ポケットモンスター~WORLD TOUR~ 作:ゼクスバーナー
2日後の午後1時……僕とナツキさんはハナダジムの前に立っていた。
「ハルトくん、今日勝てばバッジ2つ目だね!」
「うん!昨日の調整もいい感じだったしいつも通りにポケモン達を信じて戦うよ」
「うん、ファイト!」
ニビジム戦の前は緊張してたけど今回は変に緊張してなくていい感じだ。よし、行くぞ!
僕は気合を入れハナダジムへと入った。
「ようこそチャレンジャー、確かハルトって言ったわよね?」
「はい!今日はよろしくお願いします!」
ジムへ入った僕達を出迎えたのはジムリーダーのカスミさん。カスミさんの問いに僕は元気よく答えた。
「元気がいいわね。現在持ってるバッジの数は?」
「1つです」
「そう、分かったわ。じゃあフィールドに案内するわ……って言ってもここなんだけどね?」
カスミさんはボールを2つ選び、フィールドに案内するといいつつプールを指さした。
「……プール、ですか?」
「えぇそうよ。ここがハナダジムのバトルフィールド、見たまんまプール。つまり水中戦も可能なの」
「さすが水のエキスパートって言ったところですね……」
「ふふっ、安心しなさい一応足場もあるから泳げないポケモンも平気よ」
今度はその足場とやらを指さすがだいぶ小さい。大型のポケモンは不利そうだ。と言ってもブイとフッシーは小型だからそこまで気にする必要はないけど。
「準備はよろしい?バトルを始めましょ?」
僕は頷きフィールドのチャレンジャー側へ、カスミさんは向かいのジムリーダー側へと移動した。
「それではルールの確認をします……」
審判役の人が現れて……ってえぇ!
「ハルトくん、あの人って!」
観客席に移動していたナツキさんも気づいたようだ。審判役に現れたのは他でもないものの2日前に会ったマサキさんだった。……にしてもずいぶんボロボロだけど大丈夫だろうか……。
「あー、ハルトくん達気にしないで?一昨日ちょーっと懲らしめるついでに審判頼むねってぼっこぼ……じゃなくてお願いしただけよ」
……いやいやいや、今間違いなくボッコボコって言おうとしてたよね?ついでのお願いというかもはや無理矢理やらせてるよね??
あれこれ考えてるうちにボッコボコにされたマサキさんがルールを淡々と説明し始めた。
「使用ポケモンは2体のシングルバトル。道具は使用不可、ただし持ち物として持たせてるものは許可します。チャレンジャーのみポケモンの交代が可能です」
ルールはニビジム戦と変わらずって感じだね。というかマサキさんいつもの関西弁はジム戦という公の場だから封印?それともボッコボコにされてテンションダダ下がりだから?
色々と気になることはあるけど今は目の前の事に集中しなきゃ。
「バトルスタート!」
マサキさんがそう宣言するのと同時に僕とカスミさんは最初の1体を繰り出し、フィールドに現れたのはヒトデマンとフッシーだった。
「くさタイプね……セオリー通り弱点を突いてきたってわけね」
「えぇ、バトルの基本ですからね。フッシー、つるのムチ!」
フッシーはヒトデマンが乗っている足場に向けてムチを伸ばしたがヒトデマンはプールの中へと逃げた。
「いくら相性が良くても水中に逃げれるヒトデマンの方が有利かしらね。ヒトデマン、みずでっぽう!」
ヒトデマンはフッシーが乗っている足場の真下へ泳いできて足場めがけて攻撃してきた。足場を崩されたフッシーはプールに落ちてしまった。
「フッシー!」
「まだまだいくわよ!こうそくスピン!」
水中の中で上手く動けないフッシーに今度はこうそくスピンで直接攻撃してきた。
「フッシー、ギリギリまで近寄って来たところをムチで返り討ちにするんだ!」
「!?ヒトデマン、ストップ!」
僕の指示を聞いてカスミさんはヒトデマンに止まるよう指示をしたが止まる速度になるころにはフッシーのムチがヒトデマンに直撃し、プールから追い出された。
「やるじゃない」
「水中で上手く動けないなら下手に動いて体力消耗させるより近付いてきたところを叩いた方がいいと思いまして」
「へぇ、なら遠距離から攻撃するだけよ!ヒトデマンみずでっぽう!」
カスミさんが指示を出し、フッシーにダメージを与えていく。だけど僕のフッシーもそう簡単にやられるわけにはいかない!
