ガールズバンドのお陰で毎日が凄い件(仮)   作:zennoo

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それでは、本編どうぞ!


アイドルのイヴたんは俺を養いたい

夜、山吹家にて……

 

「なあ紗綾……」

 

「ん?ダーリンどうしたの?まさか赤ちゃん帰りしたくなったの?も~早とちりなんだから~」

 

「いやしたくねえよ。もう前やったVRゴーグルで間に合ってるんで。」

 

「え?じゃあどうしたの?」

 

「なんで俺が紗綾っちにいるんだ…?そもそもなんでこんな夜中に俺んちに突撃して俺をここまで引きずり回したんだよ……。」

 

「え?明日休みだからいいじゃん。」

 

「そんな笑顔で言わんでくださいよ姉貴……。」

 

「姉貴じゃなくてハニーでしょ?」

 

「いやあのね……」

 

 

そうこの人、夜9時に俺んちに押し掛けては俺を担いで山吹家まで運んだのである。俺を担ぐその馬鹿力はいったいどこから湧いてくるのか、はたまた普段のバンド練習の賜物なのか分からんが……。

 

一応家に着いてからここまでに一旦お風呂に入らせてもらった。それについては山吹家に感謝なのだが問題はお風呂に入ってる途中なぜか紗綾まで一緒に入ってきた。なぜか。一応タオル巻いてたし入浴剤のお陰で大切なところまでは見えてなかったから良いのだがなぜ俺の周りのガールズバンドの大半は風呂に一緒に入りたがるのだろう。紗綾と風呂に入るのこれで二回目だぞ!?紗綾の柔らかボディが俺の腕にちょこちょこ当たるし半球が2つ形を変えて俺の手に当たってたしお尻は柔らかかったし……。もうヤバイよいろんな意味で!

 

風呂から出た後はリビングでまったりとバラエティ番組を見ていた。紗綾の気遣いでジュースを出してくれるあたり紗綾の嫁力に心底驚かされる。そして今に至る訳だ。

 

 

「そういえばこの後だっけ?イヴが出るの。」

 

「そうそう!イヴ、どんなこと話すんだろうね。はっ!もしかしたら宋気との結婚宣言を堂々とする気じゃ……。」

 

「いやいや考えすぎだろ……。第一アイドルが男の存在ちらつかせるなんてそんな大胆なことするか?そんなことしたら………いや、パスパレならやりかねない……。どうしよう紗綾!!このままじゃ俺メディアとか週刊誌に追いかけ回される未来が……」

 

「宋気落ち着いて!まだイヴと結婚するって決まった訳じゃないんだよ!?それにイヴが宋気のこと狙ってるかも分からないんだし……。ほ、ほら!この前のパスパレとの対バンの時だって宋気を車イスに縛り付けたのイヴだったでしょ!?」

 

「そ、そそそそうだよな……俺の考えすぎだよな……。は、ハハハ……。HA☆HA☆HA☆HA☆HA☆HA☆HA☆HA☆HA☆HA☆HA☆HA」

 

「どうしよう宋気が壊れちゃった!ほ、ほら番組がはじまるよ!」

 

 

 

司会「どうも~!今週もこの時間がやって参りました~!今日のゲストは…こちらの方です!」

 

 

司会に呼ばれてイヴが登場するなり観客からの歓声が止まらない。さすが人気アイドル。いつものアイドル衣装ではなく清楚なコーデで登場したイヴに俺も紗綾も目を引かれてしまう。 

 

 

司会「さてイヴさん、本日は色々と、NG無しで聞いていきますが良いですか!?」

 

イヴ「はい!こちらこそよろしくお願いいたします!ブシドー!」

 

 

「ねえ宋気、イヴって「ブシドー!」が口癖じゃん?」

 

「ん?ああそうだな…。それがどうかしたのか?」

 

「あれってただイヴが武士が好きだからなのかな?」

 

「え?ええと……その辺りもちゃんと聞いてくれるのかな…?」

 

 

司会「えーとまず最初の質問…イヴさんの口癖「ブシドー!」はどうやって生まれたんですか!?」

 

 

「この司会者いちいちうるさいな……。俺あんまり好きじゃないわ……。」

 

 

※ちなみに作者は大のバラエティ嫌いです。

 

 

「ねえ今すっごいどうでもいい情報が流れた気がする……。」

 

「え?き、気のせいじゃないの……?」

 

 

イヴ「はい!事務所からやれって言われました!」

 

 

「想像以上に夢の無い答えが帰ってきた!?」

 

 

司会「………」

 

会場「………」

 

イヴ「……?」

 

 

「ねえ…イヴ、自分が何を言ったかまるで分かってないよ。」

 

「ま、まあなんと言うか………イヴらしいと言えばイヴらしいが……。」

 

 

多分こんな空気が後25分くらい流れるのだろうと思うと地獄でしかないだろう。イヴ、事務所って名前は出しちゃダメでよぉ………。

 

