Dolls' Frontline STAND ALONE COMPLEX 作:へなころ
次は遅くなるかな?
更新は二週間以内にはしたいですね。
よろしくお願い申します。
この謎の世界に飛ばされて二日目。
新浜の事務所で襲われた9課、ここにはいない課長にトグサ、気にならない事はない。しかし元の世界に戻るためにも現状を打開しなければならない。この誰もいない街では生き残る事は容易ではないのだから。
取り急ぎ必要なのは電力の確保、水と食料の確保、そして義体のメンテ依頼先の確保だ。
義体の運用を考えると電力によるエネルギー供給が最も簡単であり確実に確保したい。ただ義体化率が高いとはいえ生体も残っているので水と食料が無いと生きては行けない。電脳とはいえ生体なのだから。
そして最後は義体のメンテだ。中長期的な生存を考慮すると義体の重整備や交換は必要になる。新浜であれば義体のメンテが病院で可能ではあった。しかし今のここではそのようなリソースは何一つない。少なくとも人がいる街に辿り着く必要はあるだろう。
(まったく・・・新浜の街に溢れていた施設がこんなにも有り難かったとはな。改めて気付かされる)
(突然の大災害に巻き込まれた市民はこんな気持ちなのだろうな)
隊長の素子は部下の手前口には出せないが、正直言って勝利への道筋も見えない現状は苦しいところである。
人っ子一人居ないこの廃墟群に取り残された自分たちは生き残れるのか?
・・・・・
早朝に素子を始め9課の6人は部屋に集合していた。
「今日はまず行政庁舎へ向かう。行政庁舎なら予備電源や情報、食料を調達できる可能性が高いからな」
「向かうまでは、索敵及びクリアリングをしながら進むぞ。分かったな」
素子は緊張感を出して指示を行う。
「クリアリング?ふん、まるで国連軍での行軍のようだな」
バトーがチャチャを入れるが、
「そうだなバトー、サイトーと対峙したあの時と同じくらい気合を入れろ」
その素子の発言に、バトー、イシカワ、サイトーは驚愕する。
(この街があの時と、あのメキシコの地獄と同じだと?)
その姿を見て素子は真顔で答える
「ああ。そうだ。私のゴーストがそう囁いているんだ」
素子以外の5人が(本気か?)と互いの顔を見直しているが、隊長の素子の真顔を見て改めて気合を入れ直すのだった。
・・・・・
建物の外は・・・有り体に言って悲惨だった事が分かった。
行政庁舎への移動で表に出たが、そこは破壊された廃車と物陰に人だった者が点在していた。
サイトーの確認でも詳細は分からなかったが、どうやら多くの人が殺されていたらしい。老若男女関係なく、逃げる者庇う者含め関係なくやられたようだった。
しかし、核等の大量破壊兵器が使用された痕跡はない。核なら建物ももっと破壊されている筈だ。
状況から見て、一人一人丁寧に殺していった。感覚、軍による虐殺、そのようなことが行われた様子だ。
しかし、それでも疑問に思う。たとえ何があろうとも住み着くのが人間だ。
やはり・・・この街には何か・・・あるのか?
その言葉への答えは間も無く分かることとなる。
・・・・・・
「少佐、何かいるぞ」
「ああ、分かっている。各員戦闘準備しろ」
前方の大きな通りとの交差点の向こうに数体の動く影があった。様子からまだこちらには気づいていなさそうだ。
風体から女性型、銃を持っているところや防具や迷彩柄のマントから戦闘員なのだろう。ただし、手足の部品や顔のバイザー類から生身の人間ではないことが遠目でも分かる。
「なんだあれは?・・・アンドロイド?戦闘用アンドロイドか?」
「全身義体のサイボーグの可能性もあるな。どうする?少佐」
イシカワとバトーの会話から素子へ対応の判断が委ねられる。
セオリー通りなら隠密行動でパスするのだが、この何もかも全く分からない状況がその判断を止める。
コイツらから何か、この世界の情報を取れるのではないか?
「少佐。俺が行こう。」
バトーが軽い感じで伝える。
「バトー行けるか?」
「他の者は
「敵対行動するようであれば速やかに排除にしろ」
各々がバトーのフォローの準備を始めた。
・・・・・・
一人の大男がライフルを背中に背負い、両手を上げながら兵士の一団へと近づく。
距離はだいぶあるが早々に敵対意思がない事をアピールする。流石にこちら側に敵対意思ありと勘違いされるわけにはいかない。両手を上げて驚かさないように冷静に進む。
(大丈夫だ。行ける)
大分近づいたところで一団の一人がバトーに気づいたようだ。と、同時に全員がバトーの方を向く。
「落ち着け、敵対意思は無い。隊長と話がしたい」
(ふー、とりあえず大丈夫か・・・・なにっ!)
