【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】 作:ひろっさん
風邪がなかなか治らない。
まだコートが手放せないとは…。
村襲撃事件から4ヶ月が経過しました。
いよいよ私もメルディアナ魔法学院に入学します。
「それでは行ってきます。ネカネお姉ちゃん」
「……行ってらっしゃい」
直前までハンカチやティッシュ、下着や靴下を持ったか心配していたとは思えないほど、柔らかな笑顔で見送っていただけました。
切り替えるのが上手いと言いますか。
「ネェェェギィィィィッ!!」
「“プラクテ・ビギナル、
「ぶふぉぅ!?」
学校の敷地に入って早速飛び付いて来た1つ上の幼馴染は、飽きるほど繰り返した風の初等魔法でぶっ飛ばします。
こっちの魔法は、魔力を過剰に込めればその分威力が上がるのがいいですね。
「と言いますか、上級生の女子からの視線が超痛いのですが?」
さすがは天然ジゴロなアンディです。
既に何人か女子を無意識に落としているようですね。
男子からの視線もちらほらあります。
おそらく、私が大英雄の実の娘であることが既に知られているのでしょう。
とにかく、無事入学式も終わり、魔法学院での生活が始まりました。
「荷物、結構多いな」
「女の子ですから。それからアンディは終わるまで出ていて下さい。
荷解きまでで結構なので」
「えっ!?」
「対アンディ用の罠をアンディに見せるわけがないでしょう?」
「は、はい……」
私が押すと、アンディはすごすごと部屋を出ます。
それを見かねたのか、同室の女の子が声をかけてきました。
上級生です。
「どうして幼馴染なのに、そんなに冷たいの?」
「アンディの無意識セクハラを見たことはありますか?」
「え、う、うん……一応……」
ポッ、と顔を赤くします。
この人、被害者ですね。
「私に対してはそれが50倍以上になるのです。
村にいた頃は家の中が主でしたし、そこまで気にしませんでしたが、寮に下宿するということは、公衆の面前でパンツをずり降ろされたりするわけですよ。
しかも、パンツのゴムが切れたり破けてしまったりすると、数日後に買ってくるのです。
それだけならまだマシですが、色を合わせることはしますが、種類を合わせることをしません。
なので、実家には子供用のTバック、Oバック、フンドシなどというコアな一品が、今もタンスの奥に眠っています。
渡す場所も考慮しませんから、ここでは公衆の面前で渡されるわけですよ。
――私が警戒する理由、理解できましたか?」
「う、うん……」
どちらかというと、私の剣幕に圧されたようです。
内容は半分も理解していないでしょう。
これだからガキは、なのです。
といいますか、4歳でここまで酷い羞恥プレイを経験している幼児もいないでしょうね。
閑話休題。
大雑把なカリキュラムをタカミチから教わっていたとはいえ、やはり授業はいいものです。
ノートには、教師が教えることを深く考察した内容が、ぎっしりと詰まっていきました。
実技でも、私ほど初等魔法に熟練した生徒はいないようです。
4ヶ月間欠かさず行った練習のおかげで、1日千回は詠唱できるようになりました。
ただ、詠唱速度に魔力を練り込むのが追い付かない事例がちらほらと出始めています。
それでも成功率は9割台をキープ。
悩みは、成功数が400を超えたあたりで魔力切れを起こすことですね。
なので、どうしても休憩しながらになってしまいます。
おかげで早口言葉は得意になりましたが。
魔法学校では、魔法勉強カリキュラムの効率化と幻想空間の研究、基本的な攻撃魔法や防御魔法の取得を目指します。
感謝の呪文詠唱1万回は、魔力切れになっても安全なので遠慮しなくていいのが良いですね。
肉体の方も、無茶をするたびに強くなっていくので、咽喉の粘膜も順調に強化されています。
後は、身体を動かすのが若干苦手というところでしょうか。
これは私が前世運動音痴だったのが原因だと思いますが。
肉体側の才能でも打ち消し切れませんでしたか……。
とにかく、アンディのセクハラをかわしつつ、私はメルディアナ魔法学院で知識の収集や魔法の鍛練を繰り返し、着実に原作に向けて実力を上げていきました。
それがまさか、あんなことになるなどとは夢にも思わずに。
6年後。
「“ラス・テル・マ・スキル・マギステル、
