Dolls' Frontline STAND ALONE COMPLEX   作:へなころ

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おかしいな。2週間くらい開く予定が、1週間経たずアップとは・・・・
そのうちネタが尽きて2週間くらいになると思います。
まだ何となくプロットがあるので。(笑)
ちなみに、もうすぐネタは尽きる予定。(笑)


3.更なる邂逅

行政庁舎の中、地上階はめちゃくちゃに破壊されていた。白骨死体も多数あることから避難民かなにか、当時は多くの人が集まっていたのであろう。

そこを武力を持った何者かが襲い皆殺しにした様な感じである。

白骨化していることから、事が起こったのは大分昔のことなのだろう。カレンダーから2049年頃なのか?では今日は少なくとも数年以上、感じからしてゆうに5年は経過していそうではある。

 

その様な状況を一瞥した素子は、一瞬目を閉じた後に9課の5人の部下に指示を出す。

「上階の開けた部屋に拠点を築くぞ」

 

素子の号令に5人が動き出し、すぐに情報が集められる。

「少佐、フロアガイドがありましたぜ。28階に市長室がある様なのでそこに拠点を構えましょうや」

咥えタバコのパズが伝えてくる。彼は愛煙家であり残りのタバコも心許なくなっている様で食品調達の折にタバコの探索も頼んでいるようだがまだ見つかってはいないらしい。食べ物が尽きる前にタバコが尽きて死ぬんじゃないかと揶揄われていたりする。

 

「分かった。全員で市長室へ向かうぞ。殺人アンドロイドが隠れている可能性がある。クリアリングは忘れるな」

 

・・・・・・

しかし特にアンドロイドにも出会わずに市長室へと辿り着く。

階段で数階登ったところで防火シャッターが降りており、人やアンドロイドの侵入を阻止していたからだ。

素子達は義体のパワーでシャッターを破壊して進むことができたため、そこから先は廃墟なりの汚さはあるが建物の状態は比較的良かった。

 

28階の市長室も放置による汚れはあるものの比較的綺麗。死体なども特には無かった。

始めのオフィスビルと違い窓ガラスも残っており、快適さは比較にならないほど良いと言える。とは言うものの場末のモーテルの方が遥かにマシなレベルではあるが。

到着するなり全員で家探しを始める。あるはずなのだ。市長室であるならば。緊急時の対応マニュアルの類が。

 

「おほ♪、見てくれ。ウォッカを見つけたぜ。お?タバコもカートンであるぜ」

そう言ってバトーはタバコをパズに投げ渡す。

「こいつは助かる。線香よりマシなら何でもかまわねえ」

受け取ったパズは一箱封を切り1本取り出し火をつける。両切りの安い巻きタバコだし年月が経っているので風味も悪い。しかし無いより遥かにマシだ。

「バトー、パズ!真面目にやれ」素子の叱責が飛ぶが、特にバトーは宝探し気分の様だ。

やれやれ。と言った感じで素子は家探しを継続する。

 

「少佐、ありました。緊急時のマニュアルです」

ボーマが目的のブツを見つけた事を告げ、資料をテーブルの上において広げる。皆が家探しを中断してテーブルに集まり内容を確認する。

 

表紙を開くとすぐに目次があり確認する。暴動、災害などは飛ばして、大規模停電時の対処を確認、非常電源の場所もバッチリ書かれている。さらに備蓄の物資について確認をする。

また、詳細な建物の見取り図をチェックして電脳に落とし込む、さらに電脳内で補完された電子MAPを共有する。この辺りの作業は荒事に慣れた素子の得意とするところであり処理も早い。そのMAPには非常電源の位置と備蓄倉庫の位置がマーキングされている。素子の完璧で確実な仕事ぶりが見て取れた。

 

「共に地階の倉庫だな。私とバトーとパズ、ボーマで行くぞ」

「イシカワは拠点の確保、サイトーは建物周囲の警戒だ」

昨日のチームアップと同じだ。

「「了解」」

9課の6人はそれぞれの任務へとついていった。

 

