◆◆◆◆◆
実弥さんと手合わせを始めて三日が経った。
ぶっきらぼうと言うかちょっと言葉遣いに粗野な部分が見られる時はあっても、実弥さんはやはりとても優しい人なのだろう。
「家族や縁者は居ない」と言う、自分としては余りにも当然のそれをどう解釈したのか、少し此方への当たりが優しくなった気がする。
天涯孤独の身の上だとでも思われたのだろうか……?
まあ、それはある意味では今の状況そのままであるのだろう。
この世界に、自分の家族は居ない、八十稲羽で出会った何よりも大切な仲間たちも居ない……。
そもそもこの世界では、知り合いレベルの相手ですら、鬼殺隊の人たち以外には存在しないのだ。
客観的に見て、孤独を極めている生い立ちに見えているのかもしれない。
……炭治郎たちが居るし、しのぶさんたちや蝶屋敷の皆も居るので、孤独である……と言う訳では無いのだろうし。この状況を「孤独」だなんて言ってしまうのは、色々な人に対してや色々な意味で申し訳無い事である。
まあそんな訳でちょっと分かり辛くも気を遣われているのだけれど、もしかしたら実弥さん自身は意識してやっている事では無いのかもしれない。
玄弥がよく言っていた様に、実弥さんは当たり前の様に相手を気遣える優しい人なのだろう。
これで肝心の玄弥に対しての言動やら態度やらがもっとマシ……と言うかその本心に素直になれば良いのだろうけれど、やはりそれは外野がとやかく言っても中々変えられるものでは無い様で。
休憩時間などにそれとなくその話題を振っても、実弥さんには常ににべ無く拒否される様な態度を取られてしまう。
口出しするなと威嚇される事は無いが、しかし一切自分の態度を曲げる気が無い事はとてもよく伝わってくる。
何と言うのか……とても頑固な人なのだろう。
一度こうと決めたらそれを曲げないと言うべきなのか。
長男で、下の弟妹たちを心から大事にしていて、優しくて、そしてとても頑固で……。
そうした要素だけを並べてみると、実弥さんと炭治郎は似ている部分が多い様な気がする。
まあ、両親に心から愛されて両親の子である事を誇りに思って育って来た炭治郎と、暴力的な父親を毛嫌いしつつ母親と共に耐えてきた実弥さんとでは、異なる人間である事もあって、やっぱり色んな部分での価値観や判断基準などが違ってくるのだろうけれど……。
それに、玄弥と実弥さんはちょっと歳が離れている兄弟である事も影響しているのだろうか。
禰豆子とは年子である炭治郎にとって禰豆子は物心ついた時からずっと一緒に居る妹であるのだが、実弥さんにとっては玄弥は物心ついてから初めて生まれた弟だ。その違いは大きいのかもしれない、自分は一人っ子なのでちょっとその辺の感覚は想像するのも難しいけれど。
しかし、自分が十歳程歳が離れた菜々子の事を、何をしてでも絶対に守ってあげたいし笑顔で幸せで在って欲しいと心から想っているのと似た様なものなのではないだろうか……とちょっと考える様になった。
菜々子への想いは、十年経とうが二十年経とうが変わらないだろうと本気で思う。菜々子が何歳になろうと、自分にとって菜々子は大事な家族だし、自分は菜々子の「お兄ちゃん」なのだから。
それと同じで、何年経とうと何があろうと、実弥さんにとって玄弥は何がなんでも守らねばならないし幸せにしなければならない『弟』なのではないだろうか。
そう考えると、実弥さんの気持ちもちょっとは理解出来る。
自分だって、菜々子が命の危険もある様な事に飛び込んで来ようとしたら必死になって止めるし、それがよりにもよって自分を追い掛ける為だったりなんかした時はもう目も当てられない。
……が、やっぱりそのお互いに傷付くしか無いような言動は、ちょっとどうかと思うのだ。
少なくとも自分だったら、菜々子の気持ちは尊重しつつもどうにかして翻意する様に説得しようと試みるだろう。
初っ端から説得と言うか対話を拒否して突っぱねる事はしない。
そもそも、それで諦めて引き下がる様な性格だったなら、玄弥は態々こんな所まで追い掛けて来たりなんかしないと思うのだ。実際そうでは無いからこそ、拗れに拗れてしまっているのに。
玄弥を守りたいと言う気持ちがとても強いのは分かるのだが、それ以外の部分が随分と疎かになっていると言うか……感情ばかりが先行してしまってちょっと合理的では無い気がする。
ここまで拗れる程に頑なになってしまったものを、急に考えを改めて玄弥の気持ちに寄り添って話し合う事を選べるのかと言われると……、まあ難しいと言わざるを得ないのだろう。
ここまで来てしまうと外野がどうにかして取り持って話し合いに持っていくしか方法は無い気がするが、それにしたって実弥さんの余りにも頑なな意識をどうにか変えない限りは余計に拗れるだけだ。
玄弥が何を選ぶのかは玄弥自身の自由であるのだが、少なくとも「玄弥を説得出来るかもしれない」言動や向き合い方と言うものは間違いなくあるだろう。
今のままだと余計に意固地になるだけなのだと言う事を実弥さんが理解して納得した上でアプローチ方法を変える必要がある。
……のだが、実弥さんの意志は余りにも固く。言葉の説得だけでは難しい。
かと言って、荒治療どころか暴虐的に力技でそれをどうこうしようとするのもやはり禍根が残ってしまうのだろう。
実弥さん自身も、今の方法で全然上手くいってない事は分かっているとは思うのだ。しかし、上手く行かないからといって直ぐに他の方法を思い付けるのかどうかはまた別だし、そして思い付いたからと言って実行に移せるのかどうかももっと別の話だ。そういう事を相談して、良い助言を貰う事が出来る相手が居るのなら良いのだけど……少なくともここ数日観察している限りではそんな相手が居る気配は無さそうだ。
先輩も後輩も同期も友人も恩人も、鬼殺隊に長く居れば居る程多く喪っていく。
親しい者たちとの無情な別れを何度も経験する事になるし、その結果「仲の良い」相手を喪う事はよくある事であるらしく。実弥さんもそうであるのかもしれない。まあ、何にせよ現時点で玄弥の事を相談出来る相手は居なさそうだった。
実弥さんを何か良い方向に説得出来そうなのは、やはりお館様なのだろうか……。
鬼殺隊の柱を長く務めている悲鳴嶼さんや宇髄さんなどの意見には耳を貸してくれるかもしれないが……。二人とも優しいし良い人ではあるけれど、そう言う説得が上手いかどうかで言われるとちょっと微妙な気がするし、何より宇髄さんは今柱稽古に忙しくてそれどころでは無い。
そして、玄弥の事に関する頑なさを考えると、例えお館様であっても上手く説得出来るのかはかなり難しいかもしれない。
玄弥の事に関して、実弥さんは炭治郎以上に石頭な部分がある。それだけ大事な相手だと言うのはもうよく分かったから。後はもうちょっと態度を柔らかく出来るなら完璧なのだが……。
ずっと頭を悩ませているのだが、一向に名案は浮かばない。
しかしこのままで良い訳は無いし、それにもうあまり時間も無いのだ。
もう少ししたら柱稽古を順調に熟している玄弥が此処に……実弥さんの下へとやって来る。
その時に今の調子だと幾ら何でも不味い。このままだと実弥さんは玄弥を跳ね付けるばかりでまともに向き合わないだろうし、もっと事態が拗れてしまう可能性もある。最悪、修正不可能な状況にだって陥りかねない。
何より、玄弥が今のペースで柱稽古を突破していくなら、ほぼ確実に炭治郎たちもその場に居合わせる事になる。
炭治郎は確実に、玄弥にその様な態度を取る実弥さんに対して一言二言以上は言うだろうし、何と言うのか……炭治郎の言葉は正しいのだがたまに言葉を選ばない。炭治郎の真っ直ぐさは間違いなく美徳ではあるが……この件に関しては一方的な正論で殴った所で上手くいく訳では無いのだし、余計に意固地にさせて拗れさせる結果にもなりかねないだろう。
