【ラスボス】外道幼女が行く、ネギま平行世界【逃げて】   作:ひろっさん

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6/28 くらいに投稿されてるといい感じ。

必勝法を編み出したゲームをやり直すのは、思いの外つまらないということを知った。
ネット情報も良し悪し。


040 3-A、幽霊騒動

「強さってなんやろ?」

「はい?」

 

夜、休憩がてら『別荘』に入っていた私は、小太郎(ちびいぬ)君と綾瀬夕映(おでこ)さんから質問されました。

 

「アンディ先生のスケジュールが詰まってきたことについて話し合っていたですが、この生意気な男子脳が、『恋愛で悩むような奴が強さを語れるのか』とほざきやがったですので、口論になったのです」

「……それで、決着を付けるために、私に?」

「そうや。吸血鬼の姉ちゃん、今おれへんし」

「あー、エヴァさんは囲碁部がどうのと言っていましたね……」

「実際に強くて頭の良い人が、他にネギさんしかいませんでしたので」

「まあ、そうかもしれませんね……」

 

もう1人可能性があるとすれば長瀬さんですが、あまりこういうことを語るのが得意とも思いません。

なんやかんや言って誤魔化すのが関の山でしょう。

バカブルーですし。

 

それにしましても、一応は原作にもあったイベントですね。

『強さ』に『恋愛』はいいものなのかどうかという、小太郎君と綾瀬夕映さんの口喧嘩なのです。

まさか私が仲裁することになろうとは思いませんでしたが……。

 

「説明してもいいのですけれど……。理解できるのですか?」

「このチビスケよりは理解出来るつもりやで」

 

小太郎(クソガキ)君は自信ありげに言いました。

うわぁ、面倒臭い。

 

「すみません、綾瀬さん、私では小太郎君を納得させることはできそうにありません」

「えーっ!なんでぇ!?」

 

小太郎君は抗議の声を上げますが、私は渋い顔で話します。

 

「恋愛も強さも、議論するにはとても難しいお題なのですよ。

少なくとも小太郎君は、恋愛は分からないでしょう?

それなら、強さと恋愛がどう絡んで、どういう形がいいのか悪いのか、理解できないはずです」

「ぬ……」

 

ただの正論です。

 

「私が言えるのは、『武』にとって恋愛経験がそれほど悪いものではないということなのです」

「えっ、そうなんか!?」

「私は、小太郎君に毎日、瞑想をさせているでしょう?」

「あ、ああ……魔法使うのにええって話やな」

「私もやってるです」

 

皆にやっていただいています。

 

「『武』は、レベルが近い者同士ですと、最後に物を言うのは感情制御、平静を保つ技能です。

どんな時も冷静に頭を回転させ、どんな事態にも対処する。

人生の中で、恋愛以上に心を乱す要素もそうそうありません。

そういう大きな心の乱れを経験しておくことは、感情制御の訓練にはプラスに働くのですよ」

「そ、そうやったんか……!」「……?」

「嘘です」

「えーっ!?」

 

小太郎君、声が大きいです。

私のもっともらしい嘘に首を傾げた夕映(おチビ)さんはさすがです。

 

「ほら、今、私がテキトーに言った嘘も、小太郎君は見抜けなかったでしょう?」

「ぬっ、ぐぬぬ……」

「瞑想が平静を保つ訓練になるというのは本当ですよ。

『武』というものにおきましては、感情制御も重要な技能の1つです。

ただ、恋愛、愛情というものにつきましては、感情として複雑過ぎますので、それが強さにどう作用するかを解明した人は存在しません」

「えっ」

 

夕映さんは意外そうに私を見ます。

 

「私はお爺様に、『愛を知らぬ者が、本当の強さを手に入れることは永遠にないだろう』と聞いたのですが……」

「私が言っているのは、統計的なお話ですよ。

愛情を経験し、溺れることなく自分の糧にできた人は、確かに強くなれるのでしょう。

しかし、愛に溺れて歴史の表舞台に出られなかった人というのも、相当数いるのです。

なので、正解とも間違いとも言えるのですね。

――すみませんね、私は哲学的なお話ができるほど、人生経験を積んでいないのですよ」

「あ、いえ、こちらこそすみません。難しいお話を振ってしまったです」

 

私と夕映さんは、お互いに頭を下げ合いました。

 

前世、アラサーまで生きたと言いましても、所詮はアラサー。

ガチ哲学者である夕映さんのお祖父さんが言ったことを、完全に理解できるとは思えません。

何より、私の前世は特殊過ぎますからね。

元政治屋の転生者とか、考えてみれば誰得ですが。

 

 

 

 

 

 

 

3-Aの学園祭の出し物ですが。

原作通り『お化け屋敷』に決定しました。

超地味幽霊(スーパーステルス)、相坂さよさんの出番です。

 

これは原作設定でもあるのですが、魔法使いというのは魔力の密度や繋がりを感知できます。

その感知能力は実力を上げるほどに高まっていきまして、エヴァさんクラスになりますと、さよ(ステルス)さんが見えるそうです。

 

オリジナル設定で、探知魔法にはこの感知能力を高めるものもありまして、頑張れば私もそこに何かいるということはわかるようですね。

いえ、探知魔法を使うと、大抵ははっきり見えるはずなのですが……。

お墓なんて、結構ウジャウジャいますよ。

さすが麻帆良結界の中のためか、障るような悪霊はいませんけれども。

 

それで、相坂さんですが。

やっぱり準備期間中の夜に出てきました。

それで大騒ぎ。

 

「刹那さんや龍宮さん的にはどうなのです?」

 

私は特に動じず、専門家のお2人(男子)に意見を聞きます。

 

「ああいう温厚な地縛霊でも、呼びかけに応えれば寄ってくるさ」

「ええ、おそらく、アンディ先生が無意識に応えたのが原因と思われます。

依頼があれば払うなりしますが、今見ていても特に障るようなことはなかったですし、放置しても特に問題はないでしょう」

 

『障る』というのは、生きている人間に悪さを働く、特に悪意を持って人間に接することを言います。

いえ、原作にはそんな言い方ありませんよ。

この説明のために作った設定です。

 

それと、呼びかけに応えると寄ってくるというのは古い怪談にもありまして、幽霊や妖怪の中には、人に呼び掛けて、応えてもらった人に憑くという話があるのです。

食い殺すでしたっけ?