ダダダダダ、と速射砲のように魔法の矢が放たれます。
これが、感謝の呪文詠唱一万回を達成した成果でした。
詠唱短縮、です。
短縮する部分は短縮し、準備に魔法を練る速度も高速化。
無詠唱ではないため、それほど難しい技術も必要ありません。
『魔法の射手』は、詠唱や技術が難しくない代わりに、威力が一定というデメリットがありますが、逆に言えば発動さえすれば一定の威力が出るので、最低限の魔力や詠唱に短縮できるのが強味です。
『魔法の射手』、『風花、武装解除』、『風精召喚』、『眠りの霧』、『風花、風塵乱舞』、『雷の暴風』、『白き雷』まで、攻撃系の魔法は修めました。
しかし、本来この時点で情報だけは入手していたはずの『千の雷』や『雷の斧』についての情報は、入手できていません。
鍛錬に時間を取っていたのと、安心と信頼のアンディ、それに幻想空間の魔法具の入手に時間を使っていたのが原因です。
「冬にアンディが武装解除で私を3回も全裸にしたりしなければ、もうちょっと時間がとれたのですけどねえ。ねえ、アンディ?」
「ううううっ!」
そこはいつも通り言葉責めにて溜飲を下げます。
ま、しばらく『雷の斧』も『千の雷』も必要ありませんし、日本へ行けばエヴァさん辺りに師事しましょうかね。
幻想空間の巻物『童話の地』も手に入りましたし。
そう広い空間はありませんが、妖精さんを囲っておくには十分でしょう。
かなり場面は飛びますが、卒業式です。
原作通り、私は飛び級で卒業しました。
アンディと同時の卒業です。
卒業式にはネカネお姉ちゃんも駆けつけてくれました。
皆も祝福してくれましたし、大英雄の娘の角出としては相応しい門出だったのでしょう。
最後の卒業試験は、修練場であるスコットランドの森に出没する魔獣を倒すことでした。
ここではサバイバル研修や課外授業など、色々とやりましたね。
主にアンディの無意識セクハラとの戦いでしたが。
6年間で回避72回、生贄18回、半減58回、全裸4回でした。
課外授業だけでこれです。
最初はイジメ的なこともあったのですが、アンディからの無意識セクハラの酷さが勝り、次第に周囲の対応も同情的になりました。
むしろ私がいると優先的に被害が私に集中するため、アンディ避けの平井信的な――失礼、平居真的な――失礼、雷避け的な扱いをされていたのです。
むしろ私が超美少女に育っていたため、アンディの扱いの方が散々だったようです。
同情はしませんが。
お金もあげません。
「同情するなら金をくれ」というフレーズは一時期流行語になったのですが……いえ、やめましょう、年代がバレます。
とにかく、武装解除系が暴発するほど、アンディも実力も魔力効率も上げてきました。
私を守ると公言しているのですから、ある程度は強くなってもらわなければ困りますが。
すみません、実は現実逃避していました。
原作に進むならそう悪くない結果だったのですが……。
ええ、全裸にされたり、公衆の面前で買ってきた下着を渡されたりしたことを現実逃避として語っていたのです。
覚悟はいいですか?
では、最初の原作大幅改変ポイントです。
『日本で先生をやること』
説明しますと、一人前の魔法使いとして認められるための、卒業後の試練があるのです。
それは卒業証書、精霊を宿した証書に文字が浮かび上がることで、内容が判明します。
その内容は未来予知などと併用して決定されるもので、学院が操作しているわけではありません。
なお、原作『ネギま!』の最初の最初で出てくるのが例の一文でもあったりします。
この世界でも同じ文言が出てきました。
ええ、何の問題もないのです。
いえ、問題だらけです。
問題だらけなのです。
大事なことなので2度言いました。
では、問題の部分を発表しましょう。
この文章が出たのが、
ちなみに私のは、『日本で生徒をすること』でした。
どうしてこうなったし。
本日の成果
『魔法の射手』による鍛練
試行回数、10000回
成功数、10000回(コンプリート!)
各種魔法を習得!
スキル『詠唱短縮』を習得!
幻想空間内蔵型の巻物『童話の地』を入手!
妖精さん召喚数120体
以上。
つづく
『ロンドンで占い師』という案もあったんですが、いくつかの理由で没にしました。
多分、後でわかるかと思います。
あと、感想でご指摘のあった電磁鬱対策も『童話の地』に込めています。