【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】 作:ひろっさん
VIPルームに『カンフーマン』がいました。
私達『
最初から最後までVIP待遇なのです。
「おー!オマエ、
早速ナギが反応しました。
『しばらくぶりだな』
「あー、えーっと……?」
「ごめんなさいね、相変わらずの馬鹿ですから」
「馬鹿は余計だ」
ナギが思い出せなかったのも無理はありません。
今の
いつでも封印を解いて全力状態になることはできると思いますけれども。
その上に認識阻害までかかっています。
私も『カンフーマン』という、凄味という凄味を消し去った気の抜ける姿をよく知っていなければ、気付かなかったでしょう。
と言いますか、読者の皆様にはもうお分かりですよね。
この『カンフーマン』は『
復活の際に一度物語が区切られましたから、作者ですらもその再登場を予想だにしていませんでした。
魔力を封印している関係か、例のラスボスっぽい黒いローブは纏っていません。
皆が彼の正体を知って緊張する中、ナギが口を開きます。
さすがに大物ですね。
フェイト少年ですら緊張気味だと言いますのに。
「それにしても、なんでまた出てくる気になったんだ?」
『少し困ったことになってな』
ナギの無遠慮な質問に『
『フェイトが戦地で孤児を拾っていたのは聞いたか?』
「
『あの5人だけではない。
100人に上ろうかという人数の孤児達を、彼は拾っている。
その孤児達が、辺境にて集落を作るために頑張っているというのだ。
その子供達を金銭面で支援したいと、フェイトから相談を受けてな』
「……」「……」「……」「……」「……」「……」「……」「……」
開いた口が塞がりませんでした。
『もちろん、けじめという意味もある。
本来は
そう話す『
『『人形』より脱却した、我が子も同然であるフェイトの門出とあらば、致し方あるまい』
残念そうな口調の割に、声に嬉しそうな感情が載っています。
これが本音のようですね。
悪の組織のラスボスの癖に、やけに良い親御さんなのです。
『しかし、『デュナミス』の奴が派手に散財しておってな、蓄えがほとんど底を付いていたのだ』
「うわぁ……」「世知辛い……」「聞きたくなかった……」
「えっと……つまり、
『うむ、その通りだ』
認めちゃいました。
世界の滅亡回避後、金欠に悩むラスボスとか誰得でしょうか?
私が想像していたのと、現実は大分違っていたようです。
後にこのお話が広まり、相当な金額の義援金が集まるのですが、それはまた別のお話なのです。
「まさか、お前が相方として出たりするのか?」
なおも
『まさか。私が本気になれば、防護結界を客席ごと破壊してしまう。
それでは本末転倒だろう?
汝らがもたらしたこの平和、認めてはいるのだ。
それを乱すような真似はせぬ』
本当に、色々と真面目で優しい人ですよね。
原作同様に、実体を持った人間の殺害を禁止していたそうですし。
彼の悪評の原因は、彼自身にはないのです。
大半は、部下の暴走やお金目的で傘下に入った人々がやったことなのです。
というのも。
私達が恐れていた例の『虐殺』。
辺境の一部では実際に何度か起こっていました。
一夜にして1つの村の人々が姿を消すという、奇怪な事件が多発していたのです。
もちろん、その情報は傀儡化していた当時の元老院が握り潰しました。
フェイト少年が戦地を巡っている隙に、『デュナミス』さんはそうやって、他の『アーウェルンクス』達を起動していたということなのです。
それはまあ、対立しますよね。
さて。
ここで『ナギ・スプリングフィールド杯』について説明しておきましょう。
元々は、ナギが旧世界から持ち込んだオリンピックのアイデアから実現した、スポーツの平和祭典です。
戦争が終わって各地が壊滅的な打撃を受けましたから、その復興のためにも人が大移動するその祭典のアイデアは良いものでした。
オリンピックにも、物凄い経済効果があると言われていますからね。
基本的に『ナギ杯』も、スポーツの祭典には違いありません。
箒レースや騎馬戦、龍騎士のトーナメントなど、魔法世界ならではの種目が目白押しというだけのお話です。
その中で一際目立っているのが、拳闘大会なのです。
