【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】 作:ひろっさん
そろそろストーブ片付けますか。
寒い時期が長かったんです。
ズボラではありません。
私と木乃香さんは、木乃香さんの実家、広大な敷地を持つ神社のような家に辿り着き、アンディ達と合流しました。
追っ手は完全に撒いたようで、フェイトさん達の姿は影も見えません。
「あぅ~、ネギー、無事でよかったよ~!」
「はいはい、心配したのは分かりましたから、とっとと離れて下さいね」
アンディにはとても心配をかけてしまったようです。
まあ、途中で関西呪術協会の人とも合流できましたし、西の人とぶつかることを嫌がったのでしょう、敵側も出てきませんでした。
私が応援を呼んだのも、フェイト少年に対抗するというよりも、天ヶ崎千草がヘタレて退くことを期待した部分が大きいのです。
で。
「……どうして皆さんまでいるのですか?」
「
「私の追跡から逃げようなんて、100年早い!」
「申し訳ない、俺の動きを発信機で追跡したらしい」
私が問いますと、刹那さんが申し訳なさそうに言いました。
発信機ということは、GPS携帯か何かですか。
着いてきたメンバーは、朝倉和美さん、雪広あやかさん、宮崎のどかさん、早乙女ハルナさん、綾瀬夕映さんです。
原作メンバーに雪広さんが追加された感じですね。
雪広さんの
財閥のお嬢様が魔法の世界を知るということには、色々と問題もあるのですよね……。
特に雪広財閥は、日本では最大、世界でも5本の指に入るほどの財力を誇っています。
もし、その令嬢が魔法を学んでいることが裏社会に広まれば、世界中からありとあらゆる素材や魔法具が集まってくることでしょうね。
錬金術なんて、特に金食い虫だそうですし。
エヴァさんから少しだけ聞いた話ですが、錬金術というのは、どうも人間の寿命では修業分を取り戻せるほど完成させることができないようです。
それが判明したのは近代に入ってからのことで、それまで錬金術やそれに伴う不老不死の研究などで財産を食い潰し、没落した貴族が山のように出たとか。
ああ、この平行世界のことであって、原作や現実がどうかは知りませんよ?
まあ、雪広さんが魔法、特に錬金術に辿り着いてしまうのは、環境から見て大いに問題があるということなのです。
「(と言いますか朝倉さん。
今相手にしているのはかなりヤバイ相手だと言いましたよね?)」
「(え、そうだっけー?)」
「(あなたねえ……)」
お互いに小声で話し、私は睨みます。
「(冗談冗談。ただ、こっちも変なのに追いかけられてね……)」
「(変なの?)」
「(そう、詳しくは後で話すけど。
とにかく位置が分かってる桜咲君と合流して、追い払ってもらおうとしてたのよ)」
「(そういうことでしたか)」
私は小声で返しましたが、やはり修学旅行イベントにもあったようです。
私の勘ですが、これは刹那さんの性転換クラスの、大きな原作改変でしょう。
とにかく、後で話を聞きましょうか。
場合によっては、色々と準備をしなければなりません。
この日は旅館に帰るのも危険ということで、陰陽師の方々に身代わりの式神を旅館に送っていただき、今日はここで泊まることになりました。
アンディ絡みのラッキースケベなハプニングも
……。
「クシュン」
「キャー!?」「ギャー!?」「わははは!こりゃ失礼」
――ありまして。
まあ、特に大きなトラブルもなく、厳戒体制の中、夜を迎えます。
桜咲刹那さんが木乃香さんとイチャイチャしているのは、割とスルーされていました。
いえ、何人かの巫女さん達は陰から覗いていましたけれど。
……大人のオジサンの全裸なんて、誰得ですか?
アスナさんは割と得した顔をしていましたけどね。
詠春さんは無駄なく鍛えられていて、さらに体中にヤクザもびっくりな深い古傷が無数にありました。
筋肉マニアやオジサン趣味な人にはドストライクでしょう。
何人か、巫女さんがハァハァしながら見ていたようですが。
いえ、私は違いますよ?
