ポケットモンスター~WORLD TOUR~ 作:ゼクスバーナー
今回はあの親子が登場します。
翌日、準備を済ませて僕達はジョーイさんに預けてたポケモンを引き取り、ジムの目の前にやって来た。
「さぁ、ハルトくん今回も頑張っていこー!」
「うん!新しい仲間達と今回も勝ってみせる!」
いつも通り気合を入れて、僕達はジムへ入った。
「ファファファ、よく来たな少年」
「ようこそセキチクジムへ」
ジムに入った僕達を出迎えてくれたのは忍者のような格好をした2人組だった。背が高い男の人と僕やナツキさんとそんな歳の変わらない女の子だ。
「えーっと、アンズさんは……」
「あたいだよ!」
「じゃあ隣のその方は……」
「あたいの父上であり元セキチクジムリーダーで現ジョウト四天王の1人、キョウだよ!」
僕とアンズさんのやり取りをする中で最後にアンズさんが言った言葉に衝撃を受けた。
「「四天王!!??」」
どうやら衝撃を受けたのはナツキさんもだったみたい。
「フフッ……安心しろ少年、今日はオフだから娘の戦いを観戦するただの父親だ。我が娘とどんな戦いをするのか楽しみにしているぞ」
キョウさんはそう言うとナツキさんを観客席まで案内しバトルが始まるのを席に座って待っていた。
「あんた名前とバッジの数は?」
「ハルトです。バッジの数は4つです」
アンズさんに聞かれたためそう答えるとアンズさんの表情が変わり、観客席のキョウさんの方を向いて何かを訴え始めた。
アンズside……
(父上!!挑戦者のバッジ4つだそうですよ!?あたいまだバッジ4つ以上持ってるトレーナーと戦ったことがないですよ!?)
あたいはまだ父上の跡を継いで日が浅い。今まではバッジ2つ3つ持ってるトレーナーが来ることはあっても4つ以上持ってるトレーナーが来ることはなかった。
(ファファ、臆するなアンズ。幼い頃より当時ジムリーダーであった父の修業をやってきただろう?自信を持って戦うがいい)
そ、そうだ……。ジムリーダーだった父上の修業をずっとやってきたんだった……。バッジ4つ以上のトレーナーもこれから先も現れるのだから何も臆することは無い!
あたいは父上の方を向いたまま頷き、一度深呼吸してから挑戦者の方へ向きなおった。
ハルトside……
アンズさんは一度深呼吸してから僕の方に向きなおって口を開いた。
「バトルは3VS3のシングルバトル、交代は挑戦者のあんただけOK。先に3体とも戦闘不能になったら負けだからね」
「分かりました!」
僕が了承するとフィールドに案内されてスタンバイを行う。するとどこからともなく忍者の格好をした審判役のジムトレーナーが現れた。
「ジムリーダー、挑戦者共に準備はよろしいですか?」
「はい!」
「もちろん!」
「では、バトルスタート!!」
審判の合図と共に僕とアンズさんは最初のポケモンを繰り出した。
「出てこいマタドガス!」
「頼むよブイ!」
アンズさんはマタドガス、僕はブイを出した。さてどう攻めるかな……。
「バッジ4つ持ってるというからどんなポケモンを使ってくるのかと思えばイーブイとは……。あたいを舐めない方がいいよ!マタドガス、ヘドロばくだん!」
「来るよブイ、でんこうせっか!」
マタドガスが放つヘドロばくだんを避けつつブイはでんこうせっかで距離を縮める。
「中々すばしっこいね……マタドガス、えんまく!」
マタドガスは口からえんまくを吐き出して姿を隠した。
「む……」
さてどうしたものか……。こっちからは姿が見えないしな……。
「どうした?来ないならいくよ!マタドガス、ダブルアタック!!」
向こうからはブイが確認出来るのか、ブイはマタドガスの攻撃を食らってしまった。
「ブイ!だったらこれでどうだ、スピードスター!!」
ブイも負けじとスピードスターで応戦するがやはりダブルアタックを食らってしまう。……ここは一旦引くか。
「ブイ!」
僕はブイの名前を叫ぶ。
「名前を呼んでどうするんだい?マタドガス、ダブルアタック!」
マタドガスの攻撃がブイに当たる瞬間だった。
スカッ……。
マタドガスの攻撃はブイには当たらず、というか別の何かを通り過ぎた。
「どういうこと……?攻撃は当たったはずじゃ……」
アンズさんも何が起きているのか分かっていない。
「えんまくが邪魔で逆に見えないんじゃないんですか?」
「は?」
「バトンタッチだシド。マタドガスをめいっぱいおどかしてやれ」
僕がそう言うとシドはえんまくに隠れながらマタドガスをおどろかすで攻撃していく。アンズさんは何が起こっているのかまったく分かっていない。
キョウside……
「ほぅ、あの少年中々賢いな」
観客席でバトルの様子を見ながら呟いた。
(えんまくでマタドガスを発見出来ない不利な状況をイーブイのバトンタッチで恐らくゴースに交代し、ゴースのガス状の身体を活かして身を隠しながら攻撃をするという形で不利な局面をひっくり返したか。ゴーストタイプのポケモンにはノーマル技は効果がないしな。そしてアンズはまだ気づいていないようだな……)
ナツキside……
(キョウさんという元セキチクジムリーダーで現ジョウト四天王の1人とハルトくんの戦いを見てるけど、どうやらハルトくんは不利な状況をひっくり返したみたい……)
にしても……。
(キョウさん、さっきからニヤニヤしたりいきなりファファファとか言うからちょっと恐いんだけど……)
アンズside……
(一体どうなって……。さっき挑戦者はシドとか言ってたからおそらくポケモンを交代したのか……?そしてそれはえんまくに隠れながらマタドガスを攻撃してる?)