炭治郎も実弥さんも、二人とも似た者同士なのだし一度分かり合えたら物凄く仲良くなれるとは思うのだけど、しかし噛み合ってない現状だと似た者同士だからこそ相性が悪くなってしまうタイプだと思う。
だからこそ、炭治郎の言動如何によっては、火に油どころか火に爆薬を投げ込む結果にもなりかねないだろう。
実弥さん自身は強面気味の見た目からは想像出来ない程に、冷静で頭が回る人なのだが、唯一玄弥の事になるとその冷静さが何処かにすっ飛んでいくのだし……。
今から既に前途多難である……。
名案は思い浮かばないのだとしても、何もしない訳にはいかず。
取り敢えず実弥さんが此方との対話を拒否する感じではない事もあって、少しずつ互いに距離を詰めていこうと決める。
今のままでは此方が幾ら言っても、玄弥の事に関して実弥さんが譲る事は無いだろうし言葉が届くかどうかも怪しい。
しかしもうちょっと心の距離が縮まれば、それだって芽が無い訳じゃないとは思いたい。
そんな訳で先ずは言葉を交わす事が第一だとばかりに、積極的に実弥さんと話をしてみる事にした。
言葉が極端に少なくそして絶望的に足りないとすら言われる冨岡さんとは異なって、実弥さんは別に話す事が嫌いだとか言葉にするのが億劫だとかという性格ではなさそうで、ちゃんと此方の会話には応じてくれる。
鬼殺の事に関する話題だと特に興味があるのか食い付きが良いが、それだけだとその心の距離を詰めるには至らない。
だから、相手を知る為には先ずは自分からとばかりに、自分の事についても話していく。……とは言え、炭治郎たちに出逢うよりも前の事……八十稲羽での事については話せない事も多いのだが。
「……お前は神様ってのに縋った事はあるのか?」
実弥さんと他愛もない話をしていると、ふと話題が途切れたそのタイミングで、実弥さんがそう尋ねて来た。
神様に……か。
「無い……と言う訳ではないですね。
一度だけ、自分では本当にどうする事も出来ない時があって。
……その時は、『もし神様が何処かにいるなら……』と、一瞬は考えていたかもしれません」
菜々子の生命の灯が消え行くその時。
絶望や後悔に塗れたその心で、もし菜々子の命を救ってくれるなら……と「神様」を望んだ気はする。……まあ、正直神に祈っている心の余裕も無かったので、ほんの一瞬だけだろうけど。
「それで、お前はどうにか出来たのか?」
実弥さんのその言葉に、そっと首を横に振ると。
「そうかァ……」と静かに呟いた。
「お前は、『神降ろし』ってのが出来るのに、それでも儘ならねェもんなんだなァ」
「『神降ろしの様なもの』であって神降ろしそのものではありませんが……。……そうですね、儘ならないものです。
この力があったって、守れなかった者やどうにも出来なかった事の方がずっと多いですから」
勿論、ペルソナの力が無くては、皆を助ける事も【真実】を追い求めそれを掴む事も出来なかったし、この世界に迷い込んで炭治郎たちの力になる事も出来なかった。この力には大いに助けられていると言っても良いのだろうけれど。
それでもやっぱり、万能とは程遠い。
本当に守りたかった者を守り抜く事は出来なかったし、足立さんの心がサギリに呑み込まれるまでに虚ろになってしまう事を防ぐ事も出来なかった。
過去に戻ってその罪が犯される前に防ぐ事だって出来やしない。
しかし、望んだ何もかもを一つ残らず叶える事は出来ないからと言って全てを投げ出す事は余りにも愚かだ。
「お前でも守れなかったのかァ……」
「……ええ。俺は、一番守りたかった人を守り抜く事は、出来ませんでした。
どんなに大切な存在でも、どんなにその幸せを守りたいと願っても……例えこの身と引き換えにしたって何も惜しくは無い程に守りたい相手でも。
理不尽はある日突然嵐の様に全てを攫ってしまう。
この世の全てに因果があり何もかもが繋がっているのだとしても……その全てを人が見通す事は出来ませんから」
突然降って湧いた理不尽の様に見えても、それは自分や誰かの何かしらの選択が積み重なった結果であるのかもしれないし、或いは巡り合わせがとことん悪かっただけなのかもしれない。
そんなの、その時に分かる事では無いし、そしてその理不尽に相対して「正しい選択」をするどころか何かしらを選ぶ暇すら無くその命を断ち切られてしまう事もある。
……この世に絶対は無い。
自分にとってはどんなに大切でも愛しくても、世界はあっさりとその命の火を吹き消してしまう。今此処に居る自分の命だって、何かの理不尽にあっさりと吹き消されてしまうものでしかない事だってあるだろう。
何時かは皆死ぬ。満足して終えるのか、或いは突然に終わらされてしまうのかどうかは違うだろうが、命の旅路は何時かは終着点に辿り着く。永遠なんて、何処にも無い。
だからこそ、大切な人たちが大切な存在が、少しでも長くこの世に在って欲しいと願うのだし、その為に守ろうと必死に足掻くのだ。……そうやって抗っても、理不尽は大切なものを奪っていくのだけれど。
此方の言葉に実弥さんも思う所があったのか、目を瞑って溜息の様な吐息を零す。
実弥さんの身にも、余りにも多くの理不尽が降り掛かってきたのだし、そしてその理不尽は実弥さんから多くの物を奪い去ってしまっている。
生まれてからずっと己や「家族」を脅かしていた家庭内暴力からやっと解放されたその矢先に、大切な母親が鬼にされて。あろう事か鬼にされた母親に襲撃されて玄弥以外の弟妹を全員喪って……やっとの思いで倒した鬼はこれから兄弟で支えていこうと決めた母親で……。
その苦しみは想像するだけでも筆舌に尽くし難い。
まだ子供であった実弥さんが背負うには、余りにも理不尽で残酷な「現実」だ。
たった一晩で玄弥以外の何もかもを喪ってしまったそれは、炭治郎の身に降り掛かったあの絶望にも似ているけれど……決定的に違う部分もある。
鬼にされた禰豆子は炭治郎を含めて誰も殺さなかったし家族の亡骸を喰ったりもしなかった。竈門家に訪れた悲劇は徹頭徹尾「鬼舞辻無惨」だけの手によるものだ。
だけれども、勿論「鬼舞辻無惨」に鬼にされた事こそが全ての元凶ではあるけれど。鬼にされてしまった実弥さんと玄弥の母親は、実弥さんたちにとって大切な「家族」だった弟妹たちを殺してしまった。……実弥さんが抵抗しなければ玄弥だって命は無かっただろう。
愛する母親であると同時に、「家族」を殺戮した仇であり……そしてそれを自分が殺した。何の気持ちの整理も付いてなかっただろうに、母親を殺したと言う現実を突き付けられて、でもそれは「家族」を殺した鬼で……。
その過去に何か整理を付ける事は果たして出来るのだろうかと思ってしまう程に、辛過ぎる現実だ。
発作的に死を選んだり、或いは完全に精神の均衡を崩して壊れてしまったりしていないだけ、実弥さんはとても強いし優しい人なのだと思う。
……そして、実弥さんの心を支えているのは、やはり玄弥なのだろう。
たった一晩で何も知らなかった内に何もかもを喪った絶望に蹲りかけた炭治郎を支えてくれたのが、禰豆子の存在であった様に。
それ程までに大切な存在を、実弥さんはどうにかして守ろうとしているのだろうけれど……。しかし、余りにも頑なだ。
いや、頑なにしかなれないのだろう。それ程までに、「余裕」が無いのだ。
実弥さんの心から「余裕」を奪っているものが何であるのかは分からない。
その重過ぎる過去その物なのかもしれないし、尽きる事は無いだろう鬼への憎悪なのかもしれないし、柱としての重責なのかもしれないし、……或いは冨岡さんの様に大切な誰かを喪ったからなのかもしれないし。……心当たりが多過ぎてその原因を絞り切れないし、もしかしたら全部が合わさってどうにもならなくなっているのかもしれない。
