【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】 作:ひろっさん
ネットの情報はイマイチ信用度が足りない…。
色々と濃いイベントをこなしながらの、修学旅行2日目なのです。
「あふぅ……」
昨日はフェイト少年のお遊戯に付き合ったり、男性の
昨日の夜はクラスの皆がお酒で酔っ払って、眠ってしまっていて静かだったのはラッキーでしたね。
そんなわけでおはようございます。
今日はそこまで厄介なイベントの予定はありません。
原作ネギ少年に宮崎のどかさんが告白するイベントがあったり、夜には同じくネギ少年の唇争奪戦があったり。
まあ、重要と言えば重要ですが、私の計画にとってはそこまでのものではありませんから、別に手を出す必要もありません。
手を出すとすれば趣味の範囲でです。
宮崎のどかさんは、原作では超重要人物で、そのアーティファクトがストーリーを進める上で必須となります。
しかし、大雑把にでも知っていればどうとでもなるものですから、私の計画上では、あれば便利、なくても平気、という程度でしかありません。
それよりも、早乙女ハルナさんと綾瀬夕映さんの方が重要です。
綾瀬さんの提起する問題は、どれも大人を唸らせるものばかりでした。
その知識はこの平行世界でも同様で、さすがは哲学者の祖父を持つだけはあると思わせます。
「せっくーん!なんで逃げるんー?」
「い、いえ、俺は別に……」
なんだか木乃香さんと刹那さんの追いかけっこが始まっています。
普段キリッとしていて近寄り難い刹那さんの照れている表情、イケメンなだけあってグッと来ます。
が、それ以上に彼の
ううう、まともに顔を合わせられる自信がありません……。
今日は奈良の東大寺です。
「やっぱり、どうにかして百式観音が欲しいところですね……」
「精霊の召喚と使役の高速化は難しいぞ」
「それでも習得する価値があると思いますけどね」
私がよく使う精霊の召喚使役は、魔法使い全般によく見られる技法です。
大抵は中位精霊くらいしか使いませんけどね。
上位、中位、下位の分け方は、ひとえにAIの性能だと思って下さい。
下位は簡単な命令、1ページ分程度のプログラム言語しか使用できません。
中位はページ数が10ページ程度に増え、強制行動チップが使用可能。
上位はページ数が100ページに増えて、サブプログラム領域が使用可能になります。
あくまでイメージですが。
分身使役などは、中位から上位です。
私が行っているのは、さらに上級のイメージ投影型使役なのです。
そして、このイメージ投影型使役が得意なのは
日本の陰陽術などが該当します。
私が陰陽術を解析したいというのは、これが理由なのですよ。
「精霊使役をメインで戦う以上は、召喚の高速化と使役の精密化は永遠の課題として付き纏う。
お前の場合は、切り札がアレである以上、仕方がないのかも知れんがな」
大仏様を見ながらするのがこんなお話ですから、あまり色気がありませんね。
「すまない、ちょっといいか?」
「はひぇ?」
刹那さんが照れ気味に、私に声をかけてきました。
私は思いっきりドモります。
「今、認識阻害をかけていますから、このままでも構いませんよ」
「そうか。それで……あの……」
刹那さんは昨日のお風呂場のことを思い出したのか、顔を真っ赤にします。
「……そんな顔をされたら、私も意識してしまうではありませんか」
「申し訳ない」
「それで、どういうご用件ですか?」
私は顔を赤くしながらも尋ねました。
「アンディ先生から、ネギちゃんが魔法使いだということを聞いた」
「ああ、そういうことですか……」
「それで、もしそうなのなら、君さえよければ木乃香様の護衛に協力してもらえないだろうか?」
昨日も結構危なかったようですしね。
できるだけ戦力を増やそうという考えも理解できます。
「それは、アンディからのお願いですか?」
「いや、俺の独断だ」
ふむ……アンディからのお願いなら突っぱねるつもりでしたが。
「あなた1人では守れませんか?」
「い、いや、陰から護衛していると、なぜか木乃香様が俺を見つけて連れ回そうとするので……」
「私を生贄に捧げようと?」
「え、いや、そんなことはっ!」
「まあ、私も隠れている意味があまりなくなりましたからね」
昨日の夜、フェイト少年に私の戦闘力の一部を見られましたし。
それを報告されれば、今度は私を狙ってくることも考えられます。
戦闘力があるとはいえ、私もこの平行世界では木乃香さん並の魔力を保有していますし。
