【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】 作:ひろっさん
上の日付は予約投稿の時間確認です。
第一回、ラブラブキッス大作戦開始なのです。
――“……というわけで、ただ今アンディにキスするだけで仮契約が可能となっています”
――“そこまで原作に忠実にすることもなかろうに”
――“いえね、3-Aの騒ぎ方が、原作以上になりつつありましたので、放置すると色々まずいかなとも思ったのです”
――“新田先生が何とかすると思うが……”
――“最悪、修学旅行中止ですので”
――“それは……まずいな”
エヴァさん、手の平返しが早過ぎます。
明日の肝心の修学旅行がなくなってしまいますと、ナギの隠れ家にも行けませんしね。
あそこには割と重要な書物がありますので、それを入手するのが主な目的です。
刹那さんの『式神返し』は、仮契約の結界には反応しません。
それを利用して、旅館を丸ごと囲むように、仮契約の結界を張りました。
『では、『アンディ先生とラブラブキッス大作戦!』の、ルールについて説明いたします!』
朝倉さんがアナウンスした内容は、それぞれの部屋のテレビを通じて皆さんに伝わるように仕組んでいます。
ルールは簡単、それぞれの部屋からスタートし、
武器は枕のみ、枕以外で攻撃してはいけません。
そして、旅館内を見回り中の新田先生に捕まれば、その人はそこでアウト。
イベントの内容をしゃべってはいけません。
『死して屍拾う者無し』とか、朝倉さんは言っていましたが。
ああ、私は参加しませんよ。
アンディの人型式神を水増しする要員ですから。
それと、魔法認識を甘くする結界も担当しています。
スカカードを量産することにもなりかねませんが、スカカードでも魔力供給はできますからね。
あって損はありません。
が、私は大誤算に気付いていませんでした。
『朝倉、ちょっと聞きたいことがあるアル』
『はいはい、なんでしょう、くーふぇ?』
『アンディ先生と銘打ってるアルが、他の男子にキスするのでもいいアルか?』
『……うん、オッケー!』
少し間があったのは、カモさんの意見を聞いていたのでしょう。
ざわり、と画面の向こうが騒がしくなりました。
『ということは、対象は桜咲君と龍宮君も入っちゃうねー!』
『いよっしゃー!』
『じゃあ、ネギちゃんもオッケーなの!?』
「なんでそこで私が出てくるのですかー!?」
私は思わず叫びました。
『もちろんオッケー!』
「ギャーッ!?」
こ、これは、大変なことになってきた予感……。
というか、早乙女ハルナさんって、百合もいける人でしたっけ?
ああ、漫画家でしたら何でもいけそうですね。
あれ、でも、綾瀬
い、いえ、それよりも、ちらほら私の唇を狙う人がいるのですが、どうなっているのですかウチのクラスー!?
こ、これは私の唇が大変危険なことに……。
に、逃げなければ……!
ちなみに、私は教員用の部屋、つまりアンディの部屋にいます。
アンディは民宿の外に見回りに出掛けていますので、私はここでアンディの偽物を待機させておき、頃合いを見計らって解き放つ予定でした。
しかし、私自身が狙われるとなりますと、私の唇が危機に陥ります。
何せ、認識阻害結界に上位精霊罠を4つ、その上3体の式神。
昼間に色々と仕込みもやっていましたから、もう
私も色々と訓練しているとはいえ、まだまだ魔法がなければ10歳の幼女。
この4月で10歳になったばかりの女の子に、
しばらくして、まずは3-Aの数少ない男子、龍宮真人君と
枕同士とはいえ、かなり激しくやり合っていますね。
『そろそろ観念してワタシの婿になるアル!』
小声で叫ぶという器用なことをしながら、色黒金髪中華娘は枕越しに中国拳法を叩き込みます。
さすがは『ウルティマホラ』前年度優勝者。
接近戦では私も勝てそうにありません。
しかし、さすがは傭兵経験者の龍宮君も負けていません。
枕による顔面への射撃が正確無比で、さらにそれを目隠しにして枕によるアッパーカットを決めます。
『悪いな。俺の腕には、まだ死人が眠ってるのさ』
なんですそれ、超かっこいいんですけど。
要約すると、死んだ恋人が忘れられない、と言ったところでしょうか。
『むぅぅっ……!』
古さんが足をふらつかせながら立ち上がりますが、そこへ新田先生が通りかかり、お2人は一目散に姿を消します。
といいますか、1人2人の性別が変わっただけで、こんな風に人間関係が変わるものなのですね……。
これは原作『ネギま!』にもある設定で、後半に何度かそういう話を匂わせていました。
つまり、3-Aでは原作で最強クラスの龍宮真名さんが男性、龍宮真人君になったおかげで、古さんのフラグが立ってしまったわけです。
これ、もしかして魔法世界に連れて行くのに、障害になったりしませんかね?
