【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】 作:ひろっさん
魔法や超能力って、結構扱いが難しい。
もっと頭空っぽにして作れないもんか。
夜、『
私は銀髪長身のメイドさんを超さんと葉加瀬さんに紹介していました。
「マキナ、と名付けてみました」
このメイドさん、昨日、私が妖精さんから最後に受け取った、あの
姿は短い銀髪の、切れ長のまつ毛に吊り目の女性で、スカートの短いメイド服を着ています。
なんというか、こう言った方が分かりやすいかもしれません。
『東方Project』の登場キャラ、人気ナンバー1に輝いたこともある紅魔館のメイド長、『十六夜咲夜』さん。
もろにあの世界から飛び出してきたかのように、そのまんまです。
私の精霊使役の似姿のモデルが同シリーズの登場人物を模していますので、妖精さん達がそれに合わせたのでしょうか?
属性付きのイメージとして、結構扱いやすいのですよね。
「エヴァさんに教わって魔力を注入してみた結果、何か別のものになってしまったようなのです」
もちろん、嘘です。
ただ、姿が原形を留めていないため、こう紹介するしかなかったのです。
あれは明らかに未来の技術をもすっ飛ばした何かの力ですから。
『よろしくお願い致しますわ、私の創り主の方々』
「よ、よろしく……」
人間と変わりない微笑みを向けられて、
本当に関節の継ぎ目もなく、皮膚の下で筋肉が動いているのが再現されているほどの、生身の人間そのものです。
声が若干機械っぽくなければ、とても信じられなかったでしょう。
「なんか、原型留めてないヨ?」
こっちみんなし。
私だって予想していなかった展開なのですよ。
「
一緒に来ていたエヴァさんが言いました。
「日本には、大事に百日使われた道具は神になるという伝承がある。
だから、99日で捨てたり、供養したりする行事があるそうだ。
この話は概ね実話でな。
チャチャゼロもそうだ。
最初は私の魔力で動かしていたが、私を狙う賞金稼ぎどもを殺している内に、魂を持つようになった。
魔力こそ私に依存しているがな」
原作『ネギま!』では、エヴァさんが魂を吹き込んだみたいな描写がありましたが、この平行世界では若干異なるようですね。
「でも、そんなに長く使われていたわけじゃないですよ?」
「そうネ。ずとロボ研の片隅で眠てたヨ」
「だが、心残りはあったんじゃないのか?」
「――」「……」
指摘され、2人とも押し黙ります。
「もちろん、ただの未練でこんな短期間に魂を持つわけがない。
別の要因もあるんだろう。
例えば、繰り返し魔力の放射に晒されていた、とかな」
「茶々丸の整備カ……」
「そんなことが……」
私も驚きです。
エヴァさんのこの説には、説得力があるのですよ。
騙そうとしていない、人形使いの専門家としての、エヴァさんの意見なのでしょう。
彼女が言うような環境で僅かながらに発生していた魂を、妖精さんがサルベージ、1つの個体として自我を定着させたのです。
魂の領域にまで踏み込むとは、相変わらず凄まじい科学力ですね。
しかし、それを言ってしまうわけにはいきません。
「そして、私が注入した魔力で、半端に発生していた魂が定着した、ということでしょうか」
「おそらく、な」
エヴァさんは頷きました。
「その理屈でいけば、茶々丸にも魂が発生してるってことになるんじゃ……?」
葉加瀬さんは呟きます。
「それを確かめるには、『
『え……』
茶々丸さんが動揺します。
おや?
「どしたネ、茶々丸?」
『い、いえ、なななんでもありません』
何か動揺しています。
この平行世界ではあまりそういう素振りは見せなかったように思うのですが、まさか恋でもしたのでしょうか?
相手は?
まさかアンディに?
