ポケットモンスター~WORLD TOUR~   作:ゼクスバーナー

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章の数字どうしようかと悩んだ末7.5ではなく8にしました。


8章 博物館襲撃!おつきみ山の戦い!(後編)

 やっと向こうが静かになりバトル開始となった。

 

「ではルールは3戦中2戦勝利による使用ポケモン1体のシングルバトルにしましょう。ではそちらの先鋒は?」

 

「僕が行きます」

 

「ハルトくん、頼んだよ!」

 

 僕はナツキさんの声援を受けながら一歩前へ出た。

 

「んじゃ俺行くぜー」

 

 ロケット団からは紫色の髪をしたラムダという男の人が出てきた。そしてちゃっかりアポロという人が審判を始めていた。

 

「んじゃまぁお手柔らかにいこうじゃねぇか」

 

「子供だからって油断しない方がいいですよ」

 

 僕とラムダさんは同時にボールを投げ、バトルが始まった。

 

「行け、ドガース!」

 

「頼むよブイ!」

 

 ラムダさんはドガース、僕はブイを出した。撹乱して攻めるか。

 

「ブイ!ジム戦でやったあの作戦だ!」

 

 ブイは頷くとでんこうせっかで動き回りながらすなかけやしっぽをふるで命中率や防御を下げつつ攻撃していった。

 

「よく動くイーブイだな。だが、命中率を下げれるのがお前たちだけだと思うなよ?ドガース、えんまくだ!」

 

 ラムダさんが指示をした途端、ドガースは口から思い切り黒い煙を吐き出した。そしてそれはどんどん広がりフィールド一帯にまで広がった。

 

「これじゃドガースの位置どころかブイすら見えない!」

 

「ドガース、回転しながらヘドロこうげきだ!」

 

 煙幕の向こうから四方八方へヘドロが飛んでくる。

 

「ちょっ!ラムダさん!俺達にまでヘドロ飛ばさないでくださいよ!」

 

「制服がヘドロまみれになるでしょ!」

 

 えーっと……ランスっていう若い男の人とアテナっていう赤い髪の女の人がなにやら文句を言っている。いやまぁ、確かに煙幕で周りが見えないのに回転しながらところ構わずヘドロを飛ばしてくるのだから文句は言いたくなるけども。

 

「ブイ!この状態じゃ埒があかない、一旦僕のとこまで戻って来てくれ!」

 

「そうはさせるか!ドガース!ガキの声がした方にたいあたりでつっこめ!」

 

 ブイが戻ってくるより先にドガースが僕の目の前に現れた。けど……なんら問題はない。

 

「ブイ!とっしんだ!」

 

「なにっ!?」

 

 煙の奥からブイが現れドガースに攻撃をした。

 

「反動でダメージを受けるけどよく指示にしたがってくれたね、ありがとう」

 

 僕がそう言うとブイはダメージのせいかちょっと疲れていたが笑顔で頷いてくれた。

 

「どういうこった……。なんでドガースに攻撃出来たんだ」

 

 ラムダさんが不思議そうな顔をしてたから僕は答えた。

 

「それは……そのドガース自身えんまくの中で命中率が下がってたんですよ」

 

「なんでそう言い切れる」

 

「ヘドロこうげきの時点でちょっと思ったのが、なんで僕たちの方に攻撃するのではなく味方の方までヘドロこうげきをしたのか、です。僕たちが見えているなら僕たちの方へ攻撃すればいい。そしてもう一点、僕がブイを呼んだ時あなたはドガースに僕の方にくるよう指示をした。その時ドガースが無意識に少しですけど煙を晴らしたんです。だって自身の視界も閉ざされて僕がどこに居るかが声だけじゃ把握できなかったから」

 

「なん……だと?」

 

「ブイに砂をかけられたのと自身のえんまくで見えなかったのとで命中率はだだ下がり。その証拠にブイはとっしんの反動のダメージしかない。もう少しポケモンとの連携を取った方がいいですよ?」

 

「っ……!ドガース起きろ!このまま黙ってやられるか!イーブイにまとまりついてじばくだ!」

 

 ブイに吹っ飛ばされたドガースはゆらゆらと起き上がりブイにまとわりつくように至近距離まできてじばくのモーションに入った。けどまぁこれなら……。

 

「ブイ、みきり」

 

 僕が指示をした直後大きな爆発が起き、じばくによる爆風でえんまくもすっかり晴れたフィールドにはひんしになったドガースとみきりによって攻撃を回避したブイが元気に立っていた。

 

「なに……?」

 