「え?」
不思議そうな顔の刹那さん。
「私の父は大戦の英雄ですので、色々と恨みも買っているようなのですよ。
なので、あまり表に出て戦いたくなかったのです」
「そうなのか、それは無理を言ってしまってすまない」
「ええ、ですが、思いっきり本名で旅館に泊まっていますし、本格的な襲撃があったということは、バレていてもおかしくありません」
というか、バレています。
昨日の夜、フェイトが『英雄の娘』と思いっきり口に出していましたし。
ちなみに、本名で活動しているのは、単に私が彼らの動きに気付いていることを悟らせないためです。
ほぼ相手の行動が読めていますからね。
それなら、堂々と待ち構えていた方が良いというものなのですよ。
普通に平和に生活している女の子の平和を乱すような真似を、表立って行うことはできませんからね。
正義を標榜する組織としては。
「ですから、協力はしますよ。
私も、前衛がいてくれた方が助かりますから」
「なんだか巻き込んでしまったようで申し訳ない」
「アンディの方、西の長に手紙を渡す任務が危うくなれば、私も手を出すつもりでしたし、構いませんよ」
そこで、私はポケットからあるものを出します。
「これを差し上げます」
「……これは?」
「『健脚ドリンク』と言います。
10分間、脚力を10倍に増強するドーピング剤ですよ」
「有難く使わせてもらうよ」
刹那さんが私に微笑みを向けました。
想像してみてください。
刹那・F・セイエイが超爽やかに微笑んでいる姿を。
ええっと……この人、私を落としにかかっているのですか?
気を取り直して。
私も要求したいことがあります。
「基礎的なことで構いませんので、陰陽術について教えていただけませんでしょうか?」
「えっと……」
刹那さんは口籠りました。
「俺はまだ未熟だから、人に教えるほどは……それに、そういうのは学園長の方が詳しいかと……」
「できれば、修学旅行中に何とかしたいのです」
「それなら、式神の呪符を幾らか渡しますから、それに日本語で名前を書いて、魔力を込めれば……」
囮くらいにしか使ってないようですね。
ま、彼は剣士なので、その辺は仕方がありませんか。
「では、それでお願いします」
「は、はい……」
陰陽術の呪符、ゲットなのです。
「くくく……割と良い雰囲気だったじゃないか」
「ふむー……前世でしたらお持ち帰りしていた可能性はあります」
見ていたエヴァさんにからかわれ、顔を赤くしながらも私は至って冷静に答えました。
アラサー独身貴族は、若い子を食べるのに遠慮も容赦もありませんからね。
今の私はちょっと遠慮したい気分ですけれども。
「それが陰陽術の呪符か」
「はい。これで精霊使役の弱点をカバーできます」
「やはり
「私の現状では、100メートル以上離れると、魔力充填の効果が切れてしまいますからね」
それが、私の上位精霊使役の弱点です。
そこに式神としての性質を加え、仮契約によって魔力の効率を強化し、さらに威力を上げるというのが、私の最終的な基本戦術になる予定です。
切り札は……。
あれはちょっと反則な上に色々と問題を抱えていますから、余程危なくなった時でなければ使いたくはありません。
一応、用意はしているのですけどね。
もしもアーウェルンクスが3体以上出てくれば、その切り札を切ることになるでしょう。
「それで、予定では明日の夜まで様子を見るということだったが、刹那にはどこまで協力するつもりだ?」
明日はいよいよ修学旅行編のクライマックス、の、予定です。
「主に刹那さんを逃がさないように立ち回るだけです。
あのお2人の親密度が上がってくれた方が、私としてもやりやすいので」
「それはいいが……ミイラ取りがミイラにならんように気をつけろよ?」
「それは……。まあ、ないでしょう。
刹那さんも、今更私になびくことはないでしょうし……」
「それが分からんのが男女というものだ」
「さすがは5人の王様を堕落させ国を傾けた人は、言葉の重みが違いますねー」
「余計な御世話だ。そして6人だ」
「あら、そうでしたか」
私も、まさか刹那さんを異性として意識する日が来るとは、夢にも思っていませんでした。
単に、間近で
本日の成果
近衛木乃香と桜咲刹那(♂)の親密度UP!
陰陽術の札をGET!
解析開始。
以上。
つづく
精霊召喚に関してはオリジナル設定です。
とはいえ、想定している原作設定よりも若干面倒にしているだけですが。
百式観音は完全にネタです。