ポケットモンスター~WORLD TOUR~ 作:ゼクスバーナー
「モルフォンが今使ったどくどくっていう技は相手のポケモンを猛毒の状態にする技。猛毒は普通の毒と違って時間が経てば経つほどダメージが大きくなる」
なるほど……普通の毒とは違う猛毒っていう状態なのか……。
「さぁどうする?」
「どうするもこうするも時間をかけずにモルフォンを倒すだけですよ。ブイ行ける?」
ブイに尋ねるとブイは頷いてくれた。
「よし……。ブイ、でんこうせっか!」
「モルフォン、サイケこうせん!」
ブイは猛毒状態でもスピードは維持してサイケこうせんを避けながらモルフォンにダメージを与えていく。
「ちょこまかと……モルフォン、かぜおこし!」
「ブイ、スピードスターで応戦だ!」
モルフォンのかぜおこしで追い返されるもスピードスターで着実にダメージを与えていく。しかし猛毒でブイの体力はそろそろ限界だった。
「時間がない……決めるよブイ!!」
「こっちもそろそろ体力が危ない……モルフォンこっちも最大の一撃で迎え撃つよ」
「ブイ、とっておき!」
「モルフォン、シグナルビーム!」
ブイは白い光を纏いながらモルフォンに向かって全力の一撃を、モルフォンは自身に突っ込んで来るブイに向かってシグナルビームを放ち、大爆発が起きた。
爆風が晴れるとフィールドには2体とも倒れていた。
「相打ちか……?」
僕がそう言うとモルフォンはフラフラと起き上がった。一方、ブイは目を回して倒れていた。
「イーブイ戦闘不能!挑戦者は3体目のポケモンを出してください!」
猛毒で体力の限界がきていて本来の威力が出なかったか……。僕はブイをボールに戻してお疲れ様と言った。
「中々やるね……。正直猛毒状態じゃなかったらやられてたよ。さぁ挑戦者ハルト、最後の1体を!」
3体目……。昨日の今日だけど彼に後は任せよう……。
「さぁ倒れた2体の分まで頑張ってくれよ!出てこいホード!!」
僕は昨日捕まえたサイホーンのホードを繰り出した。
「なるほど……サイホーンならタイプの相性は有利。けどダメージはあるとはいえモルフォンのスピードに追い付けるとでも?」
「ふらふらのモルフォンに攻撃が当てられないとでも?ホード、すなあらし!!」
ホードは一回大きく吠えると、自分の身体を中心にしてすなあらしを発生させた。モルフォンはすなあらしでダメージを受けていく。
「これじゃモルフォンが上手く飛べない上に地道にダメージが……」
「ホード、ブイとシドの頑張りを無駄にはしないぞ!ロックブラスト!!」
すなあらしで上手く身動きが取れないモルフォンにホードはいくつか岩を作り、それをモルフォンに直撃させ、モルフォンは今度こそ戦闘不能になった。
「モルフォン戦闘不能!ジムリーダーは3体目のポケモンを出してください!」
「うぅ……あたいのモルフォンが……。だったら最後はこの子だ!ベトベトン!!」
審判が宣言して、モルフォンを戻したアンズさんが最後に繰り出して来たのはヘドロポケモンのベトベトンだった。
「ホード!相性は有利だ、じならし!!」
「相性の優劣だけで負ける程あたい達は弱くない!ベトベトン、とける!」
ホードはその場でじならしを行いジム全体を揺らす。ベトベトンはとけるという技でダメージを吸収しようとしているがそれでも多少はダメージを受けている。
「今度はこっちの番!ベトベトン、どくどく!!」
「ホード、とっしんで避けつつベトベトンに近づくんだ!!」
ベトベトンが紫色の液体を撒き散らしてくる中、ホードはとっしんで加速して避けつつベトベトンとの距離を縮める。
「なんの!!」
ベトベトンはどくどくをホードに命中させ、ホードの足を止めた。
「くっ……」
「ふふふ、まだまだいくよ!ベトベトン、かげぶんしん!!」
アンズさんが指示をだすとベトベトンは徐々に加速しながら猛毒で苦しむホードの周りを動き回って分身を作り上げた。
「さぁどう出る?」
アンズさんはニヤニヤしながら僕の方を見る。かげぶんしんか……。ホードじゃなかったら面倒な技だったかもな。
