【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】 作:ひろっさん
オリジナル小説のネタに悩み中。
私は今、バレーをしています。
転生後は運動神経が悪くないとはいえ、小さい体でバレーはきついですね。
レシーブやトスに回るのが精一杯です。
それも十分とは言えません。
どうしてこんなことをしているのかと言いますと――。
原作『ネギま!』で、ドッジボール対決があったのはご存知の方も多いと思います。
相手は原作では高校生ドッジボールの県大会優勝チーム。
そんな彼女らとコートとアンディの取り合いになりまして、勝負することになりました。
私としましては別にどうでもよかったのですけど、この世界の綾瀬
「ネット張ってありますし、バレーで勝負しましょうよ」
と。
それで、その意見が受け入れられて、バレーでの勝負と相成りました。
ま、いいのですけれどもね。
相手が原作と違ってバレー部だそうですが、勝ちそうですし。
ジャンプ力があって運動神経もいい、バスケ部の明石裕奈さんと、曲芸手品部のザジさん、それに安心と信頼の神楽坂明日菜さんがアタッカー。
セッターは戦って企める天才超人、超さん。
後はその他大勢。
9人バレーの変形で、私達だけ人数が多いのです。
9人バレーなんて、知ってる人はどれくらいいるんでしょうか?
一般的な6人バレーとルールも違ってくるのですけれど、細かいことは気にしない方向で。
最初は私達全員がコートに入っていましたが、あまり詰めると動けないので、動ける人を中心にコートに10人ほど入っています。
私もその1人です。
男子である刹那さんと龍宮さんが棄権しましたので。
一応、私も魔法は使わない方向でやっています。
アンディが審判です。
宮崎のどかさんが持っていたルールブックを3回ほど読んだだけですが、割と様になっています。
が。
――“こちらにだけ判定が緩くありませんか?”
――“え、そそそ、そんなことないよ!?”
――“次やったら後で
――“……はい”
やっぱり子供なので、安易に私達が勝つ方にジャッジをしてしまっています。
後で文句を言われるのもアレですし、普通に勝ちそうですし。
『ホームタウンデシジョン』みたいな、不公平審判はやめていただきましょうか。
ちなみに『ホームタウンデシジョン』とは、審判がいずれかの陣営の人だった場合に、自陣の有利なように不公平な審判を行うことを言います。
昔、欧米で行われた人種差別の典型例だったようですね。
現在は公平を期すために、両陣営に関係のない第三者の審判が呼ばれます。
それでも、買収問題はあるようですが。
一方的に勝てるように、ルールの方に変わってもらう場合もあるようですね。
で、まあ、勝ちました。
普通に勝ちました。
トラブルは、私が大河内アキラさんと接触して、私が場外までぶっ飛んだことくらいです。
水泳部の癖に、格闘技ができる当たりの強さですよ。
原作で怪力キャラ扱いだった設定が、この平行世界でも生きています。
本当にもう、ウチのクラスは色々とスペック高過ぎです。
「で、『別荘』の中に呼び出して、どんな用事ですか?」
私は尋ねます。
「――エヴァさん」
目の前にいるのは、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルその人。
この別荘の中でしたらある程度は力を取り戻せますので、『闇の福音』と呼ばれた彼女の力を多少なりとも発揮できる環境です。
「なに、現時点でのお前の全力を把握しておきたいだけだ。
予定通りなら、貴様は修学旅行で『アーウェルンクス』と戦うかもしれんのだからな」
「まずは切り札無しで行きますよ?」
「使わんのか?」
「実用にはまだ大きな問題があるのです。後で説明しますが」
私は言ってから、エヴァさんに無造作に近付きます。
「むっ――!」
「――」
あと2メートルほどに近付いたとき、まるで友人に挨拶するように微笑み、片手を上げます。
そのまま、歩きつつエヴァさんの肩に手を置き――。
「“
「――!」
彼女の反応はさすがでした。
一瞬で肩にかけられた手を外し、私の胸を蹴って飛び下がります。
一瞬後、魔法が発動し、私の手から放たれた風の矢が地面を打ちました。
「さすがに無理ですか」
「いやいや、高位程度の魔法使いなら、今のは避けられん。
攻撃の意を消し、接近して接触状態による障壁の最小化を図る。
なかなか見事なものだ」
「それでも、最初からそれを知られていたのでは、さすがに厳しいですね」
「当然だ。その手の暗殺者とも、600年の間で何度もやり合ってきている」
すべての通行人に警戒の目を向け続けるのは難しいのです。
その通行人と同化し、相手の魔法障壁を突破するのが今の方法です。
元ネタは現在も少年ジャンプで連載中の『暗殺教室』。
