仮想九龍物語   作:南瓜でぃ

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とおいむかし ちきゅうには
ニンゲンと ヨウカイという
2つのしゅぞくが くらしていました

ところが あるひ
ニンゲンと ヨウカイの あいだで
せんそうが おきました

そして ながいながい
せんそうのすえ ニンゲンたちは
たたかいに かち・・・

ヨウカイたちは まじないのちからで
ちかに ふういんされました

それから さらに
ながい ねんげつが ながれ・・・






Prologue
 0


魔窟九龍

  ████

 

 大小様々な物という物が乱雑に散らばったテーブルに、1台のパソコン(パーソナルコンピューター。ガワは旧型)が置かれている。

 古臭いブラウン管のモニターが淡く点滅し、不規則に辺りを照らしていた。

 その画面にはゲームの窓が開いている。左上にはタイトルが書いてあった。

 『地下物語』と。

 

 ジリリリリリリリッ!!

 

 *おっと。今日は早いな。

 

 部屋の主──南瓜を被った気怠げに動く()()──は、遊んでいるゲームをセーブして窓を閉じた。

 *ゲームは一旦休憩、と。

 鳴り響く警報機を止めて、身支度を始める。

 ゴム手袋、血濡れの白衣(フード付き)、厚手の長靴、後は幾つかの仕事道具に、そして小さめの傘。

 一通り用意して外へ出ると、天井に無数の配線が束ね、連なり、垂れ下がっている。そんな狭っ苦しい廊下に出る。

 下水を煮詰めた臭いが鼻を突き、汚水が空から滴り落ちる。それらを傘で受けながら通路を抜けた先には広場があり、これまた饐えた肥溜めの臭いが漂う山が聳え立っていた。

 上を見やると、微かに明かりが差している。だが、すぐに暗くなり──何かが山の天辺に落ち、そのまま広場下まで転がり落ちてきた。

 人間の──それも、子供の死体だ。

 *最近多いなぁ。何か事件の隠蔽とかでもしてるんかな。

 山頂から転がり落ちた人を横目に見つつ、躊躇いなく死体の山を登り始めた。

 大小、老若男女様々な死体が、文字通り山の様に積み上がっている。下に行く程古く、腐敗し、原形を留めず、その更に下の液体はそれらが液状化したものだった。

 よく、崩れないな、と思う日もあった。

 *でも、落ちてくるのが子供の死体ばっかりなのはちょっと。

  地上は相も変わらず地獄みたいだ。

 *さて、死体漁り死体漁り、と。

  手頃で新鮮な死体だと使いやすいから嬉しいな、っと…。

 辿り着くなり、愚痴を溢しつつ大きめの死体を漁る。死体ごと漁る。腕、脚、胴、頭。使えそうなものを見繕っては、後で調整しやすい様に大雑把に解体していく。

 そして死後そんなに経っていない(はずの)新鮮な内臓を、と、死体の山から一人分を引っ張り出そうとした。

 それが細い腕だったから──ああ、これは子供の腕か──と手放そうとした。が、何故か妙に生暖かい。生暖かいし、一定のテンポで脈が動いている。()()()()()のだ。

 急いで引っ張り出すと、傷だらけの子供が死体の山からするりと抜け出てきた。その子の頭がゆっくりと動き出し、ふと此方を見るや否や。

 か細い声で、鳴いた。

 

 *(ワン)

 と。

 

 *…わあ。“生”だ。




それは
「落ちた者は二度と戻れない」
と言われる
曰く付きの穴でした

人々はそこに
塵を
屑を
そして人間をも棄て

いつまでも埋まらない穴を
不気味に思いながらも
有難く使うのでした






仮 想 九 龍 物 語(かそうきゅうりゅうものがたり)





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