絡まりあったそれらを少しずつ解いてやれれば、実弥さんが玄弥とちゃんと向き合うだけの「余裕」を得る事が出来るのかもしれないが……。
「守るってェのは、難しい事だなァ……。
鳴上。何があっても守りたい相手を守る時、お前ならどうする?」
「……そう、ですね。
俺なら先ずは、その相手と話し合います」
意外な答えだったのか、「話し合う?」と少し首を傾げた実弥さんにそっと頷く。
「絶対の正解なんて何処にもない。だから、話し合うんです。
相手が何を望んでいるのか、どうして欲しいのか、何はして欲しくないのか。そして、俺がどう守りたいのか、どうしたいのか、を。
……俺は我儘なので、守りたい人の笑顔とか幸せとかも全部引っ括めて守りたいんです。
だから、何をどうすればそれを守れるのかをちゃんと理解する為にも、先ずは話し合います」
どうであるにせよ、先ずは言葉を尽くす事から始めるべきだろう。
逆に、そこを放棄してしまえば、どんなに純粋な想いだろうと切実な願いだろうと、独り善がりの押し付けになってしまう。
……それが必ずしも悪い訳では無いけれど、お互いに後悔したり何らかの禍根を抱える原因にはなってしまうと思う。
だからこそ、自分が勝手に思っている「相手が望む事」ではなくて、今目の前に居る相手が何を望んでいるのかを知らなくてはならない。
「だが、それで上手くいく保証もねェだろオ?」
「ええ、上手くいく保証は無いです。
それだって、『正解』とは限らない事だってある。一人では上手くいかない事もある。
なら、その時は少しでも周りを頼ります。
俺一人の手で抱えきれるものはとても少ないですが、周りの人たちの手を少しだけ借りる事が出来ればもっと沢山のものを抱える事が出来ますから」
最初から何から何まで他人任せにしてはいけないけれど、それは他人を頼ってはいけないという事では無い。
何もかもを自分一人で……なんて無茶だしそれは傲慢過ぎる。
とは言え、他人を頼るというそれは中々難しい事もある。
頼る先の相手を信用する事は勇気が居るし、力を貸してくれる誰かが周りにいるのかどうかも確実ではない。
……それでもやはり、どうしても守りたい人が居るのなら、そうやって少しでも守れる可能性を上げたいのだ。
「……お前は、……いや良い。忘れてくれ」
そうやって話を切り上げようとした実弥さんに、そっと首を横に振った。
今だからこそ、言わなくてはならない、伝えなくてはならない。
「この世に絶対の『正解』は無いからこそ、人は自分が出来る事をするしかないし、その中で『最善』だと感じたものを選ぶしかない。そして、選んだ事への責任は最後まで負わなければなりませんが……。
だからこそ、本当にそれが自分に出来る全てなのかをちゃんと考えなくてはならないんです。そしてそれは、自分一人で考え続けているだけだと直ぐに行き詰ってしまう。
……人の視野は、決して広くない。自分を律していても、直ぐに狭まっていくし、『自分に都合の良いもの』ばかりを見てしまう。
……良かれと思って誰かを救おうとした行動が、その実全く逆の行いだったりもする。
それを少しでも回避する為には、やはり自分以外の誰かが必要なんだと思います。
実弥さん。俺は、貴方の力になりたい。
実弥さんが何か困っているなら、行き詰まっているのなら。
俺は、自分に出来る事でそれを助けたい」
だから、何かあったら頼って欲しい。力になりたいのだ、と。そう伝えると。
実弥さんは何処か辛そうな顔をして、そして込み上げた何かを我慢するかの様に息を呑み。数拍の後にゆっくりと大きな溜息を吐いた。
「お前は……随分とまあ、お節介な奴だなァ」
「よく言われます」
そう微笑んで返すと、実弥さんは益々大きな溜息を吐くのであった。
◆◆◆◆◆
鳴上と過ごす様になって数日。
善良でポヤポヤとしたお人好しだと言うその印象は変わらないが、それ以上にとんでもないお節介で世話焼きな性格なのだと嫌でも理解した。
「実弥さん実弥さん」と、休憩の合間などにやたら話し掛けて来るその姿勢は、何処か懐かしく……今はもう亡き匡近の事を少し思い出してしまう程のものだった。
まあ、鳴上は匡近よりも更に人の機微を察しようとしているのか、鬱陶しいと感じ始めるよりも前にスッと退くのだが。
明るく穏やかでお人好しで世話焼きで、やたら此方に手を伸ばそうとしてくるお節介で。
それでいて、その笑顔の奥では『自分は此処に居てはいけない』と思い悩む程に色々と抱え込んでいる。
……人がその笑顔の裏に何を抱えているのかなんて、事情を知らぬ他人が察する事は難しい。
鳴上のその悩みも、もしかしたらそう言った過去があるからなのかもしれないが、結局の所は分からない。
鬼への憎悪で戦っている訳では無いとキッパリと言い切っていたから、本人が言っていた様に鬼に何か大切なものを奪われた訳では無いのだろうけれど……。
しかし、自分の命を懸けてでも鬼と戦う理由は鳴上にも確かに在るのだろう。
「大切な人を助けたい」「大切な人を守りたい」と言い続けるそのお人好しその物の様な動機にだって、何かもっと深い苦しみや癒える事の無い心の傷が隠れているのかもしれないし、その事情は鳴上本人が語るでもしない限りは恐らく誰にも分からないままだ。
……鳴上が抱えているものが全く気にならないとまでは言えないが、しかし本人が語る気の無いそれを無理矢理に暴き立てる程趣味が悪い訳では無いし、そんな事をしなくても鳴上が本気で自分自身を懸けて戦っている事は分かる。
ならまあ……それで良いのだろう。
鳴上が敵に回った場合の危険性に関しては何の対策も打てていないが、……そもそも対策のしようが無い事でもある。鳴上自身の人間性に賭けるしかない。
そして、時折だが。鳴上が何かを話している時に何処か遠くを想っている様な顔をしている事がある事に気付いた。
多くは語らない鳴上の断片的な言葉から想像するに、鬼殺隊に出逢う前のかつての鳴上には妹か弟が居たのだろう。……その「家族」がどうなったのかは、鳴上が零した「帰るべき場所なんて無い」と言うそれが答えなのだろう。
匡近が俺に弟を重ねて放っておけなかった様に、鳴上も自分が喪った誰かを誰かに重ねているのだろうか。……それは、分からないが。
まあ、玄弥との事に関してやたらお節介を焼こうとするのには、そう言った鳴上自身の事情も関係しているのかもしれない。
そう考えると、謎だらけの鳴上の事を少しは理解出来た様な気がした。
そして、鳴上が話し掛けて来るからなのか、気付けば俺の方もポツポツと色々な事を断片的に話す様になっていた。
鳴上は他人に話をさせるのが上手いのだろう、話し上手でもあるがそれ以上に聞き上手な質の様だ。
まあ色々と断片的にでも話してしまったのは、鳴上は既に玄弥から俺たちの過去の話を幾らかは聞いている様だったという事もあったのだろうが……。
鳴上が俺と玄弥との事を色々と直接的に言って来たのは、何だかんだとまだ最初に手合わせした時の一回だけだ。今も色々と思ってはいるのだろうが、しかし無理に自分の意見を押し付けようとはしないだけの配慮は出来る性格なのだろう。
それもあって、鳴上には色々と話してしまうのかもしれない。
だからこそ……。
「……お前は神様ってのに縋った事はあるのか?」
ふと尋ねたそれは、何かの思惑があった訳では無く。ただ純粋な疑問……好奇心と呼ぶにはやや面白味の無い感情からのものであった。
『神様』だ何だと言われる位の力を持ち、どんな名医だって匙を投げ捨てる程に手の施しようの無い者の命だって救える……。しかしそれに反して、鳴上自身はあまり『神様』だとかに祈ったり縋ったりはせず、自分自身の力で物事を解決する事を善しとする様な人間だ。
……そんな鳴上でも、『神様』に縋りでもしなければやっていられない様な……そんな瞬間はあったのだろうか?
