キングと毎週末映画を観る話【ウマ娘短編集】   作:あずきめし

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【お姉ちゃん×カレンチャン】ファル子先輩見てください

 これは朝の洗顔中に勢い余って鼻に指を突き入れてしまい流血するお姉ちゃんです。

 痛いやらしみるやら情けないやらでテンションがた落ちです。鼻血も相まって物凄いビジュアルになってます。

 とりあえず顔を流してティッシュを詰めに行くみたいです。

 

 あっ、くしゃみ。寝巻きが大惨事です。

 すぐお洗濯に取り掛かるみたいですが、この動画はコンプライアンスに配慮しているので録画はここまでです。

 ちなみにお姉ちゃんは最近カレンがお勧めしたナイトブラを着けてくれています。えへへ。

 

 

 

 

 これは洗濯のサイクルを見誤って、着られる服が無くなったお姉ちゃんです。

 近所のランドリーへ乾燥機を求めて外に出たいけど、その服すらありません。スーツもクリーニングに出ています。お姉ちゃん大ピンチです。

 

 実家から届いた段ボールを開けていますね。あれは……梱包材代わりに敷き詰めてあった中学校時代の私服みたいです。

 お姉ちゃん、昔はあんな服着てたんだ。へぇ〜。ふぅん。ほほう。何だか、初めて会った時のことを思い出しちゃった。

 

 あっ、着られるか試してます。おお〜。入った! お姉ちゃん、服の香りを嗅いでますね。実家で使ってる柔軟剤が懐かしいみたいです。カレンも寮に入ってから、なんだか実家のにおいが分かるようになった気がします。

 

 洗濯物を袋にまとめて出かけるみたいです。でも、もう夜の時間だし、服装も相まってお姉ちゃん補導されちゃわないかな。

 お姉ちゃんは体格も相まって、スーツを着てない時は結構職質されてるみたいなんです。今なんかは特に、恥ずかしそうにこそこそ歩いてるのも多分良くないと思います。でもそんな所もカワイイですよね!

 

 

 

 

 これはコンビニで買ったナポリタンが思いの外辛くて涙目になっているお姉ちゃんです。まだ全然残ってるのにお茶のペットボトルが空になっていますね。

 

 ちっちゃい舌を出してふうふう言ってます。

 あっ、上蓋のラベルを確認しました。商品名にある辛口の文字を見落としていた事に気付いたみたいです。

 辛いのが苦手なので悩みに悩んで唸ってますが、ちゃんと残さず食べる事に決めたようです。えらいですね。

 

 席を立ちました。恐らく表の自販機にヨーグルトドリンクを買いに行ったんだと思います。乳製品は辛さを和らげますから。

 

 補足するとお姉ちゃんはチェーンのカレー屋さんでトッピングにはちみつを選ぶくらい辛いのがダメです。

 あとラッシーはマンゴー派です。

 

 

 

 

 これは初めて使うウーマーイーツでピザを注文してみたお姉ちゃんです。

 初回特典で2300円割引なのもあって、ソワソワしながら到着を待っています。

 

 ……中々来ないからか玄関と部屋をもう3回も往復してますね。

 あっ、来ました。どうやらこの注文ではお店の人が直接届けてくれるみたいです。

 配達員の方じゃないから、実質普通の宅配ピザと変わりませんね。ピザが届いた事は嬉しいけど、あの特徴的なリュックを背負った配達員さんと会えなくてちょっとションボリしています。

 

 でも袋を開けたらすぐ笑顔です。美味しそうな香りに一発で機嫌が直りました。

 ニコニコしながらバニラシェイクを混ぜていますね。お姉ちゃん、子供みたい!

