麦わらの一味『占い師』マチカネフクキタル   作:赤葉忍

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原作のどこの部分をカットするかの塩梅がなかなか難しい。ちょっと投稿間空いちゃいました。


登るぞ、山

 なんでも食べる奇妙な男、ワポルと出会った翌日、ルフィ達はついに島を発見する。

 

 しかし、上陸しようとしたルフィ達を待ち受けていたのは、銃を構えた男たち。彼らはやけにこちらを敵視しており、警告と共に放たれた銃弾が、ビビの肩を掠める。

 

 仲間を傷つけられ怒るルフィが声を荒げ、あわや一触即発と思われたが、撃たれた張本人であるビビは、ナミを救うためならここで争うべきではないとルフィを諭す。

 

 その言葉を受け納得したルフィは、ビビと共に頭を下げる。そして、その誠意が伝わったのか、とうとう島に上陸することを許可されたのであった。

 

〇〇〇〇

 

「申し遅れたが⋯⋯私の名はドルトン。この島の護衛をしている。我々の手荒な歓迎を許してくれ」

 

 ルフィ達を案内してくれた男、ドルトンが、背負っていた巨大な剣を下ろしながら自己紹介をする。ちなみに、ゾロとカルーは船に残っており、他は全員がドルトンに連れられて彼の家に来ていた。

 

「いえ、気にしていませんから⋯⋯。それより、この島にいる唯一の医者⋯⋯その、『魔女』について教えてもらえませんか?」

 

「うう、魔女とはなんとも不吉な響き⋯⋯はっ!? もしや不思議なまじないで運気を上げられたりするのでは!?」

 

 この島にいるという『魔女』とは、ここに来る途中でドルトンが口にした言葉だ。唯一の医者であるというその人物の情報をビビは知りたがり、フクキタルは『魔女』という言葉の響きに感情を揺さぶられていた。

 

「『魔女』か⋯⋯。窓の外に、山が見えるだろう? あの山々の名は、ドラムロッキー。真ん中の一番高い山の頂上にある城⋯⋯あそこに、人々が“魔女”と呼ぶこの国の唯一の医者、“Dr.くれは”が住んでいる」

 

「よりによって何であんな遠いとこに⋯⋯。じゃあ、すぐに呼んでくれ! 急患なんだ」

 

 ナミの体温は先程測った時点で42度もあり、サンジがそう頼むのも当然のことであった。しかし、ドルトンはそれはできないと首を横に振る。

 

「そうしたくとも通信手段がない。医者としての腕は確かなんだが、少々変わり者のバアさんでな⋯⋯もう140近い高齢だ。あと、そうだな⋯⋯うめぼしが好きだ」

 

「ひゃ、140!? そっちが大丈夫か!?」

 

「ひぃーー!? そんなお年寄りだなんて、やっぱり本物の魔女なんですね!?」

 

 140歳というあり得ない程の高齢に、サンジとフクキタルは驚きを隠せない。しかし、どんなにお年寄りでも、その医者が治療の報酬に欲しい物をありったけ奪って帰っていくタチの悪い輩でも、この国に医者が一人しかいないという事実は変わらない。

 

「おい、ナミ!! 聞こえるか? あのな、山登らねぇと医者いねぇんだ。山登るぞ」

 

 そして、目的地が一つしかないというならば、一切迷いは持たないのがルフィという男だ。ルフィは、ナミの頬をぺちぺちと叩いて起こすと、目を覚ましたばかりのナミに簡潔にそう告げた。

 

「無茶言うなお前! ナミさんに何さす気だァ!!」

 

「そ、そうですよルフィさん! この雪の中登山だなんて、おみくじ引くまでもなく大凶ですよぉ!!」

 

「フクさんの言う通り、悪化するに決まっているわ!」

 

 当然、ルフィの無茶な提案に皆が反対する。健康な人でもこの天候の中歩くのは辛いし、窓から見えるあの高さの山から落ちたら即死は間違いない。

 

 しかし、この提案に乗ったのは、他でもないナミ張本人であった。

 

「⋯⋯よろしくっ!」

 

 弱弱しく笑みを浮かべたナミは、ベッドの中から手を伸ばす。その手をぱしんっ! と叩き、ルフィはにししと笑った。

 

「そうこなきゃな! 任しとけ!!」

 

 本人が行くことを許可した以上、それがどれだけ危険な行為であっても、反対する理由はない。山を登ることは最早決定した。そして、そんな二人を見て、フクキタルも覚悟を決める。

 

「そ、それなら⋯⋯私も行きます!!」

 

「な⋯⋯!? おいおい、フクちゃんまで行くことはねぇだろ!!」

 

 ナミを連れて山を登ることに関しては、反対しても無駄だと諦めたサンジであったが、フクキタルが付いていくことに関しては流石に止める。しかし、フクキタルにも覚悟を決めた理由があった。

 

「私は、リトルガーデンでナミさんとウソップさんに迷惑をかけてしまいました⋯⋯。だから、その時の償いをしたいのです!!」

 

 洗脳のせいでその時の記憶はあいまいだが、フクキタルのせいでナミとウソップが捕まったことは後から知った。それに、ナミの服を破ったのもどうやらフクキタルらしいということを知り、ナミが熱を出したのはもしかして自分のせいではないか⋯⋯と思っていたのだ。

 

「おいおい、フクお前、そんなこと思ってたのかよ。あのなぁ、償いとか言われても、おれもナミも気にしてなんかいねぇぞ?」

 

 ウソップは呆れたようにそう言う。事実、ウソップは怖がりはしていたものの、フクキタルを恨んでなどはいなかった。

 

「ん、ウソップの言う通りだ。⋯⋯よし! フク、お前にナミは任せた。あ、もちろんおれも山には登るぞ?」

 

 そして、ウソップの言葉を聞いたルフィは、しししっと笑って、フクキタルの肩にぽんと手を置く。

 

「え、それって私がナミさんを背負うってことですか!?」

 

「ああ、お前力強いだろ? なら、任せて大丈夫だ。ナミもそれでいいよな?」

 

「⋯⋯うん。フク、よろしくね」

 

「おいおいおい、ナミさんに加えてフクちゃんも行くって言うなら、おれも行くぞ! レディを守るのは騎士(ナイト)の役目だ!!」

 

 フクキタルが突然の大役に目を白黒させている間に、サンジも一緒についていくことを決める。

 

「⋯⋯はい、不肖フクキタル、責任をもってナミさんをどっこいしょ、背負ってみせます!!」

 

 そして、フクキタルも改めて覚悟を決める。こうして、山を登るメンバーは、ルフィにサンジ、フクキタル、それにナミの合わせて4人となったのであった。

 

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