真・恋姫無双~舞い降りた天の御遣い達~   作:紅龍帝

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荒野のトラ

広い広いどこまでも続く荒野

 

 

荒れた大地に似合わないな格好をした白い髪の人間が寝てい

絹よりも輝き麻よりも丈夫な上着。それと同様に光沢を放つズボン

まるで我が家に居るようにイビキをかいて西尾大河は寝ていた

 

 

「Zzz」

 

 

岩陰から黄色の頭巾をかぶった三人組が寝ている大河に近寄っていく。

 

 

「……兄貴、コイツ寝てますぜ?」

 

三人組の中で一番小さな背丈の男が大河の様子を窺いながらリーダーであろう長身の男に言う。

 

 

「どこのどいつか知らねぇが上等な服着てやがる。」

 

 

どうやらこの三人は盗賊のようで、見たこともない大河の制服が高価な物だと思っているらしい。

 

 

「売ればきっと高値になりますね兄貴。」

 

 

目の前の獲物を見ながらニヤニヤする。

 

 

「よし、デク、コイツを叩き起こせ!」

 

 

兄貴が図体の一番大きいもといデブの仲間に命令する

 

 

「わ、分かったんだな」

 

 

~sid西尾~

 

ユサユサ

 

体を揺すられてる。多分龍也だろう。後少し寝かせて……

 

 

「お、起きるんだ」

 

 

ユサユサ

 

 

「ん~」

 

 

あれ?龍也ってこんな声低かったけ?

頭が半分寝ぼけるせいかな?

そんな事を考えていると

 

 

ボクッ

 

 

「グフッ」

 

 

腹に痛みが走り大河の睡眠を一気に吹き飛ばす。

 

 

「やっと、起きたんだな。」

 

 

「いッつ、おい、モーニングコールに腹蹴るったぁどう言う了見だ龍也……」

 

 

不機嫌に文句を言うが目の前には北郷龍也と似ても似つかない黄色い布を被った巨体のデブ。

 

 

「龍也が不細工なデブになった!?」

 

 

ほぼ毎日のように会っていた友人の変わり様に思わず大きな声を出してしまう。

 

 

「コ、コイツいきなり失礼なんだな。」

 

 

ノッペリした表情からは分からんが怒ってるらしい。

 

 

大河「って別人か。ったく驚かすんじゃねーよ。」

 

 

寝起き+蹴られたせいで大河の機嫌は非常にに悪い。

 

 

「ご、ごめんだな。」

 

 

普通の学生なら逃げ出すであろう大河のガン飛ばしに思わず謝ってしまう。デブ

 

 

「おいデク!何こんな奴に謝ってんだ!」

 

 

ピタッ

 

 

「あぁ?……こんな奴?」

 

 

自分の後ろから聞こえた声に動きを止める

 

 

「おい兄ちゃん、いい服着てるな。命が欲しかったら有り金と服を置いて……」

 

 

「おい、こんな奴だと?」

 

 

額にしわ寄せ敵意むき出しな目をしながらチョビ髭をはやした男に近づいて行く。

 

 

「あぁ?兄ちゃん口の聞き方に気をつけな。」

 

 

大河の態度にさも当たり前の様に腰の刃物を取り出し、大河に向けてくる。が、

 

 

「そりゃこっちの台詞だァ!」

 

 

しかし本物の刃物を目の前にして臆する事無く殴りかかった。日頃素行の悪い輩と喧嘩をしていれば金属バット角材なんかを持って襲いかかってくる。そんな連中と揉めている大河には刃物なんて見慣れているし、そんな相手にビビったりなどしない。

 

 

バキッ

 

 

「グハ!」

 

 

「ア、アニキ!?」

 

 

大河の右ストレートがアニキと言われる男の顔面を捉え地面に倒れる

 

 

「だ、大丈夫ですかアニキ!?」

 

 

大抵の丸腰のヤツならば刃物などを向ければ怖がり、有り金や身ぐるみを素直に置いていくのが当たり前だからいきなり殴り掛かってて来た時は他の二人は反応ができなかった。

 

 

「このガキが……」

 

 

痛む顔を押さえ大河を睨みつける

 

 

