Dolls' Frontline STAND ALONE COMPLEX 作:へなころ
方向は決まっていましたがなかなか手につかず、間話入れようかとしてやっぱり止めて、アップする自信が無くなったり・・・・やはり精神状態って本当に大切ですね。早く復活させないと・・・
本編はもうちょっと書いていましたが長くなったので一度切らしてください。
今回は、勝手に一人コラボしています。
もう一個の小説の「中年指揮官と零細基地の日常」と合わせました。
と言ってもちょっと名前だして話のきっかけを作るだけですので、基本関係ありません。
あっちの18話で合流する前のウェルロッドさんに登場頂いています。
あと、S.A.C.の第3話より素子さんのマッチョネタを使わせていただきました。
S09地区のコータ指揮官の前線基地。普段は使われぬ応接室に数名の人影が集まっていた。この応接室はVIP対応用の高級に飾られた部屋であるが、普段偉い人など来ないので、ヘリアントスが数回来たときに使われたのみ。あとは戦術人形たちが秘密の話があるとにこっそり使うくらいだ。
そんな部屋にコータ指揮官と9課の荒巻課長、それに隊長の素子とバトー、第一部隊のベクター。まあそこまでは普通なのだが、もう一人見慣れない姿があった。
ショートカットの金髪を所々結っており、ミニスカートにスーツ風の上着、そして特徴的なコルセット調の防具を着こでいる小柄だがキリッとした少女。そう、I.O.P.社の戦術人形のウェルロッドMkIIである。
ウェルロッドMkIIはI.O.P.のエリート戦術人形である。★5のハイレアリティに相応しい素体性能を持っており特に電子戦に対して能力は最高性能と言える。素体の電子戦能力で言えば第一部隊の57を超える性能を持ち合わせている。しかし、戦術人形の能力はその経験にも左右されるため素体の性能だけでは測れない。測れないのだがやはり素体の性能は比較の一つになるわけで、だからこそ彼女の態度に繋がったのかもしれない・・・・
「・・・・と言うわけで、R-15基地の指揮官の悪行の証拠集めを依頼します」
そう言うと、ウェルロッドは澄ました顔でコータの副官が淹れた紅茶を啜っている。しかし猫舌らしく入念に息を吹きかけている所は何処か可愛らしい。
話の内容としてはウェルロッドは情報部のエージェントとして社内の不良指揮官の内偵を依頼しにきたとの事だが、9課には社長経由で重めの案件依頼が増えており、正直受ける余裕は無い。
「なるほど・・・・しかしですな、最近は社長からの直々の依頼も多く────」
「それが大きな勘違いなのです。
「協力会社がそんな態度だとお仕事なくなりますよ」
目を瞑りゆっくり首を左右に振るウェルロッド。
荒巻が現状の9課の繁忙状況を伝えようとするが、途中で遮られ端的に言えば「黙ってろ。文句言わずやれ!」的な高飛車な態度である。
ウェルロッドは胸を張って澄ました顔で見下す様に素子を見て告げているが、それはこの席に自分より小柄な人物が素子だけだったからである。ウェルロッドは比較的小柄な女性型義体だが、女学生くらいの一〇〇式ベースの義体より多少は大きい気がする。周りは屈強な男たちや成人女性型義体のベクターなので致し方ないのかもしれない。
「ふむ・・・分かりました。社長からのご紹介ですか。であればお受けしない訳には行かないでしょう」
荒巻課長が諦めた様にウェルロッドに答えた。
ウェルロッドは勝ち誇ったような満足げな顔を浮かべた後に、美味しそうに紅茶を啜っていた。交渉で押し切り満足なのだろう。
(おいおい・・・オヤジ、マジかよ。本当にこんなクソみたいな仕事受けるのか?)