「ドガース、戦闘不能。よって先鋒戦は相手側の勝利です」

 

 がっくりとうなだれるラムダさんをよそにアポロさんはしっかり審判として判定をしてくれた。

 

「ブイ、お疲れ様。ゆっくり休んでね」

 

 僕はブイをボールに戻してナツキさん達の所へ戻った。

 

「あーあ、ラムダさん負けちゃいましたねー。まだまだなついてないんじゃないんすかー?」

 

「うっせ!ランス後で覚えとけよ!?」

 

「多分忘れてまーす。とりあえず中堅戦は先に行っていいですか、アテナさん?」

 

「しっかり勝ちなさいよ?」

 

「了解っす」

 

 どうやら次の相手はランスさんらしい。

 

「じゃあ次は私が行こうかな」

 

 ナツキさんがそう言うとカズマさんが僕が行くよと言ったが、それを振り切ってフィールドへ行ってしまった。

 

「私が相手だよ!」

 

「へぇ……女の子と戦えるなんてラッキーだなぁ。けど手加減はしないからね」

 

 2人ともボールを手に取りフィールドへと投げ、バトルが始まった。

 

 

「ポニータ、GO!」

 

「出てこいズバット!」

 

 ボールから放たれた2匹のポケモン。ナツキさんはポニータでランスさんはズバット。

 

「ポニータ、かえんぐるま!」

 

「そうはさせないよ。ズバット、あやしいひかりだ」

 

 ポニータが早さを活かしてズバットに攻撃を仕掛けるも、ズバットはひらりと回避し逆に技を命中させた。

 

「さぁて、まずはこれでこんらん状態だね。どうやって遊んであげようか」

 

「くっ……、こんらんだからって指示が通らないわけじゃない!ポニータ、かえんぐるま!」

 

 ポニータは炎を纏って攻撃のモーションに入ったがズバットではなくおつきみやまの岩壁にぶち当たってしまった。

 

「こんらんって嫌だよねー、下手したら自分の攻撃力分自分がダメージ受けちゃうんだからね。そんで相手の攻撃は当たるのに自分の攻撃が当たらなくてイライラしちゃうでしょ?ズバット、スピードスター」

 

 岩壁に当たってフラフラしてるところにズバットはスピードスターで襲い掛かる。

 

「ポニータ!」

 

「スピードスターは必中技。こんらんしてるポケモン相手にはこれ以上ないくらい痛めつけられるでしょ?」

 

 そう言ったランスさんは猟奇じみた笑みを浮かべていた。

 

 

 ナツキside……

 

「ランスのやろー、チャラ男だけどポケモンバトルはえげつねぇよな」

 

「そうね、彼のバトルセンスは相当なものね。ただ性格はクソだけど」

 

「お二人さーん?褒めるかけなすかどっちかにしてくださいよー」

 

 ランスっていう人がそう言うとロケット団達は笑っていた。悔しい、完全に舐められてる。そして強い……。

 

 トキワの森で戦ったしたっぱ連中と比べたらとても強いよ……。ハルトくん凄いや、こんな人達にも勝っちゃったんだもん。ちょっと前に戦った時なんてギリギリまで追い詰めたから私でも勝てると思ってたのに、こりゃまいったね。

 

「で、ナツキちゃんだっけ?もう終わり?じゃあトドメ刺しちゃうよー」

 

 けど、ポケモン使って悪事を働いて、人のポケモンをとことん傷つけるような戦い方をする人になんかに負けたくない!

 

「ズバット、エア……」

「ポニータ、ほのおのうず!」

 

 こんらんが解けたポニータはトドメを刺しに来たズバットをほのおのうずで閉じ込めた。よしこのまま……!

 

「へぇ、やるじゃん。けどこのくらいなら……」

 

「続けていくよ!ポニータ、渦の力を吸収してかえんぐるま!」

 

ポニータは渦を吸収しさっきよりも強い炎を纏ってズバットに一撃を与えた。

 

「ズバット!」

 

 急所に入ったのかズバットはよろよろと倒れ、ポニータはなんとか立っていた。ギリギリだったけど勝ったのかな……、お疲れポニータ。

 

 けどそんな考えはすぐに壊された。

 

 

 ハルトside……

 

「よし!」

 

「ナツキさんもどうやら勝てたみたいだね」

 

 僕とカズマさんもズバットが倒れ、そう確信した時だった。ズバットが光に包まれながら違う姿へと変化し始めた。

 

「ぷはは!嘘でしょ!まさかこの土壇場で進化!?どうやらこのバトル俺の勝ちだね」

 

