転生したら女神様!?〜退屈だから子育てやらなんやらします〜目指せ世界最強お母さん! 作:参勤交代02
「ところで、皆さんは最近Dランクになったのですか?」
森に着くまでに、ずっと黙っているのも味気ないため私は四人に話しかけます。一番最初に反応してくれたのはモニカちゃんで、身長差で少し見上げるように言ってきました。
「はい、そうですよ。今から大体二週間ほど前にDランクに上がりました」
「あたしたちは皆んな近くの村でずっと住んでいて、二ヶ月前くらいにここで冒険者になったの」
「では、四人は幼馴染なんですか、とても仲がいいんですね」
「仲がいいってより、腐れ縁って感じだけどな、俺たち」
「たしかにね...」
「あはは....」
仲がいいと言うとそれにリングス君が答え、それを聞いた二人は苦笑いをしながら、どこか納得しているような顔をしていました。
「そうなんですか?見た感じは仲がいいように思えますが。それでは、何故冒険者になったのですか?私が言うのもなんですが、かなり危険な事もある職業ですよ?」
私がそう聞くと、モニカちゃんたちは少し恥ずかしそうに顔を逸らし、前を歩くバリー君はピクリと肩を動かしました。それからクレアちゃんが目を合わせず、前を向きながら言いました。
「高ランクの冒険者になればお金が沢山手に入るっていうのもあるんだけど、あたしたち小さい頃から物語に出てくる英雄とかに憧れてて、その人たちのようになりたいって思ったから四人でパーティを作って冒険者になったの」
「なんか恥ずかしいけど、まぁそういうことだな」
「うん.....」
「...........」
「憧れの存在になりたい、ですか。いいじゃないですか、憧れ目指すことは人が持つ当然の権利です。応援はすれど、笑ったらなんかはしません」
「まっすぐ言われると余計に恥ずいな、それじゃあシェリアさんはなんで冒険者になったんだ?」
リングス君に質問をされた事で私は少し悩みます。二回目に登録した時は単純に身分証になるものが欲しかったからですが、今言うべき答えには適さないためもっと昔に登録した時のことを話します。
「私は、そうですね....この広い世界を見て回って見たいと思ったからですかね。冒険者なら世界中どこへでも行く事ができますしね」
私が冒険者になったのは、もちろん異世界に行ったら冒険者だろ、という理由でなったのもありますが、この降り立った新しい世界を自分の目で見たいという気持ちもありました。女神なら寿命を気にしないでゆっくりと見られますからね。
「世界か〜シェリアさんもすごいな、スケールが違う」
「じゃあ、今も旅の途中なんですか?」
「いえ、もう旅はしていないですね、今はやりたい事や、やるべき事が見つかりましたから」
「え、やるべき事...ですか?それって....」
「おい、そろそろ森に着くぞ、無駄話はその辺にしとけ」
もう少し話してもよかったのですが、バリー君に注意された事で話すことをやめ、目の前のことに集中します。
森に着いてから四人は武器を出して位置につきます。バリー君はロングソード、リングス君は弓、クレアちゃんはショートソードと盾、モニカちゃんは長さ五十センチ程の杖を使います。
「討伐依頼はまず目当ての魔物を見つけなければ何も始まりません。ですので、誰かが魔法を使いながら探すのが得策となりますが、見つからない場合、周りを把握しながら魔物を探さなければなりません」
本格的に依頼を開始する前に、私は討伐依頼に対しての行動と考えを話します。四人とも初めての討伐依頼となるので、私の目を見ながら真剣に話を聞いています。
「魔法というと探査魔法のことですか?それなら私使えます」
「俺も使えるけど、モニカの方が魔力多いしそっちの方がいいかな」
「しっかりと役割を決めておいてくださいね。探索魔法を使う際はずっと使い続けるのではなく、一瞬だけ使用し魔物のいる位置と方角が分かるだけで十分です。それなら魔力をあまり使わずに済みます」
「なるほどね、位置と方角だけ分かれば後はそこに進むだけでいいんだね」
「討伐依頼ではいかに魔力を消費しないか、か」
一を説明すれば、そこから自分たちで考え最適解を見つける、どうやらこの子たちはいい冒険者になりそうですね。思わず笑みを浮かべてしまいました。
それからモニカちゃんが探査魔法を使い、ゴブリンがいる位置を見つけた後四人でそこに向かって歩いていきました。バリー君とクレアちゃんが前衛で、リングス君とモニカちゃんが後衛です。
「意識し続けろとは言いませんが、何が起こっても動けるように警戒は怠ってはいけませんよ」
「緊張してきた....」
「大丈夫だってモニカ、前にはバリーとクレアがいるから問題ないよ」
「そろそろモニカが言った場所だ、慎重に行くぞ」
バリー君はそう言うと、歩みのスピードを落としゆっくりと進んでいきます。やはり、四人とも緊張をするようで無意識のうちに呼吸が浅くなってきました。
しばらく進んでいくと人ではない生物の声が聞こえ、その声の主を見ると今回の討伐対象であるゴブリンが四体地面に座って何かを話しているようでした。
「あれが、ゴブリン....」
「予想以上に醜い生き物だね」
「どうやって攻めたらいいんだ?」
「こちらの存在がバレていないようでしたら、奇襲が一番の手です。リングス君の弓でゴブリンに向かって先手を撃ち、裏からバリー君やクレアちゃんが仕留めるという方法が確実でしょう」
