【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】 作:ひろっさん
この時期は体温管理が大変です。
お風呂場。
原作では着替え中にお猿さんの式神が襲撃してきたのですが、一向にそういう気配がありません。
というか、原作ではネギ少年が先に入っていたのでしたっけ?
一応、短い杖はバスタオルに忍ばせてありますが、さてどこまで対応できることやら。
今のところ、妨害に対応しているのはアンディだけですしね。
念話を傍受したとしましても、私達のことは単なる魔法生徒と思われているでしょう。
ああ、ちなみに茶々丸さんは防水仕様ではないため、寝室で待機しています。
身体を洗って湯船に浸かりました。
エヴァさん、木乃香さん、明日菜さん、そして
戦力としては十分ですが、一向に襲撃してきません。
一体どうなっているのでしょうか。
それにしましても、このお風呂という習慣はいいものですね。
温泉ともなりますと格別です。
お肌がツルツルしてきた気が……。
いえいえ、そういえば私、9歳でした。
元からぷるっぷるのモチ肌です。
まあ、こちらへ来てまだ6年ですからね。
ふとした拍子に前世の感覚が戻る程度はやむなしですか。
それにしても、襲撃遅いですね。
私が首を傾げた瞬間。
パシャン
水が跳ねる音が響きました。
「し、しまっ――!」
「!?」
突然の声に素早く反応して振り返ると、そこには刹那さんの姿が。
全裸で刀を構えて立っています。
周囲には元式神だったと思われる紙吹雪。
で。
振り向いた私の目前に、彼が立っています。
私は座っています。
つまり、そこには毛も生え揃わない
「くぁwせdrftgyふじこlp!?」
私の思考は停止し、意味不明な言語が口から飛び出します。
「わっ、あっ!?」
刹那さんは顔を真っ赤にして片手で股間を隠し、男性用の更衣室の方へ、瞬動を使って走り去っていきました。
「ご、ごめんなさいいいい!!」
アンディも一緒です。
「ふむ……意外と小さいな……」
「どこを見てんのよ!」
エヴァさんと明日菜さんのショート漫才も、覚えていません。
だって、アンディのとは全然違いますし……。
しばらく固まってしまっていました。
「せっくん……」
木乃香さんも固まっています。
私達は部屋に戻って話し合います。
「あの刹那君って、どういうことだったの?」
明日菜さんの問いにエヴァさんは答えました。
「何者かによる式神による襲撃を、私達の背後で完全に防ぎ切っていたのさ」
「あの紙吹雪はそういうことでしょうね……」
そのおかげで式神のお札を捕獲し損ねましたが。
「ネギちゃんは気付いてたの?」
「全然なのです。
私もエヴァさんと結構鍛えてるつもりでしたけど、多分気付いていたのはエヴァさんだけですね」
「お前が気付いていなかったのなら、そうだな」
エヴァさんは頷きます。
「まあ要するに、刹那とアンディ先生はずっと私達の背後、岩の陰に隠れていたんだ」
「なんという定番のラッキースケベ」
「せっくん、ウチらのこと守ってくれててんな」
「それは確実です」
しかも性別が変わったからか、剣の腕前が上がっているようですね。
これなら、戦力増強が見込めそうです。
まあ、どこかでシワ寄せが来るのでしょうけれど。
「しかしネギ」
「はい?」
「お前、刹那のを見て珍しく取り乱していたじゃないか」
「……アンディのとは違うのですよ、アンディのとは」
指摘されて、私は顔を真っ赤にしました。
前世も、付き合っていたのは主に女性の友人です。
不良時代には男友達もいましたが、深い関係になるほど良い仲になった人は一人もいませんでした。
そして、レイプされかけた記憶もあります。
その辺のトラウマもある以上、覚悟していなければ取り乱すのは仕方がないことなのです。
――そう自己弁護しなければやっていられません。
私は6年前から、この程度のことは覚悟して計画を練ってきたのですから。
何につけても
この肉体に関する想定外のトラブルは、これで3件目です。
いっそのこと、知識だけを受け継いで転生すればよかったのです。
そうすれば、ここまで酷い事態にはならなかったでしょうに。
ま、愚痴っていても仕方がありませんか。
「……」「……」
私と茶々丸さんは、敵が動くのを待っていました。
エヴァさんは、昼間に移動だったので、新幹線で寝ていましたが、それでも寝足りなかったようで、少し仮眠を取るようです。
なので、今夜のイベントで起こるイレギュラーへの対応は、私と茶々丸さんの担当となります。
超さん特製の発信機は、やはり敵の陰陽師を追跡できています。
追跡できているというのは、新幹線で売り子をやっていた人が、この旅館にいるということです。