(うむ、社長からの紹介と言われれば無碍に出来ないだろう。今後は無いように社長に一言伝えておく)
(バトー、組織的な下拵えは課長に任せなさい。そして受けた仕事は黙ってやれ。完璧にね)
(へいへい・・・・・)
表の会談の場では、澄ました顔でお茶を啜りクロージングに入っている。
その裏では、短距離秘密通信で苦情が飛び交う事態になっていた。
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「で、そのR-15基地の指揮官って奴はどんな野郎なわけ?」
「さっさと終わらせて次行こうぜ」
談話室に集まった9課の面々だったが、R-15基地の情報が分からず面白くもないためバトーはソファーに浅く腰掛け上半身を背もたれに預けるような体制で座っており、すっかりやる気なしモードである。
普段ならバトーがこんな態度をしたらダラけるなと叱る素子だが、彼女も口に出さずも気持ちは同じらしい。
そんな雰囲気の談話室の扉がカチャリと開き、イシカワと57が入ってくる。
「ああ。その事だが、R-15基地の事がよくわかる映像がある。・・・・まあ、見れば分かる。ってやつだ」
バトーの問いかけの説明の準備はできているとイシカワが答え57に合図を送る。
それを受けて57はテキパキとリモコンを操作して大型モニタに映像を映す。
映像が始まると共に企業の名前が書かれたリストが映し出された。状況からどうもCMを打ったスポンサー企業の一覧の様である。つまり、ごく一般的なテレビ映像と言う事を示していた。
「うん? テレビの・・・録画か?」
さして興味もなくボーッとその映像を見たバトーが呟いていた。
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流されたテレビの録画映像を見た全員が固まっていた。それだけでなく、なにかこう気まずさのような雰囲気が漂っている。
「おいおいおい・・・このオヤジ、マジかよ・・・」
テレビの中では中年の冴えないグリフィンの男指揮官が戦術人形たちと宴会を開いていたからだ。本社の部隊やテレビまで呼んでド派手な宴会である。
洋風の立食パーティーで始まり一見マトモな会の様に見えたが、宴会が進むにつれて段々と常軌を逸した動きを見せる。最初の一歩は余興として開催されたピザの大食い大会だった。食いしん坊人形に混じり指揮官まで楽しんでいる。
終いには変則王様ゲームまで始めて、ポッキーゲームや巨乳戦術人形の胸揉み、戦術人形とのディープキスと、もうなんでもありの無茶苦茶だった。
「なんですかね・・・これ・・・」
トグサが気まずそうに呟き固まっている。
「場末のスナックの方がまだマシだな」
呆れ返ったサイトーがぼやく様に呟いている。
「戦術人形を侍らすなんて、マッチョよね〜」
不機嫌そうに半眼で見ている素子はちょっと怒り気味の様子。
(いやいや、少佐がマッチョって言う? ・・・)
「いや、戦術人形たちも楽しんでいるみたいだし・・・侍らすとも違くないですかね」
「なによ、衆人観衆の前でキスして胸揉んで、やりたい放題じゃない。やっぱりマッチョじゃない」
「そうですかね・・・・」
(いや、だからマッチョって・・・・)
素子のコメントに返したトグサだが、どうやらこれ以上は諦めたらしい。
「まあ、私がこの基地所属だったら・・・これはこれでありかもね。センスは最低だけど」
ちょっと呆れた様に見えて、FALは意外にもこんな乱痴気騒ぎも行ける様子だった。
「・・・・・・・」
そんなFALのコメントを聞いて、隣に座っていたベクターが無言で呆れた様な視線を向ける。
「なによ! ベクター、文句あるのかしら?」
「どうせ貴女は、素子さえ居ればなんでもいいんでしょ? って・・・・痛たたたたっ」
「もう! ツネる事ないでしょ! ・・・冗談よ、もう」
ベクターの視線を受けて嫌味の一言を言ってやったFALだったが思いの外ベクターには効いたようで、隣りのFALの脇腹をツネっていた。
口の達者なFALには言い負けそうだったので、初手からささやかな暴力に訴えたようだ。
二人してわちゃわちゃとやっているところを見ると、仲は良いのだろう。
ベクターとFALが落ち着いたところで、バトーがそもそもの話を聞いてくる。
「オヤジ、この冴えないオッさんは一体何をやったって言うんだ?」
「うむ、警備中に遭遇して破壊した鉄血の戦術人形の部品をブラックマーケットに売っているらしい」
「情報部はテロ組織と繋がっていると推定している様だ」
「はあ? マジか? ・・・・まあ、あの宴会の原資の為、って言われたら分かるけど・・・そこまでして宴会やるか?」
