【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】   作:ひろっさん

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多分、6/22 くらいに投稿されてると思われます。

小説というのは、設定を詰め込み過ぎてもいけないらしい。


034 修行風景(不意打ち)

時間は少し遡ります。

私が悪魔召喚罠の紙束を妖精さんに複製していただき、野に放った後、つまり翌日のことです。

 

『ソロモンの指環』と魔道書『ソロモンの小さな鍵(レメゲトン)』について。

エヴァさんの言う通り、どちらもレプリカのようです。

指輪の方を右手の中指にはめて魔道書を開くと、画面が出ます。

 

「この状態で精霊のカスタマイズをするわけなのですか」

 

私は呟きます。

 

「魔法というよりSF的な匂いがするです」

「かっこいいかもー」

 

横で見ているのは、宮崎のどかさんと綾瀬夕映さん。

 

「ハルナが好きそうですね」

 

夕映さんが言ったのは、早乙女ハルナさん。

クラスメイトの同人漫画家です。

主にBL(ボーイズラブ)を中心に執筆活動をしており、麻帆良学園都市のコミケ的なイベントには必ず顔を出しているとか。

 

「うーん……、しかし、カスタマイズの幅が狭いのです……」

 

この辺は所詮、量産品と思っておくべきなのかもしれません。

 

詳しく説明しますと、これはカスタマイズされた精霊の性質に合わせて、(コア)となる呪符を作成するための魔法具なのです。

ページを1つめくるたびに設定項目が出てきて、大まかな精霊のタイプを設定し、最後のページに呪符に書き込む文字や紋様が浮かび上がるという仕組みです。

ただし、呪符を作るのは手作り。

 

特殊素材は術者の血が混ざった(インク)

紙やペンは何でも構いません。

結構面倒ですね。

やはり、所詮は量産品と思っておきましょう。

 

とにかく、これで(コア)憑き精霊使役が本格的に解禁されるわけですね。

今はそれを喜びましょう。

 

 

 

「“雲精召喚、『華麗なる親父時代』”」

 

早速試してみます。

暇そうにしていた小太郎君とアンディで。

召喚した精霊は『雲の巨人』。

 

「うおおっ!?なんやアレ!?」

「ちょっ、ネギ!?僕たち今休憩中!」

「休んでいる時にも敵の襲撃を警戒しましょう。

要約すると問答無用ということなのです。

一発目、“『雷の斧(ディオス・テュコス)』”」

 

私がメルディアナで習得し損なった、上位古代語魔法(ハイ・エシェント)なのです。

エヴァさんに教わりました。

 

「いいですね。

この短さで『雷の暴風』の3分の2程度の雷撃とは、チート臭い性能なのです」

 

確か、ナギが連携によく使っていたのでしたか。

エヴァさんもそう言っていましたし。

 

「“狗神(いぬがみ)”!」

 

小太郎君が黒い犬を20ほど召喚し、私に向けてけしかけてきます。

敵意はないことから、私にじゃれ付かせて動きを封じるのが狙いでしょう。

 

私にはアンディ以上の高速詠唱があるのを忘れていませんか?

 

「“『魔法の射手(サギタ・マギカ)』、雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()雷の1矢()”」

 

エヴァさんやチャチャゼロさんのように、一寸の見切り(グレイズ)などという真似をしてくるわけがありませんので、精霊の属性に合わせた『魔法の射手』で迎撃します。

 

しかし、相手もなかなかのものでした。

 

「“『魔法の射手(サギタ・マギカ)』、連弾(セリエス)光の37矢(ルーキス)”!」

 

足止めされている最中に、アンディが雲の巨人に的確にダメージを与えています。

さすがに避けながら詠唱するのは上手いですね。

私はそれができなかったために、砲台型を選択したのです。

どうせ運動神経はそこまでよくありませんよ。

 

「もういっちょや、“『狗神(いぬがみ)』”!」

 

小太郎君も私への足止めを追加。

 

ほほぅ、面白い。

私の足止めを小太郎君が担当し、アンディが雲の巨人を担当しますか。

しかし、私の物量に対して十分とは言えませんね。

 

「“風精召喚、『百兵横列陣』”」

 

下級精霊100体を展開、防壁とさせていただくのです。

 

「こなくそ!」

 

小太郎君が分身して、動きの鈍い下位精霊達を倒していきますが、やはりすぐに全滅とはいきません。

アンディも雲の巨人にかかりきり。

つまり、少しだけ時間ができました。

 

この隙に、上位精霊使役の本領発揮です。

 

「“風精召喚、『現代っ子の現人神』”」

 

私が次に召喚しましたのは、諏訪大社の巫女的な存在、『風祝(かぜはふり)』の少女の姿。

シューティングゲーム『東方Project』の色々と濃いメンツの中で、なお異彩を放つ存在、『東風谷(こちや)早苗(さなえ)』さんです。

 

何度も言っていますが、あくまで姿、イメージだけなのです。

二代目腋巫女と呼ばれている通り、(わき)を露出した格好ですね。

風を操る術などを得意としています。

 

「なんやっ!?」

 

小太郎君は今までに見たこともない姿の上位精霊に気付き、下位精霊の群れを倒しながら警戒します。

 

