【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】 作:ひろっさん
雨が降るという予報で降らなかったりする。
天気予報は信用しすぎてはいけないという教訓。
029 観客少数の弟子入り試験
「本格的に私が魔法使いだということがバレましたねー」
「いや、ネギちゃん、前から結構怪しかったじゃん」
修学旅行が終わって次の日は日曜日です。
アンディの方は主に3-A委員長、雪広あやかさんの部屋に連れ込まれ、大変なことになっているようですが、無視します。
早朝の鍛練は終わり、今は女子寮の部屋でくつろいでいるところです。
木乃香さんは刹那さんの部屋へ料理を作りに行きました。
なので、今はバイト帰りの明日菜さんと2人きりですね。
「アンディと同郷で幼馴染という点では、さすがに怪しかったですか。
朝倉さんにもそこを突っ込まれましたし」
「にしても、朝倉よねー。
まさか魔法を隠す側に来てくれるとは思わなかったわ」
「ちょっと脅しましたからねー」
「え、脅し……?」
明日菜さんがびっくりして聞き返してきました。
「ま、要するに、深入りすると記憶を消されるだけでは済まなくなるぞってことです」
「え、そうなの?
なんか、アンディが言ってたけど、魔法使いってみんな、マギなんたらを目指してるんでしょ?」
ま、その疑問も理解できるのですけれどね。
「世の中はそう単純なものではありませんよ。
『
「え、じゃあ、ネギちゃんは『
「目指していません」
きっぱりと否定しました。
私が現状のまま真っ当な方法でそれを目指しますと、
「その代わり、両親のことを調べようと思っています。
あまりに不可解なことが多過ぎますから。
調べ終わるまで、『本国』を信用して『
「不可解なこと……?」
「
母の話に至っては、まったく出てきません。
まるで意図的にその痕跡を消されたかのように、影も形もないのです」
「そっか」
納得してくれたようでした。
携帯電話が鳴ります。
スマホでないのは、私が必要としなかったのと、麻帆良学園の校則のせいです。
スマートフォンは、正しく扱えなければトラブルの種になりますからね。
ああ、子供の自由がどうたら言っていた、
子供がスマホを持つことを認めないのは横暴だ、スマホを持ってトラブルを起こせば学校の責任、行政の責任だと喚き立てるのですね。
私はあの手この手で説得に走りましたが……。
いえ、この話はやめましょう。
結局最後に父が出てきて、全部台無しにしてしまうのですから。
携帯電話でしたね。
茶々丸さんからの連絡でした。
「アンディがエヴァさんに弟子入りしたそうです」
「ええっ!?」
「さ、私達も行きましょうか」
「ちょっ、私まだパジャマ……!」
明日菜さんが慌てますが、無視して支度をします。
休日とはいえ昼間からパジャマな明日菜さんが悪いのです。
結局、慌てて脱ぎ散らかして着替え、とるものもとりあえず私についてきます。
明日菜さんがいると
仕方がないので簡易版魔力供給で身体強化し、走ります。
「わ、早い!?」
「イチイチ驚かないでください。
明日菜さんの前では普通に魔法を使うようになっただけですから」
「え、いや、うん。ま、いっか」
疑問はあれど、無理矢理呑み込みましたね。
物わかりのいい人は好きです。
エヴァさんの家。
相変わらずの、おしゃれなロッジです。
「あらまあ、さっそく『別荘』に入りましたか」
「別荘?」
「こちらです」
ロッジに人気がないのを見て、私は地下室へ向かいました。
見た目は、大きな瓶の中にお城が建っているというもの。
ボトルシップというそうですが、ひと抱えもある大きなものは珍しいでしょう。
それが城を中心に4つ配置されています。
それぞれ、エヴァさんが用意してくれた修行場です。
内部の物質は魔力で構成されており、何度でも修復可能になっています。
「そこの魔法円が入口です。一緒に入りますから手を繋いでください」
「え、うん」
明日菜さんは戸惑いながらも、私に手を差し出しました。
ひんやりしてますね。
ほぼ毎日新聞配達のアルバイトをしているからでしょうか。
それはともかく。
私達は『別荘』に入りました。
「さっそくやっていますね」
「わわわ、茶々丸さんとアンディが戦ってる!?」
円筒形のお城の屋上で、試験が始まっていました。
「ようやく来たか」
「エ、エヴァちゃん、これってどういうことなの!?」
「落ち着け。坊やが私に弟子入りしたいというのでな、ちょっと試験をしているだけだ」
「案外勝負になってますね」
「フン、強引な魔力供給が効いている間だけだ。
あれでは茶々丸を捕まえることなどできん」
――“試験の内容は『茶々丸を捕縛する』、だ”
「なるほど……」
アンディが原作より強くなっているせいか、試験の内容も1つ厳しくなっているようです。
「くっ……!
