バトルスピリッツ GranWars   作:草薙蒼士

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お久しぶりです、草薙蒼士です。
前回の投稿から1ヶ月+30日くらい経ちました。実質2ヶ月ですね(しかも今って年末…)。
それでは、第2話始まります!


第2話 太陽vs月乃

昨日、生まれ育った街に戻ってきた絢星(あやせ)太陽(たいよう)は、幼馴染である機央(はたなか)月乃(つきの)と再会。懐かしのカードショップに乗り込んできた不良チーム・ブルーファングとカードバトルを繰り広げ、見事撃破したのだった。

 

 

___カードショップ・ポラリス。

先程バトルステージでの初陣も兼ねてブルーファングの青石を倒した絢星太陽は店内のバトルスペースに戻っていた。

 

「いや〜、それにしても楽しかったなぁ。バトルステージでのバトル!広いバトルフィールドに動くスピリット!挙げ句の果てにライフダメージのあの衝撃!」

 

「ふふっ。よかった、太陽くんが気に入ってくれて」

 

その向かいの席に座るのは、幼馴染・機央月乃。太陽の反応を見て笑みを浮かべている。

 

「気に入ったも何も!テレビで観た時より凄かった…。本当に俺、あのステージで戦ったんだな…」

 

感動に浸っているのも束の間、太陽は気持ちを切り替え、月乃に問いかけた。

 

「なあ、月乃。あのブルーファングって奴らは何なんだ?俺、"ヘリオポリス"とか"捨河士狼"とか全然わかんねーんだけど」

 

「あっ、そうだね。太陽くんにもちゃんと説明しておかないと。もしかしたら今後、他人事じゃなくなる可能性もあるし…、」

 

そういうと、月乃は説明し始めたのだった_。

 

 

「_この街にはね、バトルスピリッツで頂天を争う2つの勢力が存在するの。

一方は、カードバトラー"天道(てんどう)結飛輝(ゆひてる)"に集められた12人の実力者達が集うチーム"十二神(じゅうにしん)"。今はこれが、この街で最強の勢力とされてる。

もう一方は、カードバトラー"獅堂(しどう)煌介(こうすけ)"が結成した、少数精鋭チーム"ヘリオポリス"。十二神の最大のライバルチームで、十二神と共に街を二分する大勢力としてカードバトラーの間で知れ渡ってる。

そのヘリオポリスに所属するカードバトラーの1人が青のデッキ使い、"捨河(すがわ)士狼(しろう)"。多くの大会で結果を残してきた彼に憧れた不良バトラー達は、いつしか彼の舎弟となって一つのチームを組んだ。それが捨河士狼の私設チームにして、ヘリオポリス唯一の末端チーム、荒くれ者揃いのブルーファングってわけ」

 

 

「十二神にヘリオポリス…。しばらくいないうちにこの街、なんか凄いことになってるな…。ところでブルーファングって前からああいうことしてるって言ってたけど、流石にこの店で悪さするんなら店長が黙ってないだろ?でも店長さっき手出ししなかったな」

 

「…実はね、前にも同じことがあって、その時は店長が対応したんだよ。向こうが全然聞く耳を持たないから、バトスピであいつらを倒してお店を出禁にしたことがあるの。でも…」

 

「でも?」

 

「…それから少しして、店に捨河士狼が乗り込んできた。舎弟の仇討ちをするために」

 

「!」

 

「もちろん店長はバトルしたよ。でも、負けちゃったの。それで捨河士狼がブルーファングの出禁を帳消しにするように持ちかけたの」

 

「そんな…!?」

 

「それでも流石にお店や他のお客さんに迷惑をかけるような連中を入れるのは店長も嫌で…。なんとか捨河士狼を説得して、出禁の期間を縮めるっていう結論に至った。多分出禁の期間が終わって、また調子付いてるんだと思う…」

 

「とんだ迷惑集団だな…」

 

「十二神もこれを問題視してる。でも、もしチームで行動を起こそうものならヘリオポリス側も動いて、結果的に勢力争いが激化して周りに迷惑をかけることになるから下手に動けないんだよ」

 

「………月乃、やけに詳しくない?」

 

「へっ!?」

 

「いやなんか、十二神側の事情ってやつ?にも詳しいし、知り合いでもいるのか?」

 

「そ、そんなんじゃないよ!うん!気のせい気のせい!それより、私とバトルするんじゃなかったっけ?さっきはブルーファングの邪魔が入っちゃったけど」

 