これは明らかにおかしいので、私は彼女を妨害勢力の一員と断定したというわけですね。
おそらく原作と同じ、
名前はちょろっとしか出てきていないので、印象が薄いかもしれません。
熊や猿のぬいぐるみのような鬼を使役していた、陰陽師の女性です。
原作では、強大な魔力を持つ木乃香さんを利用して、鬼神リョウメンスクナを復活させていましたが。
この平行世界でどのようなイレギュラーがあるのか、私には想像もつきません。
ただ1つ言えることは、原作通りなら私が手を出すまでもない、雑魚だということです。
アンディは、原作のネギ少年よりも、ほんの少し戦い慣れていますので。
それに加え、桜咲刹那さんも男性で、剣の腕も強化されています。
明日菜さんは大体原作通りですが、普通に強いのは確かです。
だからこそ、私達が万一のためのサポートに付くのですけれど。
ええっと……場面が少し飛びますので、状況を説明しますね。
今、京都駅の大階段にて戦闘が始まっています。
原作の流れ通り、トイレで木乃香さんが誘拐され、それを刹那さん、アンディ、明日菜さんが追いかけている状況です。
天ヶ崎千草の力量は大体原作通りなので、余計な
乱入した月詠さんも、原作とほぼ同じようですし。
私と同じく、茶々丸さんも少し離れた場所から戦況を見守っているはずです。
そんな私の前に、ちょっとシャレにならない相手が出てきました。
「少し足止めさせてもらうよ」
そう、目の前に現れたのは、陰鬱な表情の白い少年、フェイト・アーウェルンクス。
原作ではアーウェルンクスシリーズで唯一稼働している個体で、同時に長く実戦経験も積んでおり、同シリーズの中では最強と言っても過言ではない人です。
「足止め……で、いいのですか?」
「英雄の娘としての力も見ておきたいかな」
「仕方がありませんね。ある程度見せたら、大人しく帰って下さいよ?」
「時間切れまで、君が持てば……ね」
「やっぱりそういうことですか!」
最低限、戦いにはなる程度、時間稼ぎができる程度には鍛えてきました。
今日は父の杖も私が持っています。
ちょっと本気を出しましょうか。
大停電の時には控えていましたからね。
「“ラス・テル・マ・スキル・マギステル、
星符『ブレイジングスター』”」
はい、元ネタは『東方project』です。
有名な縦スクロールシューティングゲームなので、ご存知の方も多いと思いますが。
箒に乗った、『白黒の魔法使い』こと『
ああ、本人ではありませんよ。
姿を再現しているだけです。
あのゲームで言えば、使い魔みたいなものだと思ってください。
こういうイメージを投影した方が、上位精霊は扱いやすいのです。
「“『点火』”」
さっそく、高速高威力のホーミング突進を披露していただきましょう。
余裕かましていた白い少年は避けますが、掠って魔法障壁を1枚破壊されます。
「!?」
「障壁破壊くらいは組み込んでますって。ほら後ろ」
「む……!」
上位精霊の利点は、威力を保ったまま何度も繰り返し攻撃してくれることです。
中位精霊ではこうはいきません。
「“ラ・テル・マ・キル・マギス……”」
私は追加の攻撃を放ちます。
「“
『
ショットガンのように光の矢が敵の周囲にばら撒かれました。
「僕の魔法障壁を知っていながら、なぜそんなことを――!」
まず効かない私の攻撃を嘲るように言ってから、彼は予想外の衝撃に吹き飛ばされます。
障壁をすべて貫いたわけではありませんが、詠唱を邪魔するくらいには十分でしょう。
もちろん、撥ね飛ばしたのは『白黒魔法使い』です。
「上位精霊への、
それと、目晦ましです」
上位精霊は、術者と共に闘う
陰陽師で言う、善鬼護鬼と似ていますね。
同じ属性の魔法なら遠慮なく巻き込めますから、
ちなみに、高速詠唱でも
さて、私も逃げなければいけませんし、もう2、3発撃ってから離脱しましょうか。
隙を見て『石の槍』を飛ばしてきていますし、戯れもほどほどにしなければ痛い目を見るでしょう。
と。
考えている内に、フェイトさんの方が水を利用した転移魔法で逃げました。
アンディの方を確認すると、無事木乃香さんを取り戻せたようです。
あちらの決着がついたから退いた、ということですか。
ま、今夜のことは挨拶程度に考えておきましょう。
ちなみに、茶々丸さんの方には、
適当に相手をしていたら帰ったそうですが。
本日の成果
修学旅行イベント1日目終了!
敵の重要人物フェイト・アーウェルンクスと交戦。
フェイト側が途中退却。
以上。
つづく
フェイト・アーウェルンクス初登場。
原作よりも早いですが。
この時のネギ少女は、切り札抜きではかなり本気です。
小太郎くらいならさらっと倒せるくらいの力を出しています。