麦わらの一味『占い師』マチカネフクキタル   作:赤葉忍

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ウマ娘の設定はワンピ世界に合わせ色々といじっております。主に強化方面で。


ウマ娘という種族

「──このクジラはアイランドクジラ。“西の海”(ウエストブルー)にのみ生息する。世界一デカい種のクジラだ。名前は“ラブーン”」

 

 ルフィ達にそう説明するのは、“偉大なる航路”(グランドライン)の入り口、双子岬の灯台守をしているクロッカスだ。歳は71歳、双子座のAB型。花みたいな髪型が特徴的である。

 

 “凪の帯”(カームベルト)から無事抜けだし、嵐の中へと戻った麦わらの一味一行は、途中船の舵が壊れるなどのハプニングがあったものの、何とか“偉大なる航路”(グランドライン)突入に成功していた。

 

 しかし、その直後巨大なクジラ、ラブーンに船ごと飲み込まれるという更なるハプニングがあったのだが、飲み込まれた先でラブーンを体内から治療しているクロッカスと出会い、今に至るというわけだ。

 

 ちなみに、ラブーンを捕鯨しようとしていた謎の2人組は、ルフィに殴られた後、ロープで縛り上げられていた。その様子に何となく親近感を覚えるフクキタルであった。

 

「ラブーンは昔、ある海賊達と共にこの岬にやって来た。彼らは、『必ず世界を一周しここへ戻る』といい、ラブーンを私に預けて出発した。もう⋯⋯50年も前の話になる」

 

 クロッカスは、ラブーンが“赤い土の大陸”(レッドライン)に頭をぶつけ続ける理由を、ルフィ達に語る。

 

 50年も経つというのに、未だに帰ってこないのは、おそらくそういうことなのだろう。一味の中でも賢いサンジなどは彼らが既に死んだことを察している様子であった。

 

「う、うう⋯⋯。なんという残酷な占い結果でしょうか⋯⋯」

 

「⋯⋯そこの君、なぜ泣いているんだ?」

 

 何となく重たい空気の中で、フクキタルが急に泣き出し、クロッカスが何事かと尋ねる。そんな彼に対し、フクキタルはその手に持った水晶を指さし、鼻をすすりながら答える。

 

「ぐすっ⋯⋯。わ、私は占いが得意なので、その海賊の方達の安否を占ってみたのです。そしたらなんと⋯⋯既に死んでしまっているという結果が出てきました⋯⋯。これは大凶も大凶。なんとアンハッピーな結末なのでしょうか⋯⋯」

 

「⋯⋯なるほど。君の占いをどこまで信じていいかは知らないが、私が知っているのは、彼らが“偉大なる航路”(グランドライン)から逃げ出したということだけだ。⋯⋯どちらにせよ、彼らがここへ戻ってくることはないだろう」

 

 クロッカスから告げられた事実を聞き、さらに悲しい気持ちになるフクキタル。その沈んだ気持ちに連動するかのように、耳もしゅんと垂れ下がる。クロッカスは、そんなフクキタルをどこか懐かしいものを見るような目で見つめていた。

 

「⋯⋯? あの、クロッカスさん。私の耳がどうかしましたか?」

 

「いや、昔の知り合いを思い出してな。あれは、私が船医をしていた頃⋯⋯」

 

「うおおおおお!!! ゴムゴムのォオオオオ~、“生け花”!!」

 

 しかし、クロッカスの話は途中で途切れてしまう。何故なら、ルフィがゴーイングメリー号のマストを折り、それをラブーンの傷口にぶっ刺すというとんでもない暴挙をやってのけたからだ。

 

「「「何やっとんじゃお前~~っ!!!!」」」

 

 一時は阿鼻叫喚となったものの、結果的にルフィはラブーンと新たに『約束』を取り付けることによって、ラブーンがこれ以上“赤い土の大陸”(レッドライン)に頭をぶつけるのを止めさせることに成功したのであった。

 

「流石ルフィさん! シラオキ様の御使い兼海賊王はやることが違いますね~!! ミラクルパワーを貰うために拝んでおきます。なむなむなむ⋯⋯」

 