すると、鳴上は静かな哀しみと痛みを滲ませた目で「ある」と答えた。
そして、そうやって『神様』に願ってもどうする事も出来なかったのだとも。
……それは、鳴上の心の中で今も癒える事の無い傷になっている「家族」の事なのだろうか。
『神降ろし』……正確には『神降ろしの様なもの』すら鳴上には出来るのに、儘ならない事だ。
鳴上程の力があってすら、一番守りたかった大切なものを守る事は出来なかったのだから。
だからこそ、何をしてでも玄弥を鬼殺隊から追い出す事を固く決意する。
あいつは、鬼殺隊でやって行くには優し過ぎる。
匡近がその優しさから命を落とした様に……鬼という理不尽で残酷な存在を前にした時に、玄弥のその優しさは命取りだ。
だからこそ、一生恨まれようと、半殺しにするのだとしても、玄弥をこの血腥く危険な鬼狩りの道を諦めさせなくてはならない。
……傍に居て守ってやると言うのも、それはそれで一つの手段だ。或いは、共に支え合って戦い抜こうとする事もまた、「守る」方法の一つだ。
だが、俺にはそれは選べない。
……共に戦う事を選んだ胡蝶は志半ばに斃れ、そして残された妹は自分自身を殺す様に『姉』の面影で自分を塗り潰してしまった。そんな事、胡蝶は望んでいなかっただろうに。……まあ最近は、鳴上がやって来た影響からなのか、『姉』の仮面ではない元々のあいつ自身の素が時々見える様になってはいるが。それでも、恐らく胡蝶が守ってやりたかった……愛していた時のそれにはもう二度と戻れないのだろう。
それを知っているからこそ、選ぶ事は出来ない。
そう、俺は知っている。
この残酷な世界で、醜い鬼どもとの殺し合いの道の中で、優しさは報われる事の方が少ないのだと。……それが命を奪うどころか、その周りも巻き込んで深い傷を与える事になるのだと。
匡近がそうだった様に、胡蝶がそうだった様に。……そして、無数に散って行った多くの隊士たちがそうであった様に。
善良な人間が報われるとも限らない。
お袋がそうであった様に、ある日その存在の何もかもを蹂躙されて弄ばれて壊されてしまう事もある。
ならば、そんな世界から何よりも大切な存在を少しでも遠ざけたいと願う事は「間違って」はいない筈だ。
そして、俺は拒絶する以外に守る術を知らない。
恨まれてもいい、憎まれてもいい、例えその心が傷付き癒える事の無い苦しみを負う事になるのだとしても。
それでも、生きてさえくれれば……それだけで。
鬼になり家族を襲って殺してしまったのだとしても、それでも確かにお袋だった存在をこの手で殺してしまったその時から、自分の幸せなんて考えた事は無い。この身を動かしてきたのは、たった一つ……玄弥が生きて幸せになってくれる事を願う気持ちだけだった。
……匡近に出逢って、そのお節介に絆されて、どうにか人としてギリギリの所で踏み留まって生きてこれたけれど。しかし、もう匡近は居ない。
玄弥を脅かすかもしれない鬼どもをこの世から一体でも多く消す為に戦う、全ての鬼を滅ぼし尽くす為に戦う。それが、俺の全てだったのに。生きていく為の理由だったのに。……どうして、よりにもよって玄弥はこんなにも血腥い世界に飛び込んでしまったのか。
鬼狩りなんて優しい玄弥には性格的にも向いてない筈なのに。
あの日の言葉が俺を傷付けただなんて、そんな有り得ないバカみたいな事を気にして。何度跳ね除けられても食らい付こうとする。……全く、儘ならない話であった。
そしてふと。玄弥と友人である鳴上なら、玄弥を説得して鬼殺隊を辞める様に穏便に説得出来るのではないかと考える。
鳴上は、玄弥と向き合って話し合えと言っただけで、玄弥が鬼殺隊を辞めるのを何がなんでも阻止しようとする素振りはなかった。
鳴上は、玄弥を大切にしているのはこの数日間でよく分かった。
そして、鳴上にとっては「大切な相手」とは、何としてでも守りたい相手であるし幸せに生きていて欲しい相手である様だった。
勿論、玄弥に対してもその気持ちを強く向けている。
ならば、鬼殺隊を辞める事の方が玄弥を守る事に繋がるし、そして幸せにする事にも繋がるのだと鳴上を納得させる事が出来れば、鳴上の方からも玄弥を説得してくれるのではないだろうか。
拒絶する事しかやり方が分からない俺とは違い、鳴上なら言葉で相手を説得出来る気がする。
そんな思惑を抱えつつも、鳴上に大事な相手を守りたいならどうするのか尋ねてみると。
「話し合う」と言う……鳴上らしくはあるものの意外な答えを返してくる。
互いに言葉を尽くして、それでも駄目なら周りを巻き込んで。
相手の幸せも何もかもを引っ括めて守りたいと願うそんな自分を「我儘」だと鳴上は評するが、……どう聞いても底抜けのお人好しさしか感じられない。匡近と同じかそれ以上のお人好しなのだろう。
……そう思うと、鳴上に玄弥の説得を頼むのは何だか筋違いな事である気がして。結局それを言う事は出来なかった。
だから、話を切り上げようとしたそこに、鳴上は何時になく真剣な目で切り込んでくる。
俺の力になりたい、俺を助けたい、自分を頼って欲しい、と。
そう余りにも真っ直ぐに伝えて来る鳴上のその言葉と目が、どうにも在りし日の匡近に重なった。
命の灯火が消える間際ですら、俺や……そして自分の死の原因となった子供の事ばかり気遣っていた、大切な友に。
胸の奥から沸き立つ様に、余りにも鮮明に匡近との思い出が蘇る。愛しく、しかしそれと同じ位の痛みや苦みを伴うそれに、思わず息を飲んでしまう。
どうにか落ち着かせるとそれは大きな溜息へと変わった。
「お前は……随分とまあ、お節介な奴だなァ」
鳴上は匡近とは違う。それはとてもよく分かっている。
死んだ友の有りもしない面影を、匡近と関係の無い鳴上に重ねたい訳でも無い。……ただ、鳴上のその世話焼きでお節介な所は、どうしようもなく匡近を思い出させる。
そしてそんな俺に、鳴上は「よく言われる」と微笑む。
その顔を見ていると、益々大きな溜め息が零れてしまうのであった。
隊士全体の戦力強化が狙いである柱稽古だが、早いもので見込みがある者たちは明日明後日の内に俺の所まで辿り着くそうだ。
まあ、その「見込みがある者」の中に、あの竈門炭治郎も居るのは気に食わない部分もあるが。
鳴上は玄弥だけではなく竈門たちとも大層仲が良いらしく、手紙を頻繁にやり取りしている様で、彼等からの手紙が届くととても嬉しそうにしている。
「皆とても早いですよね。