「“『風花(フランス)風塵(サルタティオー)乱舞(・プルウェレア)』”」

 

私は比較的詠唱の短い、突風の魔法を使いました。

もちろん、小太郎君を牽制すると同時に『風祝少女』に吸収させるためです。

 

「“押し返して”」

 

私が命じることで、AIが動きます。

実はAIが上手く起動するかは、ドキドキものなのですよ。

なにしろ、今までこのタイプを攻撃用には調整したことがありませんでしたからね。

 

(コア)憑き精霊使役専用の呪符を手に入れた成果でもあります。

 

『風祝少女』は小太郎君が肉壁の下位精霊を全滅させて接近してきますと、お祓い棒を振って唱えました(・・・・・)

 

『“風よ(ウェンテ)”』

「ぬあっ!?」

 

突然の突風が分身達の動きを少しだけ鈍らせ、その隙に『風祝少女』は分身の1人に接近し、お祓い棒で打ち据え、消し去ります。

分身体はそれほど密度が高くないため、簡単に消えるのですよ。

ちなみに声は私のを流用しています。

 

「“『風花(フランス)風塵(サルタティオー)乱舞(・プルウェレア)』”」

 

私も突風魔法で援護を入れました。

 

強風の中で自在に動き回り、魔力補充(チャージ)すると魔法を使う『風祝少女』に、小太郎君や雲の巨人を倒してこちらに来たアンディも、なかなか苦戦します。

 

『魔法の射手』や『狗神』では、『風祝少女』の初級風魔法で軌道を曲げられてしまうのが大きいようですね。

まだそこまで攻撃力は高くないのですが、なかなか使えそうなのです。

 

とはいえ。

さすがに2人がかり。

お互いに決定打がなく、私も突風魔法を連打するので精一杯になってしまい、結局双方の魔力切れで決着となりました。

要するに引き分けです。

2人がかりでも稽古で疲れていたのが主な原因でしょう。

 

 

 

「なんやあの精霊、魔法使っとったな」

 

ひとしきり休憩した後、小太郎君が聞いてきます。

やはり気になるようですね。

 

「今のところ、『風よ』だけしか使えませんけれどね。

属性魔法で補充(チャージ)する限り、魔法が使えるようにもできるのです」

 

実戦では、修学旅行で敵の幻想空間に捕まった際、逃げるために使っただけなのですが。

あれはAIもほとんどない、ただ存在を維持している魔力を消費して魔力を使用するだけの囮です。

 

「あれって、もうほとんど従者だよね?」

「アンディが頼りにならない時の保険としては十分でしょう」

「あうぅ……」

 

いえ、不十分ですけどね。

アンディの涙目が見れたのでよしとしますが。

 

「しかし、やはり現状では『烏天狗』の方が性能は高いようですね」

「あれは……反則や」

「詠春さんはフル充電(チャージ)でも鼻歌交じりに避けてましたよ?」

「あのオッサン、強過ぎやろ」

「オッサンって……西の長だから強いのは当たり前だよ」

 

ちなみに、詠春さんはまだ麻帆良に滞在していまして、刹那さんに稽古を付けています。

さすがに私用でそう長く協会を空けるわけにはいきませんので、明日には帰るそうですが。

 

一応、刹那さんの休憩時間に、皆にも一通り稽古を付けていただきました。

現状の私達では、束になっても勝てる気がしません。

まあ、私が問題しかない切り札を使えば話は別でしょうけれども。

稽古で使うなんて、そんなもったいないことはできないのです。

 

 

 

「おい」

 

休憩していますと、エヴァさんが底冷えのする声で話しかけてきました。

 

「小僧ども、貴様らは2人がかりでネギ1人にも勝てんのか?」

「ヒッ……!」

「いや、そやかて、相手は……」

「問答無用だーッ!

今すぐ鍛え直してやるから立てぇぇぇい!!」

「私は『烏天狗』のパターンを追加してきます」

 

私はさっさとアンディ達を見捨てて逃げます。

 

「ああっ、ネギーッ!?」

「骨は拾いますが無縁仏にしますからご心配なく」

「酷ぉっ!?」

 

小太郎君の非難を聞く前に、私は瞬動でその場を去りました。

 

呪うのでしたら自分の妙なフェミニズムを呪ってください。

『風祝少女』を召喚する詠唱中に気弾攻撃が来ていれば、私は負けていたのですから。

下位精霊程度の存在力なら、気弾攻撃を貫通させることも難しくないそうなのですよ。

そうなれば、私は詠唱を中断して避けざるを得なかったのです。

 

つまり、この状況は小太郎君の変な遠慮の結果。

自業自得というやつなのです。

アンディ?

知りませんよ。

 

 

 

 




本日の成果

精霊召喚セット研究開始!
実験台にはアンディと小太郎を選択――引き分け。

以上。

つづく



さり気に一寸の見切り(グレイズ)使いにチャチャゼロ追加。
ついでに、修学旅行編で活躍した、精霊に魔法を使わせる技法が登場。
この時はまだ大したことはできません。
試行錯誤中ですし、今はこれで許してください。

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