転生したら女神様!?〜退屈だから子育てやらなんやらします〜目指せ世界最強お母さん! 作:参勤交代02
入学式の翌日の朝、いつもと変わらない時間に私は目を覚ましました。寝間着から普段着に着替えて一階のリビングへと降り、慣れた手つきで朝ごはんを作ります。
何気なく料理をしているとあることに気付きました。
「やってしまいましたね、いつもの癖で三人分の朝ごはんを作ってますね、これは」
一人で食べるにはだいぶ多くの食材を作っている事に気付き、いないレインとアリアの分のものまで作っていました。
今から料理をやめることも出来ないため、一度全部作り終えてから自分の分だけ食べて、残りはアイテムボックスに入れてまた今度食べることにしました。
それからすることもなく、なんとなく部屋の掃除をし、二人の部屋の中にも入り整理をし始めました。
「あら、ここにあった二冊の本がなくなっています.....もしかして二人が持って行ってしまったのでしょうか?」
棚を整理しようとすると、本が置いている場所に見覚えのある二冊の本が見当たりませんでした。
一つはアリアに初めて読んで欲しいと言われ読んだ昔の私がモチーフにされている絵本、そしてもう一つは先日教科書を買いに行った時に一緒に買った、これまた昔の私のことを書いた本でした。
「二人にとって、あれは大切なものだったのですね。二つとも私の事が書かれている本というのは少し恥ずかしいですが....」
その後も掃除や整理を続け、家の中全てが終わるとリビングに戻り、お茶を淹れて一息つきます。
いつもは何かしら賑やかな家の中が、今日は嘘のように静まりかえり物寂しい気持ちになってしまいます。
「レインたちと出会う前は、いつもこんな感じだったんですけどね....」
二人と出会う前のことを思い浮かべ、今ではありえないことだなと考えていると、このまま何もしないのはダメだなと思い始めました。
「二人は今日から学園で頑張っていくんですから、私もその分頑張らないとですね。よし、決めました....もう一度冒険者を本格的にやりましょう!」
椅子から立ち上がって胸を張ってそう言いました。二人から尊敬される母親でいるためにもなにかを成し遂げた方が良いと思い決めました。
「以前ランクアップの話の時も断ってしまいましたし、今回は遠慮なんかせずどんどん上げていきましょうか」
早速準備.....といっても持ち物は全て持っているのですぐに転移魔法を使って冒険者ギルドへ向かいます。
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王都の中を真っ直ぐと進んで行き、ギルドに着いてから勢いよく扉を開けてギルドの受付へと向かっていきます。
受付へ行くといつも通りソフィさんがそこにおり、私に気付くと笑顔で話しかけてきました。
「こんにちはシェリアさん、お子さんの試験の結果はどうでしたか?」
「こんにちはソフィさん、それについては問題なく合格出来ましたよ。しかも首席と次席です!」
「はぁ〜〜、首席と次席ですか....さすがはシェリアさんのお子さんですね」
「ありがとうございます、私の自慢の子どもたちです。今日は一つお話がありまして....」
ソフィさんの驚く顔が見たくてついつい自慢をしてしまいましたが、想像通りの表情が見れたことに満足し、私は今日来た目的について話すことにしました。
「お話ですか?一体なんでしょう?あ、もしかして遂に冒険者を本格的にやるという事ですか!」
「えぇ、そのまさかです。以前は断ってしまいましたが、子どもたちは学園に行きましたしそろそろランクを上げたいと思います」
「えぇ?!本当ですか!今すぐギルドマスターに伝えてきますので少々お待ちください!」
そういうや否やソフィさんはダッシュでギルドの奥へと消えました。今のやり取りを見ていた他の冒険者からの視線を受けながら待っていると聞き覚えのある声に話しかけられました。
「ん?そこにいるのはシェリアじゃないか、久しぶりだな何をしているんだ?」
声を掛けてきたのは初めて会った時と変わらず紅蓮の髪を後ろに一本結びにしている女性、ジルさんでした。最初会った時よりも大人の雰囲気が出ており、実力もこの四年間でさらに伸ばしているAランクの冒険者です。
「ジルさんですか、こんにちはお久しぶりです。今はギルドマスターのところへ行ったソフィさんを待っているんです」
「ギルドマスター?なぜソフィが彼のところへ?」