明日にはカナヲが一番乗りで此処に来るそうですよ」
「凄いなぁ」と呟きながら蕾が綻ぶ様な微笑みを浮かべて手紙を読んでいた鳴上が挙げた名前には聞き覚えがあった。
「カナヲってェと、確か胡蝶の……」
「はい、しのぶさんの継子です」
蟲柱の継子として常日頃から鍛えられているのなら、この速さにも納得だ。……それにほぼ同じ速さで食らい付いている竈門たちが「見込みがある」のは、認めるのは少々癪ではあるが事実なのだろう。
「……皆が此処に来るのなら、俺はもう悲鳴嶼さんの所に移動した方が良いですか?」
隊士たちを迎える為の準備も必要だろうから、と。そう鳴上は言うが。
伊黒から送られてきたそろそろ訓練を突破出来そうな「見込みのある」隊士として挙げられていた名前を見ていると、まあ揃いも揃って鳴上と親しい連中だ。鳴上の力の事も勿論知っている。
来る人数としてもそう多い訳では無いのだし、鳴上が居た所で問題にならないだろう。
「いや……良いんじゃねェのか? このままでも。
俺としちゃァ、お前から最低でも二本は取っておきたいからな」
つい先程鳴上との手合わせでその首筋を狙った一撃を叩き込む事に成功したのだが、正直まだまだ手合わせをし足りない。
そもそも上弦の壱を相手に一度首に叩き込む事に成功した程度で勝てる見込みはないのだし、更には鬼舞辻無惨と戦う事を想定するとより本気を出した鳴上を相手に戦えなければならないだろう。今の鳴上は、あくまでも鳴上自身が戦った上弦の壱の強さを再現しているだけなのだから。
そんな訳で、鳴上から連続で三回首への有効打を取る事が今の目標だ。
更に、可能ならば鳴上が呼び出すという「神」とやらとも戦っておきたい。
「そうですか? なら、もう暫くお世話になります」
よろしくお願いしますと軽く頭を下げた鳴上に、「気にすんなァ」と返して。そしてふと以前気になったが尋ねる機会がなかった事を尋ねてみる。
「そういやァ、お前が上弦の壱と参と戦った時に、錯乱させて同士討ちさせてらしいが、一体何をどうやったんだア?」
問われた鳴上は、どう説明するべきかちょっと考える様に微かに唸って、そして口を開く。
「あの時のは……簡単に言えば、相手の心を掻き乱す力と言うか。強制的に、錯乱させて、恐怖を与えて、絶望させる力を使ったんです。
同士討ちするかどうかに関しては賭けでしたが……」
鳴上らしくはない穏やかでは無い言葉が並ぶそれに、少し驚く。……人を人とも思わず、様々な感情が破綻している鬼たちにも、そう言った力は効くのかと言う驚きもあった。
「随分とまあ、凶悪だなァ」
「そうですね……。俺も昔食らった事が何度もありましたが、本当に最悪な気持ちになります。
何と言うのか……自分が想像する『最悪』をより克明に見せ付けてくると言うか、最悪の記憶だけが延々と繰り返されてもう何も考えられなくなっていくと言うか、何もかもに絶望して生きる気力もなくなったりとか……。その上で周り全てが敵に見えたりしますね。
それで肉体そのものが傷付いたりする訳では無いのですが、心の方はどうかしたら再起不能になって廃人になるかもしれない程のものです」
鬼共が使う血鬼術の中には、そう言った精神的な攻撃を主とするものもある。
直近で報告されたものの中だと、煉獄が無限列車で斃した下弦の壱もその類だ。
幻術の類にまでその範囲を広げると、より多くの血鬼術が該当する。俺と匡近が斃した姑獲鳥もそうだと言えるだろう。
……そう言った血鬼術への対策として、鳴上にその力を使って貰って耐性を付けてみる事も考えたが、鳴上はとんでもない事だとばかりに必死になって首を横に振って拒否した。
確かにその状態にした相手でも直ぐに回復してやれるが、直ぐに回復しても、その幻を見ていた時の記憶自体はそこに残る為に心の傷が完全に癒えるものではないのだと説明する。
最悪廃人になると警告されては、それを無理に強要するのもどうかと言う話である。
そんな事を話している内に時間は過ぎて。
そして、柱稽古を突破してきた隊士が風屋敷にやって来て、本格的な柱稽古がやっと始まるのであった。
◆◆◆◆◆
【鳴上悠】
マヨナカアリーナで『鋼のシスコン番長』のリングネームが付いてしまう未来をまだ知らないが、菜々子は自分の命よりも大事。
悠に対する人質として最も有効なのは間違いなく菜々子。ただし菜々子を人質にした場合、本気の殺意の波動に目覚めた悠と、本気の特捜隊全員にマリーちゃんと、堂島さんと、マガツイザナギで容赦無く切り刻んでくる足立さんの全員を敵に回す事になる。(まあ、この世界に菜々子は居ないので無惨様が菜々子を人質に取れる可能性は無いが……)
【不死川実弥】
お人好しで世話焼きな悠を見ていると、兄弟子であり親友であった匡近をちょっと思い出す様になった。かなり絆されてきている。
なお、恐怖バステを喰らった場合、母親を殺した時の記憶と匡近を喪った時の記憶と自分が想像する最悪の結末(玄弥の死)がエンドレスにリピートする事になる。
【不死川玄弥】
とても一途に実弥を想っている。万が一半殺しに遭ったとしても絶対に実弥を諦めない。兄も石頭だが、弟は弟で物凄く頑固である。
【竈門炭治郎】
実弥との相性は一度噛み合えばかなり良いのだが、ちょっとでも噛み合わないと似たもの同士な事もあって絶望的に上手くいかなくなる。
不死川兄弟の喧嘩(言い合い)に遭遇した場合、基本的に玄弥側の肩を持った言動をする為、火にニトログリセリンをぶち込む事になる。
大怪我をして療養しなければならない期間がほぼ存在せず、任務以外の時間の多くを鍛錬に費やしていた事もあって、「痣」は出ていないが基礎的な部分の身体能力はかなり鍛え上げられている。それもあって、柱稽古をトップクラスの速さで順調に突破中。
炊き出しなどに参加すると、その余りの火加減の巧さに誰もが病みつきになる程。
特に炭治郎の炊いた米の旨さは凄まじく、蜜璃は普段の1.5倍は平らげてしまった。
【嘴平伊之助】
情緒は育っているが兄弟の感覚などは今一つ分からないので、実弥が玄弥の存在を拒絶する理由が全く分からない。「玄米の事が嫌いなのか??」としかならない。
元々の高い身体能力によって一部の柱稽古は爆速で終了した。特に、柔軟性を鍛える恋柱の試練に関しては即日合格が出た程。ただしその次の蛇柱の試練では合格までやや時間が掛かったので、風柱の試練に進んだのは炭治郎と同時。