「あの野郎船をバキバキにしやがって! おれは船大工じゃねえんだぞ!! おいてめぇ寝てないで手伝えよゾロ!」

 

 ルフィの行動に目を輝かせるフクキタルに、文句を言いつつ船を修理するウソップ、我関せずと寝ているゾロ、ローグタウンで買ったエレファント・ホンマグロを調理するサンジ⋯⋯皆それぞれの行動をとる中、ナミはフクキタルを手招きし、クロッカスの下に来ていた。

 

「ねえ、フクちゃん? そろそろわたし知りたいのよ。あなたの耳と尻尾、それどういう種族なの? クロッカスさんも確かさっき知り合いが居るとか言っていたし、この子の種族のこと何か知らない?」

 

「はい、フクちゃんです! フクって呼び捨てでも構いません! 私の種族は『ウマ娘』といって、見ての通り耳と尻尾が特徴なのですが⋯⋯。正直、私もよく分かっていないんですよね。昔の記憶がちょっぴり抜け落ちているので⋯⋯あ、走ることは得意です!!」

 

「⋯⋯私の知っている範囲だと、『ウマ娘』とは陸上では敵無しと呼ばれるほどの強力な種族だ。海中の魚人族と同じようなものだと思って貰えるといい。その子が言ったように、その強靱な脚力とスタミナで、全力で走るウマ娘に追いつける者は皆無と言っていいほどだ。あとは、そうだな。ウマ娘は女性しかいないことも特徴だ」

 

「女性しかいない!? なんて素晴らしい種族なんだウマ娘!」

 

 ちょうどエレファント・ホンマグロの調理を終えたサンジが、女性しかいないという言葉を聞き目をハートマークにする。

 

 そんなサンジはスルーして、それに⋯⋯と、クロッカスはゴーイングメリー号のマストにかかる海賊旗をちらりと見上げ、こう続けた。

 

「君達も海賊なら、聞いたことくらいあるだろう。世界政府公認の8人(・・)の海賊達、『王下八武海』。そのうちの1人もウマ娘だ」

 

「「王下八武海!!?」」

 

 フクキタルとナミの驚きの声が重なり、その声はルフィやウソップ達にも届く。寝ていたはずのゾロも、『王下八武海』というワードにピクリと反応した。

 

「なんだ、知らなかったのか。じゃあ覚えておくといい。王下八武海の1人、『葦毛(あしげ)海賊団』、“海喰”のオグリキャップ⋯⋯彼女は、間違いなく、ウマ娘の強力さを物語る人物の1人だ」

 

 

〇〇〇〇〇

 

「へっくしゅん!!」

 

 ──ここは、ルフィ達がいる双子岬から遠く離れた海の上。船の甲板の上で、灰色の髪の美女が、くしゃみをする。その音を聞きつけ、小柄な少女が訛りの入った口調でその美女⋯⋯オグリキャップをからかう。

 

「どないしたんや、くしゃみなんかして。風邪でも引いたんか?」

 

「ずず⋯⋯。いや、今朝もご飯をお茶碗100杯分平らげた。体調はいいはずだ。誰か、噂でもしたのかな⋯⋯?」

 

「そりゃあ、天下の王下八武海様なんやから、噂くらいされるやろ。それより、少しは抑えんと、またコックが泡吹いて倒れてまうで?」

 

「ああ、分かってる。だから⋯⋯今日も、あの人達からご飯を貰おう」

 

 そう言って、オグリキャップが見つめる先には、複数の海賊船。そしてその直後、彼女は甲板から姿を消し、さらに僅か数秒後には海賊船内から悲鳴が飛び交う。

 

 その様子を、先程オグリキャップに話しかけた少女⋯⋯副船長のタマモクロスは、呆れた表情を浮かべ眺めるのであった。

 

「海賊船の食糧を奪っても罪に問われないからって理由で、王下八武海に加入したバ鹿は、あいつくらいやろなぁ。目ぇつけられた海賊さんらは、ほんまご愁傷さんやわ」

 

 オグリキャップ率いる、『葦毛海賊団』。彼女たちが麦わらの一味と出会うのは、まだ先の話⋯⋯。

 




ちなみに、まだまだウマ娘は登場させる予定です。お楽しみに!
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