ポケットモンスター~WORLD TOUR~ 作:ゼクスバーナー
おつきみ山でのロケット団との戦いから3日後の昼、僕達はハナダシティに到着した。
「ハルトくん、綺麗な街だねー!」
「そうだね。けど街の北にある岬から見える夕日は凄く綺麗らしいよ」
「へぇー、見てみたいね!」
ちなみに、カズマさんのプテラが放ったはかいこうせんの影響で山の一部が消し飛び、その影響で山の中の洞窟に瓦礫などが散乱。ニビジムの人達が一生懸命整備をしてくれていたが瓦礫の影響で通れない道が出来てしまったことで回り道をしなくてはならなくなりハナダに来るのが随分と遅くなってしまった。
そしてハナダのポケセンへ着いた僕達は昼食を食べながらこの後の行動をどうするか考えていた。
「ハルトくんはジム戦に挑戦だよね」
「うん、けど今日はやめておこうかなーって思ってるんだ」
「……?なんで?」
「おつきみ山抜けるまでにブイやフッシーが頑張って瓦礫どけたりしてくれてハナダまで来れたけど、その疲れを取ってあげたいから今日は休んで明日は軽く調整して早くても明後日くらいにしておこうかなぁって」
「なるほどね。じゃあさ、日が沈むまでまだ時間あるし夕日見るついでに街の北にある岬にマサキっていうポケモンをパソコンに預けて管理するシステム作った人が住んでるみたいだから行ってみない?」
ナツキさんの提案に僕は二つ返事で応じ、昼食後に行くことにした。
25番道路……
「えっと……この先まっすぐ行けばマサキさんが住んでる小屋があるらしいよ」
ナツキさんはマップを見ながら僕を案内する。そして道なりにまっすぐ進むと確かに小屋があった。
「ここが預かりシステムを作ったマサキさんの家なのかぁ」
「実家はジョウト地方にあるコガネシティってとこにあるらしいけどね」
「ナツキさん詳しいね」
「そりゃ私もジョウト地方で生まれて育ってますから」
僕があ、そっかと答えナツキさんと笑った。すると小屋のドアがいきなり開いた。
「人ん家の前で何か声がすると思ったらなんや子供が2人って」
「あ、もしかしてあなたがマサキさんですか!?」
ナツキさんは小屋から出てきた人にいきなり質問をぶつけた。
「え、まぁそうやけど……」
「預かりシステムについてとか色々教えてもらえますか!?」
ナツキさん……。マサキさんだと分かった途端にヤケにグイグイと質問してる。
「まぁなんやここで立ち話もあれやからとりあえず入りや」
てことで僕とナツキさんはマサキさんの家へお邪魔することになった。
小屋の中へと案内してくれたマサキさんは預かりシステムのことを小一時間程喋り、ひと段落ついたところで軽く自己紹介をしてくれた。
「そういや自己紹介まだやったな。わいの名前はマサキ、預かりシステムを作ったのはわいや。で君らは?」
「僕はハルト、マサラタウンから来ました」
「私はナツキ、ワカバ生まれでこの間トキワに引っ越して来ました」
「嬢ちゃんワカバ生まれか!ジョウトはええよな、カントーでは味わえないなんとも言えない趣が……」
そしてここからずっとマサキさんとナツキさんはジョウトの話をし続けた。
(んー……、完全に蚊帳の外だなぁ)
何かないかと辺りを見回すと近くのパソコンに『イーブイの進化について』というタイトルでレポートが表示されていた。
「……?なんだろ」
マサキさんとナツキさんはまだ喋っているので僕はパソコンの所まで行き、そのレポートを読んだ。
「なになに……」
イーブイは元々遺伝子が不安定なポケモンであり、その場の環境等に応じていくつかの進化先を持つ非常に稀なポケモンである。カントーで発見された3種類の進化先は炎、水、電気の力を持つ石によって進化する。
ジョウトでは更にもう2種類の進化先があることが判明。進化の条件としてトレーナーになついていることや時間が関係しているとのこと。
シンオウで新たに発見された進化先は限られた場所で進化することが判明。その後イッシュでもシンオウと似たような場所で進化することが判明。
現在カロスで新たな進化先を調査中。現在あるタイプとは違うタイプの可能性有り。
(進化先が豊富なのは知ってたけどこんなにあるんだ……。ブイはどれに進化させようかな)
ここまで読んでさらに下の方に続きがあることに気が付いた。
このように数々の進化先を持つイーブイだが、一度進化すると他の進化先には進化できない。しかし、非常にごく稀に『全ての進化先に自由に進化でき、進化先から一度イーブイへと退化すればまた別の進化先へと進化できるイーブイ』が存在するとのこと。これに関してはまだ資料や情報がほとんどなく現在調査中である。
(……!そんなイーブイが存在するのか。確かに興味深いしバトル中にそれが出来たら無敵にもなれそうだけど……)
レポートを読み終わるとちょうどマサキさん達も話が終わったみたいだ。
「お!ハルト、イーブイに関するレポート読んどったんか。興味深いよなー、けどホンマにこんなイーブイおるんかいな」
僕はさぁどうでしょう?とだけ答えた。するといきなりドアが吹き飛んで女の人が大声を上げて入ってきた。
「マサキー!ポケセンのパソコンのメンテナンス頼んでたのに出来てないってどういうことよー!!」
「げっ……すっかり忘れとった」
マサキさんは僕の横で震えてるけどどんな人なんだ……?
「忘れてただぁ?徹底的にボコボコにされたいわけ?ん?」
「カスミさん堪忍してや、そんな怖い顔せんとってくださいよ。短気は損気、あまり怒りすぎるとしわが増えまっせ?」
「誰がしわくちゃババアですって?」
「え?誰もそんなこといっt」
次の瞬間マサキさんは女の人に思い切り殴り飛ばされたのだった。ん……?そういやマサキさんあの女の人のことカスミさんって呼んでた……?
「あの!もしかしてハナダジムのジムリーダーのカスミさんですか!?」
僕は気になったから聞いてみた。
「ん?そうだけどあなたは?」
本気でマサキさんをとっちめようとしていたカスミさんは僕の方を向き聞いてきた。
「マサラタウンから来たハルトって言います、明後日以降でジム戦に行こうかと思ってるのですが」
「なるほど……チャレンジャーね。明後日以降……、明日は完全にジムはオフだから明後日の午後にいらっしゃい相手になってあげるから」
「はい!」
僕が返事をするとカスミさんはまたマサキさんの方へゆっくりと歩いて向かった。僕の方から顔は見えないけどきっと相当恐い顔をしてるんだろうなぁ……。
そう考えてるとナツキさんが僕の服の袖を引っ張りそろそろ出ようか?と聞いてきた。まぁ確かにマサキさんがけちょんけちょんにされている場に居るのは気が引ける。僕はそうだねと答え、マサキさんの小屋を後にした。
その時マサキさんの叫び声が聞こえた気がするがあえてここでは聞こえなかったことにしといた。
「わぁ!」
外に出た時間がよかったのか、綺麗な夕日を見ることが出来た。ナツキさんは夕日に見とれている。
「ねぇハルトくん」
「ん?なに?」
「私こないだまでジョウトに住んでたからジョウトの景色の綺麗な場所は知ってるんだけどカントーにもこういう綺麗な景色を見れる場所があるんだね」
ナツキさんは夕日を見ながら淡々と話す。
「でしょ?ジョウトに行くことがあったら向こうの景色が綺麗な場所教えてくれる?」
「うん!」
この時みた夕日とナツキさんの笑顔はきっと忘れないだろうな。
……ん?フラグ??気のせいです。