ノーゲームノーライフ【ゲーマ兄妹とバグチートな弟がファンタジー世界を征服するそうです】   作:misogi

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ノーゲームノーライフ【七話】

 

 

 

 

 

 

 

――――…………。

 

 

 

 

「………にぃ………ズルい」

 

 

 

 

「あ?おまえまで、なんだよ」

 

 

 

 

「あんな、わかりやすいイカサマ、わざと使うんじゃねぇよ」

 

 

 

――――そう、男の言った通り。

 

 

 

ロイヤルストレートフラッシュなんて手札そうそう出るわけがない。

 

 

 

あんな手札を出すのは、イカサマを使ったと公言しているに等しい。

 

 

 

 

だが―――

 

 

 

「『十の盟約』その八、ゲーム中の不正発覚は、敗北と見なす――――」

 

 

 

ついさっき覚えた、この世界のルールを確認するように呟く青年。

 

 

 

「―――つまり、発覚さえしなきゃ使っていいわけだ。確認出来たのはいいことだろ」

 

 

 

そんな軽い実験をしてみたとでも言いたげに、伸びをする。

 

 

 

「うし、これで多少の軍資金が手に入ったな」

 

 

 

 

「……にぃ………こっちの金、わかる?」

 

 

 

 

「わかるわけねーだろ?でもまあ、任せとけ、こういうのは兄ちゃん達の領分だ」

 

 

 

ヒゲ男とその友人らしき人物には聞こえないようそう言いながら。

 

 

三人は酒屋兼宿屋の中へ入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 ■■■     ■■■     ■■■

 

 

 

 

 

 

なおも勝負に盛り上がる中央のテーブルを余所目に、カウンターへ向かう三人。

 

 

 

カウンターにドサッと、巾着と財布を開いて、フードの青年とがおもむろに問う。

 

 

 

「なあ。これで三人一部屋、ベッドは一つでいい。何泊出来るよ?」

 

 

 

 

マスターらしき人物。ちらりと一瞥して。

 

 

 

一瞬の逡巡のあと。

 

 

 

 

「…………一泊食事つきだな」

 

 

 

が、その言葉にヘラヘラと―――目以外で笑って、フードの青年が答える。

 

 

 

「あはは~あのさ、五徹した後で久しぶりに死ぬほど歩かされてもうヘットヘトなんだよねぇ~――――『本当は何泊か』、さっさと教えてくんないかな?」

 

 

 

「―――なに?」

 

 

 

 

「はぁ~、田舎もんと踏んでぼったくろうとすんのはいいけどよ、嘘つく時は視線と声のトーンに気をつけたほうがいいんじゃね?――――なぁおっさん」

 

 

 

――――と全てを見透かしているかののような視線をしている青年の隣で呆れたような顔をしながら、目は物凄く鋭くマスターを見る。

 

 

 

 

「わ、わかった、よ、四泊で三食つきだ」

 

 

 

「ほい、ごっそさ~ん♪」

 

 

 

そう笑って、部屋の鍵を受け取る青年。

 

 

 

「三階にあがって一番奥、左の部屋だ。はぁ…………名前は?」

 

 

 

不機嫌そうに、宿帳わ取り出すマスターに、答えるフードの青年。

 

 

 

「ん~…………空白でいいよ」

 

 

 

 

受け取った鍵を手でくるくる回して空。

 

 

 

勝負で盛り上がったテーブルを眺める妹の背中をぽんと叩いて。

 

 

 

「ほれ、四泊取り付けてやったぞ。だいたい零の睨みで終わらした――――何してんの?」

 

 

白が見つめる先には、ステファ………なんとか言う、ヒゲの男が言っていた赤毛の少女。

 

 

 

相変わらず苦悩の表情がありありと顔に出ている。

 

 

 

もはや勝つ気があるとは到底思えない程に。

 

 

 

 

「………あのひと―――負ける」

 

 

 

「……ああ、あいつやっぱり、負けちまうか」

 

 

 

 

零は面白い物を見つけた時みたいな顔つきでステファなんちゃらを見ている。

 

 

 

 

「そりゃそうだろ。それがどうした?」

 

 

 

 

あんな露骨に感情を顔に出しちゃ勝てるもんも勝てやしない。

 

 

 

ひょっとしてヒゲの男が言うように、王家の血筋は馬鹿なんじゃなかろうか。

 

 

 

そう思った空が―――――ふと、気づく。

 

 

 

「――――あ」

 

 

 

そして妹と弟が言った言葉の真意に気づいて、こぼす。

 

 

 

「うわ、そういうことか…………こえぇ……」

 

 

 

「………ん」

 

 

 

 

「………そ~だな」

 

 

 

 

黒髪の少女の方を見て、そうこぼす空に、うなずく白に零。

 

 

 

「さっすが……この世界のイカサマはすげぇな。相手にしたくねぇ………が、零の能力のほうがインパクトあって、なんだかな~魔法顔負け?」

 

 

 

 

「……空も(にぃも)、顔負けじゃねぇ?(顔負け)……」

 

 

 

 

その二人の言葉にカチンと来たのか、ムキになって反論する空。

 

 

 

 

「ぬ、馬鹿言うな。イカサマはどんだけ凄いかじゃなく、どう使うかだ」

 

 

 

 

「…………零にぃ、にぃ、アレに、勝てる?」

 

 

 

 

「―――しっかしやっぱここ本当にファンタジー世界なんだなぁ………実感わかないどころか妙にしっくり来るのはなんだろな………やっぱゲームのやりすぎか?」

 

 

 

 

「………オレの能力はイカサマじゃねぇし、それと空はゲームのしすぎだ」

 

 

 

妹の質問に二人はあえて答えず、そう言って三階に向かって歩き出す空と零に。

 

 

 

 

「………愚問、だった」

 

 

 

と、白が謝る。

 

 

 

 

――――そう、『  』と『0』に敗北はあり得ない。

 

 

 

 

 

と………途中、すれ違いざまに。

 

 

 

零が、ステ………なんとかと呼ばれていた赤毛の少女の耳元で、ぼそっと―――――呟く。

 

 

 

「……お嬢ちゃん、イカサマされてるぜ?」

 

 

 

 

「――――――へ?」

 

 

 

そう言うだけ言って、三階に上がっていく空と白の後を追う零の背中を呆然と見送る少女の視線を感じながら…………だがあえてそれ以上何も言わず、振り返らず部屋へ向かった――――。

 

 

 

 

 

 

 

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