 光が消え、そこにはズバットではなくゴルバットが立っていた。

 

「嘘……でしょ?」

 

 ナツキさんは震えてる。ポニータもどうすればいいのか分からずその場で固まってしまった。

 

「さぁ、これでホントにトドメだよ。ゴルバット、エアカッター!」

 

 ゴルバットの翼から空気の刃がいくつも飛んでいきすべてポニータに直撃した。今までのこんらんでのダメージとスピードスターの猛攻で受けたダメージが溜まっていたポニータは戦闘不能になってしまった。

 

「ポニータ戦闘不能、中堅戦はロケット団の勝利です」

 

 アポロさんがそう宣言するとナツキさんはポニータをボールに戻して僕のところへ来た。

 

「……ごめん、ハルトくん負けちゃった」

 

「気にしないで!まだカズマさんが居るよ!それにポニータは頑張ってくれたのにナツキさんがしょぼくれてたら可哀想だよ」

 

 ナツキさんはうん、とだけ答えポニータが入ったボールを見ていた。

 

「ラムダさーん、しっかりバッチリ仇はとってきましたよー。てことでなんか奢ってくださいね」

 

「なんでだよ!?それにあのバトルもズバットが進化してなけりゃ負けてたじゃねぇか」

 

「んー、それなら多分大丈夫ですよー。念のためにオボンのみを持たせてたんでそれでしっかり回復してくれたんでどの道一撃入れて勝ちですよ」

 

「あんたのバトルセンスと頭の回転の速さ、保険のかけ具合はホントに凄いと思うわ。じゃあ大将戦私がサクッと勝ってきてあげるわ」

 

「おー、あのアテナさんが褒めてくれるなんて。こりゃ明日何か降ってきますねー」

 

「ランス……後で覚えときなさい」

 

 最後の相手はアテナさん、こっちはカズマさんか。ここで負けたらコハクは返してもらえない……。

 

「ハルトくん、ナツキちゃん。戦ってくれてありがとう。そんな顔しないで僕のバトル見といてよ、これでも結構自信はあるんだ」

 

 カズマさんは右腕で胸をポンっと叩きフィールドへ向った。

 

「私の相手は係員のお兄さん?ラムダに勝った男の子の方が良いんじゃない?さっきの2人よりも強いわよ?」

 

「それがどうかしたんですか?係員をあまり舐めない方がいいですよ」

 

 2人ともボールを手に取りフィールドに投げ、大将戦が始まった。

 

「アーボック!」

「プテラ!」

 

 場に出したのはアテナさんがアーボック、カズマさんはプテラだった。ん……?てことはあのプテラもコハクから復活したポケモン……?

 

「プテラ、はかいこうせん!!」

 

 カズマさんの指示通りプテラははかいこうせんのモーションへと入る。

 

「来るのが分かってれば怖くはないわ、アーボックまもる!」

 

 次の瞬間、プテラが放ったはかいこうせんは僕達の予想をはるかに超えてきた。

 

 ズドォォォォォォン!!!!

 

 僕達の眼に映ったものは本当に現実のものかと疑ってしまった。

 

「ふぅ……、少しハリキリ過ぎちゃったかな?」

 

 爆風と煙が晴れ、本来なら綺麗な池とおつきみ山が見えるはずだったのに、そこにそれはなかった。そしてそこに居たカズマさん以外の人達は同じことを言った。

 

「「「「「「はあぁぁぁぁ!!??」」」」」」

 

 フィールドは荒れ果て、池は消滅し、おつきみ山も一部が消し飛んでいた。

 

「……っ、けどアーボックはまもるを使ったわ!どんなに強力な技だろうとノーだめ……」

 

 アテナさんの後方でズドォォン、という音が聞こえ、そちらに目をやると瀕死状態のアーボックが倒れていた。

 

「あー、ごめんねー。僕のプテラ結構容赦ないし、能力も馬鹿げてるからはかいこうせん自体は防げてたかもしれないけど衝撃の方が圧倒的だから消し飛んじゃったおつきみ山の一部と一緒に空中に吹っ飛んで落ちてきたんだね」

 

「なっ……」

 

 アテナさんはそんなバカなと言わんばかりに身体を震わせていた。

 

「……思い出しました。カズマという名とあなたが使う隻眼のプテラ。ポケモンリーグセキエイ大会ベスト4の実力者でしたね。まさか博物館で係員やってるとは思いませんでしたが」

 

 アポロさんは淡々と言うが僕達はまだ追いつけていない。隻眼のプテラ?……あ、ホントだ左目に傷を負ってる。セキエイ大会ベスト4?めちゃくちゃ強いじゃないですか。

 

