オールマイトとか…」
個性訓練の休憩中、お母さんはふと思い出したかのように聞いてきた。
だけど僕の答えは決まってる。
「お母さんが一番カッコいい!」
「そう?」
「うん!」
「そっか…。じゃあ頑張らないとな」
『速報です!話題のヒーロー「レディ・ナガン」がヒーロー殺害の現行犯で逮捕されました。現在詳しい経緯について――』
―どうして?
「……お母さん?」
言い忘れてたけどこれは僕が真実を追う話だ。
第一話「憧れのヒーロー」