昔から似たような技法はあったようですけどね。
ちなみに、攻撃の意を消すというのは、感謝の呪文詠唱1万回の副産物です。
あれのおかげで、使える呪文を短縮する癖が付きましたし、魔力を練る速度も上昇しています。
毎日朝起きてすぐに瞑想しているおかげで、そういう自分の感情や意識を制御するのが自然にできるようになっていますし。
アンディのセクハラを回避するために、気配を消すことを日常的にやっていますし。
エヴァさんは、最初の私の動きからそれを意識し、わざと肩に触れさせてから避けるという、アクロバティックな回避をしてしまいましたが。
さすがにあちらの方が3枚は上手です。
ちなみに、杖は服の袖に隠しています。
肌に接触していれば、無詠唱でなければ問題はありません。
「では、まともに撃ち合いましょうか」
「例の1万回の成果か」
「ええ」
私は頷きます。
とはいえ、今まで相手が馬鹿正直なアンディだけでしたので、ほぼまともな模擬戦相手はいませんでしたが。
メルディアナ時代でも、他の生徒達は弱すぎたのですよ。
教師達はより上級の魔法でゴリ押ししかしませんし。
「“ラス・テル・マ・スキル・マギステル”」
「“リク・ラク・ラ・ラック・ライラック”」
私達は同時に詠唱を始めます。
しかし、完成は私の方が早いです。
「“『
合計11回。
私は早口言葉の熟練者ですので、このくらいの回数なら一度に複数撃つよりも速いのです。
「くっ……!“『
あちらも避けながら詠唱していますね。
避けた分で相殺し切れずにこちらへ流れ弾が飛んできます。
では追加で。
「“
「ぬっ!」
「“
エヴァさんが無詠唱で魔法の矢を撃ち始めたのを、私はマシンガンのような連射で撃ち落としていきます。
相手の詠唱を潰し、高効率化した魔法の矢の物量で押し潰す。
本気でないエヴァさんが相手でしたら、これで圧し切れる可能性があります。
私、動けませんけどね。
自分の足で走りながら正確に魔法の矢を撃つのって、とっても難しいんですよ。
練習しましたけど、今のような限界近い連打状態で足を動かすのは無理です。
その代り、あちらも近付けませんが。
って――!
「もう少し密度を濃くせねば、相殺と回避で押し切られるなぁ!」
えーっ!?
「激流に身を任せどうかすれば、この程度の弾幕はどうとでもなるわ!」
エヴァさんが私の連射をものともせずに接近してきます。
服が擦れるような紙一重のところで回避して――。
グ、グレイズ!?
初めて見ました。
『東方project』という弾幕シューティングゲームがあるのですが、そのゲームで弾幕とは、敵を倒すためではなく、相手を魅了するのが目的という、風変りな設定があるのです。
ルールとして制限時間があったり、ゲームの体裁を整えていたり、主人公達もゲームとして弾幕を楽しんでいたりして、登場人物の美麗さも相まって世界的な人気ゲームとなっています。
その中に、避ける側にも美しさを求めるという、
いわゆる、『一寸の見切り』というやつですね。
エヴァさんがやっているのはそれです。
まさか生で見られるとは思いませんでした。
「これも高位魔法使い程度か?思ったよりつまらんな!」
「“
辛うじて障壁を3重に張り、エヴァさんの魔法の矢を防御しました。
「ふむ……防御についてもそういうことができるのか……。
それを抜くのは確かに面倒だな」
「おかげで『連射モード』は途切れてしまいましたけどね!」
「いやいや、その辺の判断も悪くない。
本当に、面白い鍛え方をしているな、お前は」
この後も、しばらく戦闘は続きます。
いや、負けましたよ?
現状、切り札無しでは絶対に勝てませんって。
で、戦闘後です。
「うー、魔力切れなんて、久し振りなのですよー……」
「私も少し疲れた……さすがに4時間もぶっ通しだとな……」
茶々丸さんのお姉さんに運ばれ、部屋のソファでぐったりです。
幾らか血を吸われましたが、抵抗する気力もありません。
「お前、そのままでもそこそこの奴と遣り合えるな。
まだ『本物』と戦うには早いが……」
「『本物』が相手でしたら、素直に切り札を使いますよ」
「だが、それでも『アーウェルンクス』にして1体が限度だろう?」
「はい」
私は素直に頷きます。
まだまだ、世界を救うには準備不足なのです。
「この『別荘』は、必要ならいつでも来るがいい。
『原作』にあったように、増設もしておいてやる」
「あ、ありがとうございます」
これは素直に嬉しかったのです。
自分の目的にも適うので、エヴァさんもデレましたね。
本日の成果
エヴァンジェリンと初模擬戦!
結果は敗北。
『別荘』が使用可能になった!
以上。
つづく
ジョインジョインエヴァ
模擬戦の後、ちゃんと切り札についても見せています。
……ということにしておいてください。
書いていた当時、描写するのをド忘れしていました。