強い相手と手合わせ出来るのがとても楽しいので、柱稽古は概ねどれも物凄く楽しい。無限打ち込み稽古を最も楽しむ男になる。
【我妻善逸】
玄弥の事を嫌っている訳では無い事は音では分かるのだけど、それはそれとして半殺しにしてでも追い出そうとするその行動力が怖過ぎて泣きそう。「何これぇ、うちの兄貴は優しかったね……」となる。
柱稽古がキツ過ぎて泣きそうだけど、恥を晒すと獪岳から締め上げられるし、獪岳が頑張っているから情けない言葉は口にしても諦めたり逃げ出したりはしない。
今の所、地獄の柔軟が一番キツかった模様。(でも蜜璃と合法的に触れ合えるのは嬉しかった)
【獪岳】
不死川兄弟の事に関してはほぼノーコメント。
柱稽古は楽では無いが、しかし真面目な努力家なので順調に熟している。
善逸が情けない事を言う度に締め上げているが、それは桑島さんからの許可を取っている事なので問題無し。
悲鳴嶼さんとの話し合いで若干遅れが出たが、あまり問題にはならない。
【栗花落カナヲ】
不死川兄弟の複雑な状態は正直よく分からない。自分がしのぶ姉さんやカナエ姉さんにあんな態度を取られたら物凄く哀しい。
でも、自分が勝手に最終選別に行った時にしのぶ姉さんを酷く心配させてしまった事は分かっているので、そう言う事なのだろうか……?とは考えた。
柱稽古は炭治郎を僅かに上回る爆速で突破中。
眼が良いので、手合わせの様な稽古は得意なのも大きい。
しのぶ姉さんの柱稽古が無いのが少し残念。
柱稽古自体に不満は無いが、アオイや悠が作ったご飯を食べられない事は若干不満。
なので風屋敷では悠の作ったご飯が食べられるのでやる気がとても出ている。
≪今回のコミュの変化≫
【刑死者(不死川実弥)】:3/10→6/10
≪現時点でのコミュ状況≫
【愚者(鬼殺隊一般隊士)】:MAX!
【魔術師(我妻善逸)】:MAX!
【女教皇(胡蝶しのぶ)】:9/10
【女帝(珠世)】:8/10
【皇帝(冨岡義勇)】:9/10
【法王(悲鳴嶼行冥)】:MAX!
【恋愛(甘露寺蜜璃)】:9/10
【戦車(嘴平伊之助)】:9/10
【正義(煉獄杏寿郎)】:MAX!
【隠者(隠部隊&刀鍛冶)】:MAX!
【運命(栗花落カナヲ)】:9/10
【剛毅(竈門禰豆子)】:9/10
【刑死者(不死川実弥)】:6/10
【死神(伊黒小芭内)】:6/10
【節制(蝶屋敷の皆)】:MAX!
【悪魔(愈史郎)】:7/10
【搭(不死川玄弥)】:9/10
【星(宇髄天元)】:MAX!
【月(時透無一郎)】:MAX!
【太陽(竈門炭治郎)】:9/10
【審判/永劫(産屋敷の人達)】:9/10
【欲望(獪岳)】:MAX!
【??(???)】:???
【邯鄲の夢コソコソ噂話】
ご要望があったので、活動報告の方にも上げていた各々のアルカナとその解説をば。また、現時点でMAXになったアルカナに関してはその旨を加筆しています。
【愚者】:鬼殺隊一般隊士
迷う事無く決まったアルカナの一つです。
鬼殺隊一般隊士と言う括りですが、より厳密には鬼殺隊と言う組織そのものですね。
まだ己の旅路の先も知らずに踏み出す者達。それが『愚者』です。
各アルカナは基本的に、悠との関わりの中で逆位置が正位置(正位置が悪い意味なら逆位置に)なる様に変化していく、と言う事を意識して当てています。
コミュ達成条件は、一定数以上の隊士と絆を結んだ上で、多くの一般隊士たちに存在を認知される事です。
【魔術師】:我妻善逸
正位置では「可能性」・「天賦の才能」・「変化」・「優れた感覚」などを示し、逆位置では「空回り」・「裏切り」など。
優れた感覚と共に霹靂一閃への天賦の才能を持ち可能性にも溢れより良い方向へと変わっていく部分と、正反対に獪岳などの事に関しては空回りがちで最後には裏切られる様な結果になってしまった善逸に相応しいかと思ってこのアルカナを選びました。
コミュ達成条件は、獪岳との関係性を正しく一歩踏み出す事です。
【女教皇】:胡蝶しのぶ
正位置では「叡智(高度な知識や学問)」・「聡明」・「純潔」、逆位置では「悲観」・「孤立」など。
原作に於いて珠世さんと共に鬼舞辻無惨討伐の最重要部分を担っていたその叡智に関しては言わずもがな、逆位置的な意味でも己の力不足を嘆きつつも独り童磨との相討ちを狙って準備するしかなかった事にも当てはまります。聡明であるが故に己の力不足を何よりも痛感し、自分の目的の為に何を擲つ必要があるのかを悟りそれを準備してしまう。それって実にしのぶさんですね。
【女帝】:珠世
母性や慈愛など、大地母神的なものを象徴する事で知られるアルカナですね。
まあ、コミュれる相手の中で『母親』なのは珠世さんだけ……と言う事で半ばそれに決まった感じではあります。珠世さんも、『ハリティー(鬼子母神)』がアルカナに属している【女教皇】にするか物凄く真剣に迷ったのですが、しのぶさんは【女帝】では無いなぁ……という事で此方に。
(まあ、そんな事言い出したらP4のマーガレットさんも『母親』では無いですけどね)
逆位置的に「挫折」などの意味もある事があるそうなので、鬼になって家族を殺してしまったという特大級の挫折を味わった意味でも若干相応しいのではないでしょうか。
【皇帝】:冨岡義勇
かなり迷わずに決めたアルカナの一つです。
正位置では「行動力」・「決断力」を象徴し、かつウェイト版では「防御」も意味してます。鱗滝門下直伝の判断と行動の速さとその力強さ、そして「凪」などでも見て取れる防御の固さ。そう言った事などから皇帝を選んでいます。
また、逆位置では「未熟」の意味もあり、(周りから見てどうなのかはともかく)本人はずっと己を「未熟」であると責めているのでその点でもかなり親和性が高いアルカナですね。
【法王】:悲鳴嶼行冥
正位置では「慈悲」・「信頼」・「優しさ」・「人徳」、逆位置では「躊躇」・「不信感」の意味があるとされています。
その寓意画は人の二面性を示しているとされ、優しさや人徳に満ちた部分と幼い子供への躊躇や不信感が反発する事無く同居していると言う点でも悲鳴嶼さんらしいのではないでしょうか。
また、P4本編では悠にとって一番頼れる「大人」であり「保護者」でもあった堂島さんが法王だったと言うのも大きいですね。
コミュ達成条件は、紗代との誤解を解きかつての悲劇に決着を付ける事です。
【恋愛】:甘露寺蜜璃
迷う事無く決まったアルカナの一つ。逆にここ以上のものってあります?
