【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】 作:ひろっさん
夏休み終了まで、あと数日。
宿題は、私は魔法世界へ行く前に済ませましたが、バカレッドこと明日菜さんはまだです。
と言いますか、夏休みが始まってすぐ、魔法世界へ飛びましたからね。
あちらに宿題も持ち込んでいたとはいえ、メインはあくまで修行でした。
ということで、宿題に苦しむクラスメイト達が結構います。
ただ、サービスとしまして、私が『童話の地2』を貸し出しています。
1000メートル四方の広い土地に、鉄筋コンクリートの3階建て。
収容人数は20人ほどですが、寝泊まりするのでなければクラスメイト全員が入ります。
さすがにあれだけ頑張っておいて、学校の成績では不利になるだけ、というのはあんまりですので。
学園長は宿題免除案も出しましたが、それは他のクラスメイト達にとってよろしくありません。
彼女らも、頑張って宿題してきたわけですしね。
「めっちゃかわいー!」「ネギちゃんの10倍可愛い!」
なんだか、大人気なのですよ。
もう宿題が、勉強のためより
「まさかとは思うのですが……」
その人気ぶりを見ていた私は呟きます。
1つ、心当たりがありましたので。
「本来の魂が戻ったことで、完全な形で王家の強制力が出てきたんだろうな」
そう言ったのは、
魔法生徒となったクラスメイト達には、私の転生のことを含め、アンディの出自についても話しました。
これ以上はどうしようもないお話ですが、苦楽を共にした仲間には話しておくべきだと思ったのですよ。
「ということは、学園祭の時の意味不明な人気ぶりは、不完全な状態であの威力だったと……」
これはもしかしますと、下手に表を歩かせられないかもしれませんね。
スーパーカリスマ状態は、必ずしも良いことばかりではないのです。
必ず、独り占めしようという不届き者が現れますからね。
魔法世界では、私もほとんど出歩きませんでしたし。
今、アリカは言葉を勉強しています。
まずはアンディに英語や日本語、フランス語を教わり、私は古代ラテン語や古代ヘブライ語など、魔法に使われる言語を教える予定です。
130年後の、殺伐とした火星の問題が解決した直後の未来へ。
結局、アーティファクト『小泥丹炉』が目立って活躍した場面はありませんでした。
むしろ、魔力供給状態による身体強化の方が、色々と役立ったとか。
まあ、彼女は修行時の仮想『風のアーウェルンクス』として、かなり皆さんに重宝されていましたし。
『なんちゃってマスタースパーク』と『
その甲斐もあって、『風のアーウェルンクス』は
さすがにサポートは付いていましたけれどもね。
超さんは『水のアーウェルンクス』を相手に『小泥丹炉』を使用し、『なんちゃってマスタースパーク』を撃ちましたが、てんで効きませんでした。
唯一の見せ場だったのですけれどもね。
原作でも問題になった、曼陀羅のような魔法障壁を貫くことができなかったようです。
ただし、攻撃手段を強制時間跳躍弾に切り替えて戦線離脱させ、後で詠春さんにトドメをお願いするなど、超さん自身が活躍しなかったわけではありません。
元々、『小泥丹炉』はアーティファクトのようなものを作るためのものであり、攻撃性能は二の次なのですよ。
つまり、『なんちゃってマスタースパーク』は、実は間違った使い方なのです。
しかし、相手が『風のアーウェルンクス』だった場合は、周囲の空気を熱で覆い、空気に電気が流れにくくするという効果があります。
つまり、周囲が加熱されている環境では、雷化しての高速移動が難しくなるのです。
ですので、『風のアーウェルンクス』が相手だった場合、必ず避けます。
それを見極める意味での、『なんちゃってマスタースパーク』だったとか。
さすがは曲がりなりにも科学者ですね。
未来へ帰る超さんですが、やはり原作通り、卒業式の日には戻ってくるようです。
2年がかりで葉加瀬さんに伝えた魔法科学について、様子を見るとかなんとか。
それはまあ、口実でしょうけれども。
「ヘルマンから伝言」
「はい?」
私は突然
皆さんが夏休みの宿題と格闘しているのを横目に、ゲームを楽しんでいたところです。
ひと区切りついたところで、声をかけられました。
「『やはり永久石化の方がしっくりくるから、近い内に戻してもらいに行く』」
「向こうから意図してこちらへ来ることができるほど、彼は権力持ってましたっけ?」
「能力が弱体化してから、勢力を盛り返しつつあると聞きました」
「へー……」
ヴィルヘルム・フォン・ヘルマン伯爵。
没落貴族ですが、爵位持ちの魔族です。