“『
アンディが連射モードで捕縛魔法を叩き込みます。
「わわっ、あれってネギちゃんの――!」
「毎朝、一緒に呪文詠唱の練習はしていましたから、ある程度は私の真似もできますよ」
「だが、密度が薄い」
「ただし、それに油断していると無詠唱にやられるという、いやらしい戦法ですが」
「どうせお前が教えたんだろう?」
「当然です」
私は無い胸を張って頷きました。
エヴァさんもありませんが。
「なんか、仲いいわねえ、あんたたち……」
「以前から、私はここで修業をしていましたからね」
「ええっ、そうなの!?」
「上位精霊の使役は、私が教えたものだ」
「ああ、あの卑怯臭い戦法ってエヴァちゃんが教えたんだ?」
「いや、あの戦法はネギが自分で考えたぞ」
あの戦法、というのは、風属性魔法を吸収する上位精霊に自分を守らせておいて、術者は風属性魔法で上位精霊ごと敵を薙ぎ倒すという、修学旅行中に妖怪軍団に卑怯だと言わしめたアレです。
「夏休み中に魔法世界に行く予定ですし、そのために修業を重ねてきたのですよ」
「それでも、『本国』をぶっ潰すと豪語するにはまだまだ足りんがな」
「私1人で足りることなどありませんよ」
「へ、へー……」
明日菜さんはついてこれていないようですね。
「明日菜さんも他人事ではありませんよ?
私が行くとなるとアンディが付いてきますから、そうすると明日菜さんも来るのでしょう?」
「え、あ、うん……。そっか、そうよね……」
「――というわけで、貴様も鍛えてやるからな、神楽坂明日菜。覚悟しておけよ」
「え゛」
「そうですね。明日菜さんは魔法無効化能力がありますから、それを軸に修行メニューを組みましょうか。
気を扱えるようになるまでに、地獄のような特訓が必要になるとは思いますが」
「えーっ!」
多分、原作通り刹那さん(♂)に剣術を習うことになるのでしょうね。
さて、そろそろ焚きつけましょうか。
魔力供給も切れて、ボコボコにされてますし。
「アンディー!この試験に合格したら魔法世界に連れてってあげますからー、がんばってー!」
「う、うおおおおおおっ!!」
アンディは私が応援するとなぜか魔力が暴走します。
恋の力とは思いたくないのですけどねえ……。
「あっ!?」
『はやいっ!?』
突然魔力が暴走し、加速した動きに対応し切れず、茶々丸さんがいいのをもらって、宙に浮いたところに無詠唱の『戒めの風矢』が決まり、捕縛完了です。
コンボがあまりにも早く決まったため、ジェット噴射で逃げる暇もありませんでした。
「お前、瞬動術なんて教えてたのか?」
「教えてませんよ。ただのマグレでしょう」
最後の一瞬、暴走時に噴出した魔力による加速は、足と足裏の地面を極大強化しての急加速でした。
それは原作でも語られていた『瞬動術』そのものです。
そうでなければ、茶々丸さんがああも綺麗に不覚を取ることはなかったでしょう。
私はエヴァさんに習いましたが、アンディにはまだ教えていません。
というか、早朝の練習もほぼアンディが私の真似をしているだけなので、特に何かを教えているというわけではありませんしね。
「案外、接近戦での才能は『原作』以上かもしれんな」
エヴァさんは呟きました。
「しっかし、アンディのアニキってばネギ様にゾッコンなんだなぁ……」
カモさんがそんなことを言いました。
魔力切れギリギリで魔力を暴走させたので、アンディは気絶しています。
「少し甘やかしすぎましたかね?」
「私に振るな」
「ところで、なんでカモってネギに様付けしてるの?」
これは明日菜さんからの質問です。
「以前、ちょっとお仕置きをしたことがありましてね」
「お仕置きって、何かやらかしたの?」
「罠にかかっていたところを助けた翌日に、私とネカネお姉ちゃんの下着を盗もうとしましたので」
「ああ、そういう……」
「目の前でカエルを解剖しながら脅したり、お尻の穴にストローを突っ込んで風魔法で空気を吹き込もうとしてみたのです。
昔の良い思い出ですよ」
「……」
どうしたことか、明日菜さんの顔が真っ青でした。
カモさんは耳を塞いで体を丸め、ガタガタ震えています。
「お前もなかなかえげつない趣味をしてるな」
エヴァさんだけが愉快そうに笑っていました。
「お褒めに預かり光栄です」
ちょっと過激な拷問が趣味な女の子は、お嫌いですか?
本日の成果
アンディがエヴァンジェリンの弟子入り試験に合格!
これからは一緒に修業することに。
以上。
つづく
修学旅行編が終わって、弟子入りの話に突入しました。
アンディは早朝、ネギ少女と一緒に魔法の鍛錬をしています。
なので、原作よりも若干実力は上です。