この手の話に寛容なバトーも流石に呆れきっている。
「それで少佐、どう攻めますか?」
続いてトグサがやり方について聞いてきた。
「ああ、そうだな。やはり目視による事実確認は必要だろう。まずR-15基地の側に観測所を設置して、情報部からの情報が正しいか確認する」
「R-15基地の活動が確認できたら、取引先も併せて確認する。そこまでで情報部の要求には応えられるわね」
「と言うことは、R-15現地に行くチームと、確認後の調査チームの2チーム制。ってとこですかね」
「そんなところね」
「R-15監視班は、バトー、サイトー、ルイス、NTWの4名。R-15基地に捕捉されない様に遠距離から監視すること。タチコマ二両とI.O.P.から送られてきた隠れ蓑のコピー品を使いなさい」
「調査班はイシカワと私。ベクターも補佐お願いね」
「判明した取引先の現地調査はトグサにFALと57ね。ここは臨機応変に私たちもフォローするわ」
「監視班は明日から行動。証拠が取れ次第撤収して情報を回せ。現地調査は証拠の結果次第だ。以上」
「「「了解」」」
フォーメーションが決まったところで各々が作戦遂行に向けて散っていった。
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「暇だな。おい」
R-15基地監視班のバトーは暇を持て余していた。
R-15基地から1000mほど離れたちょっとした丘の上のブッシュの裏に偽装網を掛けて遠距離の簡易監視基地を作っていた。移動や補給にヘリなどを使うわけにはいかないので熱光学迷彩で姿を隠した二機のタチコマで行なっている。
相手の行動の確認なため証拠確保のタイミングは相手次第、監視を開始してもすぐに終わるとは限らないわけで、かれこれ一週間近く経っていた。
「バトーさん、またそれ? さっき筋トレ勝負して私が勝ったところでしょ」
バトーとルイスは暇があると筋トレ勝負と称してどっちが筋トレを続けられるか勝負をしているが、サイボーグと戦術人形同士で決着がつくこともなく、最後は相手を笑わせてトレーニングを中断させるお笑い勝負になっていた。さっきはルイス渾身の変顔でバトーを笑わせて勝ったところだった。正直、お互いプライスレスな何かを失っていると思うが、そこについては誰も触れない。優しさなのか厳しさなのかは微妙な所だろう。
「全く、しっかり頼むぜ・・・」
「んっ? サイトー、監視対象に動きがある」
「なに? ・・・・電動バギーが一台・・・アサルトライフルとサブマシンガンの部隊だな」
「うむ・・・訓練では・・・なさそうか?」
サイトーがボヤいたタイミングでR-15基地に動きがあった。対物ライフルに取り付けた望遠スコープで監視していたNTWが基地に動きがある事を視認していた。どうやら自分達に気づいたわけではなさそうだった。ただ、ここ数日毎日訓練に出ている雰囲気とも違って緊張感漂っていることから、なんらかの作戦行動の様に見えた。
「NTW、今回は当たりかもしれないな。帰任時の手荷物確認は確実にやるぞ」
「ん。任せておけ」
望遠スコープを通した視認映像をメンタルモデルに記録して基地に送るのは朝飯前の作業である。
それからしばらくして、破壊された鉄血人形を満載したバギーが帰投してきた。
「NTW、映像は抑えたか?」
「ああ、問題ない。完璧だ。映像はすぐに調査班に送る」
録画した映像は無事ツェナープロトコルを通じた秘密回線で素子達に送られたのだった。
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「ご苦労様。確認したけど映像はバッチリよ。それほどの間も無く回収した鉄血人形からバラされた部品が運び出されるはずよ」
「闇取引だから社のヘリは使わないだろう。陸路での運搬を主に監視すること」
「取引相手が判明したら引き上げていいわ」
「よっしゃ。サクッと終わらせようぜ」
「・・・・・・」
素子の"終わったら帰ってきていい"との声を聞いて盛り上がるバトーだが、なにも仕事をしていないのでNTWから冷たい視線が飛んできていた。まあ、バトー達は不測の事態時の近接戦闘要因なので仕事がない事が正常なので致し方ないのではあるが、暇つぶしの筋トレとかが心象を悪くしていることは否めないだろう。
「了解、継続して監視します」
サイトーが素子に返答して通信は終了となる。
その後、しばし動きは無かったが、3日後に再度事態は動き出す。
メカメカしいアンドロイド兵器の護衛付きのトラックがR-15基地を訪れに来たからだ。