 

 

 

 

 これはお花の形のミニクッキーを開けたら思ったより量が多くて食べ切れず、目が淀んできたお姉ちゃんです。

 

 前々から可愛いパッケージとおいしそうな予感に買おう買おうとは思っていたものの、ついつい忘れ続けていたものをようやく購入したものですね。

 

 最初は予想通りの味と可愛さにご満悦だったけど、一切小分けにされていない、開けたら食べきらないといけないタイプだったがために苦しんでいます。お姉ちゃん食が細いから普段はこういうの買わないんですよね。

 

 洗濯ばさみやクリップが無いか探していますね。流石にトレーナー室に洗濯ばさみは無いと思うけど……

 

 あっ、開け口をくるくる丸めてクリアファイルに挟んでいます。

 再びお腹に余裕が出るまで何かしら被せて口が広がらないようにする作戦みたいです。

 

 当たり前のように失敗しました。お姉ちゃんも「まあそうだよね」みたいな顔をしています。

 おっと、クッキーを手にトレーナー室を出ていきます。多分誰かにおすそ分けしに行ったんだと思います。いいなぁ。

 

 

 

 

 これはカレンのウィニングライブで声を出しすぎて喉がカラカラになっちゃったお姉ちゃんです。

 お姉ちゃん、いつもポーチに不思議な匂いのするアメを持ち歩いてて、それが凄く喉に効くんですけど、味が……なんというか、辛いんですよね。

 

 凄くピリピリ刺激のあるアメで、舐めてる間はお姉ちゃんの眉間にはずっとシワが寄ってるんです。

 うにゅっとしてます。レースの時も本気で応援してくれるし、毎回ライブの後に舐めてます。

 関係者席に居るんだし、ちょっとセーブしてもいいのに。

 ……でも、いつでも一番カレンの事を応援してくれてるのを見ると、嬉しい気持ちになります。

 

 ……ファル子先輩もわかってくれますよね! いっつもトレーナーさんと一緒だし! トレーナーさんと一緒に居る時のファル子先輩、キラキラしててとってもカワイイですよ!

 

 

 

 

 あれはカレンのカワイイ人。ああ、あれはカレンが恋する人だ。ああ、その事を伝えたい!

 

 なんちゃって。これはカレンと劇を観た帰り道のお姉ちゃんです。

 演目はロミオとジュリエット。最初のはバルコニーのシーンの台詞のもじりです。

 

 あの二人ってとっても情熱的ですよね。出会ってすぐ恋に落ちて、結婚して、死んでしまうまで、数えるのに片手で足りるたった数日の物語。

 

 カレンとお姉ちゃんも、周りから見たら転入初日に一目惚れみたいに電撃で契約を結んだって思われてるんだろうけど、本当はもっとずっと昔に会った事があるんですよ。

 

 何年もずっとずーっと覚えてたんです。あの日出会った、とっても優しいお姉ちゃんの事。

 

 あっ、見て! 小首を傾げ、頬を片手に預けています!

 カレンはあの手を包む手袋にならなくても、お姉ちゃんのほっぺたに触り放題! お姉ちゃん、実はすべすべのたまご肌なんですよ。おすすめは二の腕とひじの辺り! むにょんって伸びるんです! でも贅肉って感じじゃなくて、本当に柔らかくてフワフワしてる感じなんです。あっ、でもカレン専用だからファル子先輩は触っちゃダメですよ!

 

 

 

 

 これは寝る前にカレンのウマスタを開いちゃって止め時がわからず、延々と過去の投稿をさかのぼっている時のお姉ちゃんです。

 

 今見ているのはカレンがトレセン学園に来るよりも前の投稿ですね。

 お姉ちゃん、こういうのをチェックしておいてカレンがレースで勝ったり、何か良いことがあった時なんかに、前に食べて美味しかったお菓子だとか思い出に残っているようなものをプレゼントしてくれるんです!

 

 えへへ。お姉ちゃんはいつだってカレンの事をちゃんと知ろうとしてくれるんです。お姉ちゃんは優しいから、カレンはとっても甘やかされちゃってる。嬉しいなぁ。……これからもいっぱいカワイがってね、お姉ちゃん。

 

 あっ! 今お姉ちゃんがカワイイって言いました!

