【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】 作:ひろっさん
私は『タイムバナナ』で作戦開始の2日前に戻っています。
ある意味で予想通りでした。
『王家の墓所』は
フェイト少年には、『視界共有』がかけられていたのです。
本人も気付いていませんでした。
私が彼を疑っていたというのは、こういうことです。
何も、フェイト少年が裏切っているとは限らないのです。
この世界には魔法がありますからね。
そして魔法には、『
ということは。
要するに、爵位持ちの悪魔を、『デュナミス』さんは召喚していたのです。
そうとしか考えられません。
『デュナミス』さんほどの使い手でしたら、爵位持ちの悪魔も従いますからね。
ベリアルの時と同じです。
ドタバタの中こっそりと仕掛ければ、気付かれないものなのですよ。
少々厄介なことになりましたが、まあ、修正できなくはありませんね。
「ということは、爵位持ちの悪魔も計算に入れなければならんのか……」
「いずれにせよ、逃げられなければ勝てる程度でしかありませんね。
だからこそ、『デュナミス』さんも逃亡という手段を選んだのでしょう」
「色々と面倒なことになってきたな……。
『視覚共有』を逆に利用するとしても、既に逃亡されていた場合は効果が薄い」
「『無限ループ』について、フェイトさんは2週間前のお話以降は何も聞いてきていません。
しかし、その時点では逃亡せず、1週間前、私はマリスさんと交戦しました」
「つまり……そうか、この高密度の魔力環境……できることはいくらでもあるか」
私は頷きます。
「それですね。
この魔力溜まり状態が惜しくて、まだ『王家の墓所』に留まっている可能性は高いと思います。
私なら、迎撃兵器を起動状態で保つためにも、ギリギリまで残っていると思いますし」
「……妖精の力に頼らざるを得んな」
「……そうですね」
お互いに頷きました。
ちなみに、ここはエヴァさんの幻術空間内部です。
こういう秘密の会談をするには、結構向いているのですよ。
『夢見』の魔法で誰かが入ってくれば、すぐに分かりますしね。
悪魔の方には、ザジさん経由で退いていただきましょう。
そうでなければ送還ではなく消滅させますよという脅しつきで。
もちろん、退かなければ『万物ゲーム機』の餌食です。
やることは単純でした。
『万物ゲーム機』で、『王家の墓所』に張られたバリアに『空間転移不可』の追加効果を持たせるのです。
『万物ゲーム機』がバリアも対象にできるというのは、最上位精霊の魔法障壁で実験済みです。
ええまあ、最上位精霊自身も、『万物ゲーム機』で改造可能なのですよ。
可能な限り蓄積魔力量を上げておかなければ、存在力の方はそれほど高くはならないのですけれどもね。
魔界から召喚する悪魔と違って、精霊は召喚と言いながらその場で作って消滅させてが簡単にできますし。
ああ、例のケフィッスス呪符紙を使用すると、ほんの少しだけこの存在力が向上します。
ただそれだけですね。
まあ、今の私は豊富な魔力と冗談みたいな魔力効率でゴリ押ししている部分がありますし、コピー用紙と比べてさえ、そこまで差が出たりもしません。
まあ、こんな益体もないことを言っていてもはじまりません。
さっさと話を進めましょう。
ええっと……。
何をどう話せばいいのでしょうか。
ラスボス戦ですが、見所はなかったのです。
例え負けても、『無限ループ』が危機を台無しにしてしまいますし。
ああ、一度魔法先生に死人が出て、やり直しはしましたね。
マリスさんの『闇』属性攻撃が防御不可なため、それに気付かなかった人が流れ弾を直撃されて、その時点では生きていたのですが、戦闘していた『人形』にトドメを刺されました。
ただの不運な事故です。
元々私達の方が過剰戦力だったのですからね。
『デュナミス』さんは転移魔法を封じられてから慌てて『人形』を8体ほど作ったようですが、それでやっとこちらの3分の2程度の戦力でした。
爵位持ちの悪魔は残留ですが、戦力比をひっくり返すには至りません。
ぶっちゃけエヴァさん1人分が足りなかったのです。
属性的に不利だったとはいえ、私がマリスさんを封印する準備を整えている間、かなりフリーダムに暴れるマリスさんを、きっちり抑えていましたからね。
手足を伸ばしたり、気体状になったりしていましたし。
流れ弾までは防げませんでしたが、それでもその働きはタカミチ3人分くらいはありました。
で。
私がマリスさんを封印した方法ですが。
マキナの本来の機能を使用しました。
マキナは、私が付けたフルネームを『
その本来の機能は、私の精霊使役の補助。
私の戦術は、昔から精霊を並べ、あるいは一騎当千の精霊を補助しながら敵と戦うものでした。
当然、様々な形態の精霊を使い分けていきます。
それらの精霊の特性に合わせて、本来は
今まで、ほとんど描写していませんが、ずっと精霊を召喚するたびに呪符を投げていたのです。
私が目指したのはその究極系。
つまり、1枚であらゆる形態に対応可能な
当然、魔力消費の低減、威力の向上などの効率化、AI切り替え、属性変更も自由自在な1枚。
しかし、そこは妖精さん。
無駄に愉快な機能を追加してくれました。
それが『キャラクター変身能力』です。
デフォルトでは『東方Project』の『十六夜咲夜』。
その能力まできっちり再現可能。
どんな理不尽な能力でも、再現してしまう。
それは、当然ですが架空のキャラクターにも適用されます。
私がテキトーに作った、オリジナルキャラクターでも、完璧に再現してしまうことができるのです。
しかも、味方として。
ただ、ここで気を付けていただきたいことが一つあります。
この世界、つまり『ネギま!』原作の登場人物は、オリジナルキャラクター扱いなのです。
それらを前提に、一体誰を
明日菜さん?
