【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】 作:ひろっさん
風邪引いた…。
5/23 原作者名を訂正。
『赤
「そこで知り合ったモリモリマッチョの変態さんです」
「え」
「あら、タカミチじゃないの」
家に帰り、ネカネさんにタカミチを紹介します。
しかしどうやら、2人は知り合いだったようで。
「お姉ちゃんに手を出すとはいい度胸なのです。このロリコンオヤジ」
「信用されてないなぁ……」
タカミチは乾いた声で笑いました。
ネカネさんは15歳です。
「すみません、そういう言葉は教えていないのですが……」
「ハハハ、構わないよ。女の子は少しくらい警戒心が強い方がいい」
む、割と大人な対応ですね。
弄り甲斐がありません。
高畑・T・タカミチ。
元『赤き翼』のメンバーで、現在はNGO『悠久の風』のエース。
呪文詠唱ができない体質だそうですが、代わりに『無音拳』という拳法を修めており、
ぶっちゃけ、呪文詠唱に頼るその辺の魔法使いよりもよっぽど強いです。
そのおかげで紛争解決の仕事には引っ張りダコ。
紛争解決とは言いますが、ぶっちゃけ魔法世界でのお仕事が主なので、魔法の存在を秘匿している地球ではただのカモフラージュに過ぎません。
私生活は割とだらしないとかなんとか。
翌日。
「いやぁ、どんな練習をしているのかと思えば、一心不乱に初級魔法を連発しているんだね」
タカミチが私の魔法の練習を見に来ます。
しばらく、こちらにいるようですね。
襲撃事件の調査がどうのと言っていました。
『悠久の風』関連ですか。
「他に練習の方法を知りませんし、基礎をガチガチに固めておきたいのです」
「……ふむ」
今日は昨日の半分くらいでやめておきます。
魔法は、今はコツが掴めていないためか、相当に精神集中をしなければいけませんから。
代わりに……。
「タカミチはどんなお仕事をされているのですか?」
「基本的に日本で中学校の先生かな。
国や人の間の争いごとの解決に出ることもある」
「詳しくお聞きしたいのですが、よろしいですか?」
「ああ、構わないよ」
現場の人間から、生きた話を聞くのです。
しばらくこちらにいるということは、いずれここを去るということでもあります。
ならば、それまでに現場についての生の声を、少しでも多く聞いておくべきでしょう。
身体を動かすのもいいですが、妖精さんを活用するには何より知識が必要になります。
練習や鍛練の時間を割いてまでそれを優先する価値は、十二分にあります。
3週間ほどで、タカミチは日本へ帰っていきました。
現場での様々な話に加え、魔法を勉強する上での基本的なカリキュラムについて話を聞けたのは大きな収穫でした。
原作でも78時間のカリキュラムがどうと言っていましたので、このタカミチのお話が元になっていたのでしょう。
その後、私は試しに妖精さんを呼んでみます。
彼らの科学力がどれほどのものなのか、試してみたいので。
下っ端天使が言うには、妖精さんは精霊の一種なので、召喚円を描いて正しく詠唱すれば簡単に呼び出せるそうです。
『人類は衰退しました』
衰退しつつある人間と妖精さんのゆるーい関係を、1人の少女の視点で描いたほのぼの系のライトノベルです。
エスプリの利いたセンスの良い会話と妖精さんの可愛らしさ、黒さ、デタラメな科学力などで読者を惹き付け、アニメ化までされた人気作。
地味なようですが、その作品に出てくる妖精さんというのが、人間とは違う階層の生物で、デタラメな性質と科学力を持っています。
はっきり言って、その辺のバトル漫画にも匹敵するほどの戦闘力を発揮することが可能で、それは
その力を使いこなすためにも、色々と準備が必要です。
そのための実験でもあるのです。
タカミチがいた時は、こういう実験ができませんでしたからね。
護衛のつもりか、ほぼ付きっ切りで見られていましたので。
「“妖精さん妖精さん、
甘い甘いお菓子はいかがですか?”」
読者の皆様すみません、原作にない呪文詠唱は語訳できませんのでご了承願います。