「実は今日から本格的に冒険者を始めてランクを上げて行こうと思いまして、それをソフィさんに言ったら走って行ってしまいました....」
私が説明すると少し苦笑いをしたジルさんでしたが、その後は何故か嬉しそうに笑って腕を組み、ウンウン頷きながら話しました。
「そうかそうか、シェリアもやっとランクを上げるんだな、推薦したのに全くギルドに来ないからどうしたのかと心配してたんだぞ」
「うっ、それはなんと言いますか....少し事情がありまして....」
ジルさんにそれを言われてしまうと反論が出来ないため、理由を説明しようとすると右手の手のひらを私に向け、首を横に振りながら私に言いました。
「いや、いいんだ、勝手に推薦したのはこちらであるし、二人の子どもがいるんだろう?それなら仕方ない」
「そう言っていただけると私も気持ちが楽です。ジルさんは依頼を受けに来たのですか?」
「いいや、今日は休みだ。今度依頼で王都を離れるためその前の準備と確認をするために来たんだ」
「そうなのですか、気を付けて下さいね」
「あぁ、それはもちろんだ。シェリアもこれから冒険者をやっていくなら十分気を付けろ、と言ってもブラックミノタウロスをソロで倒すような奴には無用な心配か?」
ジルさんが私のことを心配してくれましたが、最後にニヤニヤしながら揶揄うように言ってきました。私もそれを言われピクリと反応してしまい、ジルさんに聞きました。
「やめてくださいよ、というよりも何処から漏れてるんですか、その情報」
「割と有名な話だぞ、フードを被った女がブラックミノタウロスを単騎で討伐したとな、新たなSランク冒険者の登場だとも言われていたな。私も初めて聞いた時は驚いたぞ」
それからジルさんとしばらくたわいもない会話をしていると、受付の奥からソフィさんが急いで戻ってきました。かなり急いだようで少し息を切らしています。
「シェ、シェリアさん....お待たせ...しました。奥にギルドマスターがいますので.....案内します....」
「ソフィさん....なにもそこまで急がなくても、ジルさん私はもう行きますので今日はこの辺で」
「そうだな、久しぶりに話せて楽しかった、また今度ゆっくり話そう」
ジルさんはそう言って別の場所へ行ってしまいました。私もソフィさんの方へ振り返りギルドマスターの方へと向かいます。
「あれ、ジルさんもいたんですね、気付きませんでした...」
「ソフィさん、案内してくれるのでしょう?はやく行きましょう」
奥へと進んで行き、以前入った時と変わらない扉に着き、ソフィさんがノックをしてから後に続くようにして中に入り、ギルドマスターであるアントンさんに会います。
「よぉ、久しぶりだなシェリア。まぁそこにかけてくれ」
中に入るともうすでにアントンさんがソファに座っており、向かいのソファを指差しながら座るよう言っています。
私は言われた通りにソファへと座り挨拶をします。
「お久しぶりです、アントンさん。いきなりすみません」
「いいんだよ、お前がランクを上げたいと言ってきたら俺も無視出来ないからな。で、早速ランクの話なんだが、さすがに今すぐ上げるというのは出来ない、すまねぇな」
アントンさんが謝ってきますが、私もそんな今すぐ上げられるとは思っていなかったので別に怒ったりはしません。
「いえ、いきなり上げられるとは思っていませんでしたから。やはり何か依頼をこなさないとダメですか?」
「そうだな、何か一つレベルの高い討伐依頼を達成すれば、Bには上げられるな、そこからさらに依頼をこなしていけばAもすぐだろうさ」
「では、何か丁度いい依頼などはありませんか?あるのでしたら今すぐ行ってきます」
そう言うと、ソフィさんが私に一枚の依頼書を渡してきました。内容を読んでみると、それはワイバーンの討伐依頼でした。
「最近、王都の近くの森でワイバーンが頻繁に目撃されているんです。本来ならパーティで挑むような依頼ですが、これならランクを上げる事が出来ますし、シェリアさんなら問題ないと思います」
「という事だから、この依頼を達成できればこちらも文句なしにBランクには上げる事ができる、やるか?」
アントンさんがニヤリとしながら聞いてきますが、答えは決まっています。
「もちろん、受けさせていただきます。すぐに終わらせて来ますので待っていて下さい」
「よし、それなら後の手続きはこっちでやっとくからお前はもう依頼に行っちまえ、お前にはAランクを超える素質があるからな」
「気を付けてくださいね」
その後のことをソフィさんたちに任せて、私はギルドを出てから討伐対象がいる森の奥に向かいました。