麦わらの一味『占い師』マチカネフクキタル   作:赤葉忍

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大凶の予感!?

「「バイバイベイビー」」

 

 Mr.9とミス・ウェンズデーのコンビはそう言い残し、ルフィたちよりも先にウイスキーピークへと向かう。

 

 果たして彼らはいったい何者なのか⋯⋯。疑問は残るが、皆それよりも目の前に見える島のことに気が向いていた。

 

「⋯⋯つまり、『記録指針(ログポース)』にこの島の磁力を記録しなきゃ、次の島へ進みようがないのよ!!」

 

「おいおい、じゃあここがすぐにでも逃げ出してぇ化け物島でも、何日でも居続けなきゃならねぇってこともあるのか⋯⋯!!」

 

「そういうこと」

 

 ウソップは、ナミから告げられたその事実に、最悪の事態を想定し、ごくりと唾を飲み込む。

 

 そして、そんなウソップと同じく顔を青くするのは、いつの間にか水晶玉を抱えていたフクキタルであった。

 

「ふんぎゃー!!? ななな、なんということでしょう~!?」

 

「ぎゃー!! おいフクお前、いきなり叫ぶなよ! 驚いただろうが!!」

 

「す、すいませんウソップさん。しかし、この水晶を見てください。先程私が占ってみたところ、なんとまさかの大凶!! この島には絶対に上陸すべきではありません!! この島に上陸した瞬間、大いなる災いの渦に巻き込まれることになってしまいます!!」

 

 不吉な予言を、あたかも確定した未来であるかのように話すフクキタル。そんな彼女を見て、ウソップの胸はさらに不安で満たされる。

 

「な、なあ、ルフィ。おれは別にフクの占いを信じているわけじゃねえが、急に持病の『島に入ってはいけない病』が⋯⋯」

 

「大いなる災いの渦⋯⋯。おもしろそーだな~!!しっしっし!! こりゃあ幸先がいいぞ!!」

 

 しかし、この船の船長であるルフィは、フクキタルの占いを聞いてますます島への興味がわいたようであった。こうなれば、この島の上陸は最早絶対である。まあ、フクキタルの占いがなくてもウソップの持病(うそ)は無視されていただろうが⋯⋯。

 

「ななな!? ルフィさん、言っておきますけれど私、占いだけには自信があるんですよ!? いや、それしか取り柄がないとも言えますが⋯⋯私は、『クジクジの実』の“運勢人間”!! クジや水晶で占った結果は、基本的に覆ることはありません!!」

 

「フクちゃんは悪魔の実の能力者だったのか! そんな君も魅力的だ~!!」

 

 ドン!! と効果音が聞こえてきそうな勢いで自身が能力者であることを明かしたフクキタル。皆その事実には驚いた様子だったが、船長が『ゴムゴムの実』というかなり変な悪魔の実の能力者なので、そこまで反応は大きくなかった。なお、サンジが女性を褒めるのは通常運転である。

 

「えへへ、どうもどうも⋯⋯。じゃなくてですね!! このままでは皆さんの身に危険が⋯⋯」

 

「ん~、でも、おれが死ぬって占いは外れたんだろ? なら、なんとかなるって。それに、もし占いで死ぬなら、その時はその時だ!!」

 

 そう言ってにしし! と笑うルフィに、フクキタルはローグタウンで見たあの稲光を幻視した。⋯⋯やはり、あの時の自分の決断は間違っていなかった。そう改めて確信したフクキタルの身体と尻尾が、興奮でぶるりと震える。

 

「⋯⋯分かりました! それでは私は、ルフィさんの⋯⋯いえ、船長(キャプテン)の運を信じることにします!! ハッピーカムカム、ルフィさんと我らの下に、幸運よ来ませり!!」

 

 フクキタルの目は、キラキラと星のように輝く。これから先、どんな占い結果であろうとも、この人たちと一緒なら大丈夫だ。

 

 

 

 ⋯⋯そう信じていた自分を叱りたい。フクキタルは、眼下に広がる無数の“賞金稼ぎ”達を見て、数刻前の決意が早速揺らぎそうになっていた。

 

「な、なぜこんなことになってしまったのでしょう⋯⋯!?」

 

「それはお前がおれに気づいて起きたのが悪い。⋯⋯さて、賞金稼ぎざっと100人ってところか。相手になるぜ、“バロックワークス”」

 

 自分たちの組織名が知られていたことに動揺するバロックワークスの面々。そんな彼らを見下ろすのは、獰猛な笑みを浮かべたゾロと、ぷるぷる震えるフクキタル。

 

「また二つ⋯⋯サボテン岩に墓標が増える⋯⋯!!」

 

 巻き髪が目立つ男、Mr.8が呟く。

 

 ──ここは、ウイスキーピーク。賞金稼ぎの巣。意気揚々と“偉大なる航路(グランドライン)”へとやってきた海賊たちの墓標は、毎夜増え続ける⋯⋯。

 




次回こそフクキタルの初戦闘
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