【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】   作:ひろっさん

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9/10 くらいに投稿されてるはずです。


114 予選2戦目です

「“ラス・テル・マ・スキル・マギステル”」

 

私は呪文を詠唱します。

 

「“土霊召喚、変化『百鬼妖界の門』”」

 

大小無数の妖怪達……を、模した中位精霊が闘技場を埋め尽くしました。

 

「“抑えなさい”」

 

私は即座に中位精霊達に命じます。

その数、300。

 

『開幕闘技場を埋め尽くしたのは、ネギ選手の中位精霊ー!

これは途方もない数だー!』

 

イルカおじさんの実況が響きます。

 

『まさか、豊富な魔力でゴリ押しするのが彼女の戦術なのでしょうか?

それにしても底が見えない魔力です。

これはもしかすると、英雄ラカン選手も危ないかもしれませんね。

そして未だにヴェールの向こう側、戦闘に参加していないアンディ選手も気になります』

 

解説のチコ☆タン(ザイツェフ)さんが言いました。

残念ながら、ラカンさんは物量で攻めた程度で倒せる人ではありませんよ。

 

「“土精召喚、 『暗い洞窟の明るい網』”」

 

新しい上位精霊を召喚します。

 

お馴染み『東方Project』より、『黒谷ヤマメ』です。

妖怪の集う幻想郷でも嫌われ者が封印されている地底、旧地獄と呼ばれる場所に住む妖怪少女で、その正体は『土蜘蛛』です。

『病気を操る程度の能力』という、恐ろしい能力の持ち主。

人間にとっては天敵ですね。

ただ、封印されていたのはその能力ゆえのことのようでして、人格的には気さくで面倒見の良い人だそうです。

 

ちなみに、『土蜘蛛』というのは、古代日本における大和朝廷に従わない先住民の総称、蔑称とも言うべきものでした。

病気を操るというのも、病気の正体を知らなかった当時の人々が、敵勢力に責任を押し付けたのでしょう。

キリスト教から見れば、異教の神々はほぼすべて悪魔になってしまうそうですが、それと理屈は同じです。

今の悪魔崇拝はちゃんと悪魔崇拝だそうですが、昔は違ったのですよ。

人柱や人間の生贄を除けば、大半の土着の宗教というのは根源的には善良なものなのです。

 

話題が逸れましたか。

 

『土蜘蛛少女』は、『土』属性で機動性を確保しようと苦心した結果、誕生した上位精霊です。

この説明で想像がつくかもしれませんが、移動方法が魔力糸なのです。

『スパイダーマ○』です。

 

『土』の属性の精霊が総じて強度が高いからこそ、辛うじて実用に耐える上位精霊で、攻撃方法は糸を絡めたり体当たりしたりするものです。

魔力糸をふんだんに使用することから、魔力の消費が大きいのですが……。

実は、『土』の属性は自弾属性吸収に時間がかかるのです。

 

土なり石なり砂なりを固めて、極めて物理的な性質を持たせる属性なのですが、石と土や砂では、混ざらないのです。

磁力などで表面に付着するだけ。

かといって、全部砂では体当たりによる威力が半減しますし。

特殊な効果を付与するにも、『土』はやりにくいですし。

ほら、精霊を使った戦術が組みにくいでしょう?

 

だから苦労しているのですよ。

最低限、中級の錬金術を組み込まなければならないようなのです。

例の、『錬金秘術書』のアレですね。

元々が儀式魔法向けですから、戦闘に組み込むように書かれていないという重大な欠点がある、アレです。

ええ、ちゃんとした錬金術の参考書を、例の教会ルートで購入しましたよ。

幸い、それも体系化されていまして、大した値段ではありませんでした。

たったの5万円です。

魔法の参考書にしましては、破格のお値段ですね。

入門書ですが。

 

で。

特に『別荘』や『童話の地2』を使用したわけではありませんから、あまり勉強は進んでいません。

アンディからパートナーに指名されたのが2週間前で、慌てて最上位精霊や他の修行を仕上げにかかったという、そういう影響もあります。

 

また話が逸れました。

 

 

 

『土蜘蛛少女』の役目は、敵の撹乱です。

消費は激しいのですが、魔力糸を遠慮なく使用し、対戦相手を絡め取るのです。

まだ中位精霊は3分の2は残っていますから、嫌がらせには最適でしょう。

 

「“土精召喚、鬼符『ミッシングパワー』”」

 

次に召喚しましたのは、金髪幼女です。

頭に2本のねじれた角が生えており、それが人外であることを示しています。

ただし、その身長はゆうに3メートルはあります。

 

『東方Project』の登場人物、『伊吹萃香』。

物語の舞台である『幻想郷』では珍しい、『鬼』という種族です。

 

いえ、この『ネギま!』の世界でも、有名な鬼というのは強いですよ。

『リョウメンスクナ』なんて、極大魔法でなければ倒せませんし。

 