オリンピックでもボクシングやレスリングがある、その延長ですね。
旧世界では国によってかなり注目するスポーツが異なりますが。
魔法世界では、主にラカンさんが原因で注目度が桁外れなのです。
格闘技って、それぞれルールで縛られているせいで、実はどの格闘技が最強なのか、誰にもわからないのです。
それはそうですよね。
プロボクサーでも、柔道のルールでやれば柔道家が勝ちますよ。
ストリートでも、対等の条件なんて存在しないのです。
いちゃもんをつけるのなら、いくらでもいちゃもんをつけることができます。
しかし、拳闘大会のルールは武器もオッケー。
ダウン20秒などの独特な規定があるだけで、基本的に異種格闘技戦なのです。
そんな冗談みたいなルールの中で、10年以上無敗を誇る人が存在するのです。
一辺倒なやり方ではすぐに研究されて攻略される世界で、地力のみを頼りの真っ向勝負で無敗。
それは紛れもない、世界最強クラスの実力者の証明です。
最強というのは、どの世界でも男の子の憧れなのですねえ。
お次に説明するのは、拳闘大会のルールです。
ルールはシンプル。
時間無制限の一本勝負、ダウン20秒でKO。
相手に参ったと言わせるか、最後まで1人でも立っていた方の勝ちです。
非常に分かりやすいルールですね。
2人組で戦うというところを除けば。
それにどのような意味があるのか。
まあ、100%『
魔法使いは呪文詠唱中に、信頼できる従者に守ってもらいながら戦います。
そうしなければ、魔法戦士タイプが絶対有利になってしまう、狭いフィールドでの戦いなのですよ。
狭いと言いましても、直径50メートルくらいある、円形闘技場ですけれどもね。
そういうわけで、アンディにも当然
ラカンさんにも、フェイト少年にも。
一応、最上位精霊の再召喚には成功しましたが、ちょっと駆け足でしたので他の部分が以前に比べておろそかになっています。
運動音痴が悪化していますし。
なぜか、アンディが最上位精霊の再召喚さえできれば勝てると言うのですよ。
ええまあ、この戦いにつきましても、私は
アンディのための勝負なのですから、作戦はアンディが自分で考えるべきだと思っていますし。
それにしましても、戦力的に言えば、今の私よりもタカミチや明日菜さんの方が頼りになると思うのですが……。
まあ、口は出さないでおきましょう。
アンディの判断です。
ともかくそういうわけでして、私はとにかく最上位精霊の効率化を目指すように動くことになっています。
詳しい作戦は、強い人と当たる前日辺りに話してくれるそうです。
ラカンさんのパートナーはナギ。
まだ本調子ではないのですが、露払いとしては十分過ぎます。
今の私と同等か、頭1つ上と言ったところでしょうか。
戦い方は原作のまま、魔法を撃って殴りかかって魔法を撃つ、魔法戦士タイプです。
まだ『千の雷』を撃つと動きが
全盛時は動きの中で詠唱しながら『千の雷』を撃てたということのようです。
それは確かに『
やっぱりこの人、人間ではありませんよ。
ラカンさんが
相手によっては足手纏いになりかねないパートナーを守りつつ戦い、なおかつ勝てる自信があるのです。
最後にフェイト少年のパートナーですが。
『
新しいシリーズの
シリーズの交代は、新たな要素を追加する際に行われるそうで、エナは割と表情豊かでした。
どこか無機質な『アーウェルンクス』とは違い、より人間的です。
魔法的な意味でも新しい要素を追加していまして、今回は既存人格の
分かりやすく言いますと……。
――私にそっくりなのです。
容姿もそうですが、暴言を吐くのに欠片も遠慮がないところとか。
まだ経験の蓄積が浅く、育てる意味でも大会に出すとのことです。
上手くいきそうなら、同じようにナギやアンディの人格の複製体も作ってみるとか。
えー、ナギはともかく、なぜアンディなのでしょう?
まあ、どうでもいいですけれども。
さすがに大会運営側も、異常に強い
もう1つ、異常に強いチームがいるのかって?
いるのですよ。
ただし、うふふ、今は秘密です。
そういうわけでして。
勝負の行方がどうなるのか、本当にラカンさんとアンディが当たることはあるのか。
誰にもわからなくなってしまいました。
ほとんど説明話でした。
9/11 ご指摘がありまして、参戦チーム紹介の一部を削除しました。