私は刹那さんのような、可愛い少年が好みです。
……元アラサーとか言った人は、ガチムチホモ顔イメージの精霊100体をプレゼントなのです。
そして、深夜。
「少し、いいですか?」
「はい、詠春さん」
皆とカードゲームで遊んでいた私は、西の長にして木乃香さんの実の父親、近衛詠春さんに、別室に呼び出されます。
「アンディ君から話はきいたんですが、なぜ君が『アーウェルンクス』を知っているのか、気になりまして」
「一昨日の夜に私が戦った少年が、そう名乗ったのです」
私はさらっと嘘をつきました。
原作の『ネギま!』でも、この時点では白い少年のフルネームは判明していません。
その方が危機意識を高められると思った私が、あの少年が名乗ったことにしたという、ただそれだけのことなのです。
原作のメタ情報ありきですけれどもね。
「そして、私が見たところ非常に高い技量と魔力、実力の持ち主でした。
さらに私の名前と、英雄の娘であるということまで知っていました。
ここで私は父の関係者である可能性が限りなく高いと感じました。
ですので、その……すみません、詠春さんなら何か知っていると思ったのです」
「なるほど、そういうことでしたか」
私は素直に頭を下げましたが、詠春さんは特に気にしていない様子で言います。
「確かに君の言うとおり、それらしい人影がシネマ村で何度か目撃されています。
本当に『アーウェルンクス』なら、確かに危険な相手です。
今は君の機転のおかげで木乃香が無事だったことに感謝しましょう」
「不思議なのは、一昨日の夜も今日のお昼も、本気で追ってきている風ではなかったことです」
「本気ではない?」
「ええ、一昨日の夜は、私の攻撃はほぼ障壁で止められました。
それなのに反撃は、私に当てないように気を遣っているように感じたのです」
私からしても、そこは不可解でした。
単に、やる気がなかったからとも受け取れますが。
雇われだったため、雇い主の意に嫌々従ったということでしょうか。
そういえば、フェイト少年は他の『アーウェルンクス』シリーズと違って、若干人間らしい感情を持ち合わせているというのが、原作での設定でした。
それゆえに自分に二度も拳を届かせたネギ少年をライバル視して、色々とちょっかいを出すのです。
他の人間を模した人造人格を持つ『アーウェルンクス』よりも、人間味のある感情豊かなキャラクターでした。
表情はほぼ固定でしたが。
それを思うと、嫌々やっていたというのも、あながち間違いと言い切ることもできないのですよね。
何か
「朝倉さん達が追いかけられたという、金髪少女のことも気になりますし……」
「そちらについても、厄介な相手だということがわかっています。
ご友人方を逃がすために時間稼ぎをしていた、神鳴流剣士と陰陽師の熟練コンビが、深手を負わされたようですからね」
「マジですか?」
「ええ、本当です」
うわお、これは結構まずいかもしれません。
『アーウェルンクス』の2体目が出てきていると想定するべきでしょう。
金髪という特徴からして、『アーウェルンクス』ではないようですが。
『人形』の他のシリーズである可能性もあります。
確かに厄介な相手ですね。
エヴァさんを早々に呼ぶことも選択肢に入れておく必要があります。
「アンディ君達も、狗族の少年に妨害されたようですし」
「それは聞きました。なかなか手強かったようですね」
アンディは、原作のネギ少年よりも若干、強いはずなのですけれど。
明日菜さんから話では、かなりいいのをもらっていたようです。
こちらも平行世界ゆえの改変を受けているのでしょうか。
なんだか、考えることが多くて頭がこんがらがってきました。
最悪、『リョウメンスクナ』を倒せればそれでいいのですけどね。
徐々に、私が対応できる想定の外に向かいつつあるように思います。
――そのとき。
私は見ました。
詠春さんの背後に、白い手が浮かび上がるのを。
酷く存在感が薄い、つまり気配を隠した何者か。
「――後ろ!」
私は真上に飛び上りながら、叫びます。
「――っ!?」
「“『
同時に灰色の砂埃が、爆発となって室内に充満しました。
「“『
私は天井を蹴ると同時に灰色の煙を風の魔法で少しだけ押し返します。
そして、襖を突き破って庭へ。
そこには、淡い緑色のドレスを着た、
「『北風の敷物』」
少女が何か唱えたかと思うと、私が飛び出した先に待ち構えるように、巨大な布が一面に広がりました。
「しまっ――!?」
私は空中で方向転換しようとするも間に合わず、その巨大な布に絡め取られ――。
次の瞬間、日の光も届かない、深い森の中に放り出されていました。
「……やられた……!」
そして私は、閉じ込められたことを悟ったのです。
本日の経過
修学旅行メインイベント『関西呪術協会本部襲撃』開始!
以上。
つづく
今までは模擬戦や実力者に守られての戦いでしたが、このイベントはガチでの実戦です。
まさかのオリキャラ追加ですが、構いませんよね?