汗をかき露骨に慌てる月乃を太陽はじーっと訝しげに見つめるが、有耶無耶になりかけていたバトルのことを思い出しハッとした。

 

「そういやそうだったな。デッキの内容はバレたが、全部のカードを見られたわけじゃない。やろうぜ、月乃!」

 

「せっかくだからバトルステージでやろっか。創界神を使うのが太陽くんだけじゃないってこと、教えてあげる!」

 

「! よっしゃ来い!」

 

太陽は笑みを浮かべながら席を立ち、バトルステージへと向かった。

 

「「ゲートオープン、界放!!」」

 

 

第1ターン side.太陽

 

「スタートステップ!ドローステップ!メインステップ!『煌星竜スター・ブレイドラ』をLv1で召喚、さらに『創界神アポローン』を配置!」

 

太陽のフィールドにルビーのビジョンが出現し、その中から青白い体色の小竜と太陽の背後に創界神アポローンが現れる。

 

「アポローンの【神託】を発揮!」

 

太陽のデッキから『ゴッドシーカー・アルファレジオン』『ドラグ・パルサー』『ガンマレイ・バースト・ドラゴン』の3枚がトラッシュに置かれる。その中にアポローンに力を与える星竜のカードは2枚あった。

 

「よし、対象カードが2枚!」

 

太陽がガッツポーズを取る。アポローンにコアが追加され、太陽神のオーラが濃さを増す。

 

「ターンエンドだ。来い、月乃!」

 

ライフ5

手札3

リザーブs+1

デッキ32

トラッシュ1

フィールド:煌星竜スター・ブレイドラ(Lv1(1)、創界神アポローン(Lv1(2)

 

 

第2ターン side.月乃

 

「メインステップ!太陽に見せてあげる、私の創界神!司るは蒼白の月。純潔を誓う獣たちの守護者!創界神ネクサス『創界神アルテミス』を配置!」

 

月乃のフィールドに陣が展開され、眩い銀色の光を放つ。その中から闇夜に映える銀髪、狩人のような装いに身を包み、胸に銀のクリスタルを輝かせ、身の丈程はある弓を構えた女性が姿を現す。その勇ましさをも感じさせる美貌はまさに女神であった。

 

「これが私の創界神ネクサス、アルテミス!どうかな、太陽くん?」

 

「めっっっちゃ美人」

 

月乃からの問いかけに太陽はアルテミスを見てありのままの感想を述べた。月乃は「あはははっ」と笑う。当のアルテミスは太陽を一瞥してぷいっとそっぽを向いたが、太陽の背後に立っていたアポローンが「よう!」と手を振ったのを見て、明るい笑顔を見せてそれに応えるように手を振り返した。

 

「へ?何?こいつら知り合い?」

 

「あれ?太陽くん知らないの?アルテミスとアポローンって兄妹なんだよ」

 

「………マジ?」

 

太陽は目を丸くしながらアポローンとアルテミスに視線を何度も往復させた。

 

「…まあ、どっちもこんだけ顔が良いなら美男美女兄妹ってことでいいのか…?」

 

太陽はこれ以上考えることをやめた。

 

「続けるよ!配置した時、アルテミスの神託を発揮!同名カードが無いからデッキの上3枚をトラッシュへ!」

 

今度は月乃のデッキから『コマンド・コリー』『ボウガンナー・イーグル』『アルテミスの大樹神殿』の3枚がトラッシュに送られる。

 

「アルテミスにコアを1つ追加!」

 

「コア1個か。外したな、月乃!」

 

「なんの、まだまだいくよ!『ダーク・ガドファント(RV)』をLv2で召喚!」

 

月乃のフィールドに、黒い身体に紫の亀裂模様が走る機械仕掛けの象型スピリットが現れた。

 

「ダーク・ガドファントの召喚時効果!相手のBP7000以下のスピリット1体を手札に戻すよ!狙うはスター・ブレイドラ!」

 

ダーク・ガドファントが長い鼻から弾幕を撒き、スター・ブレイドラはダイヤモンドのシンボルに封じられて太陽の手札へと戻されてしまった。

 

「さらに私のフィールドに神シンボルがあることで【連鎖(ラッシュ)】発動!アルテミスにコアを2つ追加だよ!」

 

ダーク・ガドファントがアルテミスに向き直り、彼女を奉るように鼻を高く上げた。アルテミスはそれに笑顔で頷き、オーラが濃さを増す。

 