 

司会「さあ次の質問です!これはこれは……なんとも……」

 

 

「は?おい司会、お前何を……」

 

 

司会「イヴさんには今好きな人がいるのでしょうか!?」

 

 

「え?それ聞いちゃう!?」

 

「ダーリン大丈夫なはずだよ!きっとイヴだってアイドルだからそう言うところは分かってるはず……」

 

 

イヴ「え!?えーと……い、いないです!//」

 

 

「良かったぁ~……。俺に白羽の矢が立つところだった……。」

 

「え?でもイヴの顔なんか赤くない?」

 

「じゃあ実際はいるってことか?……まあ誰かいてもおかしくはないか……。」

 

 

司会「それじゃあ最後の質問です!将来の夢はありますか!?」

 

イヴ「はい!私の夫の神城宋気さんを養うことです!」

 

 

「ブフォォォォォォォォォッッ!!」

 

「ちょっ、ダーリン大丈夫!?」

 

 

イヴの突然の爆弾発言に飲んでたジュースを全て吹いてしまった。……えーと?俺に聞き間違いがなければ「俺を養う」って聞こえたんですが……?っていうかそれを地上波のゴールデンで言っちゃうの?

 

 

司会「」

 

観客「」 

 

イヴ「?」 

 

 

「あちゃー……イヴ、自分が何を言ったかまるで分かってないよ。」

 

「マジで言ってんのかイヴ……。もー週刊誌に追い回されるの確定じゃん……。ただでさえ俺はよく女子に追いかけ回されるのにそこに週刊誌も付いてくるのかよ……。オワタ……。っていうかイヴの方こそ大丈夫かよこれ……。」

 

「そんなに気負わなくていいんじゃない?イヴなら週刊誌をはね除けられるよ!芸能人パワーで!」

 

「結構フワッとしてるね!?」

 

「宋気の方もそんな心配しなくていいよ!いざとなったら私が宋気を守るから!」

 

「……グスン。さーやー!!!」

 

「よーしよしいい子いい子!」

 

 

沙綾の名前を叫びながら俺は沙綾の胸へとダイブする。もうこの行動は最初こそ恥ずかしさと情けなさでできなかったが慣れた今では最高の癒しとなった。沙綾の持つ海より深い母性と柔らかい胸に包まれるこの感覚が俺を全ての不安から解き放ってくれる。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

三日後、学校の教室にて……

 

 

「宋気さん!今日から私が養わせていただきます!よろしくお願いいたします!」

 

「待って待って待って!?」

 

「え?どうかしたのですか?」

 

「君がそんなこと言っちゃダメなの!」

 

「……よく分かりませんが……。」

 

「なんで分からねえんだよ!?」

 

「日本では古来から武士がおなごを養うと聞きました!つまり私が養うのは宋気さんしかいないということなんです!」

 

 

多分イヴは大きな誤解をしている。多分じゃないな。マジもんの誤解をしている。イヴの心は武士そのものだが俺はおなごじゃねえ。

 

 

「あの……そもそもね。なんでそんなに俺のこと養いたいのよ。なんでこんなことを地上波のゴールデンで言っちゃうの。」

 

「愛している人を養うのが武士の役目!なのであの場を借りて宣言させてもらいました!他の女には負けていられません!」

 

「…………」

 

 

イヴの脳内が武士の二文字で乗っ取られてるからなのか言葉一つ一つの重さが違う。さすがは北欧でブシドーを叩き込まれた女。目付きはほんわかしてるがその奥には「養いたい」の文字が透けて見える。

 

 

「ということで宋気さん!結婚しましょう!今ここで!」

 

「うわああああ婚姻届けだアアアア!久しぶりに見たわそれ!」

 

「今すぐに愛を誓い合いましょう!まずは誓いのキスです!チューー」

 

「ま、待てよイヴ!ここ教室なんだよ!他の男子生徒も見てるから……。な、今じゃないだろ!」

 

「ふざけんなよ!」

 

「ほ、ほら他の人たちも俺にぶちギレてるし……」

 

「宋気は俺らのアイドルなんだよ!宋気に手を出したらタダじゃおかねえぞ!」

 

「そっち!?」

 

「違います!宋気さんは私が養うんです!」

 

「それだと俺ヒモ男っていう情けない人になっちゃうんだよイヴ……。」

 

「それでいいじゃないですか!」

 

「良くないんだって!」

 

 

全然話が通じませんどうしよう。イヴの決意が固すぎて説得しようにも説得できない。さすがは武士。一度愛を捧げると誓った相手は死んでも離さないらしい。ふえぇ……。イヴがイケメンに見えてきたよぉぉ……。俺女になっちゃうよぉぉ……。

 

 

「なんで宋気さんはそんなに結婚を拒むんですか!私と結婚したくないんですか!?」

 

「いやあのね?あなた現役のアイドルなんだよ?アイドルがそんな簡単に結婚しますなんて言っちゃ……」

 

「事務所は認めてます!」

 

「……え?」

 

「事務所は認めてます!だから安心して私に養われてください!」

 

 

完全に逃げ道がない。これはもうイヴに養われるしかないのか……?

