史上最強の弟子ケンイチ 実績『達人としか呼ばれぬ者』獲得   作:秋の自由研究

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第二十二回

 ドンドンほんへに食い込む実況、はーじまーるよー。

 

 鈴木はじめくんは生き残りましたが、しかしながら目が覚める事は……ありませんでした……!! 介入の仕方は良かったのですが、何処かでチャートをミスってしまったのでしょうか。生き残ってくれれば貴重な戦力になった可能性もあるので、非常に残念というしかありません。

 

 逆鬼師匠と知り合いに成れたのは良しとしても、それを差し引いても、このチャートにおいて初の失敗らしい失敗をしてしまいました……いけません、こんな事ではこの先のプレイにも支障が出てしまいますね。

 という事で、次に関しては失敗しない様に、気を付けておかないといけません。

 

 時期的に次に始まるのは、谷本君関連のイベントですかね。

 谷本夏。ケンイチにおいて、最初から最後までライバルキャラとしての格を落とさずキープし続けた実力派。ラグナレク第六拳豪として登場し、そのままYOMIの一員となり、最後まで味方というポジションには付かなかった。硬派な中国拳法使い。

 その類まれなる才覚は武術だけにとどまらず、学業、演劇など様々に及び、養父から叩き込まれた英才教育も相まって、弱点の無いスーパー高校生でもあります。

 

 そしてそのルックスも、金髪青眼の絵に描いたような美男子。当然の如くケンイチの中でも屈指の人気キャラでもあります。

 

 しかしずっと恵まれていた、という訳でもなく。その過去は悲惨そのもの。大切にしていた妹さんを、陰謀に巻き込まれて亡くし、しかもその後、財産を悪い大人たちに奪い去られるなど、酷い過去しかありません。

 

 そんな彼と関わるのは、ホモ君にとって大きな意味を持ちます。彼の師匠となる馬 槍月とホモ君は友人関係であり、さらに谷本君自身も原作の重要なキーパーソン。原作に介入する為の、様々なきっかけとなり得るのですよ。

 それに経験値も美味いしな!!!

 

 で、先ずはその夏くんと関わる為に、妹さん、楓ちゃんの主治医になる所から……と言いたい所なのですが、それは無理です(絶ギレ)

 流石に谷本コンツェルンの御曹司時代ですからね。お父さんが何処の馬の骨とも知れない無免許医者を、娘の主治医にする訳がありません。谷本君を跡継ぎにする為には必要な材料なので手厚く扱うと思います(無慈悲)

 まぁその()()()治療で楓ちゃんは死ぬことになるんですけどね。

 

 という事で、楓ちゃんの問題は介入不可能という事で……済まない谷本君……

 ってそんな訳には行かないんですよ。悲しい運命に翻弄されて哀れな少女を見捨てて膨大な経験値を投げ捨てる、など。私のような敬虔な走者には、そんな事、とても出来るものではありません。

 少女を救い、お礼に圧倒的な成長をしつつランダム得能が付く可能性に酔いしれる、そんな機会を手放すなんて……!! え? 悪落ちしてないかって? してないですよ。俺を悪落ちさせたら大したもんですよ。

 

 という事で、楓ちゃんを全力をもって救うために如何様にして彼女の安全な(筈の)鳥かごを破壊するか、という話ですが。

 

 前提として、楓ちゃんが見て貰っている、谷本パパ所有の医療研究施設は大きなものである事は確定しています。まぁ谷本コンツェルンって言うだけはあって、相当の大企業ですからね。所有する施設もケチケチしてたりはしません。

 相当な巨大さを誇り、尚且つ、そこに所属している職員たちもしっかりとした研究者にして医者ばかり。例の女医ですら、そこに入れた時点で一角の医者ではあった訳です。

 

 そんな彼女が、谷本君のパパの様な大企業の頂点に付く人を殺すのに、生中な毒を使うでしょうか? 出来るだけ証拠が出ないような、優秀な毒を、使うのではないでしょうか。医者としての知識をフル活用して。

……とか妄想したくなるようなレベルで、このゲームにおいての女医さんは非常に、そして非情に作戦を遂行して来ます。

 