「俺のスピリットを戻した上にコアを増やすなんてな…!」

 

「まだまだ行くよ!アタックステップ、ダーク・ガドファントでアタック!」

 

月乃がスピリットカードをタップすると、ダーク・ガドファントは走り出した。

 

「ライフで受ける!」

 

ダーク・ガドファントが太陽の前に展開されたコアに体当たりを決め、破壊された衝撃が太陽に襲いかかる。

 

「うおッ!」

 

太陽:ライフ5→4

 

「これでターンエンド!」

 

ライフ5

手札3

リザーブ

デッキ32

トラッシュ3

フィールド:ダーク・ガドファント(RV)(Lv2(s+1)、創界神アルテミス(Lv1(3)

 

 

第3ターン side.太陽

 

ライフ4

手札4→5

リザーブs+4→5

デッキ32→31

フィールド:創界神アポローン(Lv1(2)

 

「よっし、準備は整ってきた…!再びスター・ブレイドラと、『ゴッドシーカー・アルファレジオン』をLv1で召喚!」

 

先程ガドファントによって戻されたブレイドラに続き、銀鱗のドラゴン・アルファレジオンがバトルフィールドに現れる。さらにアルファレジオンの召喚によってアポローンにコアが追加された。

 

「アルファレジオンの召喚時効果!デッキから3枚オープンし、その中の『創界神アポローン』1枚と系統:界渡/化神を持つ赤のスピリットカードを手札に加える!」

 

オープンされたのは『アポローンの龍星神殿』『レイニードル(RV)』『リミテッドバリア』であった。残念ながら回収対象に該当するものはなかった。カードゲームであれば、こんなケースも発生する。

 

「該当カードは無し、だね」

 

「ああ。だが、『アポローンの龍星神殿』は赤の効果でデッキからオープンされた時、手札に加えられる!そのまま龍星神殿をLv2で配置!」

 

太陽の背後、アポローンが立つ地点の上空に龍の翼に似た対の大樹が聳える緑の大陸が出現した。

 

「アタックステップ!スター・ブレイドラ、頼むぜ!」

 

太陽がカードをタップし、スター・ブレイドラが月乃へと突撃していく。

 

「ライフで受ける!」

 

月乃がそう告げると彼女の前にもコアシールドが展開され、向かってきたスター・ブレイドラの体当たりで破壊された。

 

「くっ!」

 

月乃:ライフ5→4

 

「龍星神殿Lv2の効果!相手のライフが減った時、デッキから1枚ドロー!続けてアルファレジオン、頼む!」

 

スター・ブレイドラに続き、アルファレジオンが翼を広げ、月乃目掛けて飛翔する。

 

「これもライフで受ける!」

 

アルファレジオンの爪が月乃のコアシールドを砕く。

 

月乃:ライフ4→3

 

「龍星神殿の効果で1ドロー!ターンエンドだ!」

 

ライフ4

手札6

リザーブs

デッキ28

トラッシュ2

フィールド:煌星竜スター・ブレイドラ(Lv1(1)、ゴッドシーカー・アルファレジオン(Lv1(1)、創界神アポローン(Lv1(3)、アポローンの龍星神殿(Lv2(1)

 

 

第4ターン side.月乃

 

ライフ3

手札3→4

リザーブ5→6

デッキ32→31

フィールド:ダーク・ガドファント(RV)(Lv2(s+1)、創界神アルテミス(Lv1(3)

 

「メインステップ。ネクサス『凍れる火山』をLv2で配置、『コマンド・コリー』をLv1で召喚!」

 

バトルフィールドに氷山と見紛う程の氷漬けの火山が展開される。山を覆う冷気は、まるでフィールド全体を凍結させかねない程の冷たさを太陽に感じさせる。さらに月乃は鋼の装甲を纏う猟犬を呼び出す。

 

「アルテミスの神託発揮!さらにコマンド・コリーの召喚時効果、デッキの上から3枚をオープンし、その中のコスト5以下の機獣のスピリット1枚をコストを支払わずに召喚できる!」

 

コリーが天に吠えると『ゴッドシーカー・ネガズボック』『アルテミスの大樹神殿』『巨砲機獣カリュドーン・ボアー』がデッキからオープンされた。

 

「『ゴッドシーカー・ネガズボック』をLv1で召喚!さらに白の効果でオープンされた『アルテミスの大樹神殿』を手札に加える!」

 

コリーの隣にダイヤモンドが出現し、鉄の山羊「ゴッドシーカー・ネガズボック」が召喚された。その姿を見るなりアルファレジオンが唸りだす。太陽はその様に首を傾げた。

 