「先に刃物の向けたのはあんただぜ?反撃して当たり前だろう?」

 

 

余裕綽々にニヤニヤ笑う姿、ましてや自分たちよりも年下のガキ殴られた事にアニキと呼ばれる男はは我慢ならなかった。

 

 

「テメー今ここで斬り刻んでやる!!チビ、デク!!」

 

 

「へい!」

 

 

「分かったんだな!」

 

 

アニキの一声に二人はナイフや斧を取り出す。

 

 

「命ごいしても許してやらねーぞ!!」

 

 

完全にやる気になった三人を見て大河は満面の笑みを見せる。三対一という不利の中それを楽しんでいるかのような笑み

 

 

「売られた喧嘩は買うが俺!そっちこそ後で泣いても知らねぇぞ!」

 

 

荒野で生粋の喧嘩好きと三人の盗賊の戦いが始まった。

 

 

 

……………………

 

 

……………

 

 

……

 

 

大河が戦うほんの少し後ろの荒野に馬に乗る一つの集団がいた。

 

 

「はぁ~面倒くさいわね~」

 

 

やや露出度の高い真紅の服に身を包み硝子細工の様な綺麗なピンクの髪をなびかせて孫策は文句を言う。

 

「策殿、そう文句をたれなさるな」

 

 

孫策と言う女性に付き添う様に馬に乗っている妙齢の女性、黄蓋がなだめる。

 

 

「いきなり呼び出したと思ったら周辺の警羅に行って来いだなんて。」

 

 

「今の儂らは客将なのじゃから辛抱されるのだ。」

 

 

「それはそうだけどねぇ。」

 

 

本人も分かってはいるのだが大好きな酒を飲んでいる時に袁術に呼び出されたから少々ご立腹。黄蓋もその場にいたのだから彼女の態度にただため息をするばかりである。

すると前方から偵察に出した兵士が走って来た

 

 

「ご報告!」

 

 

「なんじゃ?」

 

 

「この先一里で盗賊が人を襲っています!」

 

 

黄蓋の馬の側で発見した事を報告する。

 

 

「襲われているのは農民か?」

 

 

「いえそれが判断できないのです。」

 

 

報告する兵士の歯切れがどうも悪い

 

 

「どう言う事じゃ?」

 

 

「着ている服見たことがなく輝いていていた為農民でないと思われましたが身分の高い者にしては周りに従者らしき姿は見えませんでした。」

 

 

「どちらにせよ盗賊に襲われているのじゃから助けねばならんの…策殿!」

 

 

隣にいたはずの孫策が居ない。

辺りを探す黄蓋に

 

 

「孫策様でしたらすでに向かわれてしまわれましたが……」

 

 

兵士のゆびを指す方向に猛進するピンク色の髪が見える。

 

 

「まったく何故そう勝手に行ってしまわれるのかの……全員駆け足!!」

 

 

深い深いため息をついては孫策を追いかける。

 

 

…………………

 

 

…………

 

 

再び戻って

 

 

ボカ!

 

 

「グェ!」

 

 

「どうだ!」

 

三人に囲まれないよう立ち回り攻撃しては距離をとり一対一の状況に持ち込みながら大河は戦っていた。

 

 

「テメー、やるじゃねえか。」

 

 

盗賊達は大河に殴られ蹴られでボロボロだかまだ体力はあるようだ。

喧嘩に馴れていると言っても相手は殺伐とした今を生きている本物の盗賊。武器を持たない学生が拳だけで簡単にゆく相手達ではない。

 

 

「喰うんだなぁ!」

 

 

どうするか考えて止まった隙に死角である後ろからデクが大斧を振り下ろす。

 

 

「おっと、」

 

 

ズゥゥン

 

 

大河が避けた斧が地面を揺らす程の重たい音を響かせる。

その斧を見て大河が閃いた

 

 

「ちょいとそれ借りるぜ」

 

バキッ!