いや、そこでアンディと一緒に『デュナミス』さんとやり合ってますよ。
彼女、神鳴流の剣士として結構な腕前になりましたので、マリスさんとも渡り合えます。
ただ、殺すことは出来ても捕獲はできません。
以前エヴァさんが言った通り、『闇』という属性は元々不安定なのです。
あまり下手な突き方をすれば、マリスさんが死んでしまいます。
その辺を心得た、エヴァさん以上の使い手を選ばなければなりません。
そんなの、1人しかいませんよ。
『
効果は
彼は一瞬で、『金縛り』の魔法でマリスさんの動きを止め、次に不定形な『闇』の魔物と化したマリスさんが身に纏っていた『闇』を引き剥がすように、『創造主の技法』を強制解除してしまったのです。
自分の肉体ならいざ知らず、他人の肉体の欠損部分を錬金術で補填し、定着させるなどという真似は、エヴァさんやアルさんにもできません。
できたとしましても、私のように色々と問題を抱えた、中途半端な存在にしてしまうのがオチです。
その上で、魔法で眠らせました。
まさしくチート、いや、
こんなのに勝てたナギという存在がどれだけバケモノじみていたのか、想像もできません。
ただ、私もここが限界でした。
これ、肉体にかかる負担は『ブラックボックス』とさほど変わらないのです。
相手が神様クラスだからでしょうね。
以前、『祭殿』で実験した時は、ここまで疲労しませんでしたし。
というわけで、戦いが終結する前に、私は意識を失います。
残り、13体の『人形』達と1体の爵位級魔族ですが、半分以上は作り立てで、そこまで強くはなかったそうです。
慌てて戦力を整えた弊害ですね。
ほぼ2対1でこちらが有利だったというのもあるようですが。
結局、『デュナミス』さんが一番粘って、彼自身が『造物主の技法』を使っていたそうですが、それでもアンディと明日菜さんのコンビで勝利を手にしました。
アンディ、『雷天大壮2』に加えて、原作で使っていた融合魔法を完成させていましたからね。
あと足りないのは『敵弾吸収陣』だけです。
原作でも最終決戦の際は使用しませんでしたが。
いずれにせよ、相手がラカンさんほどの耐久力の持ち主ではなかったのが勝因でしょうね。
最上位精霊の『精霊解放』、つまり自爆でも、結構ピンピンしてる人ですし。
2発目を食らったら危なかったそうですが。
来年あたりは最上位精霊2体召喚できそうですし、闘技場ルールでなら、アンディと2人がかりで勝てるようになっているかもしれません。
原作で、ネギ少年が半分引き分けに
最強モードの原作ネギ少年以上のバケモノです。
ナギと良い勝負していたライバルと、自他共に認めるのも頷けるお話ですね。
ああ、ちなみに。
マリスさんとエヴァさんは、確かに属性的にはエヴァさんの方が不利です。
しかし、エヴァさんが勝てないわけではありません。
その場合、マリスさんを殺してしまうことになるだけで。
それを気にしながら戦えるほど、マリスさんは弱くはありませんので、結局時間稼ぎが精々となってしまいます。
だからこそ、マキナの本来の機能で『
その条件がなければ、私1人でも勝てました。
フェイトさんには、『精霊解放』が精霊限定の魔法みたいなものだと勘違いしていただいていたのですよ。
何度も言いますが、あれは半分くらいは自爆です。
中位精霊なら中位精霊の、上位精霊なら上位精霊の、解除の際の手続きをわざと失敗して、保有する魔力をすべて威力に転化する技法に過ぎません。
その解除失敗による爆発現象は知られていましたし、わざとそうすることも、経験した人なら簡単にできるそうです。
ただ、普通は上位精霊を使い捨てにしたりはしません。
だから、技法として確立させようという発想が出て来なかっただけのお話なのです。
放射される魔力を一方向に集中させる『マスタースパーク』のようなやり方は、術式を仕込むのが結構面倒ですし。
当然、最上位精霊も、自爆させるだけならそんなに難しくないのです。
で、最上位精霊を密着させて自爆させれば、『闇』属性『創造主の技法』の特性である、魔力吸収の限界を超えて、少なくないダメージが入ります。
そのダメージは『闇』を不安定化させ、ただでさえ不安定な属性である『闇』は、融け込んだ肉体を食い荒らします。
結局、あれは自分の肉体を魔力に置き換えて制御しているわけですからね。
その魔力を『闇』に食い荒らされれば、解除した際に戻るはずの肉体部品が戻らなくなります。
それは命の危険に直結するのです。
不死化していても、関係ありません。
それがエヴァさんレベルの不死でもなければ、生身の人間はまず死にます。
なぜ、こんなことを私が説明できるのかって?
試したからですよ。
エヴァさんが負けかねないほどの強さであるマリスさんが、私が召喚した最上位精霊との相討ちで消えていただけるのでしたら、これ以上の効率はありませんからね。
そのためにも、それが通じるのかどうかを試しておきたかったのです。
そしたら、あっさり死んでしまいました。
まあ、そういうことです。
本日の惨劇
ラスボスの逃亡を封じた上で1.5倍の戦力で撃破。
以上。
つづく
タイトルの元ネタは『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』のラスボス、バーン様の『知らなかったのか?大魔王からは逃げられない』です。
あんなカッコイイラスボスははじめて見ましたね。
魔法世界編、魔法世界での話はここで終わりですが、もうちょっと続きます。