で、この『巨大鬼娘』ですが。

特殊能力も何もない、ただの質量兵器として召喚しました。

 

「“糸を!”」

 

私は『土蜘蛛少女』に命じ、ありったけの糸を出させます。

これによって『土蜘蛛少女』は魔力が切れて消滅しますが、まだ中位精霊が半分ほど残っていますから、時間はあります。

 

「“全軍、押し潰しなさい”」

 

私は中位精霊の損耗を無視して、対戦相手をその場に釘付けにします。

 

「“発射!”」

 

その間に魔力糸で『巨大鬼娘』をパチンコ(スリングショット)の要領で空高く舞い上げました。

そして重力に従って落下、ボディプレス。

対戦相手の1人は、それによってぺちゃんこに潰れました。

 

『なんとォォ!?まさかの圧殺!

土精霊の巨体を宙に放り投げ、中位精霊ごと対戦相手を押し潰したー!?

これにはさすがのモードン選手も戦闘不能!』

 

痙攣していますが、相手は魔族です。

死にはしていないでしょう。

 

「“土精召喚、『暗い洞窟の明るい網』”」

 

私は再び『土蜘蛛少女』を召喚しました。

さっきので糸が切れてしまいましたから、補充です。

 

「“土精召喚、変化『百鬼妖界の門』”」

 

ついでに中位精霊おかわりです。

 

『もうやめたげてー!?』

 

実況さんは叫びますが……。

戦意を喪失していない限り、試合は続いています。

 

「だが断るのです。

“ラ・テル・マ・キル・マギス、

魔法の射手(サギタ・マギカ)』、砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()砂の1矢()……”」

 

久々の、『オクラ式八卦陣』です。

が。

『巨大鬼娘』が石で出来ていますので、『砂の矢』を吸収できないのがネックでして、以前ほどの効率が出ていません。

『土蜘蛛少女』にしましても、ほとんど魔力糸用の魔力乾電池状態ですし。

維持に倍近い魔力を消費するのが、目下悩みの種なのですよ。

『巨大鬼娘』も、先程の落下の衝撃で結構ダメージを受けていますし。

 

とはいえ、『精霊解放(じばく)』は効果範囲が広くて威力も高く、下手をしますとバックファイアもあり得ますし、使い勝手はあまりよくないのです。

戦術レベルでは、精々中位精霊程度ですね。

『風』の属性の時は、『精霊解放』が実用できるレベルになるのが上位精霊からでしたから、属性による大幅な性質の変化が影響しているのが分かると思います。

 

もう片方の対戦相手カーンさんも、結局『巨大鬼娘』のボディプレスでぺちゃんこになりました。

頑張っていたのですけれどもね。

戦いそのものが楽しいという、戦闘狂なようです。

 

 

 

『1回戦で上位精霊を使うと聞いた時は、上位精霊1体を援護しながら戦うスタイルと思っていましたが、上位精霊を砲弾代わりに遠慮なく使い潰すとは、誰も予想していませんでしたよ』

 

戦闘後のインタビューです。

 

「本当は、もっと魔力の消費を抑えたいのですけれどもねえ……」

『先程の試合で召喚された上位精霊の数は4体、中位精霊に至っては600体。

さすがに魔力の消費が激しいということでしょうか?』

「ええ、まだまだ効率化の道は険しいのですよ」

『アレだけやっておいてさらに上を目指すとは……やはり目指すは父親サウザンドマスターと同じ、世界最強の領域でしょうか?』

「はい。少なくとも、父とまともに戦える程度には鍛えておきたいのです」

『それはまた、長く険しい道程ですね』

「ですが、一歩でも半歩でも、歩かなければ辿り着けません」

『私、なんかちょっと感動しました。

それではこれからも頑張ってください!』

 

嘘は言っていません。

アンディ、笑いをこらえていても構いませんが、今は噴き出さないように我慢しなさい。

 

私は戦闘力を全盛時と同等程度に戻すことを目的で修行していますし、全盛時はナギ(サウザンドマスター)を相手に多少時間を稼ぐ程度はできるようになっていました。

全盛時のナギを相手に?私の全盛時でも10秒かかりませんよ。もちろん、私が負けるという意味です。

 

ただ彼のような、魔法戦士タイプでバリバリの前衛を目指しているわけではありません。

むしろ、後方からの火力支援や、人海戦術で埋めるといった砲台型の魔法使いを目指しているのです。

その主戦術は変幻自在。

どちらかと言えば卑怯なやり方を好みます。

 

勝てばよかろうの政治家ですから。

ナギと違って、戦闘力そのものは二の次なのです。

 

ゆえに、インタビューで言った言葉は正解でもないし、間違いでもないのですよ。

 

 

 

 




相変わらず、本編はインタビューです。
幾つか上位精霊が出てきましたが、後に大幅変更されます。
説明の通り今のままでは効率が悪いので。

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