【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】   作:ひろっさん

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6/3 くらいに投稿されると思います。

もう一つ気分が乗らない。


015 誰も知らない本当の裏側

大停電の深夜。

 

私はエヴァさんのお宅で、お互いに報告を聞きます。

この辺の情報は共有しておくべきでしょうからね。

 

「展開は大体原作通りだが、茶々丸のボディが破損した」

「茶々丸さんが?」

「素体ももう1年半になるからな。そこそこ老朽化が進んでいたようだ」

「あらまあ……」

「私としては有難いがな。

四六時中、黒歴史(ナギ)と顔を合わせずに済むようになると思えば……」

「ああ、確かに……」

 

私は苦笑しました。

今の唐繰茶々丸さんのボディは、葉加瀬さんの趣味でナギさんそっくりになっていたのです。

元々はエヴァさんが口を滑らせたのが原因のようなのですけれどもね。

ともかく、これからは初期改装版、つまり原作通りの女性体になるようです。

当初よりも機能が強化されるそうですが、具体的には知りません。

 

私も大停電中の迎撃戦や、魔法先生の戦闘データを収集していたことを話しました。

 

「……思ったより良好な関係を築いているようだな」

「お互いに秘密を抱えている身ですし、一定の距離感が仲良しの秘訣でしょう」

「あちらの秘密は筒抜けのようだがな」

「世の中、そう何もかも上手くは行きませんよ」

 

それは、私が一番よく知っています。

何もかもを上手くやろうとしますと、全体がダメになってしまいますからね。

 

「ところで例の話だが……お前が睨んだ通りだ」

「やはりそうですか」

「本人は気付いていないようだが……言わなくていいのか?」

「予定としましては、麻帆良武道会が終わってから話すつもりでいます。

そうでなければ、受け入れないでしょう」

「そうか。お前がそれでいいなら、何も言わん」

 

すみません、何の話かについてはその時まで秘密にさせていただきます。

アンディ本人も無自覚な、重大な秘密です。

 

 

 

「では、次は京都か。

私の呪いを解く方法、ちゃんと用意してあるんだろうな?」

「抜かりなく」

 

私は3本のドリンクをテーブルの上に置きました。

 

アンディの血(・・・・・・)をベースに作った、『鼻血剤』です」

「妖精印か」

「はい。

これを飲めば、私の血液は一時的にアンディの血液となります。

基本が増血剤ですから、致死量出血しても平気ですよ。

さっそくやりますか?」

「ああ、この日のために儀式の準備も整えてきた。

今宵は満月。やるなら今しかない」

 

京都、というのは、原作における『修学旅行』編のことです。

 

修学旅行編の主旨は、原作のネギ少年が父親を探す手がかりを得るために、京都にあるナギさんの隠れ家へ行くというものです。

もう1つ、これは学園長の思惑ですが、陰陽師系の関西呪術協会と、西洋魔法使いが主な関東魔法協会の対立を解決するべく、原作ネギ少年を使者に立てるというものです。

 

その任務の最中に妨害勢力が出現して様々な妨害を受けるわけですが、その妨害勢力の1人が、原作では最後のライバルとなるフェイト・アーウェルンクス。

原作最強級キャラの1人です。

しかもその人が人造人間(ホムンクルス)の一種なので、原作と色々違うこの世界では、アーウェルンクスシリーズが2人以上稼働していてもおかしくありません。

 

もしそうなれば、最悪鬼神リョウメンスクナと2人のアーウェルンクスを相手にする必要があり、エヴァさんの助力なしでは確実に負けてしまうのです。

いえ、エヴァさんの助力があったとしても危ない戦力ですね。

 

もし負けてしまいますと近衛木乃香さんが向こうに捕られてしまい、修学旅行どころの騒ぎではなくなります。

即時魔法世界へ向かう羽目になるでしょう。

そうなると、計画の完遂が危うくなってしまいます。

なので、そこは必ず勝たなければなりません。

 

そのための、エヴァさんの事前解放なのです。

 

 

 

事後(意味深)。

 

「どうれす?」

 

私は鼻血をティッシュで押さえながら、エヴァさんに尋ねます。

 

この『鼻血剤』、漫画のように鼻血が噴出するという、超強力な増血剤なのです。

血液が滅茶苦茶増量するので、例え致死量吸血されたとしましても、増血の方が勝ちます。

例え1瓶とはいえ、一気飲みするものではありませんね。

周囲や服が鼻血でベタベタです。

隠密行動のために用意した地味な服を着てきたのですが、買い替えが必要です。

 

一応、増血具合によってはこうなることは分かっていましたから、エヴァさんの家の外で行いましたが。

これ、エヴァさんに吸血されてなかったら、水圧で体中の血管が破裂するんじゃ……。

 

「ゲホッ……必要量の倍近く吸って、なおかつ鼻血が出るとか……お前の方こそ大丈夫か?顔が真っ赤だぞ?」

 

頑張って吸っていたようですが、増血の勢いに負けてしまったようです。

 

