地球には界境防衛機関ボーダーのトリオン技術を狙う組織が存在していた。
ここ、中東のとある軍事基地もそんな組織の一つだった。
そう、一つだったのだ。
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司馬達也は燃える軍事基地のとある一室で拳銃を突きつけていた。
達也に拳銃を突きつけられているのは軍服を着た恰幅のいい男。
この軍事施設のトップである男は座り心地の良さそうな椅子に座り両手を上げている。
『助けてくれ! 娘がいるんだ!』
男はアラビア語で叫んでいるが達也には何を言っているのか分からなかった。
それもそのはず、達也は日本語と英語しか日常会話以上に話せないからだ。
拳銃を持つ達也の周りには血を流す軍人の死体がたくさん転がっている。
それが余計に恐怖を掻き立てるのだろう。軍服を着た男は必死に助けを求め叫んでいる。
だから達也は男の叫びに答えてあげた。
「なぜ俺がこの基地を破壊するのか、それはあなたが知る必要はないことだ」
日本語で話す達也と男の会話は全く成立していない。
最後に達也はアラビア語で「さよなら」と言った。
日本からここへ来るまでに、アラビア語の挨拶だけは勉強してきたのだ。
バアンッ!
達也は黒い拳銃の引き金を引いた。
二〇分後、軍事施設からボーダーに役立つ情報を収集し終わった達也は、軍事施設を爆発。
今日も達也の血濡れた手によって、三門市の平和を守るボーダーの機密が守られた。
†
司馬達也は転生者だ。
だが、前世の記憶は曖昧だ。
ただ転生したのだという根拠のない自覚があるだけの一般人に過ぎなかった。
しかし四年前、三門市に住んでいた司馬達也の家族は近界民、ネイバーの大規模侵攻に巻き込まれた。
母は瓦礫の中から死体となって見つかり、父はブラックトリガーとなり、妹は行方不明となった。
大規模侵攻前の司馬達也を知る人によると、今の彼は四年前とは別人みたいだそうだ。
大規模侵攻から二年近く経った頃、今世の家族を人並みに愛していた達也は、復讐に燃えるような顔つきでボーダーに入隊していた。
妹の行方を探そうと学校へも行かず、三門市内、ボーダー内といろいろな場所で情報収集もしていたらしい。
しかし、大規模侵攻から三年が経過した一年前、司馬達也は妹の捜索をパッタリとやめた。
防衛任務の時の復讐に燃えた顔も鳴りを潜めた。
ただ、無表情で作業のように近界民を倒すだけだった。
これはボーダーでも最重要機密の一つなのだが、司馬達也は一年前に記憶封印措置を受けた記録があった。
どんな記憶を消したかは上層部や一部のA級、S級隊員しか知らない。
達也自身も記憶封印措置を受けたことを忘れている。
しかし、司馬達也の性格が変わったことと何一つ関係がないとは言い切れないだろう。
適当に書いた。これからも適当に書く、