「フッシー、つるのムチで物を掴みながらプールの外へ!」
指示をするとフッシーはプールに浮かぶ足場などにつるのムチで掴み一気に出したムチを自分からしまうように移動して回避し続け遂にプールの外へと脱出した。
「ヒトデマン!みずでっぽう!」
「プールの外に出れればこっちのもんだ、はっぱカッター!」
ヒトデマンは足場に居ながら水中のフッシーに攻撃を続けていて水中に移動していない今がチャンス!
お互いの技がぶつかり合って爆発が起こり、しばらくして爆発による煙が晴れるとそこには倒れた2体のポケモンが居た。
「……。フシギダネ、ヒトデマン共にせんt」
「ちょっと待ったー!」
カスミさんが大声を出しマサキさんを止める。フィールドをよく見てみるとヒトデマンは完全に戦闘不能になっていたがフッシーは体力ギリギリのところで耐えていた。
「特性のしんりょくね……中途半端に体力削ったのが仇になったわね」
しんりょく……体力が減ると発動する特性でそのおかげでフッシーの攻撃の威力が上がってわずかだけど競り勝ったってわけか……。
「ヒトデマン戦闘不能!フシギダネの勝ち!」
マサキさんがそう宣言するとカスミさんはお疲れ様とヒトデマンをボールに戻し次のポケモンを出そうとしていた。
「フッシー、一度戻って!今のままだと次のポケモンにやられちゃうから一旦回復しよう」
フッシーが頷くのを確認して僕はフッシーをボールに戻しブイが入ってるボールを手に取りカスミさんと同時に2体目のポケモンとして繰り出す。
「スターミー!」
「ブイ!」
カスミさんが出してきたのはスターミーだった。ナツキさんのポニータよりもずっと素早いポケモンだ。
「ふふっ、あなたの次のポケモンはイーブイね。私相手に水中戦が出来るポケモンを用意しなかったのは仇になったわね。スターミー、スピードスター!」
「必中技か!ブイ、でんこうせっかで被弾数を抑えて攻撃だ!」
ブイは指示通り動くが足場が限られているのと相手の攻撃が早いのとで上手くかわせずダメージを受けてしまった。
「まだまだ行くわよ!バブルこうせん!」
ブイはなんとかして避けようとするがすべての足場を壊されプールへと沈んでしまった。
「ブイ!」
「あなたには悪いけどこれでおしまいかしらね?」
くそっ……このまま何も出来ないで負けてしまうのか……。
ブイside……
(ハルト……。ごめん力不足で。せめてこの姿じゃなかったら……)
僕はプールに沈んでいく中で何もできない自分自身を責めていた。
(僕は知ってる……自分が同族の中でも特に異質だということを。そしてその力を使えばハルトを勝たせることが出来るはずなんだ)
けど……。『アレ』をやると相当体力を使ってしまう……。それに僕のそんな能力を見てハルト達は僕から離れてっちゃうじゃないだろうか……。
そんな時、わずかながらに上でジムリーダーとハルトが会話しているのが聞こえた。
「まだ上がってこないわね、早く降参して助けるべきだと思うけど」
「いいや、まだですよ。僕の相棒はすぐ戻って来ます、今頃水中でスターミーの攻略法でも考えてるんですよ。それに『まだ僕は諦めてなんかいない』」
ドクン!
その時僕の中で何かが起きた。
(ハルト……僕が戻ってくると信じてる。いつ戻るか分からないのに。けど、そんなハルトの思いを僕は無駄にはしたくない!!)
僕はハルトを信じて、そして僕自身を信じて自分の能力を解放した。
ハルトside……
「そうは言ってもみずタイプのポケモンでもないのにいつまでも潜ってられる訳じゃないでしょ。ポケモンの為にも早く降参しなさい」
「……いいや。どうやらブイも降参するつもりはないようですよ!」
水中から光輝く物体がプールの外へと現れ、僕の横に来るといつもの姿とは違うブイが立っていた。
「「「!!??」」」
その場に居た僕以外の人はみんな驚いた。
「水中にみずのいしなんかないのになんで……」
「すごい……ブイが進化したんだ!」
(この土壇場で進化やと!やるでないかハルト!!)
