反乱軍のリーダーであるコーザが、クロコダイルが首謀者であることを知ったことで、反乱は止められるかと思われた。
しかしながら、反乱軍と国王軍、双方にバロックワークスの社員が紛れていたことにより、反乱は止まることなく始まってしまったのであった。
「コーザ! しっかりしてよコーザぁぁ!! みんな⋯⋯皆もう戦わないでぇ!!」
コーザと共に広場に降りて白旗を揚げていたファル子は、撃たれたコーザを涙目になりながら揺さぶる。クロコダイルが巻き起こした
そして、宮殿からその様子を見ていたビビの声も当然届くことはなく、そんなビビに近づいたクロコダイルは、その首元を掴んで持ち上げると、残酷な言葉を投げかける。
「全てを救おうなんて甘っちょろいお前の考えが、結局お前の大好きな国民共を皆殺しにする結果を招いた。⋯⋯お前に国は救えない」
ビビの目から、絶望の涙がこぼれ落ちる。クロコダイルはそんなビビを、無造作に宮殿から眼下の広場へと投げ落とした。
常人ならば落下すれば即死する高さから落とされたビビ。しかし、そんなビビを救うべく、上空から飛翔してきたのは、アラバスタの守護神の一角、ペル。そして、その背中に乗ったルフィが、ギリギリのところでビビをキャッチした。
「ルフィさん⋯⋯! ペル⋯⋯! 広場の爆破までもう時間がないの!! 私の声はもう、誰にも届かない!! このままじゃ国が⋯⋯!!」
「心配すんな。お前の声なら⋯⋯おれ達に聞こえてる!!!」
ルフィはそう言ってにっと笑みを浮かべる。そして、ルフィの“おれ達”という言葉通り、広場には既にビビの信じる仲間達が集まり始めていた。
「ああああ~~!! ルフィが生きてるぞぉ~~!!」
「だから言っただろ!! おれにはわがっでだ!!」
「それがわかってたって奴の顔かよ」
「トニー君っ! ウソップさん!! サンジさん!!」
チョッパーとウソップは、ミス・メリークリスマスによってルフィが死んだと言われていたこともあり、ルフィが生きているのを見て驚きつつも喜び涙を流していた。そんなウソップを見て、サンジは呆れたような表情を浮かべる。
「皆ざん、ご無事だっだんでずねぇっ!! よがったですぅぅぅ!!!」
「おいフク、お前暴れるんじゃねぇよ!! こっちだって怪我してんだからな!!」
「ちょっとウソップ!! 誰が宴会の小道具作ってって頼んだのよ!!」
「フクちゃん、ナミさん、Mr.ブシドー!! みんな無事で⋯⋯!!」
遅れてやって来たのは、フクキタルとゾロとナミの3人。フクキタルは酷い筋肉痛で歩けなくなっていたところ、ナミとゾロと合流し、ここまでゾロに背負って貰ってきていた。そしてナミはというと、
「悪ぃみんな。おれあいつにいっぺん負けちまったんだ。だからもう負けねェ! 終わりにするぞ、全部!!!」
『おォし!!!』
ルフィの声に応えるように、一味全員が気合いを入れ直す。そんな頼れる仲間達の姿を見て、ビビは涙を拭い、再び決意を固めるのであった。
〇〇〇〇
「ふんぎゃろぉぉぉ!? あと10分でこの広場に爆弾が撃ち込まれるって、本当ですかぁ!?」
「そうなの!! だからその前に砲撃手を探して止めないと!!」
「おいおい、でもどうやって探せばいいんだよ!?」
ルフィと別れたビビ達は、砲撃を止めるべく、砲撃手の居そうな場所を探すことにする。ちなみに、現在フクキタルは合流してきたファル子に背負われていた。
「チョッパー、あんたの鼻で見つかんないの!?」
「無理だよ!! 火薬の匂いは町中からするんだ」
「空はどう!? ペル!!」
「広場付近の建物の屋上はくまなく探しましたが、どこにも砲撃の用意は⋯⋯」
「おいフク!! こんな時こそお前の占いの出番だろ!!」
「そ、それがですね。クジを出すには多少体力を消耗するのですが、疲労のせいで今出せば確実に倒れてしまうので、出来ないんです⋯⋯。水晶玉も幸運グッズと一緒に潰れちゃいましたし⋯⋯。うう、不甲斐なしぃ⋯⋯!!」
索敵に長けたチョッパーとペルでも見つけることは出来ず、そしてこういう時に1番役立つフクキタルの占いも、戦闘の疲労により行えず、砲撃手が見つからないまま時間だけが過ぎていく。
「どこなの⋯⋯!? もうあと2分半⋯⋯!!」
必死に砲撃手を探すビビの声にも焦りが混じり始める。その隣でフクキタルを背負いながら走っていたファル子は、2分半という言葉を聞き時間を確かめるべく時計台の方を見、そして立ち止まった。
「あった⋯⋯! ビビちゃん、あそこだよ!! ほら、昔砂砂団の秘密基地だった、あの場所!!!」
「⋯⋯!! そうか、あそこなら、人目に付かず、場所も広いわ!! ウソップさん!!」
幼いビビやコーザ、ファル子たち砂砂団が昔秘密基地に使っていた時計台。その場所こそ砲撃手が居るところに違いないと、同じ思い出を共有する2人は確信した。
そして、近くに居たウソップを呼び、他の皆にも伝わるよう煙玉を撃ってもらう。
砲撃まで残り僅か。ウソップからの信号を受け取り、皆が時計台へと急ぐのであった。
明日も投稿予定です。