「はーい!」
地面に描いた召喚円から、1体の妖精さんがポーンと飛び出ました。
この召喚円と詠唱、下っ端天使によって、メモなしでいつでも鮮明に思い出せるようにしていただきました。
妖精さんの召喚は、絶対に失敗しません。
それを以って『妖精さんの召喚』の転生特典となります。
生贄はネカネさんからおやつに頂いた、チョコレートを小麦粉の生地で包んで焼いたお菓子です。
「これはなかなか……」
寸胴に小さな手足、丸っこい顔、馬鹿っぽい表情。
10センチ前後の小さな体躯。
玩具の人形みたいで、結構可愛いのです。
「にんげんさんにんげんさん」
「はい、なんでしょう?」
「これ、たべてもよろしいです?」
「どうぞ、お召し上がりください」
「わーい!」
あっという間に、お菓子1個をぺろりと平らげました。
召喚するものによってはニワトリの生き血や術者の生き血、依り代として人間の肉体が必要になることもあるようですが、妖精さんの場合はおいしいお菓子です。
微笑ましいですね。
「にんげんさんにんげんさん」
「はい?」
「にんげんさんはにんげんさんです?」
「え?」
なにこれ、哲学的なお話ですか?
質問の意味が分かりません。
「にんげんさんは、にんげんさんのにおいがするです」
「ああ……」
私は納得しました。
『人類は衰退しました』の原作に出てくる、主人公の少女のことでしょう。
つまり、そのままそこから召喚されてきたということですか。
あそこって異界判定なのでしょうか?
それとも平行世界なのでしょうか?
謎が増えた気がします。
ま、『ネギま!』世界、赤松健世界も原作とかなり違っていますし、あまり細かいことを気にしてもしょうがないかもしれませんね。
とにかく、召喚には成功したわけですから、どのくらいの能力があるのか、試してみましょう。
私は尋ねます。
「人を洗脳する道具を作ることはできますか?」
いきなり欲望全開でした。
「せんのう?」
「人間を自分の思い通りに操るのです」
「ひとをあやつるです?」
「できませんか?」
「らじこんなら」
「うーん……それは微妙に違うような……」
「ひとのこころとはなんぞやです」
たまにえらく哲学的な物言いをするのも原作通りですね。
どうも、妖精さんの頭には洗脳の概念は難しかったようですが。
それから、色々とお話して、試してみました。
が、
しかし、
はて?
「どうしました?」
「ここ、おなかまいないです」
「仲間がいない……?」
私は首を傾げました。
確かに、ここは彼らにとって異界です。
もしかすると、『人類は衰退しました』の原作で妖精さんが増えていたのは、誕生していたとかではなく、どこかからワープでもしてきたのかもしれませんね。
「やっぱり妖精さんはたくさんいてこそという部分もあるのでしょうね。
なので、一度送還して、また今度大量に召喚する準備をしてから再試行しましょうか」
「おなかまよばないです?」
「持ち合わせのお菓子が足りないので」
「ざんねんむねんです」
「すみません、それでは送還しますね」
この送還の儀式も、絶対に失敗しません。
召喚も送還も、結構魔力を持って行かれるので、1日にそう何度も繰り返すこともできませんが。
今日、発覚した問題は、以下の通り。
・妖精さんはお仲間がいないと寂しくてあまり働かない。
かといって、大勢召喚するとなりますと、管理が難しいですし魔力も馬鹿になりません。
幻想空間など、妖精さんの好きにして構わない空間が必要になりますね。
幻想空間は技術的ハードルが高く、原作でもあらかじめ完成されたものか、世界最強クラスの人が扱うものが登場しているだけです。
この辺は次の課題としましょう。
魔力も多少余ったので、風を吹かせながら家に帰りましょうか。
魔法使いの町に移住できたのは、結構よかったですね。
普通に練習していても咎められることがありませんし。
本日の成果
風の初等魔法による鍛練
試行回数、200回
成功数、182回
妖精さん初召喚!
妖精さん召喚に伴う問題が判明!
妖精さん召喚数0体(すべて送還したため)
以上。
つづく