【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】 作:ひろっさん
なんで6月に入ったのに上着追加してるんだろう?
「どうやって見られているのか、それが問題です」
深い森に閉じ込められた私は呟きます。
「『彼ら』は、基本的に魔法具は使っても機械は使いません。
そして、その魔法具も、映像を細かく記録するのは苦手です。
と、いうことは、幾らか機械が混じったものになるのは必定」
私は、聞いている人がいることを確信して、その人に語り聞かせます。
「しかし、機械を使わない以上、『彼ら』が行うのは、間接的な記録。
すなわち、人がこの空間に入って、遠見系の魔法で見ているのです。
そして、この封印方法には、大きなデメリットがあります。
それは――内部を徹底的に破壊される危険があること」
私はにやりと笑い、最後にこう言いました。
「私の魔力が切れる前に、
その過程で、
あるいは――大きな砂煙が上がった隙に、外へ脱出する儀式を完成させてしまうかも……」
軽く脅しをかけ、詠唱を開始します。
「“ラス・テル・マ・スキル・マギステル、
『華麗なる親父時代』”」
大停電の際にも召喚した上位精霊、『雲の巨人』です。
以前にも紹介した通り、このままでは物理的な干渉ができず、目晦ましとしてしか役に立ちません。
なので、私は追加の魔法詠唱、大停電時には見せなかった、本来想定していた用法を行います。
ダミーですが、全力は全力なのです。
「“『
電撃を伴った竜巻を横向きに放つ強力な魔法で、これだけでも森の一部を消し飛ばすことができます。
しかし、それでは余波、つまり無駄が大きくなってしまい、有効破壊範囲が半分になってしまうのです。
上位精霊の使役は、元々魔力運用の効率化のために修業したものなので、多用はしますが決してそれだけがメインというわけではありません。
ただ、見た目が派手なので、私を見ている何者かがそれを勝手に、破られれば後のない切り札と誤認するだけなのです。
『雷の暴風』で強化された『雲の巨人』は、私が命じるままに森の木々を薙ぎ倒していきます。
しばらくして広場が出来上がった頃、黒い獣人の少女が姿を現しました。
黒豹の半獣人、
フェイトハーレムのメンバーで、原作では一定空間内の時間を操作するアーティファクトを所持していました。
とはいえ、思考まで止めるほどの強力なものではないようですけれど。
確か
「事が終わるまでの時間稼ぎをさせてもらう!」
「昨日の少年といい、なぜ私を倒そうとしないのですか?」
「うるさい!」
うるさい、と来ましたか。
最初から獣化するなど結構本気なようですし、私も気合いを入れてやりますか。
何か、話せない事情でもあるのでしょうね。
幾つか想像はつきますが、それは後でいいでしょう。
「“薙ぎ払いなさい”」
私は雲の巨人に命じ、黒豹半獣人の少女の足を止めさせます。
「クッ!」
本体が雲なので、10メートル近い身長の割に俊敏で、半獣人の身体能力にも十分についていけているようです。
「“『雷の暴風』”」
もう一発、
さらに詠唱します。
「私の切り札が見たいと言いましたね」
「ニャッ!」
「では、『これ』を攻略すれば、ご褒美に見せてあげましょうか。
“『百兵蹂躙』”」
「ニ゛ャーッ!?」
黒豹少女は悲鳴を上げました。
それはそうでしょう。
風で編んだ下位精霊百体に囲まれたのですから。
その上、雲の巨人も構わず攻撃します。
「“
『
名付けて、『オクラ式八卦陣』。
雲の上位精霊以外はそれほどリソースも消費しませんし、練習次第で誰でも使用できる、弾幕コンビネーションなのです。
「ニ゛ャーッ!!」
さすがに避け切れず、幾らかは食らったようですね。
ですが、ダメージが大きい雲の巨人の攻撃を避けたのは、さすがと言えます。
「ではもう一発」
「ひギャースッ!!」
「情けない悲鳴を上げるのはよして下さいな、ウザいだけですので」
「酷ぉっ!」
「切り札を見せろというのは、『命綱に細工をさせろ』と言っているのに等しいのですよ?