まあ、それでも口車に乗せて連れて行くつもりですけど。
次は雪広あやせさんVS佐々木まき絵さんです。
お互いに組んでいるパートナーがそこまで乗り気ではないので、ほぼ1対1の戦いとなっていますが。
雪広さんは合気道、佐々木さんは新体操をやっており、お互いに運動神経は抜群。
雪広さんの相棒は長谷川
熾烈な戦いになりましたが、こちらも新田先生が巡回してきましたので、途中で解散となりました。
……と、ここで長谷川さんがどさくさに紛れて抜け出し、1人で部屋に戻ってしまいます。
まあ、こういう騒ぎには関わりたくない人ですしね。
私が教えたメイクのテクニックもかなり上がっていますので、これからHPの閲覧数でも見て
原作ではここで長谷川さんが捕まるのですが、どうやら上手く逃げたようです。
次は……。
私は部屋の隅で布団を被って、遠目にテレビを見ていたのですが。
ドアが開きました。
「――っ!!」
自分でびっくりするくらい、全身が震えます。
私、ビビリ過ぎです。
「え、ネギさん……?」「せ、刹那さん……?」
私達は同時に呟きました。
予想外もいいところです。
「ま、まさか刹那さんも私の唇を……!」
「えっ!?く、唇って、どういう……?」
「あー……」
私は返答に困った末に、テレビを指差しました。
朝倉さんがカメラを仕掛けた数、つまり6つの枠に分かれているのですが、その隅っこに『ラブラブキッス大作戦』という文字が載っています。
「ラブラブキッス……?なんだ、この企画!?」
「ちなみにここはアンディの部屋ですが、刹那さんはどうしてここに?」
「見回りから帰ってきたら、皆でここに集まる予定だったから……。
でも、帰る途中で木乃香様に見つかって……。
ああ、それでラブラ……ブ……」
顔を真っ赤にして固まります。
木乃香さんが自分を追っていた理由に今更気付いたようです。
何この人、超可愛い。
「そ、それで、ネギさんは一体、どうしてここに……?」
あ、割と早く再起動しました。
「私は、運営側ですので。
この部屋に近付いた人にアンディの姿をした
「それはまた……」
「当初、被害者はアンディだけの予定でしたから、この部屋で余裕ぶっこいてる予定だったのですけれど……」
「なんというか、自業自得な感じですか」
「だまらっしゃい」
さっき、念話でエヴァさんにも笑われましたし。
ロボットの茶々丸さん経由で監視カメラの映像を見ているようですね。
「運営側である以上、逃げるわけにもいきませんから、いざとなればお布団でガードです」
「はぁ……」
「こういうイベントの際は、割と女性の方がねちっこくて怖かったりするのです」
「ああ、それで龍宮がいないのか……」
「彼は屋上の方に脱走しているようですね」
「俺もそっちへ行こうか……それでは御武運を」
「アンディが帰ってきて、裸に剥かれそうな気もしますが、なんとか強く生きて見せます」
「うわぁ……」
というわけで、刹那さんは窓から屋上の方へ脱出していきました。
「……そろそろ、ですか」
私は呟き、詠唱します。
精霊のイメージ使役の応用で、魔力で人に似せた
核に式神の札を仕込みますので、精霊と式神の中間的な存在となります。
これをアンディに似せて解き放つ。
そうすると、一般人には見分けがつきません。
まあ、専門家から見ればモロバレなのでしょうけれどね。
ちなみに、『眠りの霧』を仕込んであるので、間違えてキスすると
その間に新田先生に見つかれば、もちろんアウト。
スカカードの主は私となりますが。
それでは、作戦開始です。
次話へ続きます。
本日の経過
2日目メインイベント『ラブラブキッス大作戦』遂行中。
軽度の誤算発生。
以上。
つづく
予想外は起こるもの。
予想内でも大概酷いのは言いっこなしで。