真・恋姫無双~舞い降りた天の御遣い達~   作:紅龍帝

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蜀 桃園の誓い

「お兄ちゃ~ん早く早くなのだ」

 

 

「お、お~う」

 

 

自分達よりも先に進む張飛に息も絶え絶えでになりながらも何とか声を出し答える

本郷龍也、現在山道を歩いています。

 

 

え?なんでかって?それは数時間前のこと

 

 

 

見たこともない土地で劉備、関羽、張飛と三国志では有名な名を名乗る少女達と出会いあまりにも訳の分からない状況に混乱し気絶した俺を三人は近くの村に運び介抱してくれた。そして自己紹介を兼ねて改めてここがどこで自分がどこから来たのかを話した。

 

 

「あらためて聞いても信じ難い話ですね。」

 

 

自分がいたところの話を聞いて難しい顔をしる綺麗な黒髪の女の子関羽。

 

 

「まぁそうなるよね……」

 

 

遥か未来から来たって言われても判断できないよな

 

 

「鈴々よくわからないのだ。」

 

 

難しい顔でこっちを見る小さい女の子は張飛。

 

 

「それでお兄さんはこの国のことまったく知らないの?」

 

 

何やら期待したような目で見てくる子は劉備

 

 

「正確に言えばこの時代を知ってはいるし、君たちのことも知識としては知っている……」

 

 

話てる後半自信がないのはこの劉備達が女の子だからだ。

 

 

「じゃあじゃあ、お兄さんは私達の知らない別の国から来た人なんだね!」

 

 

よく分からないが劉備って娘が身を乗り出してきた

 

 

「国って言うか別の世界から来たの方が合ってるかな。」

 

 

タイムスリップよりパラレルワールドに来たって感じ。

 

 

「愛沙ちゃん!鈴々ちゃん!この人きっと天の御遣いさんだよ!」

 

 

まるで憧れの人に会ったかのように瞳を輝かせている。

 

天の御遣い?なんだそりゃ?

 

「占い師管輅が言っていた天の御遣い……あれは戯言なのでは?」

 

 

「鈴々もそう思うのだ。」

 

 

「でもでもこの国のこと知らないし、見たことのない変な服着てるよ!」

 

 

変な服ね

一応学校の制服ですけど……

 

 

「あの~その天の御遣いって何なの?」

 

疑問に思った事を聞いてみることに

 

 

「実はね……」

 

 

話に聞くと漢王朝が腐敗し盗賊が横行して混乱を極めた今、大陸一を名乗る占い師管輅が『東方より乱戦を治める天の御遣いらが流星と共にこの地にやってくる』彼女達は管輅と出会いその話を信じてここにその御使いなる人を探しに来たのだそうだ。

 

 

「天の御遣いっていわれても俺はそんな大層なものじゃないよ。」

 

 

剣術っても剣道ぐらいだし

 

 

「お兄ちゃん、頼りなさそうなのだ」

 

 

「確かに……英雄たる雰囲気は感じられないな」

 

 

すいませんね!所詮は学生ですよ!

 

 

「そうかな~でも違う世界から来たって言うし、キラキラ光ってるよ」

 

 

ゴメンね劉備さん服の繊維で光ってるだけなんだよ

 

 

「それでね御遣いさま。」

 

 

ズタズタな精神の自分に劉備は姿勢をただして話かけてきた。

 

 

「私達は弱い人たちを助けたくて少しでも力になれるようにって旅を続けてきたの。でも三人だけじゃ何の力になれないいまはそんな時代なの。」

 

 

真剣にそして真っ直ぐな瞳を向け話す。

 

「でも無力な私達でも何かできるはず、だから力を貸して!」

 

 

そう言って劉備は手を強く握りしめる。握られた手から伝わってくる人を助けたい心は逆らえないくらい迫力があり魅力があった。

 

 

「……けど俺はそこら辺にいるような人間だよ?天の御遣いだなんて」

 

 

「今は貴方が天の御遣いでなくてもそれでよいのです。」

 

 

「天の御遣いかもしれないってことが大切なのだ」

 

 

「??」

 

 

「今の私達には人を惹き付ける名声や、実績がないの……」

 

つまり管輅の占いが広まっている今、天の御遣いと言う神懸かった評判を利用し、自分達の活躍を世に知らせようということらしい。

 

しかし本当に自分に何かできるのだろうか?頭が良いわけでもないし、力があるわけでない。彼女たちの足手まといになるのではないか?だからといって断ってこの時代で生きて行けるのか?