まあ、そんな話があるのですよ。

 

なので、呼びかけに応えれば幽霊や妖怪というのは活性化するのです。

原作では、60年も寂しく幽霊生活していた時に、気付いてもらえたために頑張って、それが騒ぎになってしまったという、そういうお話なのです。

それ以降、隣の席だった朝倉和美さんに憑いていて、取材などで協力していたようですが。

 

良い子なんですよ。

 

「幽霊の寄り代に使う呪具みたいなのって、ありましたっけ?」

「憑かせるんですか?」

「皆から認識されていた方が、クラスメイトとしても扱いやすいでしょう」

「エヴァンジェリンなら持っていそうな気もするが……」

「んー、持ってなかったと思います」

 

私は人差し指を唇に当てて、龍宮真人さんの質問に答えます。

 

「そんなことまで知ってるなんて、仲がいいんだなぁ」

「アンディ強化計画に協力していただいていますからね」

「いや、それにしたって……」

「こまけえこたあいいのです」

 

私は強引に押し切りました。

本当の計画まで話してしまうわけにはいきませんからね。

 

 

 

翌日。

幽霊の討伐隊が結成されました。

とはいえ、超さんと葉加瀬さんが作った除霊銃を装備した素人達ですが。

 

刹那さんが切り札として雇われていますが、あからさまにやる気がありません。

とりあえず、校舎を傷つけないようにしようとか言っていました。

 

ちなみに、龍宮さんは断ったそうです。

刹那さん1人でどうにでもなるでしょうし、何より悪霊でもないのに女の子を追い詰めるのは気分が乗らないとか。

イチイチかっちょいい人ですねえ。

 

では、そのドタバタはダイジェストで。

 

その1。

宮崎のどかさんのアーティファクト『いどのえにっき』で、交信を図ります。

しかし、チート性能と名高い彼女のアーティファクトですら、断片的にしか心が読めず、まるで友達(意味深)を求めているような、そんな文面となっていました。

それが誤解を呼んで、討伐隊が防御形態へ。

 

その2。

誤解を解こうと頑張った結果、机や椅子が浮き上がる、ポルダーガイスト現象へ。

朝倉和美さんが写真に撮っていました。

 

その3。

さらに誤解を解こうとして、窓に『ごかいデス』という血文字が。

これも『5回殺す(デス)』に勘違いされ、騒ぎを助長。

 

その4。

またまた誤解を解こうとして、クラスメイトの1人、明石裕奈さんに取り憑いてみたり。

当然、騒ぎを大きくしただけでした。

ついに除霊銃が火を噴き、明石裕奈さんがもろに巻き込まれてダウン。

気絶していますが命に別条はありません。

魂を傷つけたりもしていないようです。

 

「なんだか、クラスのみんながいる方が騒ぎが大きくなる気がしてきました……」

「ははは……」

 

ここで、ついに刹那さんが呼ばれます。

 

――“とりあえず捕獲する方向でお願いします”

――“承知”

 

桜咲刹那さん(♂)はさすがにプロの退魔師なだけあって、的確に神鳴流の剣で追い込み、結界での捕獲を試みました。

しかし、さすがは超地味幽霊(スーパーステルス)さん。

刹那・F・セイエイさんも、『そこに何かいる』程度しかわからず、なかなか時間がかかっているようです。

 

ですが、やはりそこはプロの業と言いますか。

ついに結界の中に捕縛することに成功しました。

 

「ここまで手古摺るとは思わなかったが……。

さすがは先生方も気付かなかった隠密性だ」

 

私が指摘しなければ、今の今まで気付かなかったでしょうね。

 

「待って下さい!」

 

そこへアンディがやってきました。

 

「さよさんは、ただみんなと友達になりたかっただけなんですよね?」

『あ、ありがとうございます』

 

原作通りのハッピーエンドです。

すぅ、と姿が消えていきますが……。

 

探知の術を展開している私と刹那さんには、そこにいることはしっかりと把握しています。

が、やはりアンディは成仏したものと勘違いし、感動のエンディングに突入した模様です。

 

「では、何か人形を用意しますので、それに憑いてみますか?」

『は、はい!』

 

あ、自分の姿が認知されてちょっと嬉しいのか、感情が昂ぶるとちょとだけ姿が見えますね。

ま、そういうことで、幽霊事件は解決なのです。

 

「えっ、まだいるの!?」

「探知魔法、無詠唱でもいけるでしょう?」

「え、あ、そうだった……」

 

アンディは時々、凄い馬鹿なのです。

 

 

 

 




本日の成果

麻帆良学園祭準備中。
謎の幽霊生徒、相坂さよ捕獲、クラスメイトとして認識されるように。

以上。

つづく



幻掃除機を使わなかったのは、妖精さんグッズについて露見するリスクを負うほどのことではなかったからです。

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