 

 

「ん?これだけアタックしても宋気さんが拒むということは……まだ縁が無いということですか……?」

 

「……ん?」

 

「これは失敬!また出直してきます!失礼しました!」

 

「…………え?」

 

 

なんかよく分からないがイヴは教室を去っていった。

縁が足りないと言っていたが……どういう事なのだろうか?

とりあえずこの日は助かったのだが問題は次の日からだった…

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

次の日の朝、教室にて…

 

「おはようございます宋気さん!」

 

「あ、い、イヴか……お、おはよう……。」

 

「あ!今目が合いましたね!」

 

「ん?」

 

「これで私とも縁ができました!」

 

「えーと……?どういうこと?」

 

「縁ができたんです!結婚しましょう!ハグハグ~」

 

「待って!待つのだイヴ!お、落ち着け!目が合うだけで結婚なんてそんな理不尽な……」

 

「理不尽じゃありません!これも縁です!」

 

 

どうやらイヴは「縁」という言葉にに目覚めたらしい。

……なんで?というかこの一日の内に何があった?

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

その日の午後、屋上にて……

 

 

「という訳なのだ有咲。イヴに結婚を迫られている。」

 

「全然話が見えてこねえが……。もう良いんじゃねえか?OKしちまえよ。」

 

「ま、マジで言ってる?OKしたら俺イヴのヒモになっちゃう……。」

 

「いいじゃねえかよ!プライドなんか捨てろよ!」

 

「いや捨てられねえよ!?」

 

「嫁の私が許可してんだ。もういっちまえよ!」

 

「軽く言うけどねあなた……俺にもそれはそれは固いプライドというものg「こんにちは宋気さん!」イヤアアアアアアアア↑!」

 

 

若宮イヴ、ベンチの裏側からひょっこり参上。

 

 

 

「あっ!」

 

「……え?」

 

「今目が合いましたね!これで私とも縁ができました!」

 

「いやできてないできてない!それはあまりにも無茶があるから!」

 

「親愛の意味を込めてハグしましょう!ハグハグ~!」

 

「待ってくれイヴ!胸で俺の顔を圧殺しようとしないで!ムググググググ………。」

 

 

臨機応変に変形するイヴの胸が俺の口を塞ぐ。当然呼吸なんてできないし柔らかい胸が俺を包んで変な感情になる。……いっそのこと、これで死ねたら天国に行けるのでは?イヤイヤだめだ!それで死んだら最後!俺の名が変態王として世に知れ渡ってしまう!

 

 

「おーい有咲~!俺を引っ張り出してくれ~!」

 

「…………」カシャッ

 

「イヤ写真撮ってんじゃねえよ!?」

 

 

後日俺がイヴの胸に包まれたこの写真が学校中に広まり、俺はハーレムキングから変態キングに昇格した。

この名付け親が誰なのかは俺の知ったことではない。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

その日の夕方、下校時……

生徒玄関には誰もおらず、緋色の光だけが俺を照らす。この誰もいない安心感が今の俺の救いとも言えるだろう。

 

そもそもなんでイヴは俺を養いたいと思ったんだ?そんな赤ちゃんみたいな俺に何か目覚めたのか?そんな姿を見て喜ぶのは燐子先輩くらいしかいないはずだと思っていたが実際は違った。イヴの目はマジだった。あれは弱肉強食の世界で獲物を真っ向から喰らう獅子の目と等しかった。

 

まあ今日はもう考えたくもない。帰って寝よう。そう考えてた時だった。

 

 

「もう帰られるのですね宋気さん!ずっと待ってました!」

 

「イヤアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 

 

若宮イヴ、下駄箱の蓋を開けたら顔だけひょっこり参上。

 

 

「あっ!今目が合いましたね!これで私とも縁ができました!」

 

「いやこれはどう考えてもトラップだろ!?目を合わせるしかないだろこれ!?」

 

「親愛のハグハグ~!………あれ?下駄箱から出られなくなってしまいました……。」

 

「タダのバカじゃねえか!」

 

 

三分後……

 

 

「あっ、出られました。ということでハグハグ~!」

 

「だから胸dムググググググ………」

 

「あれ?お二人さん、冬なのに熱いね。」

 

「あっ!たえさん!」

 

「えっ?たえ……?」

 

「えーとこれは……援交?」

 

「いや何とんでもないこといってんだよ。全然違うから!」

 

「あのですねたえさん……。」

 

 

かくかくしかじか……

 

 

「なるほど……宋気を養いたいと……」

 

「そう言うことです!でもどうしても宋気さんが……」

 

「宋気」

 

「な、なんだよ……」

 

「一回おためしでイヴと同棲しちゃえば?」

 

「…………え?」

 

 

 

後編に続く……




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