「待たせたねハルト……」
「んー、ブイならきっと戻ってくるって信じてたから。けどまぁまさか進化して戻ってくるとは思ってなかったから嬉しい誤算かな?」
「実は……」
ブイが何か言いたそうにしていたが僕は言わせなかった。
「話はあと!今はジム戦だよ、勝つよブイ!!」
「うん!!」
「何を話してるかはしらないけど、とりあえずバトルは続行でいいのかしら?」
カスミさんの問いに僕は元気よく答える。
「はい!勝ちますよ!」
「そうこなくちゃ!スターミー、スピードスター!」
「ブイ!みきりで避けてからプールに潜ってでんこうせっか!」
必中技のスピードスターをみきりで完全にかわし、シャワーズに進化したブイはプールに潜って完全に姿をくらまし、尚且つでんこうせっかでダメージを与えていく。
「シャワーズが特性とは別に元から持ってる能力、水に溶けることが出来る力ね」
「そうみたいですね」
図鑑が光っていたため開くとシャワーズのページになっていた。僕はそこで確認したのだ。それにどうやらイーブイの時に使えなかった技が使えるようになっているようだ。
「ブイ!スターミーを水面に叩きつけてオーロラビーム!」
水中から飛び出したブイはでんこうせっかでスターミーを水面に叩きつけ、続けてオーロラビームでダメージを与えた。
「やるじゃない!けどこおりタイプの技はいまひとつよ!スターミー、じこさいせい!」
スターミーは身体を輝かせ体力を回復した。だったらこれならどうだ!
「ブイ!シンクロノイズ!!」
ブイは身体から不思議な波動を出してスターミーを攻撃した。
「自分と同じタイプに攻撃できる技ね……けどその技自体がエスパーの技だから問題ないわ!スターミーこうそくスピンで突き放して!」
こうそくスピンがブイに当たり、ブイは僕が立ってる場所へ、スターミーはカスミさんのところへ戻った。
「やるじゃない、けど負けるわけにはいかない!スターミー、こうそくスピン!」
「いいえ、もう終わらせますよ」
今の状況下で使える技は出した、最後はこれで……!
「ブイ決めるよ!とっておき!!」
こうそくスピンで突っ込んでくるスターミーに対し、こちらも光を纏ったブイがそれを迎え撃つとフィールド中央部で大爆発が起こり2体のポケモンは再び元の位置へと戻った。
「……っ、私の負けね」
カスミさんの所へ戻ったスターミーは完全に戦闘不能状態になった。
「スターミー戦闘不能!よって勝者はチャレンジャーのハルト!」
マサキさんが宣言すると僕はつい大声を出してしまった。
「やったー!ブイ勝てたよ!!」
喜びをブイと分かち合おうとブイの方を見ると光に包まれたブイはシャワーズからイーブイへと変化してしまった。
「……アハハ、ハルトが言ってたよね話はあとって。後で話すからとりあえず今は勝てて良かったねハルト!」
「ブイ……。うん!ありがとうブイ!もちろんフッシーも!!」
フッシーのボールを手に取りボールに向かってありがとうと言った。
「ハルトくんおめでとー!そしてお疲れ様ー!」
観客席で見ていたナツキさんも駆け寄ってきた。
「まさかあんな土壇場で進化させられるなんて……ってあれ?イーブイに戻ってる??なんで???」
「わいもそれ気になるわ、教えてくれや……ってカスミさんハルトにバッジバッジ!」
「あぁ、そうだったわね。はい、これブルーバッジ。ちゃんとリーグ公認よ」
関西弁に戻ったマサキさんに言われカスミさんはジムトレーナーの人からバッジを受け取りそれを僕に渡してくれた。よし、これでカントーのバッジは2つ目だ!
こうして2つ目のバッジを手に入れた僕はポケモンを休ませる為にポケセンへと向かった。謎の進化と退化の事を聞きたいという事の為カスミさんやマサキさんも僕達に同行した。
なにはともあれ勝てて良かった……。
FC2ではこの後3ページ程くっついていますが、その部分は閑話と称して次のページに投稿しようと思います。
にしても……これ書いてたのだいぶ前だけど中身スッカスカだよなぁ……(ォィ