転生したら女神様!?〜退屈だから子育てやらなんやらします〜目指せ世界最強お母さん! 作:参勤交代02
レインたちと別れてから、私は冒険者ギルドの前に来ました。最後にここに来たのはもう半年前の話で、受けた依頼も大したことのないものだったため、少し気まずいです。
「ランクアップの話も曖昧になっていますし、また今度話し合わないといけませんね」
扉を開いて中に入ると、朝だからか冒険者たちがいつもより多くいました。今日の依頼はなにがあるのか見ようとすると、受付から大きな声がしました。
「あ、シェリアさん!お久しぶりです、どうぞこちらへ!」
私を呼んだのは案の定ソフィさんで、私を見てから少し興奮したように言ってきました。
大きな声で呼ばれたせいで目立ってしまいましたが、無視をするわけにはいかないので、身体の向きを変えてソフィさんの方へ向かいました。
「ソフィさん、久しぶりなのは分かりますが、そんなに大きな声を出さなくても聞こえますよ」
「す、すみません、そうですよね。前に来たのが半年ほど前の話だったのでつい....」
「なにやってんのあんた。いきなり大きな声だして、結構響いてたわよ。それと、久しぶりねシェリア」
「エルケさん?!」
後ろから話に割って入ってきたのは、身長が高く、濃い紫色の髪を腰にまで伸ばしている女性で、エルケさんと言い、ソフィさんと同じく冒険者ギルドの受付嬢の方です。
私も何度か話した事があり、以前顔を見せない理由を聞かれたため、フードを取って顔を見せたこともある人です。
「エルケさんもお久しぶりです。お仕事は大丈夫なんですか?」
「ん?あぁ、大丈夫よ。今はまだ受付に人は来ないからね。シェリアはどうしたのかしら?」
「今日はガルレール魔法学園の試験日なので、子どもたちが終わるまでに私も依頼を受けようかと思いまして」
「あぁ、そういえばそうだったわね。だから街に人が多かったのね。子どもと言うとレイン君とアリアちゃんだったかしら」
「じゃあ、時間の掛からない軽めの依頼の方がいですね。何かありましたっけ?」
「私もそうしようと思っていたのですが、なにかいいものは有りますか?」
そう言うと、ソフィさんは腕を組んで悩み始め、頭を捻っています。さすがに全ての依頼を覚えているわけでもないと思うので、私も依頼掲示板で探さないといけないなと思っていると、横にいるエルケさんが教えてくれました。
「なら、新人冒険者の引率の依頼はやってみない?」
「あ、それいいですね。それほど時間はかからないですし、シェリアさんなら安心出来ます」
「引率、ですか?」
あまり聞き慣れない事だったので、まずは詳細を聞きます。
「そうです、Eランクなどの新人冒険者と呼ばれる人たちは初めて討伐依頼などを受ける場合、最初に必ずCランク以上の冒険者が付き添いのもと、行わなければならないんです」
「でも、誰でもいいってわけじゃなくて、真面目に最後までやってくれる人じゃないと頼めないの。だから、シェリアなら信頼できるしいいかなと思ってね」
この依頼を受ける人の中には、てきとうに流していたりいい加減なことを教えたりする人もいるらしいです。ソフィさんとエルケさんはどこかうんざりしたように言いました。
(確かに私にはぴったりの依頼かもしれませんね。時間もそこまで掛からないそうですし、受けましょうか)
「分かりました、その依頼受けさせていただきます。その冒険者の方々はもう来ているんですか?」
「ほんとですか!ありがとうございます。そのパーティはこの場にいますのですぐにお呼びします。少し待っていてください」
「ありがとね、他に人がいなくて少し困ってたのよ。あとの事はよろしく頼むわね」
ソフィさんは私に頭を下げた後、受付カウンターを出てその冒険者を呼びに行きました。特にすることはないので、受付近くの椅子に座ってソフィさんを待ちます。
しばらく座っていると後ろに四人の冒険者と思われる人を連れたソフィさんがやって来ました。立ち上がって会釈をすると四人もぎこちなく頭を下げてきました。
「シェリアさん、お待たせしました。こちらが今回引率してもらう冒険者の子たちです」
「そうですか、初めまして今回皆さんの依頼に付いて行くCランク冒険者のシェリアと申します。呼び捨てで構いませんし、言葉遣いも好きなようにしてください。よろしくお願いします」