「貧血れはにゃく増血のひぇいで頭がくらくらひまふ」

「今度から、妖精印の薬は最初に一口だけ飲んで、効用を確かめることにしよう」

「ふあ、異論ありまひぇん」

 

冗談ではなく眩暈がします。

血が多過ぎて興奮状態に似た、頭がフワフワしている感じですね。

後でもうちょっと吸ってもらった方が良いかもしれません。

 

しかし、儀式は滞りなく行われ、エヴァさんの『登校地獄』は解けました。

これによって、彼女は最初から修学旅行に参加することができるようになったのです。

 

例えアーウェルンクスが2体出てきても、これで対応できるようになったわけですね。

3体目からは難しいのですが……。

その時はリスク覚悟で切り札を切りましょう。

 

 

 

 

 

 

 

「と、いうわけで『登校地獄』が解けたわけですが、構いませんよね?」

 

今度は囲碁を打ちながら、妖怪爺(ぬらりひょん)にそのことを報告します。

 

囲碁の盤面は散々ですけれどもね。

齢80以上の老人に、天才児とはいえ9歳、前世を合わせても半分に満たない年齢で、しかもルールもよく知らない囲碁で、勝てるわけがないのです。

 

「この間の大停電の時か。まあ、構わんじゃろう」

「お爺さんはよくても、他の魔法先生方が騒ぐかもしれません」

 

魔法先生の中には、怪物ハンターとして吸血鬼狩りの修行を修めた人もいます。

まあ、勝てはしないでしょうけどね。

 

「そちらはワシが抑えるワイ」

「期待しておきましょう」

「しかし、ワシらでも解けんかったあの呪いを、どうやって解いたんじゃ?」

「企業秘密です」

 

むぅ……学園長も、初心者に本気でかかってくるような真似はしないようですが、指導碁なのに私がミスっているせいで盤面が滅茶苦茶です。

最後の右上隅のエリアでは、なんとかマシな打ち方をしたいものですが。

 

「あ、そうそう」

 

私は次の話題を振ります。

 

「『(セント)エルモの火』って、知っていますか?」

「ム――?」

 

白髪お爺さんは、珍しく驚きの表情を見せました。

 

「昔、西洋で聖エルモの暗殺に使われたという、禁呪じゃな」

「その禁呪、どうやら私に使われていたようです」

「なに?」

「エヴァさんが助けてくれなければ、私は死んでいたでしょうね。

これ、魔法先生達を説得する材料にできませんか?」

「……フォッフォッフォッフォッフォッ!」

 

ぱちくりと目を見開き、お爺さんは声を上げて笑います。

 

「なるほどのう……それは確かに面白い」

 

碁石をパチリと打って、楽しげに唸りました。

 

「『別荘』の中ではある程度力を取り戻せるとはいえ、わざわざベリアルを召喚するとは考えにくい。

油断している状況でかける呪いならば、もっと簡単で服従に偏らせた方が、あやつの得にもなるしのう」

「やはり、疑いを持つ人はいるわけですね」

「当然じゃ。悪の魔法使いを名乗る者に対しては、感情的になる者も少なくない」

「では、私も悪の魔法使いを名乗ってみましょうかね?」

「本気には取られんじゃろうが、監視は付くかもしれんな」

「そのまま世界を救ってしまえば、そういう頭の固い価値観も崩れるでしょうね」

「フォフォフォ、簡単なことではないがのう」

「私には、『立派な魔法使い』の根底を覆す切り札がある!……なんてね?」

「フォフォフォ」

 

本当にあるのですけどね。

少なくとも、『本国』の元老院を潰すとなれば、それくらいの切り札は必要です。

 

とにかく、エヴァさんの修学旅行同行についての政治的な問題は、このお爺さんに任せておけばいいでしょう。

 

私は碁石をパチリと盤面に置いてから、次のお爺さんの手で投了しました。

 

 

 

「そうじゃ、ネギちゃんにもこれを渡しておくかのう」

「はい?」

 

手紙を差し出されます。

 

「アンディ君が失敗した時のための、予備じゃよ」

「予備は大切ですからね。

アンディも修学旅行が京都に決まって、超浮ついていましたし」

 

ナギの隠れ家があるというお話もエヴァさんから聞いたようです。

原作のネギ少年ほどはこだわりがないはずですが、なんだかんだ言ってナギは20年前の大戦を終結に導いた大英雄ですからね。

言うなれば、勇者ロトです。

やはり男の子としては興味が惹かれるのでしょう。

 

「騙すようで心苦しいのじゃが、すまんのう」

「そういう大人のお話には慣れていますよ」

 

私は手紙を受け取りました。

 

 

 

 




本日の成果

エヴァンジェリンの呪い『登校地獄』の解呪に成功!

エヴァンジェリンが麻帆良にとどまることを政治的に解決!
ただし、他の魔法先生達がどう動くのかは未知数。

以上。

つづく



二次創作で色々とチートな手段で解除されているエヴァンジェリンの『登校地獄』ですが。
こんな形で解除になりました。
未だに結界の効力が消えているのは、茶々丸が手を加えたからです。
そしてついに黒歴史から開放される(笑)

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