 お陰で、一般の達人でこの展開に介入しようとなると、ものっそい苦労するんですよね。谷本君に近づいて、仲良くなって、そこから女医の存在を確認し、そして彼女の野望をキャラクター目線で確認してから、毒の出所を確認して……等々。

 しかし、ホモ君なら。とある裏技が使えます。

 

 それがこの『輸送系クエスト』となります。

 このクエストを受注した状態で、特定の場所へ移動する事で成功するのですが、まぁこのクエスト自体が重要なのではなく。これを受けている状態ならば、普段は絶対に入れないような場所にも入れるのです。

 で、医者のホモ君が輸送、又は搬送するのは……当然ながら患者です。患者を送り、その間での万が一が無い様に付きそう。うん、医者の仕事ですね。

 

 という事で、このクエストを受注し、谷本コンツェルン所有の医療施設、諸悪の根源が居る所へ輸送するのです。そして中に入れさえすればこっちのモノ……という訳には行きませんが、何回か出入りしつつ、楓ちゃんに接触を図るのが狙いです。

 

 まぁそう簡単に治療されている患者に会える訳もないのでね。楓ちゃんが死ぬまでの時期に何度か出入りしておく必要があるのですが……ふ、ふふはははははっ!! 甘い、この私がその辺りを考えていない訳が無い、と?

 様々な病院を転々とする間、ちょくちょく谷本コンツェルンに出入りしてたんですよ。患者の移送任務は、別に他のクエストと並行しても進められるタイプなのでね。

 

 取り敢えず、逆鬼師匠イベントが終わるまで、ちょっとずつ仕込みをしていたので……

 

『――おじさん……だあれ……?』

 

 コレもんよォ!!! いやぁ漸く楓ちゃんと会えましたよ。

 楓ちゃんに会えればこっちのもんです。後は投薬するなり看病するなり診断するなり治療するなりまぁ何でもアリですよぐへへへへへ可愛いねぇ楓ちゃん絶対に健康にするからねぇ?(下衆顔)

 

 ……なんてやってやりたい所ですが、しかしながら非常に厳しいのも確か。何せここは谷本コンツェルンのお膝元。勝手に治療なんぞしようもんなら即御用です。医師としての資格を持ってりゃいい訳も聞きますが、こちとら無免許、何時だって逮捕される大義名分を背負って歩いてるカモでございます。

 

 まだ、未だです。まだ耐えなければなりません。楓ちゃんを安全な場所に移して治療する為には時間がかかります。とはいえ、ここまで楓ちゃんが『弱ってきている』なら、後ちょっとの筈なのですが……?

 

『――谷本さんが亡くなったって本当か!?』

 

 キ タ コ レ (富士鷹スマイル)

 

 そう、このイベントで亡くなるのはもう一人、いらっしゃったんですよ。谷本君のお父さんでございます。谷本コンツェルン所有の施設です、要するにオーナーが亡くなった訳ですからそりゃあ動揺もするでしょう。

 

 この隙を突いて、楓ちゃんを誘拐しようと思います。

 初めからこのつもりではありました。突貫工事の正当進化とは言えぬこのキャラクターには、理想の動きが出来る訳がないのです。こういう時、ちゃんと学校を出たキャラなら……と後悔しきりになる事もありますが、しかし悩んでも仕方ありません。救えるものを救うために手段は選びません。

 

 谷本君のお父さんは……今からはどう足掻いても救えないので、せめて娘の命を救うための礎になってもらって。致し方ないコラテラルダメージという奴です。

 

 楓ちゃんを連れだすならここしかないのです。っしゃ、一つの尊い命を救うためにレッツ・誘拐!!

 

 さて、連れ出しさえしてしまえば、後はさっさと治療するだけ。手遅れギリッギリではありますが、何とかならないでもないでしょう。よーし、谷本君に恩売るぞー槍月師父に会わせて貰うぞー!

 




自分で書いてて『この走者割と酷い選択してんな』と思ったのですが、まぁこれが一番効率が良いと思ったのでこのまま貫きます(鋼の意思)
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