丁寧に挨拶をして、礼をするとしばらく返事が返ってこなかったですが、少し経ってから四人が声を出しました。
「え、えっと、私はモニカって言います!今日はよろしくお願いします、シェリアさん!」
「あたしは、クレア。よろしくね、シェリアさん」
「俺の名前はリングス、よろしくね〜シェリアさん〜」
「最後に、俺はバリー。あんたがあのシェリアか?」
最初に挨拶をしてくれたのは背が小さく小柄で栗色の髪が可愛らしいモニカちゃん、そして次がモニカちゃんとは違い出るところは出ている青髪ショートのクレアちゃん、次に少しチャラそうな雰囲気がある茶髪のリングス君、最後にどこか問いただすような感じで聞いてくるのが黒髪のバリー君でした。
「え、何のことですか?」
「あんただろ、四年前ブラックミノタウロスを倒したっていう冒険者は」
「あぁ、その事ですか。はい、私で合ってますよ」
「やっぱりか、何をしたんだ?どうやってブラックミノタウロスを倒した?」
どうやら私が以前にブラックミノタウロスを倒したことを知っていたようで、その話を詳しく聞こうと私に顔を近づけて来ました。ですが、それを素直に話すことは出来ないので困りました。
「え〜っと、それはですね。あまり詳しく言えないといいますか.....」
「ちょっと、バリー!いきなりシェリアさんに失礼でしょ!今日はお世話になるんだからそんな態度は良くないよ!」
「いや、モニカも気になるだろどうやってこいつが倒したのか」
「だから、こいつじゃなくてシェリアさん!いつも言ってるじゃん、ちゃんと人の名前を呼んでって」
「あ〜あ、また始まった...」
「バリーとモニカがすみません、シェリアさん」
クレアちゃんが私に頭を下げて謝ってきますが、特に気にしてはいないですし、そもそもクレアちゃんが悪いわけでもないので頭を上げさせます。
「いえ、大丈夫ですよ、気にしていませんから。それと、すみませんバリー君。その事については詳しく話す事が出来ないのです」
「ふん、そうなのか.....ならいいや。さっさと依頼を達成して終わらせよう。俺は早く高ランク冒険者になりたいんだ」
私の言葉を聞いたバリー君はそれだけ言うとすぐに冒険者ギルドを出ようとしました。まだ、私が四人が受ける依頼内容どころか何も知らないのですぐに引き留めて、情報の共有をします。
「あ、ちょっと待ってください。私は今さっきソフィさんからこの依頼を受けたので、あなたたちの依頼内容などの情報が分からないんです。なので、ここで話してはくれませんか?」
「え、そうなの?ソフィさん」
「はい、先程シェリアさんに提案して受けてもらった依頼なのでまだ全部のことは知りません」
「そうなの、じゃああたしが説明するね。今日は初めての討伐依頼でゴブリンを討伐しに行くの。数は問わないで、一人一匹が目安になるの。大丈夫そう?」
「なるほど、ゴブリンですか。最初に戦うならいい相手ですね。ここで、討伐という依頼にも慣れておきましょう。武器などの準備も大丈夫ですか?」
「はい、問題ないです。いつでも行けます」
「あたしも勿論大丈夫だよ」
「俺もOKだよー」
「俺もだ」
四人とも準備はしっかりとしてきたようで問題は無さそうです。一応武器や持ち物をもう一度確認した後、ソフィさんに挨拶をした後、五人で冒険者ギルドを出ます。
基本的に私はトラブルに対処したり、四人が疑問に思ったことに答えるのが仕事ですので、後ろ側を歩きます。
「なぁなぁ、どうしてシェリアさんはずっとフードを被って顔を隠しているんだ?」
「これも色々と事情があるんですよね。できればあまり突っ込まないでくれると有難いです」
「そうなのか、それはすまん。もしかしたらすげぇ美人さんなのかと思っちゃってねー」
リングス君がどこか期待しているような目で私を見てきますが、、本当のことは言わず笑って誤魔化します。するとそこにモニカちゃんとクレアちゃんも混ざってきました。
「それ私も思った。なんかそういう雰囲気があるっていうか」
「最初の挨拶もそうだったけど、なんかシェリアさんて上品だよね。バリーもそう思うでしょ?」
「ん?あぁ、まぁすげぇ丁寧な人だとは思ったよ」
「バリー君まで.....ほら、もうすぐ街の外です。初めてなんですから気を引き締めて行きますよ」
ずっと話が続いてしまいそうだったので、無理矢理その話を終わらせ四人と一緒に街の外、ゴブリンがいる森まで向かいました。