あたいは色々と考えてはみるがまったく見当もつかない。
ハルトside……
「アンズさん……色々と悩んでますね?」
僕がアンズさんにそう聞くとアンズさんは別に悩んでなんかない!と答えた。ネタ晴らしするのは……マタドガスを倒してからでいいよね。
「じゃあどんどん攻めますよ!シド、さいみんじゅつ!」
シドはえんまくに隠れながらマタドガスにさいみんじゅつを当てて眠らせる。
「シド、ゆめくい!!」
僕が指示するとシドは不思議なオーラを発してマタドガスを苦しめる。そしてほどなくしてマタドガスは戦闘不能になった。
「マタドガス戦闘不能!ジムリーダーは次のポケモンを出してください」
審判がそう言うとアンズさんはマタドガスをボールに戻した。そしてマタドガスがボールに戻ったことによりえんまくが綺麗に無くなった。
「なるほど……ゴースだったのね。こりゃ一本取られたよ」
そう言って次のポケモンを出そうとした時だった。
「「「!!??」」」
この場にいた全員が驚いた。シドはいきなり白い光に包まれ、ゴーストに進化した。
「……もしかしてシド、進化できるの分かっててあえて今までしなかったでしょ?」
ゴーストに進化したシドに僕が尋ねると、シドは笑いながら頷いた。……まったくイタズラ好きというか人を驚かせるのが得意なのか……。
「その子には困ったね……。進化したことだし、この子で相手をしてあげる!」
そう言ってアンズさんが次に繰り出して来たのはモルフォンだった。
「モルフォンですか……」
「コンパンの時から育ててるから実力は相当だよ!モルフォン、サイケこうせん!」
「避けろシド!!」
モルフォンから放たれたサイケこうせんをシドは間一髪のところで回避した。
「モルフォンもう一度サイケこうせん!」
「シド、シャドーボール!!」
お互いの技はぶつかり合って爆発音と共に相殺して消えた。
「相殺か……!」
「後ろががら空き!!モルフォン、サイケこうせん!!」
「なっ!?」
モルフォンは技が相殺されたのと同時に動き始めていたのかシドの後ろに回り込みサイケこうせんを命中させた。
「シド!!」
サイケこうせんの直撃を受けたシドはだいぶふらついていたがなんとか耐えていた。
「耐えるなんてやるじゃん、あんたのゴースト!けどこれでトドメ!!サイケこうせん!!」
「シド!ふいうち!!」
シドは技を放とうとするモルフォンのすぐ近くまで接近し、技が放たれるほんの一瞬で攻撃しサイケこうせんによって倒された。
「ゴースト戦闘不能!挑戦者は次のポケモンを出してください!」
審判が宣言し僕はシドをボールに戻してお疲れ様と言ってあげた。
「アンズさん、そのモルフォン強いですね。進化して全体的に能力もあがったシドを倒すなんて」
「まぁね、あたいがずっと育てて来てるポケモンの内の1体だからね。さぁ次のポケモン出しな」
アンズさんにそう言われて僕は2体目のボールを手に取る。
「シドが頑張ってくれている間に回復は出来たよね?頼んだよブイ!!」
僕はさっきバトンタッチでシドと交代したブイをもう一度出した。
「さっきのイーブイであたいのモルフォンと戦うつもりってわけね」
「さっきはえんまくで上手く指示を出してあげられなかったですけどモルフォン相手なら戦えます!」
「上等だよ!!モルフォン、シグナルビーム!!」
「ブイ、スピードスター!!」
お互いの技はぶつかり合い、さっきの様に爆発音と共に相殺して消えた。
「モルフォン、後ろに回り込んでサイケこうせん!!」
「ブイ、みきりで避けてからすなかけだ!」
ブイは攻撃を避けてモルフォンに砂をかけて遠ざかる。
「ブイ、スピードスターで畳み掛けろ!!」
砂が目に入って苦しんでいるモルフォンにブイはスピードスターで攻撃を加える。
「よし、ブイでんこうせっかだ!」
ブイがでんこうせっかで攻撃しようと近付いた時だった。
「モルフォン、どくどく!!」
モルフォンの口から紫色の液体が飛び、それはブイの身体にくっついたと思ったら身体の中に吸収されていき、ブイは途端に苦しみ始めた。
「ブイ!」
「ふふふ、セキチクジムの……毒使いの恐ろしさを見せてあげる!!」
なんかいい感じのとこがあったので今回も前後編に分けました。