「アルテミスにコアを追加!さらにネガズボックの召喚時効果、デッキの上から6枚をオープンして、系統「界渡」か「化神」を持つ白のスピリットカードを手札に加える!」

 

「6枚…!?………ああ、なるほどな」

 

太陽は何かを察して再びアルファレジオンに目を向ける。予想通り、自分の前に立つ銀鱗の竜は山羊を見て悔しそうな瞳をしていた。回収できる条件が類似していても、オープンするカードが3枚と6枚では後の展開がかなり変わってくる。

そんな太陽とアルファレジオンをよそに、月乃のデッキから『アルテミックシールド』『ボウガンナーイーグル』『月天神獣ファナテック・エルク』『ボウガンナーイーグル』『コマンド・コリー』『ポラーナイト・ガルム』がオープンされる。

 

「よっし!ファナテック・エルクを回収!さらに『アルテミックシールド』は白の効果でオープンされた時、手札に加えるよ!」

 

(カード名からして防御系のマジックと…キーカードか何かか…?)

 

手札に加えられたカードに警戒する太陽に対し、月乃はアタックステップを宣言した。

 

「ガドファントでアタック!」

 

ガドファントが再び太陽目掛けて突進する。

 

「ライフで受ける! ぐあっ!」

 

太陽:ライフ4→3

 

「ネガズボックもお願い!」

 

先のガドファントとは違い、軽快ながらも勢いよくネガズボックが太陽に迫る。

 

「これもライフ!」

 

ネガズボックが鋭い角を突き上げてコアシールドを破壊した。

 

太陽:ライフ3→2

 

「コリーも続けっ!」

 

月乃側の最後のスピリット『コマンド・コリー』が戦場を駆け出す。

 

「ライフで受けるッ!」

 

その返答を聞いたコマンド・コリーは容赦無くコアを噛み砕いた。

 

太陽:ライフ2→1

 

「良かったの?このターンの攻撃全部受けて。もう残りライフは一つだよ?」

 

「お前こそ、返しのアタックを防ぐ準備はできてるのかよ?」

 

不敵に笑う太陽に、月乃は同じく笑みを浮かべて「ターンエンド」と返した。

 

ライフ3

手札6

リザーブ

デッキ27

トラッシュ3

フィールド:ダーク・ガドファント(RV)(Lv2(s+1)、コマンド・コリー(Lv1(1)、ゴッドシーカー・ネガズボック(Lv1(1)、創界神アルテミス(Lv2(6)、凍れる火山(Lv2(1)

 

 

第5ターン side.太陽

 

ライフ1

手札6→7

リザーブs+5→6

デッキ28→27

フィールド:煌星竜スター・ブレイドラ(Lv1(1)、ゴッドシーカー・アルファレジオン(Lv1(1)、創界神アポローン(Lv1(3)、アポローンの龍星神殿(Lv2(1)

 

「メインステップ!燃え盛れ太陽の龍!流星の如く天を駆けろ!『太陽神星龍アポロヴルム』、Lv2で召喚ッ!!」

「っ!召喚!?」

 

太陽側のフィールドにブレイドラやアルファレジオンよりも一際大きいルビーが出現。それが弾けたと同時に炎が溢れ、それが渦を成し激しい火柱が上がる。火柱が止むとその地点の真上から眩く輝く太陽が降り、その内側から太陽を引き裂くようにアポロヴルムが姿を現した。

 

「来たね、アポロヴルム…!」

 

「アポロヴルム召喚により、アポローンにコアを追加!龍星神殿Lv2の効果でアポローンのLv2コストを1つ減らす。よってアポローンのLvは2にアップだ!」

 

上空の龍星神殿からアポローンに光が降り注ぎ、アポローンのオーラが濃さを増した。

 

「さらにアポロヴルム召喚により、手札の『ファルスクロス・ドラゴン』をコスト3としてLv1で召喚!」

 

アポロヴルムに続いて青石戦でも活躍したファルスクロス・ドラゴンが姿を見せる。

 

「アタックステップ!アポロヴルム、行けッ!」

 

アポロヴルムが翼を広げ飛び立つ。真紅の躯体に映える青く光る眼は、真っ直ぐ月乃を捉えていた。

 

「凍れる火山Lv2の効果、相手のスピリットがアタックした時ネガズボックを回復する!」

 