 

巨体の鳩尾を殴りバランスを崩したところで素早く肘鉄を喰らわせる

 

 

「グゥ…」

 

 

バランスを崩して倒れるた盗賊をよそに地面に刺さった斧を持ち上げる。

 

 

「う~んちっと重いかな?」

 

 

持ち上げた斧を縦に振ったり横に薙ったりしてみる。

 

 

「うぅ、オイラの斧取られたんだな。」

 

 

「ぐずってんじゃねぇ!あんなガキにお前の斧が扱えるかってんだ!」

 

 

若干涙目のデクを叱りつける

 

 

「さぁ~て、武器も手に入ったしこれで対等かな。」

 

 

しかしアニキの考えはハズレ大河は重たいであろう斧を自分の肩にゆっくり乗せて三人と対峙する。

 

 

「ア、アニキ…何かコイツさっきと違いますぜ。」

 

 

悠々と斧を担ぐ姿は先刻の拳を振っていた青年とは雰囲気が違っていた。

 

 

「さんざん刃物振ってくれた御礼…しっかり受けてもらおうか。」

 

 

眼光が鋭くなり今にも襲いかかりそうな危ないオーラが漂ってきている。盗賊といえどバカではない。長年の略奪や戦いの経験から判るものがある。目の前にいるコイツは危険だと。

 

 

「う…おいお前先に行け。」

 

 

「嫌ですぜ!アイツ目が本気ですって!」

 

 

「おい、デク。」

 

 

「お、オイラ武器取られたんだな。」

 

 

最初の勢いはどこにいったのか盗賊の三人は大河の気迫に押され誰も戦おうとしない。

 

 

「おい、来ないならこっちから……」

 

 

大河がゆっくりと斧を構えると

 

 

「ひ、ひぃぃ」

 

 

「あ、アニキ待ってくだせ~い。」

 

 

「うぅ…オイラの斧……」

 

 

アニキと言う男を一番手に盗賊達は信じられない程の速さで逃げて行った。

 

 

「逃げんなら最初からケンカ売んなっての。」

 

 

重たい斧をその場に下ろし疲れた体でそのまま仰向けに倒れる。

 

 

「はぁ~~久びさに疲れた………」

 

 

激しい運動した大河を熱い陽射しが照りつけ大河は倒れた

程なくして……

 

 

「……あら?」

 

 

盗賊がいると聞いて真っ先に向かって来たが、お目当ての盗賊は居らず代わりに見たことのない格好をした白髪の青年が目の前で倒れている。

 

 

「お~い。」

 

 

馬から降りて呼んでみたり指でツンツンしてみるが全く起きない

 

 

「はぁ、はぁ……策殿あまり老いぼれをいじめんくだされ。」

 

 

先走った孫策に追いついた黄蓋は息を切らし少々ご立腹の様だ。

 

 

「策殿その者は?」

 

 

孫策に頬を突かれてる大河に黄蓋は尋ねる。

 

 

「私が来た時はここで倒れてたわ。」

 

 

起きない大河を今度は頬を引っ張っぱったり寄せたりと孫策はなんだか楽しんでいる様だ。

 

 

「服装から言って報告あった盗賊に襲われてた者らしいの。」

 

 

「光ってる服を着てるなんてこの子身分高いのかしら?」

 

 

「(そう言いながらも顔をイジルの止めないのじゃな)」

 

 

言ってる事とやってる事が合っていない。

 

 

「とりあえず拾って行きましょう。もしそれなりに身分が高いなら色々と都合がいいし。」

 

 

「しかし見慣れぬ格好に歳に合わず真っ白な髪。妖かも知れませぬぞ?」

 

 

輝きを放つ上着このような服は建業で見たこともない。見たところまだ成人になっていないような若さが見える顔をしている。しかしそれに合わないボサボサの白髪

 

 

「もし妖だったら処刑。違ったら……何らかに使いましょ。」

 

 

「この様な者を使えるとお考えか?」

 

 

「まぁ私の勘でしかないけどね。」

 

 

そう言う彼女の勘はかなりのものであり一種の才とも言えよう。

 

 

「公謹が何というかのぅ……」

 

 

「暝琳なら大丈夫よ。そう言うことでこの子よろしくね。」

 

 

「はぁ……爛漫娘のお守りも大変じゃな。」

 

 

孫策に聞こえないように呟くと気絶した大河を拾いあげる。

 

 

 

こうして大河は孫家に連れてかれた。

 

 

 

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