(ん…ここは?)
「気がつきましたか」
そう言って俺の目の前に現れたのは金髪の美女、背中には白い翼が生えている。いかにも天使といった風貌。周りを見渡してみても彼女と俺以外はいないようだ。
それにしても……俺は死んだ筈…まさか
「そうです、テンプレ、というものです。はい。私は心が読めます。」
(できればこっちが実際に口にしたことだけに反応してくれねぇかな…)
「わかりました。」
美女ではあるんだろうが、無表情で喋り方も全く感情がこもってないせいか、あまり魅力は感じない。
(あ、本当に天使ならタメ口で喋ったのは失礼だったか?いや、心読めるんならタメ口もクソもないか。)
「……………」
「あー…、テンプレっていうので大体予想はつくんだが、具体的にどういうことなのか教えてくれないか?」
「はい。まず初めに、あなたが予想した通り、あなたには転生する権利があります。
拒否権もありますが、それを使った人間は今まで転生の権利を与えられた人間の内、0.5パーセント程です。」
「その理由は?」
「人間の思考を我々は完全に理解することは出来ませんが、神々や他の天使が考察するところによれば、人間の言う”あの世”、”死後の世界”といったものが存在しないから、らしいです。」
「あの世が存在しないなら、死んだらどうなる?それ以前に、この空間は何なんだ?」
「この空間に正式な名称はありませんが、無と有の狭間、と表現するのが、あなたの理解に最適でしょう。
無と有の狭間は転生を行うために作られました。死後の世界は存在せず、無へ還ります。」
死後の世界がないことには少し驚いたが、まあ転生できるのならどうでもいいことだろう。
未だに喋り方に違和感を感じなくもないが、そこは人間と天使の価値観の違い、と思うことにする。というか、無へ還ることを選らんだ奴が0.5%もいるのか…現実に疲れたからか?
「続けてよろしいですか?」
「あ、どうぞ。」
「あなたが今考えている通り、神々には転生を行う上で目的があります。しかし、それはあなたの想像している程、邪悪なものではありません。」
(こいつ今さらっと心読んだな…その理由は?)
「…娯楽目的です。そして、面白くなりそう、または、つまらないからという理由で神々が干渉することはありません。
転生した世界であなたの思うがまま、自由に振る舞って結構です。」
「(また心読んだ…)転生する時に願いを叶えるみたいなことはあるのか?」
「……はい。神々がチートではないと判断したもの、また、叶えるべきでないと判断した願い以外であれば、基本的に三つまで叶えることができます。」
「神々は干渉しないんじゃなかったのか?願いを制限してるが。」
「願いを制限することが干渉というのであれば、私の言ったことは間違っていますね。申し訳ありません。」
「…あー、もしかして、聞かれたことにしか、答えないのか?」
「そうですね。」
俺知ってる!これ面倒臭いやつだ!
「聞かれたことにしか答えないのは、神々に命令されたことか?」
「はい。」
「めっちゃ干渉してるじゃん神々!」
「聞かれたことにしか答えないよう命令されたことが干渉というのであれば、私の言ったことは間違っていますね。申し訳ありません。」
こ、こいつ…
「…はぁ…そうだな、どういう世界に転生するんだ?」
「答えてもよろしいですか?」
「は?」