「まぁ色々ありまして。とりあえずこの勝負は僕達の勝ちってことで、盗んだものキッチリ返してもらおうか」

 

 カズマさんとプテラがジリジリ近付くとロケット団達はひみつのコハクをはじめ、進化に必要な石をその場に残してけむりだまを使って逃げだした。

 

「あっ、待て!」

 

 僕とナツキさんはロケット団を追いかけようとしたがカズマさんがそれを止めた。

 

「やめときな、援軍来たら面倒だし、なにより君たち自身が危ないからね」

 

 カズマさんがそう言うと僕たちは大人しく従った。

 

 

 盗まされた物を取り返した僕たちは一旦おつきみ山の近くにあるポケセンへと戻った。

 

「2人とも協力してくれてありがとう、おかげで盗まれたものは取り返せたよ」

 

「どういたしまして。でもカズマさん、そんなに強いなら僕たちに頼らなくてもよかったんじゃ……」

 

「んー、確かに僕一人でもなんとか出来たかもしれないけど僕のプテラ相当な暴れん坊だからね。下手するとおつきみ山が全部消し飛ぶ可能性もあったからね」

 

 お、おぅ……。

 

「そういえば、そのプテラ左目がケガで完全に見えてないんですか?」

 

 カズマさん、僕、カズマさん、ナツキさんと会話が続く。

 

「コハクから復活した時からすでにこの状態だったから大昔に他の野生のポケモンと戦ってついた傷なのかもしれないね」

 

 ここまで言い終わるとカズマさんは、あ、そうそうと言いカバンから出したものを僕たちに差し出した。

 

「これ全部あげるよ、協力してくれたお礼ってことで」

 

 そう言って差し出したものを見ると盗まれていたひみつのコハク、進化に必要な石の数々だった。

 

「え!?いいんですか?」

 

「うん、遠慮なく貰ってってよ。ハルトくんにはコハクをナツキちゃんにはいしをあげるよ」

 

 カズマさんがそう言うので僕とナツキさんはそれぞれコハクと石を貰った。

 

「ところで二人はこれからどうするんだい?」

 

「今日はゆっくり休んで明日にでもハナダに向かいます」

 

 カズマさんの問いに僕が答える。

 

「うん、そうするといいよ。じゃあ僕は博物館に戻るからここでお別れだ」

 

 カズマさんはそう言って僕達にもう一度手伝ってくれたことの礼を言いニビへ帰って行った。

 

「ハルトくん、カズマさん強かったね」

 

「うん、けどカズマさんがベスト4なら優勝、準優勝したレッドさんやグリーンさんはもっと強いってことだよね。僕ももっと頑張らなきゃ!」

 

「私も強くなる!またどっかでロケット団に会うかもしれないし今度は負けないようにならなくちゃ!」

 

 僕達はもっと強くなることを誓い、今日はしっかりと休んだ。

 

 

 ロケット団side……

 

「ったくなんなのよあのプテラ使い!あのはかいこうせんの威力は反則でしょ!」

 

「アテナさん、そうは言いますけど俺達、はたから見たら悪者っよ。反則もクソもないっすよ」

 

「うるさいわよランス!」

 

「ラムダさんは自分が使った技とポケモンとの連携が取れていないことを突かれて負けちゃいましたしねー」

 

「ほっとけランス!」

 

「事実じゃないっすかー。……あれ?アポロさんどうしたんすか?」

 

「……。色違いのイーブイが逃げ出したのは知っていますよね?」

 

「え?あ、はい。けどそれがどうしたんすか?」

 

「いえ、なんでも……」

 

「?」

 

「ランス、ほっときなさいアポロがあんなのはいつものことよ」

 

(色違いのイーブイ。なるほど、下っ端連中が何度か取り返そうと試みるも毎回失敗しているというのは本当のようですね。今日ラムダに勝ったあの少年がイーブイを所持しているようですしね。……進化先がいくつもある不安定な遺伝子をもつイーブイ、その中でも特段に貴重な個体……。『全ての進化形態に自由に進化出来るイーブイ』を)




視点がコロコロ変わったり文章量多くてごめんなさい!!

主人公が勝ったり、ヒロインが負けたり、カズマさんがプテラのはかいこうせんで全部持ってったりと色々とありましたがちょろっとブイの秘密に触れました。

これが物語にどう関わっていくのかお楽しみに!!(FC2なら続きがすぐ読めるよ♪)


あと、遅くなりましたが感想、お気に入り、評価してくださった皆様ありがとうございました!!
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