 聞いてましたかファル子先輩! カワイイって言ってくれましたよ!! ぽろっと漏れた素の心の声です!! 聞いてますかファル子先輩!!

 

 

 

 

 ……これはカレンの事を真剣に考えてくれている時のお姉ちゃんです。

 

 大人と子供だとか、教え子と先生だとか、同性だとか、世間体だとか、そういうものを一旦全部脇に避けて、純粋に……カレンの気持ちが勘違いとかでなく、本当だったら……自分はどうするのかを考えてくれています。

 

 実際にはお姉ちゃんは大人だし、立場もあるし、それにちょっとズルい所もあるし……?

 ……きっとお互いに考えてるようには行かないんだと思います。

 

 でも、ちゃんと考えてくれるんです。お姉ちゃんは考えてくれる!

 

 それだけでなんだかカレンは、無性に泣きたいような、踊り出したくなるような、ぶるぶる震えて、意味もなく叫んで、自分がどんな顔をしているのかも分からないまま、じっと見つめて、瞬きもせず、息も忘れて抱きつきたくなるような……そんな気持ちになります。

 

 ぴたっとくっついて、でもくっついてるのにまだ遠くて。お互いの体が邪魔に感じるくらい、もっともっと近くに行きたくなる。強く、強く抱きしめたくなる。抱きしめて欲しくなる……

 

 カレン、ワガママですよね。えへへ。でも、足りないんです。どうしようもなく足りないの。きっとキスをしたって満たされない。いつか授業で習ったような、本当に好きな人とだけ許し合うような、そんな事をしても。……もしかしたら満たされないかもしれない。

 

 でも、もっと近くに居たいんです。心臓が直接触れ合ったって、きっとまだ遠いの。もっと、もっと……

 

 ……えっ、ファル子先輩。電話ですか? お姉ちゃんと? もう掛けてる? えっ、えっ!?

 

……

 

…………

 

………………

 

…………

 

……

 

 あ、ファル子さん……。

 はい。あの、お姉ちゃんでした。当たり前ですよね。えっと、何言ってるんだろ。……お姉ちゃん、カワイイって言ってくれました。

 

 急な電話でびっくりしたけど、何かあったのって。

 声が聞きたいって言ったら、くすくす笑って、カレンの事をカワイイって言ってくれたんです。

 

 なんだか、嬉しくて……きゅうってなって、お耳もぴこぴこして、もっともっとくっつきたくなって、でも……今日の夜は、ご飯食べなくてもいいかなって思うくらいに、なんだかいっぱいで……

 

 今日のカレン、ぐるぐるとお姉ちゃんの事をいっぱい考えてて、でも満たされなくて。どうしようもなくって、ファル子さんを捕まえて、ちょっとカワイくなかったですよね。

 

 でも、お姉ちゃんはこんなに簡単に、カレンの事をいっぱいにしてくれるんですね。

 ほんのちょっと、お話しするだけで……えへへ、頭ではわかってたつもりでも、気付く事がたくさんあるの。そっか、そうなんだ。

 

 ……ファル子さん、ありがとうございます! 急だったのに、色々聞いてもらって。

 ファル子さんとお話できて、本当によかったです! ちょっとだけ抱きしめさせてください! んん〜〜っ! えへへ、ありがとうございます!

 

 カレン、ちょっとお姉ちゃんの所に行ってきますね!

 もっともっと、世界で一番、宇宙で一番、お姉ちゃんが今まで会った、誰よりもカワイイって思って貰うために!!

 

 

 

 

……

 

…………

 

………………

 

…………

 

……

 

 

 

 

 ……行っちゃった。

 

 

 ……ファル子も帰ろっ☆

 





    十ヽ -|-、レ |
    d⌒) /| ノ ノ

二人は賢さトレーニングLv4みたいな感じでビデオを観ています。
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