 

・・・・・・

「ダメだ、少佐。飲み物と食料はほとんどない。6人で2週間分くらいだな」

備蓄倉庫を確認していたバトーから声が飛ぶ。あの後4人で一階まで降りてきて倉庫を漁るが、食料と水はほぼ無い状態だった。それもそうだろう。一階の死体の数から見てそれなりの人数が逃げ込んできていたのだ。飲食物が残っている方が不思議である。

 

「そうか。こちらの発電機も同じだ。燃料も半分以下で大切に使って2週間がいいところだろう。」

とりあえず、送電先を上階の市長室周辺へ限定して、出力を絞り時間限定で使えば義体へのエネルギー供給には十分使える。

東欧なら単相220Vだろうことから特にトランス類の電気設備も不要なのでそこは助かる。

電気器具もどのみち灯火管制よろしく照明をつけるわけにはいかないので使えるものは少ない。電気をつけようものなら殺人アンドロイドが大挙して押し寄せるだろうから。

 

「イシカワ聞こえるか?これから市長室へ通電する。照明がつかないことの確認とPCの立ち上げを確認しろ」

「少佐、了解した。通電したら連絡をくれ」

「分かった」

やりとりの後、マニュアルに従い発電機を起動する。多少ぐずるもけたたましい音とともに起動することができた。

モニタの通電先も市長室に限定されている。

 

「イシカワ、どうだ?」

「少佐、一瞬照明がつきましたが、全てオフにしました。昼だし大丈夫でしょう」

「サイトー、照明の状況はどうか?外から確認しろ」

「点灯しているところはありませんね」

「よし。イシカワ、PCの確認を始めろ」

「サイトーも一時的に戻れ。各人、義体へのエネルギー供給を行え」

 

そんなこんなで、久しぶりのエネルギー補給が叶ったのだった。

 

・・・・・・・

その後全員で市長室に集まる。イシカワが確認したPCの中身についての共有と打ち合わせを行う。

「まず、全てのデータが完全に消去されていた。しかし、消去後に送られてきた電子メールは残っていた」

「そこから推察するに、2049年は第三次大戦の中だった様だ」

「どうも近隣の街に核攻撃の情報があり、政府から避難勧告があった。しかし、この街の幹部は市民を捨てて我先にと逃げだした」

「残された市民は大混乱に陥ったが自動車などを持っている者は、自力で避難を開始した様だ」

「何も持たざる者は街に残るしかなく・・・最終的には生存者は誰も居なくなった・・・というところか」

電子メールも最後に近づくほど混乱と悲壮感が漂っている。捨てられた街には食料も何も入ってこない。

奪い合い、殺し合い、最後は野生動物となにも変わらなかったのだろう。

 

「ただ、よくわからない単語が定期的に出てくる。それが"コーラップス"なる言葉だ。汚染と同時に使われているので何やらよく無いものの様だが・・・・」

「分かった。それについても継続して調べろ」

 

「しかし悲惨なものだ」バトーが零す

「そうも言っていられないぞ。まさに今私たちがその悲惨な主人公達だ。全てを失う前に人の元へ辿り着かないと亡骸の仲間入りすることになる」

「明日は近隣の調査と、乗り物の確保を目指すぞ」

素子の指示と共に、二日目が終了した。

 

・・・・・・

そこから三日ほど調査を継続したが、結論から言うと何も進展は無かった。

まあそれも当然だ。行政庁舎の情報以上のものが周りにあるわけがない。乗り物のだって奪い合いの末に脱出に使用されたのだ。走るものは自転車レベルも残ってはいなかった。

 

(手詰まりだな・・・・)

流石に素子にも焦りが出てくる。

どこに行くのが当たりか分からないが、徒歩での行軍をせざるを得ないのか?だがそれは完全に賭けだ。

 