 

色々な考えがグルグル回る龍也の目に劉備達が入る。

 

 

……なんだ答えなんて簡単だな。

 

 

「……俺にその御遣いって役ができるなら、協力させてくれないか」

 

 

人を助けたい、今目の前の彼女たちの力になりたい。その想いが自然と龍也を動かした。

 

 

「本当ですか!?」

 

「まぁまだ何ができるか判らないけどね。」

 

 

少し照れ隠しに一言つけたす。

 

 

「やったよ!愛沙ちゃん、鈴々ちゃん!」

 

よほど嬉しかったのか目を潤ませ二人を抱きしめたりしている。関羽さんは少し苦笑しているが喜んでくれているみたいだ。

 

 

「それじゃあ景気づけに誓いを立てるのだ!」

 

 

ドやと言わんばかりに胸を張り張飛が提案する

 

 

「あ、それ良いね!」

 

 

「私も賛成です。」

 

 

誓いって……これから頑張るぞ~的なアレか?

 

 

「ですかここでというのは些か……」

 

 

自分達がいるのは小さな村で多少なりとも人の目が気になる。

 

 

「それならここに来る時見つけたあそこに行くのだ!」

 

 

「お、鈴々ちゃん冴えてるね。」

 

 

劉備に褒められ更に胸を張る。そのまま反り返りそうだ。

 

 

「あそこって?」

 

 

「言うよりも行ったほうがよいでしょう」

 

 

関羽さんの笑顔から見るに変な所でわないだろう。

 

 

「ちなみにどこにあるの?」

 

 

「あっちなのだ!」

 

 

ビシっと指を差す先には山が一つ。

 

 

「……山?」

 

 

「我々が目指すのはあの山の中腹ですよ」

 

 

平然と言いますけど………

 

 

「出発するのだ~」

 

 

「お~♪」

 

 

張飛を先頭楽しそうに返事をする劉備。もう決定事項なんだね

 

 

 

 

…………………

 

 

 

 

ってな感じで今は歩いています。決して獣道ではないが自分が居た時代の様に整備された山道ではないのでこれがキツい。

 

 

「ご主人様大丈夫?」

 

 

心配そうに劉備が声をかけてきてくれる。ちなみに自分は天の御遣いで彼女たちはその家臣という形になっている決して自分から『ご主人様』と呼ばしてるわけじゃあない!

 

 

「……二人は辛くないの?」

 

 

「これしきの山道どうということはありません。」

 

 

「私も大丈夫だよ。」

 

 

二人とも顔色変えずに答える。張飛は確認するまでもないか。

当面は自分の体力作りが課題だな

 

そんなこんなで暫く進むと目的の場所にたどり着く。

 

 

「おぉ……」

 

 

目の前には美しい桃色の木々

 

 

「綺麗な場所でしょう?私達偶然見つけたんだよ。」

 

 

満面の笑みで劉備はこの景色を自慢する。見渡す限りの桃の花まさに桃園と言うにふさわしい。

 

 

「お姉ちゃん達こっちなのだ~」

 

 

先に着いた張飛が一番大きな桃の木の下から声をかける。

どうやらあそこで誓いを立てるらしい

 

 

「ご主人様、これより貴方は我々三人の主人。これからは我々の真名でお呼びください。」

 

 

「真名って?」

 

 

「我らの持つ本当の名前、家族や親しき者にしか呼ぶことを許さない、神聖な名前です。」

 

 

関羽は凛とした声で大切なことなのかを説明してくれる

 

信頼の証として自分に預けてくれる。劉備や張飛の二人も納得しているようだ。

 

 

「うん。分かった。」

 

 

「我が真名は愛沙!」

 

 

「鈴々なのだ!」

 

 

「私は桃香!」

 

 

「愛沙、鈴々、桃香……」

 

 

これから先多く呼ぶであろう三人の真なる名。だったら……

 

 

「俺の名前は本郷龍也!桃香達のように真名はない。けど俺はこの名前を君たちに預ける。そしてこの先君たちの力になってみせる。これからよろしくお願いします!」

 

 

今の自分の決意を言葉にして彼女たちに伝えると少し驚いていたがすぐに笑顔になる。

 

 

「私からもよろしくお願いします!」

 

 

「よろしくなのだ!」

 

 

「我ら共に参りましょう!」

 

 

「あぁ!」

 

 

天高く四人の誓いが響き渡る。

 

 

美しき桃の園、劉備、関羽、張飛は天の御遣い本郷龍也と結盟を結び大きな一歩を踏み出した。

 

 

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