疲れから伏せていたネガズボックが立ち上がり、アポロヴルムを睨みつける。

 

「アタック時効果、アポロヴルムの【界放:2】を発揮する!トラッシュのコア2個をアポロヴルムに置くことで回復!さらにLv3にアップ!」

 

「ここで回復させるってことはこのターンで決めようとしてるってことだよね」

 

「まあ、そうなるな。お前がさっき回収したマジックに止められなければの話だけど」

 

「…やっぱり、鋭い太陽くんは察しがついてるよね」

 

そう言うと月乃は、3枚ある手札から1枚のカードを抜き取って太陽に向けて突き出した。

 

「フラッシュタイミング!マジック『アルテミックシールド』を使用!このバトルが終わった時、アタックステップを強制終了する!」

 

「なっ!?」

 

防御マジックであることを察してはいたが、まさか「アタックステップを終了させる」効果だとは思わず、太陽は驚きの声をあげた。アポロヴルムが月乃側のバトルフィールドに侵入した直後、月乃のフィールドとスピリット達を守るように青緑色のバリアが展開される。それは、現在実行されているアポロヴルムのアタックが終われば、このターンそれ以上太陽が月乃を攻めることができないことを表していた。

 

「だったらブロックはさせない!こっちもフラッシュタイミング、アポローンの【神技(グランスキル):2】を発揮!BP6000以下のネガズボックを破壊することで、俺はデッキから1枚ドローする!」

 

背後に立つアポローンがネガズボックを狙い矢を構え、放った。剛弓を扱うアポローンが放った矢は目で追うことも不可能なほどの速度でフィールドを駆け、ネガズボックに命中。その勢いでネガズボックをフィールドの壁へと叩きつけ爆散させた。一部始終を見せられたアルテミスは目に涙を浮かべながら兄神に講義するようなアクションを取り、アポローンは困り果てた顔で頭を掻いた。

 

「これはどっちかと言うと俺のせいだな!それはともかくネガズボック破壊により1ドロー!」

 

「なら凍れる火山の効果発揮!相手の効果で手札が増えた時、増えたカード1枚につき1枚破棄してもらうよ!」

 

「くっ!」

 

太陽の手札から『太陽皇ヘリオスフィア・ドラゴン』がトラッシュへ送られる。

 

「さらにネガズボックの破壊時効果発揮!デッキの上から6枚オープン!」

 

ネガズボックの効果により、デッキから『ダーク・ガドファント(RV)』『ポラーナイト・ガルム』『スプレッド・トータス』『凍れる火山』『ゴッドシーカー・ネガズボック』『巨砲機獣カリュドーン・ボアー』が公開される。

 

「その中から『スプレッド・トータス』を回収!

さらにフラッシュタイミング!アルテミスの【神技:3】発揮!アルテミスのコア3個をボイドに置くことでこのバトルの間、私のライフは減らない!」

 

「ッ!?」

 

アポロヴルムが月乃目掛けて突っ込むが、直前にアルテミスがバリアを張ったことで、太陽神星龍の衝突は惜しくも止められることとなった。

 

「ライフを…削れなかった…!ターンエンド…」

 

太陽は悔しがりながらもターン終了を宣言するしかなかった。

 

ライフ1

手札5

リザーブ

デッキ26

トラッシュ1

フィールド:太陽神星龍アポロヴルム(Lv3(5)、ファルスクロス・ドラゴン(Lv1(s)、煌星竜スター・ブレイドラ(Lv1(1)、ゴッドシーカー・アルファレジオン(Lv1(1)、創界神アポローン(Lv2(4)、アポローンの龍星神殿(Lv2(1)

 

 

第6ターン side.月乃

 

ライフ3

手札5→6

リザーブ6→7

デッキ26→25

フィールド:ダーク・ガドファント(RV)(Lv2(s+1)、コマンド・コリー(Lv1(1)、創界神アルテミス(Lv1(3)、凍れる火山(Lv1(0)

 

「メインステップ。じゃあ私も太陽くんに見せてあげる、私のキースピリット!」

 

(来るか…!)