以前、色々と弄くり倒した揚句、イベント用に『一時石化』と『ウメハラインストール』を持たせたまま、魔界に送還していました。
「フム……では返信で『上位精霊6体に警備させて待っています』と」
「鬼ですね」
「伝えた上で警備は魔力供給状態のマキナに任せますが」
「悪魔ですね」
「前世の前世はバーン様でしたから」
「大魔王ですね」
『ドラゴンクエスト~ダイの大冒険~』のラスボス、大魔王バーンです。
周到で狡猾でバカみたいに強くて、何より邪悪な精神を持った、悪のカリスマですね。
そのキャラクターは、後の世の作者達に大きな影響を与えたとも言われています。
しかし、ザジさんも中々にお茶目な人です。
まさかあのボケに返しが来るとは思いませんでした。
「これでもアラサーです。
魔族としては14、5歳相当ですが」
「私は前世を含めますと、アラフォーです。
精神的には私の方がお年寄りですね」
「なるほど……合法小五ロリですか」
小五
ロリ
こう組み合わせると『悟り』となります。
有名な無駄知識です。
「その考えはありませんでした……。
ただし、合法なのはエヴァさんだけです。
私は肉体はちゃんと小……四、ですね。
小五ロリになるのは来年です。
フム、
長谷川千雨さんは、夏休みの宿題は魔法世界での修行の時に済ませていました。
彼女は今も私の方を親友と思ってくれています。
私にとっても、彼女は貴重な才能を持った友人です。
ハッキングのことではありませんよ。
それはお金を積めば手に入る程度のものですので、私にとっては二の次です。
重要なのは、原作でも随所で見せている、切り口の鋭さです。
情報を噛み砕いて、呑み込んでから答えを出す能力。
それはネットの住人には必要な能力で、しかしそれを持っていると言えるのは極少数に過ぎません。
要するに彼女は、マスコミなどから与えられた情報が、ほとんど信用ならないものだということを知っているのです。
時には悪意すら込めて人の言動を切り貼りするのが、メディアというものですから。
彼らは真実から、真逆の事実を抜き取ることに長けているのです。
ですから、情報の裏側、側面を見る視点を持ち、真実に近付くように分析することが大切です。
15歳という若さでそれができるのが、千雨さんという人です。
その才能は何万人に1人という、稀有なものなのです。
彼女を
それを彼女が望むかどうかは別のお話ですけれどもね。
千雨さんは、魔法を学び、魔法世界の文化を体験しました。
原作のように引き篭もったりしない可能性もあるのです。
今は……。
HPの更新に忙しいようですけれども。
「おい、ネギ、火星が突然緑に包まれたって、世界中で大騒ぎだぞ!」
その長谷川千雨さんが、走り込んできました。
『童話の地2』の出入口は、家から少し離れた場所にありますからね。
「落ち着いてください。
このために、
「え、そうなのか?」
「火星表面を緑地化させるというのは、地球から観測できない方がおかしいのです。
それを利用して、旧世界各国に宇宙開発、軌道エレベータの共同建設を提案しておきました」
「宇宙、開発……?」
「ええ。もちろん、葉加瀬さんの魔法科学統一理論を用いてのお話です。
そうしなければ、時間もお金もかかり過ぎてしまいますからね」
千雨さんがポカーンとしています。
「軍事大国の目を宇宙に向けるための策ですよ。
膨大な宇宙資源は巨大な利権ですからね。
乗り遅れれば、最先進国でも後進国に落ちるレベルのものです。
軌道エレベータ利用権の確保のために、全力で予算を投入するしかなくなるのですよ。
その分地上が手薄になり、『悠久の風』のようなNGO団体が、民族紛争を解決しやすくなるということです。
代理戦争にかまけていて、後進国に落ちてしまっては本末転倒ですので」
「あ、ああ……話が明後日の方にぶっ飛んだと思ったら、ネギは金髪になってもやっぱりネギだったぜ……ある意味でホッとしたよ」
「ええ、私は私ですよ。
代理戦争から手を引いた土地で、代理戦争の仕掛け人の痕跡が見つかれば、それをネタに揺さぶりをかけるつもりですから。
お金持ちの大国が暇つぶしに始めた代理戦争が、自分達の首を絞めるのです。
その様子を眺めて大笑いさせていただきますとも」
「いつも通りの外道過ぎて言葉も出ねえ」
今の私は、さぞかし良い笑顔をしていることでしょう。
そうそう、今の私が小四ロリなことも話しておきましょう。
是非とも、今の内にできることはやっておかなければなりません。
何故かって?
それがヲタクというものだからです。
ここからは書き始め当初のプロットにはない話となります。
緊張感もない、gdgd話ですのでご注意を。