「あの、私は何をすれば....?」
「モニカちゃんは、もしもの時のために下がっていつでも魔法を放てるようにしていてください」
四人が私が言ったように動き始め、まずはリングス君がゴブリンに弓矢を放ちます。矢は真っ直ぐ進みゴブリンの頭を綺麗に撃ち抜きました。
リングス君が矢を射ったのを合図にバリー君とクレアちゃんが飛び出し、ゴブリンを攻撃します。武器の扱いは上手いものでしっかりと使えており、さっきの緊張は嘘のようにいとも簡単にゴブリンを倒しました。
(これは予想外ですね、実力でいったらDランクでも上位に入りそうですね)
「あれ、意外とあっさりだったね、ゴブリン」
「あぁ、そうだな。低ランクの魔物ならこんな感じか」
「う〜っ綺麗に決まると気持ちいいねぇ」
「私何もしてないけど、皆んなすごかったよ!」
四人で初めての討伐依頼の達成に喜び合っているところに入っていき私も四人を褒めました。
「おめでとうございます、皆さん。これで依頼は達成ですね。特に言うこともありませんし、実力も十分です」
四人は私にも言われた事で、さらに依頼達成を実感したのか満足そうな顔をして私を見てきました。
「ありがとうございます、シェリアさん!」
「シェリアさんの言う通りに動いただけだけどね」
それからゴブリンの死体は、残念ながら使い道はないため火魔法で燃やし、しばらくしてから王都に戻り始めました。
道中も森の中は警戒しながら進み、特にトラブルもないまま森を出る事ができ、改めて四人に向かって声をかけました。
「改めてお疲れ様です。動きも悪くなかったですし、連携や技術もDランクなりたてとは思えないほど素晴らしいものでした。今回は私が作戦を言いましたが、今後は自分たちで考えられるよう頑張ってください」
「それなら俺がこれから考えるから大丈夫だ」
「バリーなら安心出来るかな...」
「だね」
「んじゃあ、バリーで決まりだな」
ここで、ふと思いついた事があるので四人に聞きます。
「せっかくですから、記念になにかあなたたちにご褒美をあげたいと思ったのですが、何がいいですかね?」
「え、いやいいですよ!わざわざそんなのしてくれなくても...」
私の提案に四人は遠慮をしてきたのですが、私が引く気がないと考えると悩み始め、しばらく待つとモニカちゃんが恐る恐るという感じで手を上げ言いました。
「じゃ、じゃあシェリアさんの顔が見たいなって、ずっと気になってるので」
「あ、それいいかも!シェリアさん、出来る?」
「俺もそれがいいな〜」
「何でもいいから、モニカたちが決めたのでいい」
「顔ですか.....分かりました。それでいいのでしたら取りましょうか」
モニカちゃんたちは私の顔を見たいと言ってきました。少し悩んで下を向いてしまいましたが、別に問題ないだろうと判断をしてフードを取ります。
「うわぁ〜〜〜〜!」
「すごい、綺麗.....予想以上....」
「あちゃー、まさかこれほどとは.....」
「なっ.....!」
「これでいいですか?もう終わりはしますよ。あまり見られたくはないので」
四人にしっかりと顔を見せた後、どこに人がいるか分からないのですぐにフードを被ります。その間もモニカちゃんたちは固まっているようでした。
「では、戻りましょうか、もう夕方になってしまいますから。それと、この事は黙っていてくださいね、お願いします」
それから四人を置いて歩き出しました。
「あんな綺麗な人見たことないよ私」
「そんなのあたしもだよ、絶対美人だと思ってたけどさ....」
「ほんとな.....おい、バリー大丈夫か?」
「あ、あぁ大丈夫だ」
門をくぐって無事に王都に帰る事ができ、ギルドに戻るとソフィさんの受付が空いていてあくびをしていたので、そこへ行き依頼の報告をしました。
「ソフィさん、今戻りました。依頼の確認をお願いします」
「頼む」
「あ、シェリアさんにバリー君たちも、お疲れ様です。今確認しますので少々お待ちください」
冒険者カードを渡して、それをソフィさんが確認をし、しっかりとゴブリンを倒していたので無事、四人の初めての討伐依頼が終わりました。
「シェリアさん、今日は本当にありがとうございました。また機会があれば、是非ともよろしくお願いします」
「そうですね、また時間が合えばその時にお願いします」
ソフィさんと別れ、そろそろ二人のところへ行かなければと思っていると、モニカちゃんたちが私のところへ来ました。
「シェリアさん、この後時間ありますか。今日記念に四人でご飯を食べようと思っているんですけど、シェリアさんはどうですか?」
なんと晩御飯へのお誘いでした。残念ながらこの後子どもたちのところは行かないといけないため、頭を下げながらそのお誘いを断りました。
「すいません、モニカちゃん。この後子どもたちの試験が終わるので、そちらに行かないとならないんです」
「え、シェリアさんって子どもいたんですか!」
「え、ほんとに?!」
「まじかよ.....」
「子ども......」
私が子どもがいると言うと四人は目を見開いて驚愕していました。もはや、この反応ももう見過ぎて慣れてしまいました。
「はい、実子ではないですがいますよ。あ、もう時間がないので行かないといけません、あなたたちならこれからもっと上に行けると信じていますので頑張ってください、ではまた」
急いで冒険者ギルドを出てから、レインたちがいるガルレール学園に向かいました。