バトーが驚いたのも無理はない。相対していた兵士の一団が突然銃を向けると共に発砲どころか乱射してきたからだ。問答無用の必殺の攻撃でありコミュニケーションの一切を拒否する態度であった。
しかし、驚いたのは相手も同じだった様だ。一般の人間であれば確実に蜂の巣にできた攻撃を目の前の男が躱したからだ。バトーは義体化率の高いサイボーグ、しかも元レンジャー部隊出身であり戦闘に特化した高性能義体である。人間技では無い機動力で必殺の攻撃を躱したのだった。しかも躱すと同時に熱光学迷彩を使用して姿を消したため、兵士たちは目標を見失っていた。
「・・・・・・」
兵士たちは無言で消えたバトーの索敵をするが、すぐに見つけることができない様だ。
足を止め、銃をエイミングさせる様に索敵をしている。
・・・・・・・
「バトー大丈夫か?」
短距離の無線通信で少佐から連絡が来る。9課の6人は通信リンクが繋がっており常時会話が可能である。
「ああ、少佐。大丈夫だ。しかしいきなり撃ってくるとは思わなかった」
「連中、なんなんだ?」
「熱光学迷彩を使っているが、索敵に集中されると視認される恐れがあるから動けない」
バトーは近くの廃車の影に無事に隠れることができた様だ。
「待ってろバトー。各員後ろにいるこの隊長格を拘束する」そういうと敵の映像にマーキングを行い共有する。
「一斉射で排除する。バトーも顔を出して撃て」
「開始しろ」
素子の合図と共に、5人による斉射が行われる。各々のアサルトライフルにより効率よく敵を排除する。
セミオート射撃によって的確にバイタルパートへ射撃が行われる。
撃たれたのは鉄血工造製の量産型戦術人形のリッパーとヴェスピドであるが、まともな反撃も出来ずに電脳やコアを撃ち抜かれ鉄屑と化していく。
あれだけの攻撃力を誇った人形たちは瞬時に沈黙させられてしまっていた。
隊長格の一体は意図的に残されるが、どこからともなく振られたナイフにより、左右の腕の配線類が切断され両腕が稼働不能に陥る。
ついでサイレンサー付きハンドガンにより足の骨格が破壊され地面に転がされ無力化される。
と同時に熱光学迷彩が解かれ、紫がかったロングボブの美人が姿を現す。素子が隊長に近づきCQCにより瞬時に人形を破壊したのだった。
「こんにちは、隊長さん?」
「・・・・返事がないわね」
「ハロー。ニーハオ。ドーブライヂェン」
「・・・・・」
「駄目ね。コミュニケーションを取る機能がないのかしら。とにかくこちらを殺そうとするだけね」
動けないなりに素子を襲おうと、動こうとしている様だ。
「念のために確認しましょうか」
転がった人形を持ち転がしてうつ伏せにする。と同時に首筋をオープンにする。そこには外部入力のジャックがあった
「私たちと構造は似ているわね。けど・・・接続形式は違うわね」
「少佐、この形式はさっきの建物にあったPCについていた接続形式と同じジャックだな」
イシカワが共有されたジャック形状を見て瞬時に答える。流石、9課の電子戦要員である。
イシカワは近接戦闘はそれほど得意ではないと思われがちであるが国連軍へ兵士としての参加も経験しており戦闘力が低いわけではない。色々異常な9課の面々と比較してしまうと少々劣るとの評価になってしまうだけである。
「少佐、敵の増援が向かってきている」周囲を警戒中のサイトーより通信が入る。どうやらコイツらが応援を呼んだらしい。
「了解だ、サイトー。ビルに潜伏してやり過ごすぞ」
そう言うと、拘束中の人形の電脳へハンドガンのダブルタップを撃ち込み破壊すると、素早く隣接するビルに入り込み息を殺してやり過ごすのだった。
・・・・・・
「結局、2時間も無駄にしたな」
再度の行軍中にバトーがボヤく。
潜伏したビルから見下ろすと100体近い兵士達が集まり警戒していた。結局、集まった兵士が散るまで2時間を要していた。
ただ一つ分かった。問答無用で人間を殺害する連中が溢れている。だから人が全くいないと言う事だ。
コイツらがなんなのかは分からないが、それが分かっただけでも一歩前進だ。
「バトー、そうボヤくな」
「目的地に着いたぞ」
目の前に30階ほどの超高層ビルがあるが、目的地としていた行政庁舎である。
数キロの距離ではあったがたっぷり半日を要した。しかも脅威が存在することは分かった。
「建物内も連中がいる可能性がある。クリアリングは忘れるな」
「まずは上階に拠点を作るぞ。内部の工造が分かる情報を探しながら進むぞ」
6人は互いにうなづき合い、庁舎へと入っていった。
うーん、やばい。
なかなか進みません。想定より進みが遅いっす。
これ以上端折ると読み応えなさすぎますよね。
ちょっと頑張りますぞ。