これくらい、乗り越えてもらわなければ、割に合いません。
というわけでもう一発」
「ンナァーッ!?」
見せる気はないので、このまま押し切りますけどね。
というわけで、後は上位精霊の
私はさくっと土煙に紛れて脱出しますから。
いやー、やはり
術者がその場にいなくても、AIをセットしておけば勝手に攻撃してくれるのですから。
ただし、私の腕では魔力消費が多くなってしまいますが。
転生特典による魔力量の強化と、1日1万回詠唱による魔力運用の徹底的な効率化がなければ、こんな真似はしません。
では、無駄な努力を引き続きお願いしますね、
私は戦闘で巻き起こる土煙に紛れて、地面にチョークで円を描き、外の世界が透けて見えたのを見計らって、脱出しました。
妖精さんグッズ、『
『人類は衰退しました』の原作にも出てきたもので、簡単に壁抜けができる優れモノです。
後始末として、抜ける前の側で描いたチョークを擦って消さなければなりませんが、戦闘現場の間近でしたので、どちらかの攻撃がチョークを地面ごと吹き消してくれることでしょう。
外に出ると、既にあの金髪少女もフェイトも姿を消しており、屋敷の人々は石化させられていました。
謎の布切れもありません。
外に出た途端にバッティングして戦闘などということにはならなかったようです。
が。
「アンディーッ!?」
詠春さんを探し回っていると、先にアンディの石像が。
森の方では激しい戦闘音。
鬼の皆さんが頑張っているようです。
「ま、まずいです……」
およそ最悪の展開のようでした。
アンディを欠いたまま、物語が進行してしまっているのです。
おそらく今、前線で戦っているのは神楽坂明日菜さんと、桜咲刹那さんのお2人のみ。
木乃香さんは誘拐され、『リョウメンスクナ』を復活させる儀式が進行中。
しかし、詠春さんの姿もありません。
おそらく私が声をかけたことで、不意打ちの初撃を回避することに成功したのでしょう。
それでしたら……。
――“エヴァさん、出番です!”
念話を送るも返事がありません。
さすがに旅館までは距離があり過ぎますか。
私は携帯電話を茶々丸さん宛にかけます。
実は、石化魔法の回避に関しては用意がありますが、石化を解除するには私では少々時間がかかってしまうのです。
1人頭、10分は必要です。
当然、そんなことをしていれば、復活した『リョウメンスクナ』がこの屋敷を襲撃するのに、とても間に合いません。
幸い、詠春さんが前線に出ているようなので、フェイト少年1人を抑えることは出来ているはずなのです。
緑ドレスの金髪少女やヤンデレ月詠、鬼といった要素を相手に、アンディを出せないのは、私の計画にとっても大きな痛手です。
『待ちくたびれたぞ、いよいよ出番か』
「――はい」
茶々丸さんを通じてのエヴァさんへの連絡は終わりました。
私は急いで準備を行います。
内部に小さな幻想空間を持つ小瓶を取り出し、さらにその小瓶から、巻物『童話の地』を取り出しました。
手早く巻物を広げ、アンディの石像を『童話の地』へと放り込みます。
そして呪文を詠唱し、内部時間を24倍まで引き上げました。
これで、外の1分は内部で24分となります。
これはこれで、結構リスキーなのですよ。
少なくとも、アンディには『童話の地』のことがバレてしまいますから。
誰にも真似のできない、私の切り札なのです。
まさに、私の命綱です。
まかり間違って『
その力を利用して魔法世界の崩壊自体を防ぐなどという発想が、彼らにはないのです。
私も『童話の地』へと入り、アンディの石化解除に取りかかりました。
本日の経過
修学旅行メインイベント、『関西呪術協会本部襲撃』進行中!
謎の金髪少女の存在を確認。
フェイトの奇襲から近衛詠春を逃がすことに成功していた模様。
以上。
つづく
オクラって言って、わかる人どれくらいいるんでしょうか?
戦国BASARAの毛利元就が、ニコニコ界隈ではなぜかオクラと呼ばれているようです。