とまあ流石に名前と呼吸のイメージだけで決めた訳じゃないです。
正位置では「自分への信頼」・「価値観の成立」・「情熱」・「共感」・「選択」・「恋愛」・「結婚」などを示し、逆位置では「失恋」・「空回り」・「空虚」・「(結婚生活の)破綻」などを示します。
自分らしくある事を受け入れて貰えず縁談が破綻し、それで本来の自分を押さえ付けて空虚に空回りしていた所を、鬼殺隊に入って自分への信頼を取り戻し己の在り方を肯定し他者に対して情熱と共感を持って接している蜜璃ちゃんはとても【恋愛】のアルカナに相応しい人だと思います。
とは言え、過去のトラウマはまだ払拭しきれていない為、そこをどう変えて「結婚」まで辿り着かせるのかがコミュの本番になるかと思います。
【戦車】:嘴平伊之助
迷う事無く決まったアルカナの一つ。アルカナの意味的にも猪突猛進!
正位置では、「勝利」・「行動力」・「積極性」・「突進力」・「開拓精神」・「体力満タン」・「負けず嫌い」などの意味があります。まさに伊之助ですね。
そして逆位置では、「暴走」・「無知」・「不注意」・「失敗」・「挫折」・「自分勝手」・「傍若無人」・「焦り」・「視野縮小」・「好戦的」などの意味があり、これもまたまさに伊之助です。
逆位置にならない様にしつつ、正位置での伊之助の良さを存分に発揮させていく事になるコミュですね。
【正義】:煉獄杏寿郎
かなり迷わず決めたアルカナです。この話はP4本編に準じて概ねマルセイユ版の順番になってます。
正位置では「公正・公平」・「善行」・「誠意」・「善意」などを示し、公正さを象徴するからこそ、煉獄さんに最も相応しかったので。
割と最初から人格的にほぼ完成されているので逆位置に当てはまるものがないのですが、逆に言うと正しく正位置に存在する精神性も以てしても乗り越えきれなかった運命を乗り越えさせる事もまた、コミュの在り方の一つではあるのではないかと思って、煉獄さんのコミュ達成条件は『煉獄さんの命を救う事』に定めました。
もし【正義】アルカナを召喚可能だった場合、スラオシャ無双が始まっていたと思います。
【隠者】:隠部隊
かなり最後の方まで迷ってたアルカナです。『隠』だから【隠者】で良いのでは?何てちょっと暴論で決めつつも……。(そもそもP4ではコミュ相手は狐ですし……)
と、まあ流石にそれだけではなくて、自分を見つめた結果、己に出来る事に真摯に向き合ってそれを選択した人達なので、己を見詰める【隠者】は相応しいのではないでしょうか。
そして『隠部隊』とはしてますが、正確には鬼殺隊を支えてくれている人達全体ですね。だから、刀鍛冶の里の人たちの要素も入ってます。
コミュ達成条件は、刀鍛冶の里の防衛に成功する事でした。
【運命】:栗花落カナヲ
逆らう事が出来ずそれに身を委ねる事しか出来なかった状況から、出会いによって変化したからこそ、このアルカナにしています。
アルカナの大きな意味としては、『運命とそれに対する自由意志』です。
正位置では「転換点」・「幸運の到来」・「チャンス」・「変化」・「出会い」・「解決」・「定められた運命」・「結束」などを表し、逆位置では「別れ」・「すれ違い」などを表しています。
悠が居なかったらしのぶさんは確実に自爆してしまうので必ず別れが訪れる運命だったところを、その運命が悠との出逢いよって大きく変化したという意味でも、とても合っているのではないでしょうか。
【剛毅】:竈門禰豆子
迷う事無く決まったアルカナの一つです。
正位置で「強靭な意思」・「理性」・「不撓不屈」などを示している上に、その寓意画的には無意識としては手懐けられない程に強くなった「獅子(本能)」を「女性(理性)」が手懐けて御すると言う意味がある事もあって、鬼になってもその本能を強靭な理性で御している禰豆子に相応しいと思ってこのアルカナにしています。
また、マルセイユ版の解釈では、【剛毅(力)】からはアルカナの旅路が精神世界のものから現実世界のものへと転換したとされ、その転換点としても重要なアルカナですね。
太陽の克服を成し遂げる禰豆子の存在は、物語的に(と言うか逃走上等な無惨を釣り出す為に)最重要と言っても過言では無いので、そう言う点でも相応しいかと。
禰豆子自身との会話が一切無いのでどう言う基準でコミュ(と言うか絆)が深まっているのかは分かり辛いかと思いますが、禰豆子にとって一番大切なもの、つまりは炭治郎を助けてその力になる度に上がっていってます。
【刑死者】:不死川実弥
かなり迷わずに決めたアルカナの一つです。
ワニ先生直々に『泣いた赤鬼の青鬼を地でやってしまう』と言い切られてしまったお兄ちゃん……。
正位置では「忍耐」・「奉仕」・「努力」・「試練」・「妥協」、逆位置では「徒労」・「痩せ我慢」・「自暴自棄」と言う意味を示しています。
更にその寓意画としては、【世界】とは正反対に『物質が精神の上にある状態』を示しています。
玄弥の肉体的な安寧を願うあまり、その精神的な安寧を二の次にして、玄弥の安全の為にひたすらに「青鬼」に徹して我慢して奉仕し続けているその在り方は、実に【刑死者】ではないでしょうか?
【刑死者】に待ち受ける試練とは決して避けられぬものである反面、それを乗り越えられれば更なる高みへ辿り着けるものであるとされています。
原作の世界ではその涙ぐましい献身性とは裏腹に最も守りたかった存在を目の前で喪ってしまった実弥には、その奉仕と忍耐を徒労に終わらせない為の変化が必要ですね。
【死神】:伊黒小芭内
正位置では「死」とか「停滞」の意味となり、逆位置では「再出発」や「起死回生」や「再生」などの意味になる、逆位置の方が良い意味になる珍しいアルカナの一つですね。
また寓意画的には、一つ前の【刑死者】の段階にあった者が「現状の変容」を求められた際のその内面的な自己変革の段階を示したものだとされ、前進の為の破壊だとも捉える事が出来るとされます。
生贄として死に近く在り続け忍耐し続けてきた上に、それでいて今の己を殺し来世を想うからこそ、このアルカナに。
穢れた血族の産まれだから赦されないと己を縛るそんな自分を一度完全に殺して、また新たに歩き出す事こそがこのコミュを満たした証になります。
【節制】:蝶屋敷の皆
「調和」・「自制」・「節度」・「献身」を示すアルカナですね。
死と再生の狭間を経た者たちへの祝福を与える者と言う寓意画の解釈もあります。
鬼との死闘から生き延びたもの達を癒す役割の蝶屋敷の者たちを象徴するアルカナとして相応しいのではないでしょうか?