 

太陽は身に力を入れ身構えた。

 

「闇夜を照らす純潔の白き月光!月天神獣ファナテック・エルク、Lv1で召喚!」

 

アポロヴルム召喚の際と同等の大きさのダイヤモンドがフィールドに出現し、それが弾けると、眩い光の柱が出現した。その上空にいつの間にか現れた月が輝きを放ち、そこから透き通るようなクリスタル状の角にヘラジカにも似た美しいフォルムの機獣が地上に降り立った。

 

「こいつが月乃のキースピリット…!」

 

「アルテミスに神託でコアを追加。さらにファナテック・エルクの召喚時効果、【界放:1】発揮!アルテミスのコアをファナテック・エルクに移動することで、スター・ブレイドラ、ファルスクロス・ドラゴン、そしてアルファレジオンをデッキの下の代わりにデッキの上に戻す!」

 

「何ッ!?」

 

瞬間、アルテミスの掌から白く輝くコアがファナテック・エルクへと移され、ファナテック・エルクの周囲に浮遊する大弓から複数の矢が天高く撃ち上げられた。そして矢群は太陽のフィールドへと降り注ぎ、3体の星竜達をダイヤモンドのシンボルに封じ、デッキの上へと送り返した。

 

「アタックステップ、ファナテック・エルクでアタック!」

 

ファナテック・エルクが太陽を見据え戦場を駆ける。アポロヴルムが迎撃せんと構えを取る、が…、

 

「ファナテック・エルクのLv2、3アタック時効果!アポロヴルムをデッキの下に戻す!」

 

ファナテック・エルクの大弓が今度はアポロヴルムを射抜き、またしてもダイヤモンドの中に封じてデッキの下へと送り返した。

 

「アポロヴルムッ!」

 

「太陽くんを守るスピリットはもういない。これでトドメだよ!」

 

角を振り上げてファナテック・エルクが迫る。

 

「フラッシュタイミング、『リミテッドバリア』!このターン、コスト4以上のスピリットのアタックでは俺のライフは減らない!」

 

「っ!防御マジック…!」

 

ファナテック・エルクの攻撃は、直前に太陽の前に展開された白い障壁に阻まれることとなった。しかし、月乃のフィールドではコリーとガドファントの2体の機獣が太陽を睨みつけている。

 

「ダーク・ガドファントでアタック。コスト2のガドファントなら、リミテッドバリアの効果の対象にはならないよ。さらにガドファントは【重装甲:赤】で赤属性のスピリット、ブレイヴ、マジック、ネクサスの効果は受けない!」

 

月乃がカードをタップした直後、ダーク・ガドファントが走り出す。後ろにいるアルテミスは得意顔で仁王立ちをしていた。

 

「アポローンの神技も無意味ってことか…」

 

それを聞いたアポローンは静かに弓を下ろす。太陽もその時点で無意味とわかるプレイングをするつもりはなかった。向かってくる象の機獣を見て、ただ一言宣言した。

 

「ライフで受ける!」

 

太陽:1→0

 

 

「白の創界神、強過ぎる…」

 

「太陽くん初の創界神戦は私の勝ちだね!」

 

ステージでのバトルを終え、太陽と月乃は店を出て帰路についていた。空は夕日で赤く染まっており、家に帰る人々も多かった。

 

「まさか1体のスピリットに全滅させられるとは思わねえよ」

 

「それが今のバトスピだよ。次からは気をつけておくことだね!」

 

「見てろよ、次は絶対俺が勝つから」

 

「楽しみにしてるよ。でもね、太陽くん_、」

 

月乃は太陽の前に回り込むと、前のめりになって囁いた。

 

「この街にいる創界神使いは私や太陽くんだけじゃないし、私より強い人がたくさんいるよ?私だけに構ってないで、他の人にも勝てるようにならなきゃね」

 

「!」

 

「さっ、帰ろ!」

 

「………っ、よし!」

 

月乃の言葉に少し考えていた太陽だったが、すぐに何かを決意した表情に変わり、走る月乃の跡を追いかけた。

 

 

 

 

 

「ちなみにだけど、創界神使いってあと何人いるんだ?」

 

「私が知ってるだけでもあと17人くらいかな?」

 

「いや多いわッッッ!!」




ここまで読んでくださり、有難うございます。
なんか前回より素人感丸出しのプレイングになった気がする…。
ストーリー面も拙いんですね。描写とか字面とか。この辺は(他の偉大な創作者様方の作品を参考にしながら)話数を重ねて改善していくつもりです。
因みに今回のバトル進行ですが、太陽と月乃、最終的な勝敗に関しては全く考えてません。双方そこそこに理想プレイさせて流れに身を任せていました。結果、主人公の負け!ヒロインの勝ち!やったぜ!←

さて、次回は第3話ですが、草薙と交流のある方々ならばご存知であろうキャラが早くも登場します!楽しみにお待ちください!
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