この平行世界においては、原作ネギ少年=アンディですから、あり得なくはない話なのですが……。
それはそれとしておきましょう。
『彼女は私の妹、ということでよろしいのでしょうか?』
マキナは誰にともなく尋ねます。
彼女、というのは、茶々丸さんのことでしょう。
「うん、まあ、そうなるのかネ……?」
だからこっちみんなし。
……解釈としては微妙なのですよね。
素体が作られたのは確かにマキナが先ですが、少し動かして問題点を洗い出してからは、ずっと隅っこで眠っていたということなので。
自律型のロボットとして自我を得たのは、茶々丸さんの方が先なのです。
どの時点で誕生したとするべきなのかは、ニワトリが先か、卵が先かという議論になってしまいます。
『残念です』
「えっ!?」
葉加瀬さんが驚きの声を上げました。
『彼女が弟なら、禁断の恋に溺れる姉の立場を味わえましたのに……』
「はぁ……?」
『いえ、女性同士というのも、それはそれで背徳感があって悪くないかもしれませんわ。
はっ!ということは、ここはとてつもないハーレムということに――!』
「……」「……」「……」「……」「……」
私も含め、音速で置き去りにされました。
「とりあえず物欲しそうな表情でこちらを見るのはやめて下さい」
『
「これは、下手な命令をすると、とんでもないことになりそうなのです……」
「従者を持つ主の宿命だ。諦めろ」
エヴァさんは遠い目をして溜息を吐きます。
過去に何かあったのでしょうか?
「優秀な部下というのも、それはそれで気苦労が絶えんものさ。
部下が処理できないような厄介事や、部下の仕出かした不始末というのも、すべて主が責任を持たねばならんからな」
権力者はただふんぞり返っていればいいというわけではないのです。
実力がなければ、実権を他者に奪われて、軟禁生活になってしまいますからね。
どこかの国の王のように、洒落にならない実力と影響力を持つがゆえに、政治に係わることができなくなったケースもあるようですが。
「契約、はやまりましたかね?」
「契約解除した場合も面倒なことになりそな気がするネ」
超さんも溜息を吐きます。
彼女も何かあったのでしょうか?
「大丈夫ですよ、何があっても私達がサポートします!
いえ、させて下さい!
私達が作ったロボットが妖怪化しただなんて、こんな興味深いサンプル、逃がしませんからね!」
「ハカセさんは本音を我慢できない人なのですね……」
私は深々と溜息を吐きました。
前世のアレも大概でしたが、これはこれで色々と厄介なのです。
「それで、マキナを戦力として超さんの計画にお貸ししようと思っていたのですが……」
私は提案します。
『タイムバナナ』で無限ループを作る以上、決定的な戦力差となる要素は必要なのです。
超さんの切り札は、それはそれで普通の発想では越えられませんが、成長を期待するという意味ではそれ以上の難関を用意しなければなりません。
「ネギ娘本人は協力できないということカナ?」
「はい、学園祭最終日では、私もやらなければならないことが多いのですよ」
「それは、例の計画の話カ?」
「はい」
私は頷きます。
ここにいるメンバーには、世界を救うための私の計画について、大筋で話していますからね。
「と、いうことは、アルか」
「そうです。場合によっては儀式の準備に走り回る必要もありますし、超さんの計画を手伝うのは難しいかと」
アル、というのは、アルビレオ・イマのことです。
私の計画にとっても重要な人物なのですが、今でなければ起きていませんので、今まで接触ができませんでした。
原作ならどうかわからないのですが、この平行世界では、麻帆良学園祭のこの時期でなければ起きていないようなのです。
というのも。
入口の
その際に探し回ったのですが、結局見つかりませんでした。
エヴァさんに同伴いただきましたので、間違いないと思います。
「詳しい話は聞いていいカナ?」
「アンディのことですよ。
そろそろ、予知にも出て来なかった、真実に触れる必要がありますので」
「スデに、私が知てる未来とはかなり違てるネ。
どんな真実が出てきても、気をしかりと持つヨ」
「大丈夫ですよ。予想外のことには慣れました」
本当に、色んな意味で。
さて、表のお話はここで一旦終わりにしておきまして、次はアルさんに会いに行くお話です。
読者の皆様方、SAN値の蓄えは十分ですか?
次はとっても酷いお話ですので、体調の悪い方は気分を悪くしてしまう可能性があります。
睡眠は十分ですか?
食事、水分の補給は十分ですか?
風邪気味だったりしていませんよね?
覚悟を決めた方だけ、次を開いてください。
もう充分に酷いお話ですって?
それは言わないお約束なのです。
本日の成果
麻帆良学園祭準備中(裏)!
マキナ登場。
以上。
つづく
妖精さんがやらかした結果とはいえ、これ以上戦力増強してどうすんだと言いたい。
当時の私ひろっさんは何を考えていたのやら(笑)