コミュ達成条件は、しのぶを童磨との戦いから生還させる事でした。
【悪魔】:愈史郎
これもまた逆位置の方が良い意味になる珍しいアルカナの一つ。
「悪循環」や「嫉妬」などと言った正位置の意味に、「覚醒」・「新たな出会い」・「生真面目」と言う逆位置の意味。
また、寓意画的には一つの物に対して盲目的に崇拝し付き従っている状態であるとも言われる事もあります。
更に「悪魔」と言う存在の解釈として『意図の有る無しに関わらず、当人の望む望まぬに関わらず、結果的に起こる奇跡』であるとも。
ある意味、最終決戦時では珠世様に並んでMVPであった愈史郎にとっては、その結果は望んだものである反面本当に望んでいたものでは無かった、そんな少し皮肉な「奇跡」的な勝利でしたね。
何かに囚われている事を意味していますが、囚われているものとの繋がりは非常に強固であるとも言えます。
愈史郎の願いは、珠世様を助ける事。ただそれだけに集約されています。
【搭】:不死川玄弥
迷う事無く決まったアルカナの一つ。
説明するまでも無く、正位置の意味も逆位置の意味もほぼ玄弥です。
どっちの向きでも悪い意味になる唯一のカードですね。
とは言え、このアルカナに全体的に含まれた『破壊』は決して悪い意味だけではなく、寧ろ「浄化」の側面もとても強いです。
成功に縛られてどうにもならなくなった状態を打ち崩す、それは一つの祝福である、と。そう捉える事も出来ます。
何度も何度も挫折して、崩されて。そんな中で、ある意味「鬼食い」と言う後戻りは出来ないけれど確実に力を得られる方法(成功)に縛られてしまったからこそ、そしてその成功に縋り付くを得ない執着があったからこそ、原作でああなってしまったとも言えますので。
勿論それが自分の選択の結果であったが故に玄弥本人にそこまでの後悔は無かったのですけどね。
ちなみに、寓意絵で塔を破壊している雷は、【太陽】を表す黄色で描かれています。
【星】:宇髄天元
価値観やら様々なものの崩壊を示す【塔】の次に来るアルカナであると言う事で選びました。決して派手派手だからでは無いです。
正位置的には、「希望」・「願いが叶う」・「絶望からの再生」・「期待」などを示し、寓意画的には女性(仲介者の象徴)によって【塔】の段階で求められた自己変容が自分の内面で起きている事を示しています。(P4のアルカナカードの絵柄では女性は出てこないんですけどね)
忍として形成された価値観を【塔】で破壊して、嫁さん三人と一緒に自己変容と禊の為に戦う宇髄さんにかなり相応しいのではないでしょうか?
コミュ達成条件は、嫁を全員生還させた上で上弦の首を斬る事でした。
【月】:時透無一郎
逆位置の方が良い意味になる珍しいアルカナの一つ。
正位置では「不安定」・「現実逃避」・「欺瞞」・「猶予ない選択」・「トラウマ」・「フラッシュバック」・「隠れた敵」などを示し、逆位置では「過去からの脱却」・「徐々に好転」・「未来への希望」などを示します。
また、カード全体の主旨としては『自らが導く、未だ見えざる真実への道程。それを辿ることの困難さ』であり、そのカードに描かれた月は『真実への導きを与える、無名無形の見えざるもの』の象徴です。
己の過去(真実)を思い出せないが故に不安定で余裕が無い無一郎には相応しいのではないでしょうか?
まあ、曾(中略)祖父さんである巌勝の影響もちょっと無くはないですが。
コミュ達成条件は、喪われた記憶を取り戻す事です。
【太陽】:竈門炭治郎
この話を書くと決めた時に一番最初に決まったアルカナ。
寧ろ炭治郎以外が【太陽】になる事あります?って位に迷いませんでした。
(P3以降だと人間キャラは死神以降のアルカナに覚醒しないので)もし鬼滅側のキャラがペルソナに覚醒するって話にする場合どうしようとは思ったんですけど、何回考えても炭治郎が【太陽】なのは変わりませんでした。
ウェイト版のタロットカードには、【世界】を含めた全ての絵柄に『太陽』を象徴する黄色が使われてます。(例えば、【月】に描かれている『月』とか)
正位置の意味では「成功」・「祝福」・「勝利」・「約束された将来」・「満足」など人の輝く内面そのものを象徴し、その寓意画的には生への本能が完全に合一している事も象徴され、極めて重要な本質的変革の第一歩を踏み出した事も示されてます。それはまさに原作主人公。
全てのカードに【太陽】の影響が描かれている様に、その影響は凄まじく強大です。実際、悠に出逢わなかったとしても炭治郎は沢山の人に様々な影響を与え、己の目的を完全に果たしますし。
当然、【世界】にも【太陽】の影響はとても大きいです。
しかし同時に、アルカナの旅路を最後まで終えている訳では無い事も重要です。
炭治郎だけでは取り零してしまったものを、悠が一緒に拾い上げにいく。
ある意味、この物語はそんな話でもありますね。
【審判/永劫】:産屋敷の人達
マルセイユ版表記だと【審判】、ウェイト版表記だと【永劫】ですね。
P4Gの【永劫】に描かれている鳥は太陽の化身『ホルス』であり、鬼を滅する為の組織の長としては滅茶苦茶相応しいと思います。ホルス自体は【太陽】アルカナのペルソナですけども。
正位置では「復活」・「啓示」・「改善」・「覚醒」・「発展」・「活力」・「満足」などを示し、逆位置では「悔恨」・「行き詰まり」・「悪い報せ」・「再起不能」を示します。
鬼舞辻無惨の責任を連座で取らされ続け余りにも短い寿命に苛まれ続ける事や、とにかく死亡者が積み重なり続ける事、鬼舞辻無惨の尻尾が千年かけても殆ど掴めずじまいな事、重責に心を病んでしまう者も多い事など、産屋敷家全体が元々かなり逆位置寄りだと思います。
ギリギリ、「啓示(先見の明)」が正位置な位で。
そこを根性と無惨への怒りだけで持たせていた耀哉さんのメンタルは既に人外級な気がします……。
まあそんな状況が、炭治郎と悠との出逢いを切欠に一気に正位置にの方向へと傾いて行ったイメージですね。
本当に余談になりますが、鬼滅の世界には間違いなく《神様》的な存在は居ると思うのですが、中々にクソだなぁ……と思います。過干渉してくる上に平気で世界を滅ぼしてくるメガテン世界より断然マシですけど。
【欲望】:獪岳
迷う事無く真犯人モードの足立との繋がりを象徴する【欲望】を採用しています。
ウェイト版での【剛毅(力)】と同じ意味でありますが、P4Gで描かれた【欲望】のカードの絵柄の意味としては、本来「理性(女性)」が御するべき所を「本能(本能)」に翻弄されていると言うものがあります。(ちなみにこの絵柄の獣はマザーハーロットにインスパイアされてるらしいですね)
全体的に、【剛毅】の逆位置的意味や或いは正位置の要素が欠けている状態である意味だと判断していいかと思い、その様に解釈しています。とは言え、そこから踏み出す事が出来ればまた新しく旅を始められる事もまた事実。
肥大した自尊心と承認欲求に隠されたものを見付け出し変えて行く為のコミュでした。
そして、悠が足立さんにしてあげられなかった事……本当の意味で自分の罪に向き合う力を与える事。
それもまた、このコミュの意義になります。
獪岳と悲鳴嶼さんとの対話は、感覚的にはP4Gで追加された仲間たちの二回目のペルソナ転生イベントみたいなものです。
【??】:???
まだこの時点では生まれていない絆。
この先生まれるのかどうかは選択次第です。
目の前に何を犠牲にしてでも倒さねばならない敵がいて、そして自分の隣には自分が願えばどんな事だって叶えてくれる仲間が居ます。 どうしますか?
-
一緒に戦おうと声を掛ける
-
力を貸して欲しいと願う
-
敵を倒してくれと願う
-
自分一人で頑張る