今後のことを思案していたところで突然事態が動く。

「少佐、銃声が聞こえます。戦闘が行われている模様。ん?」

「目視圏内にハンビー5台を確認!」

外を警戒しているサイトーから短距離無線ネットワークによる通信が入り、映像が共有される。

 

走ってきたハンビーが停止して乗員が次々と降車する。

「ハンビーから兵士、女性型のサイボーグかアンドロイドが30人ほど出てきて、先日始末したアンドロイドを確認しています」

「分かった。サイトーお前は姿を隠せ。相手は殺人アンドロイドの可能性が高い。相手に見つかるなよ。各員戦闘準備だけは整えておけ」

9課の6人は息を殺して新たな脅威が過ぎ去るのを待っていた。

 

・・・・・・・

ハンビーから降りてきた集団の一人が破壊された鉄血の残骸を冷たく見下ろし呟く。

「文字通り鉄屑ね。まっ、いいけど」

跳ねた銀髪ショートヘア、キリッとした瞳。

白シャツに黒いスカート、黒いニーハイストッキングに黒のショートブーツ。手にはサブマシンガンのVectorを持っている。

 

「この辺りで戦闘があったなんて聞いてないけど?」

ククリマチェットにバトルライフル、何故かフェレットを連れて話す彼女は、下着のスリップに丈の短いジャケットと不気味な格好をしている。

 

「腕の配線が切断されて足と頭に銃弾。誰かが拷問したみたいね。痛み具合から数日前かな」

銀髪のロングなポニーテールにウサミミの様なリボン。白シャツに黒のジャケットと超ミニなスカートの女の子がしゃがんで破壊された人形を確認しながら呟く。

 

「となると、鉄血以外の何かが居るということか?」

ピンクのロングヘアに黒を基調としたセーラー服の彼女は巨大な対物ライフルを担いでいる。

 

「どうでもいいじゃん?悪い人はみんな倒しちゃうよ!」

赤を基調とした派手なノースリーブのワンピースで着飾った女の子はルイス軽機関銃をもち明るく話している。

 

そう、彼女達はグリフィンS地区前線基地所属のエリート人形達であった。

それぞれダミー人形を4体従えるこの基地所属のベテラン中のベテラン人形である。

 

「指揮官、鉄血以外の何かが居る模様。私たちはそれの調査と排除を行う。想定外は早く潰すべきね」

「デッド・オア・アライブでいいかしら?」

隊長のベクターが指揮官へ通信を入れる。

 

『了解した。その案を承認する』

若い男性の声がすぐに帰ってくる。流石、判断が早く助かる。

ベクターは通信を終了するとともに部隊員へ通達する。

 

「私がダミーで追い立てるわ。NTW-20はスナイプでフォロー、他の3名は周辺の警戒」

「「了解」」

伝えたベクターは邪悪な笑みを浮かべる。

(ふふふっ。鉄血人形を倒す非合法者の始末(ハンティング)なんてなかなか無いからね。楽しませてもらうわ)

マンハントを楽しもうと言うこのベクターはなかなか嗜虐的な性格も持ち合わせている様だ。

戦術人形は原則人を攻撃できないが例外は存在する。その一つは人権なき者達への攻撃が該当する。

とは言うものの無抵抗な人間をいきなり殺したりはしない。このように非合法の可能性が高く指揮官の許可を得ていれば何ら制限はない。

今回も抵抗の素振りを見せたら撃つなり焼くなり、すぐ殺すつもりであった。

 

ベクターは鉄血の周辺でしゃがみ確認すると共に、周囲の状況を含めて計算する。

鉄血が倒れている位置、射撃の方向。この位置この状況で向かうのは・・・・

「見つけた・・・そこね」

呟くベクターはジュルリと唇を濡らす。

 

ダミーの一体が不審者を始末すべく行政庁舎へとゆっくりと歩いていくのだった。




次回は真の邂逅かな?
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