「ホード、猛毒で辛いのは分かってるけどブイよりも体力のある君ならなんとか出来ると信じて指示をだすよ。まずはもう一度すなあらしだ」
ホードは苦しみながらもコクッと頷きもう一度すなあらしを発生させる。
「すなあらしで本物を探そうって寸法?けどすなあらし程度なら分身が消える程のダメージは食らわない!」
「別にすなあらしで本物を探すつもりはないですよ?ホード、じしんだ」
ホードはじしんを発動し、ジム全体を大きく揺らした。
「なにこれ!普通の揺れじゃないじゃない!!」
アンズさんはそこまで言って何かに気が付いたようだった。
「まさか……!」
「さっきブイは猛毒で本来の力を出せなかった……。きっとそれは今同じ猛毒状態のホードも一緒のはず。だったらどこかでそれを補うしかない……って思って発動させたすなあらしですけど±0になるどころかむしろプラスの方向に転がるとは思いませんでしたね。でもどうやら分身も綺麗になくなってくれたようで」
「くっ……ベトベトンとける!!」
すなあらしで強化されたじしんで分身が消された為とけるで防御面を強化しようとしていた。
「さぁホード、本物は見破った。これで決着をつけよう!」
ホードも僕の言葉に応えるように本物のベトベトンの方に身体を向ける。
「ホード、ドリルライナー!!」
ホードの前面にドリルのようなエネルギー波が現れホードはベトベトンに向かって最後の一撃を放つべく全速力で突っ込む。
「ベトベトン受け止めて!!」
ホードとベトベトンがぶつかり合い大きな爆発が起き、爆風が晴れるとフィールドにはフラフラになりながらも立っているホードと目を回して倒れているベトベトンが居た。
「ベトベトン戦闘不能!よって勝者は挑戦者ハルト!!」
審判がそう宣言すると僕と観客席に居たナツキさんは歓喜の声をあげた。
「ホードお疲れ様、猛毒で辛いだろうによく頑張ったね」
僕はそう言ってホードをボールに戻した。
「ベトベトンお疲れ……。悔しいけどあたい達の負けだ」
アンズさんはベトベトンにそう言ってからボールに戻し僕の方へ歩いて来た。
「悔しいけどあんたの勝ちだよ。ほら持ってけ、ピンクバッジだよ」
アンズさんはそう言ってピンクバッジを取り出し、僕に手渡してくれた。そして僕がそれを受け取るとナツキさんやキョウさんもフィールドに来た。
「ハルトくんおめでとう!!これで5つ目のバッジゲットだね!」
「うん!」
僕達はそう言ってハイタッチをした。
「ファファファ、アンズも少年もよくやった、お疲れ様と言っておこう。アンズどうだ?悔しいか?」
「うん、悔しいよ父上。けどもっと強くなりたいと思った!!」
アンズさんは父親であるキョウさんの質問ににそう答えた。そしてキョウさんはそうか……とだけ言い、僕の方を見て口を開いた。
「おめでとう少年。これでバッジが5つというわけだが次はどこの街のジムに挑むのかね?」
「次ですか……。そう言えばヤマブキの4つのゲートはまだ封鎖されているんですか?」
「ヤマブキか?そういえばまだゲートが封鎖していると聞いたな。何故封鎖しているのかは知らないな……それに最近ナツメとも連絡が取れないからどうなっているのかも分からんな」
「そうですか……」
となると次はグレンタウンに行くしかないのか……。
「まぁそんなに気を落とすな少年。我が娘、アンズを倒しバッジを5つ手に入れたんだもっと胸を張れ」
「はい!」
キョウさんは僕の肩に手を当てて頑張れと応援してくれた。よし……ヤマブキが行けないなら次はグレンタウンだ!頑張らなきゃ!!
僕はまた気を引き締め、グレンタウンに出発する前にポケモン達の回復もしなくてはいけないため、ジムを後にしてポケセンへと向かった。
実はこの後、アンズとキョウのやり取りがあるのですが、ハーメルンではカットしました(ぇ
文章量だけで言えば短いのですが、あれはFC2で普段から読んでくださっている読者の皆様へのちょっとしたサービスだったので……。
物語に関係するような話ではないので気になる!!という方はFC2の『ポケットモンスター~WT 【カントー後編】~』へ!