プロローグ
その者、二つの性質を持つ
表の性質は全てを照らす太陽のような光。
しかし、相反する裏の性質は全てを飲み込まんとする闇。
一人の中に二人の人間。その人物は世界の救世主になれれば、破壊者にもなれる。
その者いつしか選択を迫られる
己の信条を、己の生き方を、己の運命を
魂に問い、委ねる
何が起こっているのだろうか?何故自分はこんなところにいるのだろうか?何故こんな疑問を感じているのだろうか。
この俺、雨宮一樹は狂っていると自覚している。いや、別に毎回こんな哲学的な問答をしているわけでは……いや、している時はしている。たが場所とか場合とかはキチンと分けている。まあ確かに幽霊はいるのかどうかとか、いるとしてその幽霊とは何故現世に留まるだとかくだらないことを考えたりはするが
…いや、話が逸れたな。元の話に戻ろう
別に通り魔事件を起こしただとか、クラスメートを殺しただとか、いつも独り言をつぶやいているだとかそんな事はしていない。いたって普通に過ごしてきた。
いや、普通という言葉には語弊があるかもしれない。自分は少し普通の人とは違う人生を歩んできた。とにかく別に犯罪者として名を上げただとかそんな事実はない。
身長は至って平均。顔もどちらかと言うと平均だし、これといって自慢出来ることも無い
今日だって普通に学校に通ってつまらない授業を受けて帰ってゲームして寝る予定だった。
…自分は何を言っているのだろうか?己を振り返るなんて自分の身に覚えの無い殺意を向けられたりしない限りしないことだ。
いや、あるいは混乱しているのかもしれない。
周りの景色は白一体で
目の前に神を名乗る人の形をした何かがいて
自分は死んだと言われ
今から異世界に飛ばすなどと言われ
混乱するなと言う方が無理だ。
君達は神の存在を信じるだろうか?俺は信じているには信じている。ただ、それは人間が作り出した偶像では無いと思う。
目の前の存在は自らを(向こうの言葉には神、という概念は無いようなので、こちらで言う神のような存在だと言った)神と名乗ってもイマイチ納得がいかない
「ふむ?どうしたのじゃ?」
そんな漫画とかでは老人にありがちな、けれども現実には聞いたことのない語尾を付けて話しかけてくる。
俺、どうしちまったんだ…?
ついに、頭が狂ってしまったのか?
……いや、最初から狂っているじゃないか。これ以上狂いようが無い。
ひとまず冷静になろう。今日俺は何をしていた…?
俺は今日起こったことを冷静に振り返る。それは確か朝のことだった…
……じつはルビがちゃんと振られているか心配