【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】   作:ひろっさん

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9/9 くらいに投稿されてると思うでち。


113 本編はインタビュー

『さあ、次なる試合は注目の一戦です!

夏にあった『完全(コズモ・)なる世界(エンテレケイア)』との決戦の立役者の1人、アンディ・ココロウァ!

パートナーは同じく決戦の立役者の1人、ネギ・スプリングフィールド!

市民国民のほとんどが知らない間に進行し、終結した世界の危機を救ったお2人の、初戦です!!

お相手は……』

 

アナウンサーの実況が、沸き返る大歓声の下、闘技場全体に響き渡ります。

 

冷戦、と言うのが正しい状況でしたからね。

私達『白き翼(アラ・アルバ)』も『デュナミス』さん達も、表にも裏にも情報が流れないように気を配っていました。

直接の戦闘が一度だけだったのも、お互いの策略と思惑が最終決戦以外の戦闘を拒んだからなのです。

 

直接戦火を交えない、火のない戦争。

最後の一戦も、『造物主(ライフメーカー)』がいれば幾らでも復活できますから、実質死者ゼロ。

まさしく冷戦です。

 

裏では相当数の魔法世界人や旧世界人が死んでいたようですけれどもね。

母アリカや私達の故郷の村人達のように。

 

『それでは、開始(インキピテ)!』

 

試合開始の合図が私を思索の海から引き揚げました。

 

 

 

さて。

少数対多数を想定して修行を続けてきた私の魔法を、一般大衆にお見せしましょう。

そして、読者の皆様にも解説させていただきます。

 

まず最初に、残念ながら最上位精霊の召喚使役は、AIの調整が不十分なせいで、現時点では実戦では使用できません。

予選突破までには最低限仕上げておくつもりですけれどもね。

ですので、上位精霊と中位精霊、それに各種弾幕魔法を中心とした、物量戦が中心となります。

 

魔力の運用効率、1万回の呪文詠唱の速度は、『魔法の射手』で辛うじて20分を切っています。

魔法世界で隠れながら修業し始めた時期とほぼ同等とお考え下さい。

 

最上位精霊の再召喚は、アンディが急かしましたので、魔力制御に若干の不安が残ったまま行いました。

魔力の制御についての修行を、卒業くらいまで続けるつもりでしたからね。

それで最上位精霊の再召喚に危険が伴ったのかと言いますと、そうではありません。

以前、別の肉体で成功しましたからね、その時のノウハウがありましたから、外側からの妨害などの事情がなければ、10月の麻帆良体育祭の時にでも挑戦できたのです。

 

ではなぜ先延ばしにしたのかと言いますと。

『土』属性と『闇』属性による、精霊召喚を利用した戦術が確立できなかったからなのです。

あまり『童話の地2』のような、時間を引き延ばして実験ができる魔法具を使用しなかったというのもありますし。

 

時間を引き延ばすということは、それだけ歳を取るのも早いということなのです。

世界の滅亡がかかった夏休みまでは、そんなことは言っていられませんでしたけれどもね。

30前後(アラサー)を経験していますから、どうしても気になってしまうのですよ。

若い時代を、出来るだけ長く満喫したいのです。

 

私としましても、最上位精霊のような大きな戦力は、卒業までに実用化できていればそれで良かったというのもあります。

一時期よりも修行のペースを落として、結構な時間を遊びに割り振っていたのです。

週末は皆さんと遊びに出かけていましたよ。

カラオケもボーリングも、前世から数えても10年以上やっていませんでしたから、なかなか楽しめました。

『金太の大冒険』とか、『初音ミクの消失』とか、自慢の早口スキルを存分に使った歌がウケました。

1日1万回詠唱の修行って、ボイストレーニングにもなるのですよ。

 

『消失』はともかくその前のは違うだろうって?

こまけえことはいいのです。

 

話題が逸れましたが。

ともかく、今は戦術面で不完全な状態ですので、最上位精霊は任意制御でしか役に立ちません。

アンディにとっては、その任意制御で十分なようですけれども。

 

なら、まともに戦えないんじゃないかですって?

そんな馬鹿なことを言うのは、さては(にわ)かさんですね?

 

よろしい。

では見せましょう。

 

「“ラ・テル・マ・キル・マギス、

魔法の射手(サギタ・マギカ)』、砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()……”」

 

今は懐かしの連射モードです。

まずこれに対応出来る人が、そうはいません。

 

『砂の矢』は、『土』属性の『魔法の矢』です。

特性は物理攻撃。

何がどう物理なのかと言いますと、着弾すると爆発するのですよ。

すると魔法で作られた砂が、爆弾に釘やパチンコ玉を混ぜたように、広範囲に飛び散って無差別に殺傷します。

爆薬を積んだ小型ミサイルと考えてください。

つまり、一つ一つの『魔法の矢』が、他の属性よりも多くの範囲を攻撃できるのです。

 

単純に延々と連打しているだけでも、相手側の体力はゴリゴリ削れていきます。

まずはこれを攻略していただきましょうか。

ちなみに、肉体の変化で魔力量が多少目減りしたと言いましても、10万本は撃ち続けることができます。

時間にして200分間、3時間と20分。

夏休みの決戦直前は、15万本は撃ち続けることができたのですけれどもね。

魔力量が減ったのもありますが、運用効率がまだ当時ほど最適化できていないのです。

 

ともかく分間500発、機関砲を相手にというわけではありませんが、それに類する連射速度です。

果たして、私の魔力切れまで持つでしょうか?

