【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】 作:ひろっさん
麻帆良体育祭の全体競技、『教師突撃☆スーパー借り物競走』です。
その最中、
ニコニコ軍事部とサバゲー愛好会が結託してアンディを追い込もうとする中、ついに
弾幕の中を縫うように、任意追尾弾、しかも、障壁貫通効果の付いた魔法禁止弾がアンディに命中しました。
見た限りでは3発命中しています。
あれは効果時間が3分だったはずですから、合計9分間、魔法を封じられてしまったわけです。
こうなれば、アンディはちょっと鍛えているだけの11歳の少年。
彼女らが本気で捕獲にかかれば、捕まえるのは容易です。
その前に軍事研究会とサバゲー愛好会は、普通に借り物競走をしていますから、先にその露払いをしなければなりませんが。
そうでなければ、アンディが彼らに捕まり、作戦が台無しになってしまいます。
作戦の内容、私は知りませんけれども。
「おお、当てやがった!」
「裕奈さんは、アーティファクトの性能もさることながら、銃の腕前がプロ級ですからね」
「てか、決戦の時は『人形』も仕留めてたし、普通に先生達と張り合えるんじゃね?」
魔法世界で手に入れた、高威力の魔法銃も駆使していますし。
原作にも出てきた、ゴーレムとかアンデッドに特効の銃の強化版。
アリアドネーでは、そういう研究が進められていまして、その産物です。
決戦の際、セラス総長が持ってきてくれました。
何が良いかって、障壁破壊ができるところです。
私が苦心の末に編み出した、障壁破壊に特化した『魔法の矢』と、ほぼ同じことができると考えてください。
アンディも含めトップクラスの魔法使いは、無意識に魔法障壁を展開していることが多いのです。
その障壁を直接破壊できるというのは、実は結構大きな利点なのですよ。
魔法使いって、結構魔法障壁に頼るものでして、その障壁が破壊された時のことはあまり考えていないのです。
私のように、そこまで避けるのが得意ではない魔法使いもいますしね。
障壁前提の魔法や戦術とかも、実はあったりしますし。
要するに、強度を高めた四大属性の上位精霊を、
そういう、魔力を術式で固定しているタイプの、精霊やゴーレムといった魔法兵器に対して、まさに一撃必殺の威力を誇るのが、強化型の魔法銃なのです。
まあ、鬼神兵とか軍艦とか、戦略級になりますとまた話は別ですけれどもね。
話題が逸れました。
今、早乙女さんが『
今回は主に柿崎さん主導で、アンディに
「いやー、なんていうか、微笑ましいわねー」
モニタを眺めながら朝倉さんが呟きます。
「ネギみたいに、逃げ道を封鎖してってわけじゃねえもんな」
「外道幼女ですから」
私は無い胸を張りました。
画面の向こうでは、足元にロープというベタな罠に引っ掛かるアンディの姿。
「朝部屋に突撃してくるアンディ用に、結構えげつない罠で歓迎していたのですけれども」
ドアノブを回すと横に弾き飛ばす、魔法の仕掛けとか。
ドアを開けると、ピンが外れたスタングレネードが転がり出るのとか。
ドアノブに触れると電流が流れる仕掛けとか。
窓に障壁は当然ですし。
「それに慣れてて、ベタな罠には無警戒ってことじゃない?」
「ありうるな」
「なるほど、それは考えていませんでした」
私は頷きました。
案外
柿崎さん達3人がアンディを捕まえて、話していますね。
仮契約を迫っているようです。
「なんか、絵的にオネショタ的犯罪臭がするんだが……」
「日本では親告罪です」
「まあ、そうよねー。先生なら結局訴えなさそう」
「それでいいのか……?」
所詮、犯罪だどうだというのは、時の権力者が決めたルールに過ぎません。
相手が理性的でなければ、法律は国民を守ってはくれないのです。
『刑法第何条のこの項目に抵触するから痴漢行為はいけません』と長々と説明するよりも、『ぎゃー痴漢ーっ!』と叫ぶ方がよっぽど効果的なのです。
大声で叫ぶことで、相手は正気を取り戻す可能性がありますからね。
相手が真っ黒だった場合はその限りではありませんが。
ついでに警官が真っ黒だった場合は逆効果ですが。
アンディの方ですが。
原作では、ネギ少年に好きな子がいるということを聞いて、3人は引き下がりました。
ですが、この平行世界ではその相手が私であることは明確で、しかも今は実の妹であるということが判明していて、色々と宙ぶらりんです。
まあ、ガイアさんの『生命再創造』の秘術で創り上げられた私の肉体は、厳密な意味で妹ではありませんけれども。
科学的には、一応アンディの血縁のようだというだけのお話です。
本来、私の魂の形はアラサーの熟女なのですが。
6年間は以前の肉体でしたので、そちらに引きずられて適合してしまったのです。
年齢的な意味でも、色々と違いますからね。
常に肉体の若さを意識していましたし。
だから、今も10歳の幼女なのです。
若いのは良いことだとは思うのですけれどもね。
元アラサー的に。
その前に、ふと彼女は尋ねました。
『アンディ君、まだネギちゃんが好きなの?』
『えぅ……。
その……はい……』
沈黙。
「……」「……」「……」
両サイドからのお2人の視線が痛いのです。
「アンディ先生って、魔法世界での決戦からこっち、男前になったよねー?」
「あー、んー、まー、まだまだ甘いとこは甘いけどなー。
イケメンはイケメンだし、育て方によっちゃ将来有望かもなー?」
「ええい、シャラップなのです!