 

『なんとぉー!?開幕からネギ選手、『砂の矢』の連打連打連打ァーっ!』

 

実況さんが叫びます。

メガネをかけた、イルカっぽい魚人のオジサンです。

 

『敵を足止めして、もう1人が畳みかけるという作戦でしょう。

効率を度外視した、短期決戦を仕掛けたということですね』

『それでは、この連打(ラッシュ)は長くは続かないということでしょうか?』

『続くわけがありません。

今でも、相当無理をしているはずですよ』

 

解説さんが勝手なことを言っていますが。

アンディは動きません。

これは私の実戦練習でもありますからね。

予選の間は、強そうな相手でなければ私1人で戦うことになっています。

 

ちなみに解説さんは、原作でも登場したザイツェフさん、本名チコ☆タンさんです。

チコ☆タンさんですよ。

いかつい外見からはギャップしかありません。

 

まあ、原作でのことですから、この平行世界ではどうなのかは知りませんけれども。

 

といいますか、こんな予選にも実況と解説がいるのですね。

それだけ大きな大会ということでもあるのでしょう。

 

 

 

「これは無理かなぁ……」

 

後ろでアンディが呑気に呟きました。

 

対戦相手は、私の連射を掻い潜って2方向から接近してきますが、片方に集中させますと、すぐに押し戻されます。

その隙にもう片方が接近しようとしますが、『連射モード』に苦手な距離はありません。

すぐにそちらに密度を向けますと、同じく弾幕に押し戻されて離れていきます。

 

その程度の連携は、アンディと小太郎君で経験済みですよ。

その時は精霊囮(デコイ)を使わされて『連射モード』が途切れてしまいました。

要するに、瞬動術による接近があの2人よりも遅いのです。

カゲタロウさん達を始めとした、AAランクの人達の動きに慣れているせいでしょうかね。

 

障壁は貼った傍から剥がされ、『魔法の槍』などの貫通力のある魔法は『砂の矢』で逸らします。

もちろん、弾幕魔法で対抗しようにも詠唱時間が取れず、詠唱を完了したところで『砂の矢』の弾幕に押し流されて、僅かに延命するだけです。

 

そしてその内に色々とやっていた片方の魔力が尽きて、サンドバッグと化したところで、私は弾幕の密度を残る片方に向けました。

彼は手で矢を捌き、私に接近しようとしていましたが、弾幕の密度が増したことで(バリア)際まで押し返されます。

その内に壁際を走って避けますが、四方八方から『砂の矢』に囲まれて、めでたくボコボコになりました。

 

試合時間は20分。

 

「ふぅ……」

 

私は溜息を吐きました。

 

さすがに息継ぎまで魔法でやるのは、少々面倒なのです。

『風』が得意属性だった頃は、楽に出来ていたのですけれどもね。

これも、1万回詠唱の効率が落ちた原因です。

単純な魔力量ですと、5%減程度。

短縮詠唱などのノウハウは記憶として持っているわけですから、属性がそのままでしたら2ヶ月ほどで以前と同じ水準に戻せるはずなのですよ。

 

極限まで詠唱や『手続き』を短縮しているとはいえ、1万回ともなりますと息継ぎが必要で、その息継ぎの時間も短縮しようとした結果が、魔法による息継ぎでした。

それゆえに、予想していなかった属性の変更によって、『ヒットラーの電気ノコギリ』に達するには、また新たな技術の開発が必須となってしまったのです。

 

戦術の再開発、最上位精霊のAIなど、以前の水準に戻すためには、まだまだ時間がかかりますね。

 

 

 

『まさかの『魔法の矢』の連打による勝ち切りでしたが、魔力の方は大丈夫でしょうか?』

 

審判兼アナウンサーの魔族女性が、マイクを近付けてきます。

勝利後のインタビュータイムです。

 

「結構厳しかったですね。

あと10分ほど耐えられていたら、アンディに交代していたかもしれません」

 

もちろん、嘘です。

 

『ほほう、とすると、あの戦術には何か意味があったのでしょうか?』

「強いて言えば、癖でしょうか。

魔力の運用効率を向上させる鍛錬に、いつもああいうことをやっていますからねー」

『そ、それは凄いですねー!』

「上位精霊を召喚できるのも、そのおかげなんですよー」

『おお、上位精霊!』

 

後ろでアンディが口元を抑えて必死に笑いをこらえています。

 

『それでは、今後、その上位精霊が出てくるかもしれないということで、期待させていただいてよろしいですね?』

「はい、頑張っちゃいますよー」

 

こうして勝利インタビューは終わりました。

 

笑うなとは言いません。

 

 

 

 




この世界では元老院が真っ黒です。
どうでもいいですが、『金太の大冒険』、知ってる人どれくらいいるんでしょうかね?

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