ほっぺた突っつくななのです!」
間接的に見ているこちら側にまで飛び火してきました。
アンディ、モニタ越しなのに、なかなか油断も隙もありません。
この辺りは、やはりナギと同じ性質の持ち主であると実感できますね。
原作で天然ジゴロと呼ばれたその天然っぷりは、この平行世界でも健在なのです。
ただ、私は逆光源氏計画なんて、やるつもりはありませんよ。
今のまま、ほっといても言い寄ってくる男なんて掃いて捨てるほどいるはずなのですから。
その中から適当に選べばいいのです。
ずるい女のやり方かもしれませんけれどもね。
そもそも、今の私には結婚願望がありません。
当然ですよね、10歳ですから。
思春期もまだなのです。
この時点で将来の相手を決める人もいるかもしれませんが。
私は決めていない。
ただそれだけのお話なのです。
それに、この時点で決めていても、『将来パパのお嫁さんになる』と言っている、人生が分かっていないお馬鹿な幼児でしかありません。
責任なんて取れるわけがないのですよ。
それとも、その言葉通りに責任を取って、父親を監獄にブチ込みますか?
5年後10年後に言葉を覆して、クソビッチと呼ばれたいですか?
私は嫌です。
だからこそ、出来ない約束はしません。
私の気持ちの話でも、今は特にアンディが特別とは思っていません。
確かに成長はしているようですが、それで私の好みと合致するかどうかは別のお話なのです。
「――だから、魔力封印していて抵抗できない幼女をいじくり回すのはやめなさーい!」
「だってぇ」「なぁ?」
「うにゃーっ!」
私は
幼女らしい腕力しかありませんから、抱えられるとどうしようもありません。
モニタの向こうのアンディは、結局
春の学園祭の時は、早乙女さんに美味しく戴かれたというお話ですし、そんなに気にすることでもありませんが。
事あるごとに脱がしてくるため、本当に私からアンディに対する良心の呵責が消えているのです。
結局。
私は競技に関係のないところで弄り倒され、しばらく気絶していました。
こんなことでしたら、魔力を封印なんてするんじゃなかったのです。
本当に。
借り物競走が終わって、休憩時間です。
黄色い電気鼠と一緒に体育祭を回っていたナギと合流します。
電気鼠の中身は、もちろん妹アリカです。
電気鼠のヌイグルミは、私が学園祭で使っていた、認識阻害の魔法円が書き込まれたやつです。
顔だけは外に出ているというのが非常にシュールです。
私は学園祭、あんな恰好で歩き回っていたのですねえ。
アンディもエヴァさんと共に合流です。
「大変な目に遭ったのです……」
「アレ?ネギって借り物競走、参加してなかったはずじゃ……?」
「司会席で長谷川さんと朝倉さんに弄られていました」
「ああ、そうなんだ……」
「こちらの様子も見ていただろうが、なかなか面白かったぞ」
「ええ、そのようですね。
アンディの、告白同然のセリフもばっちり聞きましたよ」
「え、えーっ!?」
「わはははは、お前、ネギが好きなんだってなぁ!」
「へぅぅぅっ!?」
早速弄られるアンディ。
「なんだ、思ってたより元気なんだな」
「衰弱とか、かなり酷かったんでしょ?大丈夫なの?」
これは千雨さんと朝倉さん。
ナギへの言葉です。
「あの程度でくたばってるような男ではない」
「でも、ホントに前の茶々丸さんとソックリねー」
「なっ、貴様、その話はするなと……!」
「お、なんだ、何の話だ?」
『実は以前、私の破損したボディは……』
「ええい、黙れ、黙らんかぁー!くぬ、くぬ!」
『ああっ、そんなに、無理矢理巻かれては……!』
エヴァさんの黒歴史がほじくり返されていました。
茶々丸さん、最近は主人であるエヴァさんを意図的に弄る行動も始めています。
横から見ていると微笑ましいのですけれどもね。
ロボットゆえに誤魔化すことができませんから、エヴァさんも対応に苦慮しているのです。
まあ、人間らしい行動を取るようになったという意味では、良いことなのでしょう。
何より傍から見ている分には楽しいですし。
今日も麻帆良は平和なのです。
アンディが絡むと間接的にもセクハラを受けるのは、ネギ少女の宿命のようなものです。
ネギ少女のほっぺぷにぷに。